国道448号(こくどう448ごう)は、鹿児島県指宿市から宮崎県串間市や日南市を経由して、宮崎市に至る一般国道である。
概要
鹿児島県の区間は1982年に、宮崎県の区間は1993年にそれぞれ県道の昇格というかたちで指定された。
総延長248.4 kmのうち、実延長は118.0 km[1][注釈 1]と、大部分は国道269号と国道220号との重用区間となり、実質的には鹿児島県錦江町城元から宮崎県日南市南郷町東町に至る路線である。
鹿児島県内の路線は、かつての主要地方道串良内之浦大根占線[2]と一般県道大崎波見線[注釈 4]が1982年に指定されたものである。宮崎県内の路線はかつての主要地方道都井岬福島線・主要地方道日南都井線(県道36号)[3]が1993年4月1日に指定されたものである[4]。
錦江町城元から国道269号と別れ大隅半島を横断し、肝付町岸良で太平洋側に達する。
その後は海岸線沿いを北上し、大崎町で国道220号に合流。宮崎県串間市街から再び単独区間となり、都井岬や幸島周辺を通過、日南市の南郷駅前で再び国道220号に合流し宮崎市の橘通りで終点となる。串間市都井(宮崎県道36号都井岬線交点) - 宮崎市間には日南フェニックスロードの愛称がある。大崎町 - 串間市の重複区間では国道448号の標識が国道220号のものと同時に設置されているのに対し、日南市以北では国道220号のみとなる。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[5][注釈 5]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
歴史
路線状況
バイパス道路
都井トンネル
日南市南郷町の道の駅なんごう(2008年9月)。左奥のカーブ付近に夫婦浦トンネルが掘削された
- 都井トンネル
- 宇戸バイパス
- 串間市都井地区黒井 - 都井地区宇戸間。2004年(平成16年)3月に宇戸トンネルが完成後、全通した。これにより市街地 - 都井地区まで約5分(約500 m)短縮された[8]。
- 小崎バイパス
- 串間市大納地区宮之浦 - 大納地区恋ケ浦。2006年(平成18年)の地すべり被害により太平洋の景観が素晴らしい大納地区小崎の現道が通行止めとなったことから、小崎を迂回するかたちで恋ケ浦トンネル(587 m)を掘削。2009年(平成21年)3月24日に全通した[9]。
- 名谷バイパス
- 串間市大納地区大納 - 大納地区名谷。全長1,140 mのバイパス道路。2008年(平成20年)4月22日にトンネル部分(名谷トンネル)が着工し、2009年(平成21年)12月24日に全通した[10]。当区間は名谷隧道名谷側が海に面しており高波により道路崩壊。長期間片側交互通行、大型車通行止めとなっていることや、異常気象時に通行止めとなることから事業が進められてきた。着工当時は道路特定財源制度の暫定税率撤廃に伴う財源不足により、2008年(平成20年)7月以降の建設のめどは立っていなかった[11][12]。
- 石波トンネル(事業中)
- 串間市大納地区名谷 - 市木地区石波。石波地区の幸島渡船場付近から南側の区間は軟弱地盤の地形を通過しており、連続雨量が170 mmを超えると通行規制がかかるため、当該区間をバイパスする目的で2016年(平成28年)度よりトンネル整備が進められている[13][14]。2025年(令和7年)度を完成目標としている[13]。
- 藤磯平トンネル
- 串間市市木の藤地区から舳(へた)地区までをバイパスするトンネル。2017年(平成29年)6月に発生した豪雨によって旧道が地滑りを起こし、4年以上もの長きにわたって通行止めとなっていたことから、トンネル新設を含めたバイパス整備が行われ、2021年(令和3年)10月16日に開通した[15][16]。
- 夫婦浦バイパス
- 日南市の道の駅なんごう付近から贄波パーキングエリア付近までを結ぶバイパス道路。旧道にある夫婦浦隧道(1964年3月竣工)は大型車の離合が出来ないトンネルであり、またその他の区間についても地滑りの兆候が見られることから、災害の危険が差し迫っているとして同バイパス道路の整備が行われた[17]。2017年(平成29年)3月28日に夫婦浦トンネルを含めた全区間(夫婦浦工区)が開通[18][19]。
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重複区間
- 国道269号(鹿児島県指宿市高之原・十二町交差点(起点) - 肝属郡錦江町城元・栄町交差点)
- 国道220号(鹿児島県曽於郡大崎町菱田 - 宮崎県串間市大字西方・串間駅前交差点)
- 国道220号(宮崎県日南市南郷町東町・南郷駅交差点 - 宮崎県宮崎市橘通西3丁目・橘通3丁目交差点(終点))
海上区間
錦江湾(鹿児島湾)を挟んで、薩摩半島側の指宿市山川港から対岸の大隅半島側の南大隅町伊座敷港の間は国道269号と重複する海上区間である[20]。1965年(昭和40年)から錦江湾フェリー株式会社がこの2港を結ぶフェリー路線を運航していたが、1980年(昭和55年)に同社は南海郵船に吸収合併されたときに同航路も廃止されたため、現在では、山川港と伊座敷港を直接結ぶ海上航路は存在しない[21][22]。
近隣航路として、2005年(平成17年)12月から山川港と南大隅町の根占港を結ぶ航路が鹿児島商船によってフェリー就航されるようになり[20]、2014年現在は、南九船舶のフェリーなんきゅうが1日4便運航する[23]。
道路施設
道の駅
交通量
平日24時間交通量(平成17年度道路交通センサス)[24]
地点 |
台数
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串間市大字本城字吾社 |
4,121
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南那珂郡南郷町大字中村乙 |
3,846
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地理
通過する自治体
交差する道路
交差する鉄道
沿線
ギャラリー
脚注
注釈
- ^ a b c d e f g h i 2022年3月31日現在
- ^ 『道路統計年報2023』(国土交通省道路局)より。国道269号の欄に記載されている。国道448号の海上距離は記載されていない[1][注釈 1]。
- ^ 鹿児島県側
- ^ 参考文献『角川日本地名大辞典』では大崎波見線、大崎波見港線、いずれの表記も用いられている。
- ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
- ^ 2006年1月1日、指宿市・揖宿郡開聞町・揖宿郡山川町が合併して、新指宿市発足。
- ^ 2005年3月31日、肝属郡佐多町・肝属郡根占町が合併して、肝属郡南大隅町発足。
- ^ 2005年3月22日、肝属郡大根占町・肝属郡田代町が合併して、肝属郡錦江町発足。
- ^ 2005年7月1日、肝属郡内之浦町・肝属郡高山町が合併して、肝属郡肝付町発足。
- ^ 2009年3月30日、日南市・南那珂郡北郷町・南那珂郡南郷町が合併して、新日南市発足。
- ^ トンネル自体の完成年は資料にある通り1990年(平成2年)であるが、竣工年については現地の都井トンネル銘板に「1991年3月」と書かれている。
- ^ 立体交差で直接の接続はなし。
出典
関連項目
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参考文献
- 『角川日本地名大辞典46 鹿児島県』角川書店、1983年。
- 『道路施設現況調書(平成20年4月1日現在)』 宮崎県県土整備部道路保全課。
- 『平成19年度道路現況調書』 鹿児島県土木部道路維持課、2008年。
外部リンク
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1 - 100 (1 - 57号は旧一級国道。59 - 100号は欠番) |
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101 - 200 (旧二級国道、109 - 111号は廃止・欠番) |
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201 - 300 (201 - 271号は旧二級国道、214 - 216号は廃止・欠番) |
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