国道388号(こくどう388ごう)は、大分県佐伯市から宮崎県延岡市を経て、熊本県球磨郡湯前町に至る一般国道である。
概要
大分県の南東部に位置する佐伯市・佐伯駅前の国道217号分岐から日向灘に面するリアス式海岸に沿って南下して宮崎県延岡市を中継し、宮崎県中央部の九州山地を東西に横断して、熊本県南部の人吉盆地にある球磨郡湯前町の国道219号交点に至る、延長約226 kmの一般国道の路線である。主な通過地は宮崎県延岡市、東臼杵郡門川町、美郷町、椎葉村、熊本県球磨郡水上村である。宮崎県内の延岡市から門川町までの約22 kmにかけて、国道10号と重用する。東九州自動車道とは、佐伯 - 延岡間で平行し、蒲江ICと北浦ICで直接接続する。
指定当初は延岡市以外のほとんどが未改良区間であったが、日豊海岸沿いは道路の改良が進み、通行の難度は少々低くなった。これに対し、海岸沿いの大分県・宮崎県の県境付近と、美郷町南郷区鬼神野 - 熊本県水上村湯山の大河内越(椎葉村内)・湯山峠(椎葉村・水上村)の山岳部は、未改良ですれ違いが困難な箇所や路面状態も悪いことから、九州の代表的な「酷道」に数えられている。
山間部は冬季は積雪、路面凍結等による交通規制が多く、夏季は台風や大雨による土砂災害、地すべり、落石、路肩決壊による全面通行止めや重量規制になることがある。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[2][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
歴史
路線状況
大分・宮崎県区間は狭隘な山林の中を走る峠越えの酷道区間がある。並行している蒲江北浦農道(蒲北トンネル方面)への誘導案内があるため、車が走行している形跡がほぼない(落ち葉や小石が散乱し、路面も荒れている)。また、並行して無料の東九州自動車道が通過していることから、将来改良される見通しもないとの見方がされている。延岡市大門町から日向市手前の東臼杵郡門川町中須まで国道10号と重複する。美郷町に日平バイパス(美郷トンネル)開通後もバイパスに並行する現役の旧道が残されており、小原隧道のある旧道を通過する車両は少ない。東臼杵郡椎葉村大字大河内で国道265号との重複区間が約3.5 kmにわたる。熊本県の市房ダム至近で、熊本県球磨郡水上村と同郡湯前町の町村界付近には奥球磨ループ橋が設置されている。
バイパス
延岡市以北の日豊海岸沿いはバイパス道路の建設が進んでおり、一部を除いて全線開通している。また美郷町北郷区・西郷区などでは道路拡幅が進行中であるが、美郷町南郷区以降は未改良状態となっている。
また佐伯市 - 延岡市の県境区間については、並行して東九州自動車道が開通しており、新直轄方式での整備のため無料で通行が可能である。そのため、狭隘路が残る県境区間の実質的なバイパスとして機能している[11]。
- 畑野浦バイパス(佐伯市大字木立 - 同市蒲江大字畑野浦)
- 浦城バイパス(延岡市須美江町 - 同市浦城町)
- 無鹿バイパス(延岡市無鹿町 - 同市大門町)
- 東谷バイパス
- 和田越バイパス(美郷町西郷区 - 美郷町北郷区、延長4.9 km)
- 日平バイパス(美郷町西郷田代 - 美郷町南郷水清谷)
- 蒲江バイパス
- 古江バイパス
- 畑の浦バイパス
- 小蒲江バイパス
- 小蒲江森崎浦バイパス(佐伯市蒲江大字蒲江浦 - 佐伯市大字森崎浦、延長 2.8 km)
通称
- 日豊リアスライン(延岡市北浦町三川内 - 延岡市無鹿町)[12]
重複区間
道路施設
橋梁
- 新佐伯大橋(番匠川、大分県佐伯市新女島 - 同市大字池田)
- 茶屋ケ鼻橋(堅田川、佐伯市大字長谷)
- 川島橋(北川、延岡市川島町 - 同市無鹿町)
- 奥球磨ループ橋(熊本県球磨郡湯前町浜川)
トンネル
- 畑野浦トンネル(佐伯市大字木立 - 同市蒲江大字畑野浦)
- 入津トンネル(佐伯市蒲江大字畑野浦)
- 高山トンネル(佐伯市蒲江大字竹野浦河内)
- 新小向トンネル(佐伯市蒲江大字蒲江浦)
- 小蒲江トンネル(佐伯市蒲江大字蒲江浦)
- 猪串トンネル(佐伯市蒲江大字猪串浦)
- 古江トンネル(延岡市北浦町三川内 - 同市北浦町古江)
- ハイトンネル(延岡市北浦町古江)
- 東谷トンネル(延岡市北浦町古江)
- 熊野江トンネル(延岡市北浦町古江 - 同市熊野江町)
- 新須美江トンネル(延岡市熊野江町)
- 新浦城トンネル(延岡市須美江町)※浦城バイパス
- 裏城トンネル(延岡市浦城町 - 同市北川町長井)
- 川島トンネル(延岡市北川町長井 - 川島町)
- 山口トンネル(宮崎県東臼杵郡美郷町北郷宇納間)
- 美郷トンネル(日平バイパス、美郷町西郷田代 - 美郷町南郷水清谷)
道の駅
特殊車両通行規制区間
- 大分県佐伯市蒲江丸市尾浦 - 宮崎県延岡市北浦町三川内
- 宮崎県美郷町南郷区鬼神野 - 熊本県水上村湯山
地理
大分県佐伯市の旧蒲江町のリアス式海岸に沿って国道は南下する。大分県・宮崎県の県境付近の酷道区間は、海岸付近から丘陵地の山越えの傾斜地で、峠は標高300 m付近を通過する。道路は日向灘沿いに宮崎県門川町まで南下し、ここから内陸の美郷町へ分け入って行き、美郷町役場前を通過していく。九州山地のの山岳部で、宮崎県椎葉村に入ると標高1,134 mの大河内越(耳川水系と一ツ瀬川水系の分水嶺)を通過していて、この付近は日本有数の多雨地帯であるため苔むした崖沿いの道である。美里町と椎葉村の境界に林道との交差点があり、この林道の中山峠越えの長大トンネルを抜けて椎葉村の中心部へ抜けることが出来る。宮崎県と熊本県の県境付近で、九州山地の中央分水嶺である湯山峠(標高944 m)を越える。熊本県側の沿線には、湯山温泉(水上村)やゆのまえ温泉(湯前町)など温泉施設がある。
通過する自治体
- 椎葉村 - 水上村間は、かつて境界未確定地帯を通っていた(2010年(平成22年)に境界確定)。
交差する道路
交差する鉄道
峠
ギャラリー
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
国道388号に関連するカテゴリがあります。
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通過市町村 |
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バイパス |
畑野浦バイパス・浦城バイパス・無鹿バイパス・東谷バイパス・和田越バイパス・日平バイパス・蒲江バイパス・古江バイパス・畑の浦バイパス・小蒲江バイパス・小蒲江森崎浦バイパス
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道路愛称 | |
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道の駅 | |
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1 - 100 (1 - 57号は旧一級国道。59 - 100号は欠番) |
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101 - 200 (旧二級国道、109 - 111号は廃止・欠番) |
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201 - 300 (201 - 271号は旧二級国道、214 - 216号は廃止・欠番) |
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