津和野町(つわのちょう)は、島根県の南西に位置する町。山間の小さな盆地に広がる町並みは小京都の代表格として知られ、津和野町津和野伝統的建造物群保存地区とし重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。また毎年7月末に行われる祇園祭の中で、街中を練り歩く鷺舞は津和野の代名詞であり、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
地理
旧津和野町では川沿いの狭い平地に城下町が広がっている。地名の「津和野」は「つわぶきの生い茂る野」に由来するとされ、つわぶきを町の花に定めている[1]。
- 河川:高津川(吉賀川)、津和野川
- 山:青野山、須郷田山、野坂山、高峰山、奥山、鬼こぶ山、安蔵寺山、燕岳、香仙原、三子山、雨降山、鍋山
気候
津和野(1991年 - 2020年)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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18.6 (65.5)
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21.8 (71.2)
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25.1 (77.2)
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30.5 (86.9)
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35.1 (95.2)
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35.8 (96.4)
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37.9 (100.2)
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38.2 (100.8)
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37.4 (99.3)
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32.6 (90.7)
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28.1 (82.6)
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23.4 (74.1)
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38.2 (100.8)
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平均最高気温 °C (°F)
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7.8 (46)
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9.4 (48.9)
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13.7 (56.7)
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19.7 (67.5)
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24.7 (76.5)
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27.4 (81.3)
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30.8 (87.4)
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32.2 (90)
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27.8 (82)
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22.4 (72.3)
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16.6 (61.9)
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10.4 (50.7)
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20.2 (68.4)
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日平均気温 °C (°F)
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3.0 (37.4)
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3.9 (39)
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7.4 (45.3)
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12.8 (55)
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17.8 (64)
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21.5 (70.7)
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25.5 (77.9)
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26.3 (79.3)
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21.9 (71.4)
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15.8 (60.4)
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10.2 (50.4)
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5.1 (41.2)
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14.3 (57.7)
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平均最低気温 °C (°F)
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−0.6 (30.9)
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−0.5 (31.1)
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2.0 (35.6)
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6.6 (43.9)
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11.8 (53.2)
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17.0 (62.6)
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21.5 (70.7)
|
22.1 (71.8)
|
17.7 (63.9)
|
10.9 (51.6)
|
5.3 (41.5)
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1.0 (33.8)
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9.6 (49.3)
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最低気温記録 °C (°F)
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−7.9 (17.8)
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−13.1 (8.4)
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−4.6 (23.7)
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−2.7 (27.1)
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1.5 (34.7)
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6.2 (43.2)
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13.0 (55.4)
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14.7 (58.5)
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4.1 (39.4)
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0.2 (32.4)
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−2.3 (27.9)
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−4.9 (23.2)
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−13.1 (8.4)
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降水量 mm (inch)
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127.4 (5.016)
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103.7 (4.083)
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148.3 (5.839)
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127.7 (5.028)
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141.0 (5.551)
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211.2 (8.315)
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309.8 (12.197)
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188.9 (7.437)
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209.4 (8.244)
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120.0 (4.724)
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102.2 (4.024)
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120.5 (4.744)
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1,908.3 (75.13)
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平均降水日数 (≥1.0 mm)
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15.8
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13.3
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13.8
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11.3
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9.8
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12.6
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12.8
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10.7
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11.4
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9.2
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10.7
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14.5
|
145.8
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平均月間日照時間
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70.2
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87.5
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138.3
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178.6
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200.4
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136.0
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150.7
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180.4
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137.4
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148.4
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114.1
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76.8
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1,619.2
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出典1:Japan Meteorological Agency
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出典2:気象庁[2]
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隣接している自治体
人口
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津和野町と全国の年齢別人口分布(2005年)
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津和野町の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 津和野町 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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津和野町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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15,412人
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1975年(昭和50年)
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13,957人
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1980年(昭和55年)
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13,423人
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1985年(昭和60年)
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13,002人
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1990年(平成2年)
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12,131人
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1995年(平成7年)
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11,389人
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2000年(平成12年)
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10,628人
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2005年(平成17年)
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9,515人
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2010年(平成22年)
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8,427人
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2015年(平成27年)
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7,653人
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2020年(令和2年)
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6,875人
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総務省統計局 国勢調査より
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歴史
明治維新前には津和野藩亀井氏の城下町であった。幕末期以降の廃仏毀釈と、長崎から配流されてきたキリシタンへ、改宗の強要が実施された歴史(浦上四番崩れ)があるほか、文豪森鷗外の出生地としてもしられている。
2005年(平成17年)9月25日、隣接していた日原町と合併(新設合併)し、新たな津和野町となった。現在の津和野町は3代目にあたる(後述)。合併後、町役場は旧日原町役場に置かれていた(2021年に元日原診療所を改修した建物に移転[3])。
2015年(平成27年)4月24日、文化庁は日本遺産の最初の18件の一つとして「津和野今昔 ~百景図を歩く~」を選んだと発表した。
年表
行政
警察署
津和野警察署が管轄。
産業
特産品
主な医療施設
主な商業施設
主な企業
姉妹都市・提携都市
国内
- 提携都市
その他、山陰の小京都「津和野」として全国京都会議に加盟している。
海外
- 姉妹都市
教育
小学校
中学校
高等学校
大学入学共通テストの試験場は、出願時、鹿足郡に所在する高校に在学しているか、または、現住所が鹿足郡にある受験生の場合、山口県が試験地区となり、山口県にある試験場が指定される。
交通
鉄道
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
バス
- 高速バス
- サラダエクスプレス・津和野エクスプレス(阪神バス・石見交通)
- 清流ライン高津川号(石見交通)
- 広島駅新幹線口・女学院前・合同庁舎前・広島バスセンター・十日市・己斐 - 加計BS - 吉和SA - 深谷PA - 六日市 - 立戸 - 七日市 - 石見田丸 - 柿木南口 - 木部谷 - 柿木温泉口 - 柿木商工会館 - 白谷橋 - 原手 - 新畑 - 新左鐙橋 - 畳 - 日原診療所前 - 口屋橋 - 池村 - 日原(道の駅)- 青原駅 - 小瀬 - 下青原 - 三星 - 大滝 - 横田駅 - 匹見口 - 大境・養護学校前 - 安富 - 花ヶ瀬 - 角井 - 飯田口 - 須子 - 労働会館 - 益田駅 - 益田市役所 - 市立図書館 - グラントワ前 - 石見交通本社
- 一般路線バス
- 石見交通
- 益田医光寺 - 堀川橋 - 益田上市 - 折戸 - 益田本町 - 益田下市 - 幸町 - 石見交通本社 - グラントワ前 - 市立図書館 - 益田市役所 - 益田駅 - 労働会館 - 須子 - 飯田口 - 角井 - 花ヶ瀬 - 安富 - 大境・養護学校前 - 匹見口 - 横田駅 - 大滝 - 三星 - 下青原 - 小瀬 - 青原駅 - 日原道の駅 - 池村 - 口屋橋 - 日原 - 日原上市 - 日原診療所前 - 日原駅 - 野広橋 - 耕田 - 津和野駅 - 鴎外旧居 - 鷲原 - 津和野温泉
- 津和野駅 - 鴎外旧居 - 鷲原 - (津和野温泉) - 鷲原 - 横瀬 - 堀庭園 - 四本松 - 長野 - 奥ヶ野
- 防長交通
- 六日市交通
- 津和野町営バス
- 過去に運行の防長交通バス
- 特急つわの号
- 東萩駅 - 萩バスセンター - 津和野温泉 - 津和野駅 - 津和野バスセンター
- 一般路線
- [快速](直通便のみ廃止):湯田温泉 - 県庁前 - 宮野駅前 - 三谷駅入口 - 願成就温泉 - 津和野駅 - 津和野バスセンター
道路
道の駅
放送通信
市外局番
市外局番は0856(70~89)である。
郵便番号
郵便物の集配は、以下の郵便局が行っている。
- 日原郵便局:699-52xx
- 津和野郵便局:699-56xx
マスメディア
名所・旧跡・観光スポット
年中行事
食文化
出身人物
歴史上の人物
政治家
学者
文化人
津和野を舞台にした作品
小説
- 森鷗外「ヰタ・セクスアリス」1909年
- 有馬頼義「脱出」 - 紙人形作家である当町出身の河津匂子をモデルとしたもの。
- 塩見佐恵子「津和野」 - 河津匂子をモデルとしたもの。
- 三浦浩「津和野物語」文藝春秋、1987年
- 内田康夫「津和野殺人事件」カッパ・ノベルス、1984年
- 永井隆「乙女峠‐津和野の殉教者物語」1952年
- 西村京太郎「萩・津和野に消えた女」双葉文庫、1997年
- 池田敏雄「キリシタンの精鋭‐津和野乙女峠の受難者たち」1972年
- 中町信「萩・津和野殺人事件」ゲイブンシャ文庫、1995年
- 中町信「津和野の殺人者」講談社ノベルス、1991年
- 深谷忠記「萩・津和野殺人ライン」カドカワノベルズ、1992年
- 山口香「萩・津和野殺人事件」天山ノベルス、1990年
- 金久保茂樹「津和野、夜泣き人形伝説殺人事件」ジョイ・ノベルス、2007年
- 福原カズ子「母子草‐津和野にて」1994年
- 遠藤周作「女の一生〈1部〉キクの場合」朝日新聞社、1982年
- 遠藤周作「女の一生〈2部〉サチ子の場合」朝日新聞社、1982年
映画
ドラマ
歌
幻の間欠泉
1997年、温泉掘削のボーリングにより間欠泉の噴出が始まり、諏訪の間欠泉を抜く55mもの噴出高を誇り「日本一の間欠泉」「世界でも2位の間欠泉」ともてはやされた。38度の温泉が炭酸の圧力によって吹き上げるメカニズムであった。しかし塩分が含まれており周囲の田畑に塩被害が出たために、風のない昼間に限ってバルブを開放していた。ところがさらにその後、砒素も含まれることが判明し、事業中止が決定。幻の間欠泉となった。その跡地は現在は公園となっている。
脚注
関連項目
外部リンク
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