国道184号(こくどう184ごう)は、島根県出雲市から広島県尾道市に至る一般国道である。
概要
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
歴史
現行の道路法(昭和27年法律第180号)に基づく二級国道として1953年(昭和28年)に初回指定された路線のひとつである。国道指定当初は松江尾道線として指定され、起点は松江市にあり、三次市までは二級国道182号(後の国道54号)と重複して指定されていた[4]。起点が変更されたのは1993年(平成5年)のことで、島根県道11号および広島県道11号の主要地方道出雲三次線を編入することで、島根県飯石郡赤来町[注釈 3]野萱から起点側が現在と同等の経路に変更された[5]。
県道出雲三次線は、旧道路法(大正8年4月10日法律第58号)から県道として認定されていた路線で、1932年(昭和7年)に島根県簸川郡塩冶村[注釈 7]の郡是前(島根県道277号多伎江南出雲線交点付近)から上塩冶半分(出雲半分簡易郵便局付近)にかけて道路建設がなされた記録が残されている[7]。
年表
路線状況
バイパス
- 志津見バイパス(しつみバイパス)は、島根県出雲市佐田町上橋波から飯石郡飯南町八神に至る[8]神戸川に建設された志津見ダムの付替道路として建設された道路である[9]。2004年(平成16年)11月27日に完成供用[9]。
通称
重複区間
- 国道54号(島根県飯石郡飯南町野萱 - 広島県三次市粟屋町・粟屋交差点)
- 国道375号・国道433号・国道434号(広島県三次市三次町・日山橋東詰交差点 - 三次市三次町・尾関大橋北詰交差点)
- 国道183号(広島県三次市粟屋町・粟屋交差点 - 三次市南畑敷町・庄原分かれ交差点)
- 国道375号(広島県三次市十日市南1丁目・三次駅前交差点 - 三次市十日市東5丁目・上原交差点)
道路施設
橋梁
トンネル
- 島根県
- 宇比多岐トンネル、延長70 m、1983年(昭和58年)竣工、出雲市
- 立久恵隧道、延長37 m、1913年(大正2年)竣工、出雲市
- 殿川内トンネル、延長267 m、1988年(昭和63年)竣工、出雲市
- 下橋波トンネル、延長440 m、1985年(昭和60年)竣工、出雲市
- 上橋波トンネル、延長156 m、1988年(昭和63年)竣工、出雲市
- 下山トンネル、延長742 m、2004年(平成16年)竣工、飯石郡飯南町
- 大歳原トンネル、延長1,177 m、2004年(平成16年)竣工、飯石郡飯南町
- 明劔(みょうけん)トンネル、延長173 m、2004年(平成16年)竣工、飯石郡飯南町
- 天王山トンネル、延長243 m、2004年(平成16年)竣工、飯石郡飯南町
- 丸山トンネル、延長141 m、1955年(昭和30年)竣工、飯石郡飯南町
- 恵比トンネル、延長80 m、1955年(昭和30年)竣工、飯石郡飯南町
- 赤名トンネル、延長600 m、1964年(昭和39年)竣工、飯石郡飯南町 - 広島県三次市(国道54号重複区間内)
- 広島県
- 天狗トンネル、延長312 m、1994年(平成6年)竣工、三次市(国道54号重複区間内)
- 天神トンネル、延長197 m、1987年(昭和62年)竣工、三次市(国道54号重複区間内)
- 幸トンネル、延長240 m、1983年(昭和58年)竣工、三次市(国道54号重複区間内)
- 雲通トンネル:延長130 m、1986年(昭和61年)竣工、三次市 - 世羅郡世羅町
- 戸張トンネル:延長154 m、1987年(昭和62年)竣工、世羅郡世羅町
- 御調トンネル:延長240 m、1983年(昭和58年)竣工、尾道市
- 諸原トンネル:延長161 m、1976年(昭和51年)竣工、尾道市
- 畑トンネル:延長81 m、1977年(昭和52年)竣工、尾道市
- 開ノ木トンネル:延長48 m、1984年(昭和59年)竣工、尾道市
- 木門田トンネル:延長100 m、1984年(昭和59年)竣工、尾道市
道の駅
並行する旧街道
- 石見銀山(大森)より尾道の港に銀が運ばれた道。雲州街道と大部分が重複。ただし、三次市吉舎地区から世羅町甲山地区にかけては、理由は定かではないが雲州街道とは別ルートとなっており、この区間だけ国道184号とは並行していない。
交通量
24時間交通量(台)道路交通センサス
観測地点 |
平成22(2010)年度
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三次市向江田町 |
09,988
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三次市吉舎町雲通 |
03,212
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世羅町安田 |
03,746
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世羅町西上原 |
08,154
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尾道市御調町下山田 |
08,480
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尾道市木之庄町畑 |
10,981
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尾道市栗原町 |
13,030
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尾道市天満町 |
18,650
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(出典:「平成22年度道路交通センサス」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
地理
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出雲市内では一畑電気鉄道立久恵線(非電化、1965年(昭和40年)廃止)の廃線跡を転用して建設された箇所がある。立久恵峡付近の上下分離区間は上り線(出雲市街地方面)が廃線跡を転用した道路である。また、かつてはこれより北側にも同様の区間があったが、道路改良により消滅している。尾道市内では尾道鉄道(電化、1964年(昭和39年)廃止)の廃線跡を転用して建設された箇所がある(およそ諸原トンネル - 木ノ庄バイパス南口交差点間)[10]。1つの国道路線で2社の廃線跡を含むのは国道184号のみである。島根県飯石郡飯南町の来島ダム付近は狭い上に高さ制限のあるトンネルがあるため大型車の通行は困難。国道54号・島根県道326号頓原八神線などを迂回したほうが無難。もっとも、出雲市方面からの場合、飯南町八神の交差点で直進する本線側が道の広い島根県道325号佐田八神線(島根県道326号頓原八神線との重用)で、大抵の車は前述の頓原八神線を経由して国道54号に接続する[注釈 8]。一方、右折しなければならない国道184号側には非常に狭い橋があり、また、その川向こうには大型車が通れない旨の表示がある。なお、青看板の案内に従った場合、島根県道326号頓原八神線の途中からさらに飯石ふれあい農道を経由して国道54号に入る。
飯南町野萱側からたどって飯石ふれあい農道との交点に差し掛かると、「カーナビの案内にかかわらず右折してください」と飯石ふれあい農道に誘導する標識が立っている[11]。この標識は2009年(平成21年)3月に設置されたもので、当時はカーナビに従って進んだ結果、「車とすれ違えなくて困った」と苦情が多く寄せられたためである[11]。言うまでもなく、ここから飯南町八神までの国道184号が非常に狭い区間で占められているためである[12]。
中国横断自動車道 尾道松江線(尾道自動車道、松江自動車道)の開通により交通量が減っており、しまなみ海道サイクリングロードとの接続を意識し国道184号の三次市以南と、国道54号の三次市以北を結び、やまなみ街道サイクリングロードとして自転車走行環境を整備している[13]。
通過する自治体
交差する道路
交差する鉄道
沿線
脚注
注釈
- ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
- ^ a b 当交差点は全方向終日右折禁止となっており、2号西行きから当線へは4つ手前のしまなみ交流館前交差点を直進し、新浜橋東詰交差点を右折する。当線から2号西行きへは1つ先の交差点(名称なし)を右折する。
- ^ a b 2005年1月1日、飯石郡赤来町・飯石郡頓原町が合併して、飯石郡飯南町発足。
- ^ a b 2004年10月1日、世羅郡甲山町・世羅郡世羅町・世羅郡世羅西町が合併して、新世羅郡世羅町発足。
- ^ 2005年3月28日、尾道市に編入。
- ^ a b c d e f g 2022年3月31日現在
- ^ 1941年(昭和16年)2月11日に1町7村が合併して簸川郡出雲町発足。以降、数回の合併を経て出雲市塩冶町・上塩冶町にあたる。
- ^ 佐田八神線が狭隘区間を残していて、少し北に道が戻るため。
- ^ 国道2号尾道バイパス上り線側
- ^ 国道2号尾道バイパス下り線側
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
国道184号に関連するカテゴリがあります。
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1 - 100 (1 - 57号は旧一級国道。59 - 100号は欠番) |
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101 - 200 (旧二級国道、109 - 111号は廃止・欠番) |
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201 - 300 (201 - 271号は旧二級国道、214 - 216号は廃止・欠番) |
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