国道45号(こくどう45ごう)は、宮城県仙台市から太平洋沿岸や青森県十和田市を経て、青森市に至る一般国道である。
概要
宮城県より、三陸海岸を経て青森県へ至る路線である。
1963年(昭和38年)に一級国道45号として指定された当時は八戸市 - 仙台市間だけで延長507.4 kmにもおよぶ長大路線で、一部区間では車両通行が不可能だった。総延長は国道58号に次ぐ2位。実延長は国道4号に次ぐ2位。1972年(昭和47年)完成の一次改築によって同区間は411.2 kmまで短縮され、所要時間も5時間以上短縮された[1]。
岩手県下閉伊郡岩泉町の小本地区の中野峠には最大10 %という急勾配と急カーブが2 kmにわたって続く当線最大の難所である中野坂[注釈 1]があり、特に久慈方向から宮古方向は非常に急な下り坂で[注釈 2]途中に3箇所、久慈方向からの緊急避難所がある。さらに、久慈方向からの降坂車が制限30 km/hを超えた場合、従来の電光表示と併用して警告音を大音量で鳴らす特殊仕様オービスもある。これを改良するため、三陸北縦貫道路整備の一環も兼ねて中野バイパス(現・岩泉道路)の整備[2]が行われ、2010年11月28日に開通した。
国道45号は、中野坂以外にも、リアス式海岸の段丘部と市街地や港のある低地とを交互に通過するため、段丘を上り下りする急坂やカーブが多い。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[3][注釈 3]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
歴史
国道45号は、1953年(昭和28年)に指定された二級国道111号八戸仙台線を前身とする国道である。その後、二級国道のなかから重要な路線として認められ、1963年(昭和38年)に他の二級国道102号八戸弘前線の一部区間と統合するかたちで、一級国道の第三次路線指定を受けて、一級国道45号として指定された路線であった。その当時は、三陸のリアス式海岸の特徴でもある長大な海岸線沿いに道路が走っていたことから、岩手県内だけでも約330 kmもの道路延長があったうえ、道路の状態も悪く、通行に10時間以上を要する道路でもあった。1965年(昭和40年)に道路法が改正されて、一級・二級国道の統廃合により、一般国道45号となった。国道指定以来、バイパスなどの道路改良が続けられ、現在では道路延長が100 km近く短縮されている。
年表
- 111号(仙台市 - 八戸市)、102号の一部(八戸市 - 十和田市)を昇格。十和田市 - 青森市間は国道4号と重複。111号は欠番に。
災害について
- 2011年(平成23年)3月11日 - 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)とそれに伴って発生した津波などにより、落橋、道路流失、法面崩落など、甚大な被害を受ける[7][8](東日本大震災)。
- 2012年(平成24年)2月3日 - 石巻市成田付近で震災によって法面が大規模崩壊して通行止になっていた箇所が開通した。これで国道45号の震災の影響による通行止はすべて解除された。
路線状況
陸奥国府・多賀城、日本三景の一つである松島、三陸海岸などを経由するため、東北地方における観光ルートの面を持つ。常磐海岸を経由する国道6号と共に、日本の東海岸における主要国道の一つである。
自動車専用道路
有料道路
- E6 / E45 仙塩道路・仙台松島道路 (鳴瀬道路) (宮城県)
- E4A 百石道路
バイパス道路
別名
重複区間
- 国道346号(宮城県仙台市 - 宮城郡松島町・根廻交差点、宮城県気仙沼市本吉町 - 宮城県気仙沼市・松川IC)
- 国道398号(宮城県本吉郡南三陸町戸倉 - 本吉郡南三陸町志津川五日町)
- 国道284号(宮城県気仙沼市・松川IC - 岩手県陸前高田市)
- 国道4号(青森県十和田市三本木 - 青森市・青い森公園前(終点))
- 国道394号(青森県上北郡七戸町影津内 - 上北郡七戸町上町野)
道路施設
主なトンネル
道の駅
地理
通過する自治体
交差する道路
バイパス道路のうち、三陸沿岸道路・上北自動車道からの接続路線を除く(それぞれの接続路線については各記事を参照)。
- 一般国道・高速道路
- 県道
主な峠
- 横山峠(標高150 m):宮城県登米市 - 本吉郡南三陸町
- 只越峠(標高140 m):宮城県気仙沼市
- 通岡峠(標高173 m):岩手県陸前高田市 - 大船渡市
- 大峠(標高321 m):岩手県大船渡市
- 鍬台峠(標高135 m):岩手県大船渡市 - 釜石市
- 恋ノ峠(標高70 m):岩手県釜石市
- つかの峠(標高190 m):岩手県宮古市
- 中野峠 (中野坂)[注釈 1](標高120 m):岩手県下閉伊郡岩泉町
- 閉伊坂峠(標高380 m) : 岩手県下閉伊郡田野畑村(国道45号最高地点)
国道45号を題材とした歌曲
岩手県大船渡市出身のシンガーソングライターである濱守栄子は、売り上げの一部を義援金としたCD『国道45号線』で、2011年の東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた自身の故郷を歌い、チャリティー活動を行なったことで知られる。
脚注
注釈
- ^ a b 中野坂峠とも表記される。
- ^ 1桁・2桁国道における型破り急勾配は、国道1号箱根峠など、全国で数か所しか見られない。
- ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
- ^ 勾当台公園前、通称東二番丁定禅寺通交差点
- ^ 交差点ではなく道路の途中に国道の境界線がある。
- ^ a b c d e f g 2021年3月31日現在
出典
参考文献
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
国道45号に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
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通過市区町村 |
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主要交差点 |
勾当台公園前 - 苦竹IC - 根廻 - 丸井戸 - 折立 - 権現堂 - 松原 - 築地 - 小本 - 長内トンネル北 - 久慈IC - 塩町 - 下長 - 苗振谷地 - 野崎 - 野辺地IC - 松ノ木平 - 東バイパス環7入口 - 青森消防本部前
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バイパス |
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道路名・愛称 | |
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道の駅 | |
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主要構造物 |
福田大橋 - 鳴瀬大橋 - 飯野川橋 - 田中トンネル - 安波トンネル - 気仙沼湾横断橋 - 唐桑トンネル - 気仙大橋 - 三陸トンネル - 羅生トンネル - 鍬台トンネル - 熊の木トンネル - 石塚トンネル - 鳥谷坂トンネル - 古廟坂トンネル - 城山トンネル - 吉里吉里トンネル - 織笠大橋 - 宮古大橋 - 小本トンネル - 長内トンネル - 久慈大橋 - 湊トンネル - 桑畑大橋 - 馬淵大橋 - 幸運橋 - ほたて大橋 - 久栗坂トンネル
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自然要衝 |
横山峠 - 只越峠 - 通岡峠 - 大峠 - 鍬台峠 - 恋ノ峠 - つかの峠
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旧道 | |
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関連項目 | |
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1 - 100 (1 - 57号は旧一級国道。59 - 100号は欠番) |
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101 - 200 (旧二級国道、109 - 111号は廃止・欠番) |
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201 - 300 (201 - 271号は旧二級国道、214 - 216号は廃止・欠番) |
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