国道35号(こくどう35ごう)は、佐賀県武雄市から長崎県佐世保市に至る一般国道である。
概要
起点の佐賀県武雄市から西に進路を取り、日本の伝統工芸品の1つ、有田焼の産地として知られている西松浦郡有田町を経て、長崎県北部の中心都市である、佐世保市を終点としている路線である。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
歴史
武雄と佐世保とを結ぶ国道の起源は、1887年(明治20年)7月8日に「國道表」に追加された国道47号「東京より佐世保鎮守府に達する路線」である。この路線は、国道4号(現:一般国道1号・2号ほか)を経由し、武雄で分岐して佐世保に至るもので、武雄以降は今日の一般国道35号と同じルートである。同時に、各地の鎮守府(横須賀、呉)に至る道路が国道に編入されている。
年表
- 海軍の街として発展してきた佐世保は、1945年(昭和20年)6月に空襲を遇い大きな被害を受けており、同年8月に終戦を迎えた。戦後は佐世保鎮守府が廃止されたが、自衛隊基地や在日米軍基地、造船業や鉄工業の工場など、海軍の街としての面影は残した。
路線状況
起点から佐世保市の陣の内交差点までは2車線だが、陣の内交差点から佐世保駅前までは4車線、佐世保駅前付近から終点(国道204号の一部区間も含む)までは、四ヶ町商店街などがある佐世保市の中心部で6車線[注釈 4]になる。
佐賀県西部および佐世保市の幹線道路であるせいか、起点の下西山交差点では、国道34号へ左折する車よりも国道35号へ直進する車が圧倒的に多い。交通量は国道202号との分岐点でもある、田の浦交差点から終点までが多く、とりわけ朝夕の流れはよくない。また、陣の内交差点の手前の交差点である、早苗町交差点も佐世保方面が朝夕を中心に流れが悪い。
この道路と並走する西九州自動車道は当初国道35号の自動車専用道路として開通し、後に国道497号に変更されている。
大半の区間で九州旅客鉄道(JR九州)佐世保線と並走し、武雄市で2ヶ所、有田町で1ヶ所、佐世保市で2ヶ所、佐世保線の線路と交差している。佐世保市では松浦鉄道西九州線とも1ヶ所で交差している。昭和40年代までのバイパス整備もあり、現在はこれら5ヶ所の交差はすべて立体交差となっている。なお基本的に制限速度は50 km/hだが、武雄市犬走の佐世保線踊瀬橋梁をくぐるクランクカーブ区間のみ、30 km/hの速度規制がかかる。
バイパス
- 山内バイパス 武雄市山内町鳥海 - 同市同町宮野(山内町狩立交差点)4.8 km・2車線。1996年(平成8年)開通。供用開始時より通行料無料。
- バイパスは旧道4.7 kmより若干長くなったが、佐世保線と集落に挟まれた三間坂駅前後の狭隘な市街地を避け、各交差点に右折レーンを設定し、流動はスムーズになった。旧道は佐賀県道45号嬉野山内線・長崎県道・佐賀県道104号波佐見山内線に降格した。道の駅山内が設置されている。
- 有田バイパス 有田町泉山(有田泉山交差点) - 同町南原(南原交差点)4.9 km・2車線。1972年(昭和47年)開通。供用開始時より通行料無料。
- バイパスは旧道4.8 kmより若干長くなったが、有田焼工房や商店・民家が建て込む狭隘な市街地を避け、各交差点に右折レーンを設定し、流動はスムーズになった。旧道は佐賀県道233号上有田停車場線・佐賀県道281号大木有田線に降格した。
- 蓮花石山の北麓斜面を通過するため、トンネル区間となる。起点から有田第1(通称「白磁」112 m)、同第2(同「青磁」162 m)、同第3(同「青華」56 m)、同第4(同「赤絵」245 m)。青磁と青華の間はロックシェッドが架けられ、一体化している。青華を例外として有田焼にちなむ通称で、赤絵のみが実在の地名である。
- 早岐バイパス 佐世保市陣の内町(陣の内交差点) - 同市田の浦町(田の浦町交差点)1.2 km・4車線。1969年(昭和44年)開通。供用開始時より通行料無料
- 国道202号と旧国道205号が合流し、渋滞が激しい田子の浦交差点を避けるために短絡ルートとして開通した。旧道1.7 kmは国道202号と市道に分割され、生活道路として機能し、バイパスは佐世保線と並走しつつ郊外ロードサイドショップが並ぶ。
- 日宇バイパス 佐世保市大塔町(脇崎交差点) - 同市日宇町(日宇町交差点)間1.2 km・4車線。1965年(昭和40年)開通。供用開始時より通行料無料。
- 昭和30年代以降の郊外宅地開発により、旧道1.9 kmの渋滞が慢性化していたために短絡ルートとして開通した。旧道は市道に降格した上で、生活道路として機能し、バイパスは郊外ロードサイドショップが並ぶ。日宇町交差点は上り・下りともランプウェイ形で、旧道とバイパスの相互交通はできない。
重複区間
- 国道202号(佐賀県西松浦郡西有田町原明甲・伊万里口交差点 - 長崎県佐世保市田の浦町・田の浦交差点)
道路施設
橋梁
- 佐賀県
- 三間坂川橋(三間坂川、武雄市)
- 轡橋(くつわはし:狩立川、武雄市)
- 猿川橋(猿川、西松浦郡有田町)
- 新眼鏡橋(白川川、西松浦郡有田町)
- 新岩崎橋(白川川、西松浦郡有田町)
- 新田の平橋(有田川、西松浦郡有田町)
- 浦谷橋(有田川、西松浦郡有田町)
- 新山川橋(南川良川、西松浦郡有田町)
- 長崎県
- 前平橋(小森川、佐世保市)
- 板井手橋(小森川、佐世保市)
- 新替橋(小森川、佐世保市)
- 高沢橋(陣之内川、佐世保市)
- 新日宇橋(日宇川、佐世保市)
- 大和橋(西竜川、佐世保市)
トンネル
- 佐賀県
- 有田第1トンネル(通称:白磁):延長112 m、1969年(昭和44年)竣工、西松浦郡有田町
- 有田第2トンネル(通称:青磁):延長162 m、1970年(昭和45年)竣工、西松浦郡有田町
- 有田第3トンネル(通称:青華):延長56 m、1970年(昭和45年)竣工、西松浦郡有田町
- 有田第4トンネル(通称:赤絵):延長245 m、1971年(昭和46年)竣工、西松浦郡有田町
道の駅
地理
通過する自治体
交差する道路
交差する鉄道
脚注
注釈
- ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
- ^ 2006年3月1日、西松浦郡有田町(ありたまち)・西松浦郡西有田町と合併して、西松浦郡有田町(ありたちょう)発足。
- ^ a b c d e f 2022年3月31日現在
- ^ ただし、歩道の両側2車線は朝夕ラッシュ時に時間限定のバス専用レーン。
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
国道35号に関連するカテゴリがあります。
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1 - 100 (1 - 57号は旧一級国道。59 - 100号は欠番) |
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101 - 200 (旧二級国道、109 - 111号は廃止・欠番) |
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201 - 300 (201 - 271号は旧二級国道、214 - 216号は廃止・欠番) |
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