国道327号(こくどう327ごう)は、宮崎県日向市から東臼杵郡美郷町・諸塚村・椎葉村を経由して、熊本県上益城郡山都町に至る一般国道である。椎葉村の音ヶ瀬大橋からは国道265号と重複するため、実質的には日向市と椎葉村を結ぶ路線となる。開通時の経緯(後述)から美郷町西郷田代 - 椎葉村間には百万円道路の通称がある。
概要
単独区間のほとんどは耳川と並走する。支線として東九州自動車道日向インターチェンジと国道10号、宮崎県道226号土々呂日向線を結ぶ路線(日向バイパス)が存在する。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
歴史
住友財閥が電力開発(発電用ダムの建設)の代替条件として1928年(昭和3年)から整備を開始。一部区間を整備した後、残りの部分を宮崎県が建設を進め1933年(昭和8年)に富高(現在の日向市中心部)と椎葉を結ぶ県道として完成した。このときに住友財閥が建設費として100万円(2008年時点の価値に換算すると約100億円)[4]を寄付したことから「百万円道路」という通称がついた。
開通と同時にバス路線も開設され、椎葉・諸塚両村の物流などに多大な変革をもたらした。この影響で富高方面との交流が深くなったため、1949年(昭和24年)には椎葉村と諸塚村の所属郡が西臼杵郡から東臼杵郡に変更されている。
開通当時こそ2間(約3.6 m)ほどの幅でも十分であったものの、自動車が普及するにつれ交通に支障をきたすようになった。この対策として道路拡張工事が順次実施されており、2021年(令和3年)9月現在、単独区間内では椎葉村内の一部(佐土の谷工区の未開通区間)を除いておおむね2車線道路に整備されている。
年表
- 2022年(令和4年)9月18日に襲来した台風14号により、諸塚村七ツ山の塚原ダムの近くで大規模な崩落がおこり[13]、また、椎葉村松尾でも路肩が崩れ、近隣住民は別の村道へ迂回しなければならなくなった[14]。
- 2023年(令和5年)
- 4月28日 - 諸塚村七ツ山の区間の応急復旧工事が完了し、全面通行止めは解除された[15]。可能になったのは仮設橋による片側交互通行であり、二車線での本格的な復旧はもうあと三年かかる見通しである。また、この時点では椎葉村側の復旧は終わっていない[16]。
- 8月8日 - 台風6号により椎葉村野地で斜面が崩壊。前年度の被災箇所が再度被害を受けた[17]。
路線状況
バイパス
- 橘バイパス
- 恵後の崎バイパス
- 古園バイパス
- 岩屋戸バイパス
- 山陰バイパス
- 松尾拡幅
- 日向バイパス
重複区間
- 国道446号(宮崎県日向市新生町1丁目・新生町交差点(起点) - 日向市東郷町山陰辛・鶴野内交差点)
- 国道503号(宮崎県日向市新生町1丁目・新生町交差点(起点) - 西臼杵郡諸塚村家代)
- 国道388号(宮崎県東臼杵郡美郷町西郷区田代)
- 国道265号(宮崎県西臼杵郡椎葉村下椎葉 - 熊本県上益城郡山都町馬見原・馬見原交差点(終点))
道路施設
トンネル
起点から
- 宮崎県
- 小八重トンネル:延長260 m、1991年(平成3年)竣工、東臼杵郡美郷町
- 諸塚トンネル、東臼杵郡椎葉村
- 恵後の崎トンネル、1925年竣工、東臼杵郡椎葉村
- 古園一号トンネル、2002年竣工、東臼杵郡椎葉村
- 古園二号トンネル:延長972 m、東臼杵郡椎葉村
- 音ヶ瀬トンネル:延長159 m、2006年(平成18年)竣工、東臼杵郡椎葉村(国道265号重複区間)
- 鹿野遊(かなすび)トンネル:延長374 m、2003年(平成15年)竣工、東臼杵郡椎葉村(国道265号重複区間)
- 国見トンネル:延長2,777 m、1996年(平成8年)竣工、東臼杵郡椎葉村 - 西臼杵郡五ヶ瀬町(国道265号重複区間)
道の駅
地理
通過する自治体
交差する道路
交差する鉄道
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
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通過市町村 |
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バイパス |
橘バイパス・恵後の崎バイパス・古園バイパス・岩屋戸バイパス・山陰バイパス・松尾拡幅・日向バイパス
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通称 | |
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道の駅 | |
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1 - 100 (1 - 57号は旧一級国道。59 - 100号は欠番) |
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101 - 200 (旧二級国道、109 - 111号は廃止・欠番) |
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201 - 300 (201 - 271号は旧二級国道、214 - 216号は廃止・欠番) |
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