国道185号 終点広島県 三原市 糸崎8丁目交差点
国道185号 (こくどう185ごう)は、広島県 呉市 から三原市 に至る一般国道 である。
概要
広島県三原市幸崎町 (2020年6月撮影)
起点の呉市 から、瀬戸内海 沿岸を通行し、終点の三原市 に至る路線で、島々を眺めながらの快走路である。また、呉市を終点としている国道31号 と併せて、県都広島市 と三原市 を結んでおり、国道2号 の南側を通行し、その役割を補完している。
なお、ほぼ全線において、JR西日本 呉線 と並走している。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[ 2] [ 注釈 1] に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
歴史
太平洋戦争 前から現在の休山新道と同様のトンネル 掘削計画があった。
年表
路線状況
通称
休山新道
休山新道(休山トンネル付近) 広島県呉市長迫町
休山新道(やすみやましんどう)は、呉市 本通六丁目から同市阿賀中央六丁目に至るバイパス道路 として建設された延長2.6 km の区間である[ 10] 。2002年 (平成 14年)3月21日 に暫定2車線 で供用を開始した[ 11] 。
同区間は呉市の中心部と阿賀・広地区を結ぶ経路として機能し[ 12] 、旧道においても4車線の道路へ整備されているが、大正 期までは細く険しい道が続いていた[ 13] 。昭和期に入るとトンネル 掘削による新道建設が計画され、内務省 (当時)によって1942年 (昭和 17年)に国道特27号として事業着手し、実際に阿賀側から150 m を掘り進めたが、太平洋戦争 の戦況悪化を理由に1944年 (昭和19年)に工事は凍結された[ 11] [ 12] 。
戦後 になると、国道185号から阿賀側の坑口に続く道には阿賀商店街が形成され[ 14] 、坑口はフェンス で封鎖したうえで周辺の空地 はこの地区の地名 から田中町遊園地と命名された公園 として長らく地元住民に開放されていた。一方の呉越峠では道路拡幅によって4車線を確保するも、1日あたり48,000台(1999年 )という交通量[ 12] かつカーブの多い急勾配な道路状況ゆえに慢性的な渋滞や交通事故 が多発しており、渋滞損失は年間約95億円という試算結果が示すように、経済活動や住民生活に大きな支障を及ぼしていた[ 16] 。
戦前 に中止されてから長らく新道建設の再開はなされてこなかったが、契機となったのは工事再開を求める運動の起きた1985年 (昭和60年)のことである[ 12] 。翌年の1986年 (昭和61年)に建設省 (当時)が事業採択し、1987年 (昭和62年)3月 には都市計画 決定と事業着手、1989年 (平成元年)に用地着手と続いた[ 11] 。道路用地に展開していた阿賀商店街の代替移転先としてあがプラザを1992年 (平成4年)10月 に開業させ[ 14] [ 17] 、1994年 (平成6年)には長迫(中心部)側から取付道路の着工に至った[ 11] 。
休山新道最大の構造物である延長 1.7 km の休山トンネルは1996年 (平成8年)10月に工事着手し、長迫、阿賀の両側から掘削していったが、都市部の山として、周囲に密集する住宅地 の住環境への配慮や水道管 をはじめとしたライフライン の存在による慎重な作業が求められたため、工事は難航した[ 18] 。また、両坑口周辺の住宅の空気環境を考慮して換気用の立坑を設置しており[ 18] 、掘削には工期、安全性、施工性、経済性に優れるレイズボーラー工法を採用した[ 19] [ 20] 。トンネルは2000年 (平成12年)9月 に貫通し、幾多の難工事も工期は2001年 度(平成13年度)の当初予定から遅れず[ 21] 、2002年(平成14年)3月21日に暫定供用の運びとなった[ 11] 。
休山新道開通後は、呉越峠と休山新道全体の交通量のうち約7割にあたる約40,000台が休山新道を利用しており[ 19] 、想定を超えた交通量が排気ガスや騒音によって歩道の環境に悪影響を及ぼしていたことから、市民 の要望に応えて透明なガラス 製の歩車道分離壁を2004年 (平成16年)8月 に完成させ、歩道は「休山悠路」と命名された[ 11] [ 22] [ 23] 。また、想定を超えた交通量は新たな交通集中による渋滞の発生源となっており、2009年 (平成21年)11月 に開催された中国地方整備局事業評価監視委員会では事業継続が妥当とされ[ 11] 、4車線化されることが決定した。呉市議会議員や呉市民からも完成4車線の早期着工を求める声が寄せられ[ 24] [ 25] 、2015年 (平成27年)1月10日 には4車線化工事の起工式が行われた[ 26] [ 27] 。2019年 (平成31年)3月10日 に4車線化された[ 9] 。
新道と旧道との関係では、長迫側は本通六丁目交番(南)交差点が休山トンネル西口と改称、阿賀側は阿賀消防署前交差点と阿賀中央三丁目交差点が廃止されて三原方面と直進関係になる休山トンネル東口交差点が新設された。呉越峠経由の旧道は、休山トンネル西口交差点から西畑交差点までは広島県道174号瀬野呉線 に編入され、同交差点から休山トンネル東口までは呉市道 阿賀中央西畑線になった。
安浦バイパス
安浦バイパス(やすうらバイパス)は、呉市安浦町 大字中切から同市安浦町大字三津口にバイパス道路として建設された延長 3.9 km の区間である。豊田郡 安浦町 (当時)の中心部を通過していた旧道は歩道未設置箇所が存在し、幅員も狭小であったため、安全性向上と通過交通対策の一環として既設の道路拡幅と併せてバイパス道路を建設した。1988年 (昭和63年)に既設道路の拡幅区間にあたる終点側の 0.5 km で供用を開始し、1998年 (平成10年)8月5日 に残りのバイパス区間 2.6 kmの供用開始をもって完成供用した[ 28] 。
バイパス
仁方バイパス
調査中(未開通)
安芸津バイパス
安芸津バイパス(あきつバイパス)は、東広島市 安芸津町 風早から竹原市 吉名町八代谷に至る計画延長6.1 kmのバイパス道路である。1999年(平成11年)3月23日 に都市計画決定し、当初は完成4車線として計画されていたが、2009年 度(平成21年度)に完成2車線に変更のうえで事業継続されることとなった。3区間に分割して事業を進めており、中央の区間にあたる広島県道32号安芸津下三永線 から東広島市道上条浜田線までの 1.5 km は2009年(平成21年)3月29日 に供用を開始した[ 29] 。
道路施設
橋梁
広大橋(黒瀬川 、呉市)
二級橋(三坂地川、呉市)
新宮橋(江の川 、呉市)
鍛冶屋橋(中切川、呉市)
中切橋(中切川、呉市)
晴海大橋(野呂川 、呉市)
子の浦橋(子之浦川、呉市)
向條橋(小久保川、東広島市)
高野橋(高野川、東広島市)
蓼原(たではら)橋(蛇道川、東広島市)
宮崎橋(東広島市)
三津大橋(三津大川、東広島市)
雲下橋(上条川、東広島市)
木谷橋(木谷郷川、東広島市)
郷橋(郷川、竹原市)
本渡橋(賀茂川 、竹原市)
新港橋(本川、竹原市)
曙橋(南紺屋谷川、竹原市)
仮屋谷橋(仮屋谷川、竹原市)
高崎橋(内浜川、竹原市)
大乗橋(大乗川、竹原市)
東川橋(東川、竹原市)
明神橋(明神川、竹原市)
植松橋(植松谷川、竹原市)
城見橋(大砂川、竹原市)
興亜橋(竹原市)
栄橋(畑岡川、三原市)
三原大橋(天井川・沼田川 、三原市)
臥龍(がりゅう)橋(西野川、三原市)
湧原橋(和久原川、三原市)
古浜橋(古浜入川、三原市)
トンネル
川尻隧道 広島県呉市川尻町小仁方
休山トンネル:延長1,706 m 、2002年 (平成 14年)竣工、呉市
仁方トンネル:延長438 m、1968年 (昭和 43年)竣工、呉市
仁方第2トンネル:延長438 m、1977年 (昭和52年)竣工、呉市
川尻隧道:延長155 m、1958年 (昭和33年)竣工、呉市
黒地トンネル:延長118 m、1980年 (昭和55年)竣工、呉市 - 東広島市
鎌倉トンネル:延長565 m、2009年 (平成21年)竣工、東広島市(安芸津バイパス区間)
木谷隧道:延長138 m、1966年 (昭和41年)竣工、東広島市
道の駅
交通量
平日24時間交通量(台)道路交通センサス
観測地点
平成17(2005)年度
呉市 本通4丁目
28,408
呉市阿賀中央2丁目
39,152
呉市阿賀中央4丁目
47,353
呉市広古新開2丁目
41,340
呉市広白石2丁目
27,885
呉市仁方本町1丁目
20,061
呉市川尻町西1丁目
16,016
呉市安浦町 安登向野原
14,390
東広島市 安芸津町 三津榊山
14,962
竹原市 竹原町中央5丁目
14,136
24時間交通量 (台)道路交通センサス
観測地点
平成22(2010)年度
呉市本通4-7-6
23,963
呉市阿賀中央4丁目
43,909
呉市広古新開2丁目
38,402
呉市広白石2丁目
28,771
呉市安浦町三津口4丁目
0 8,173
竹原市吉名町
10,747
三原市幸崎町能地
0 4,555
広島県 三原市皆実4丁目
13,569
(出典:「平成22年度道路交通センサス 」(国土交通省 ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
地理
通過する自治体
交差する道路
交差する鉄道
ギャラリー
広島県呉市仁方本町
広島県東広島市安芸津町
広島県竹原市高崎町
広島県三原市糸崎5丁目
脚注
注釈
^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
^ 2005年2月7日、東広島市 に編入。
^ a b c d e f g 2022年 3月31日 現在
^ 三原市 のうち皆実二丁目1860番4地先から糸崎八丁目206番2地先まで[ 8] 。
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
国道185号 に関連するカテゴリがあります。
通過市区町村
バイパス
道路名・愛称 道の駅 主要構造物
淀川大橋
神崎大橋
左門橋
武庫大橋
業平橋
新生田川橋
湊川大橋
若宮橋
福田橋
明石大橋
加古川橋
新加古川橋
市川橋
姫路大橋
城山トンネル
揖保川大橋
有年橋
船坂トンネル
三石第一トンネル
備前大橋
百間川橋
旭川大橋
大樋橋
高梁川大橋
神島橋
神村トンネル
真川橋
下木原トンネル
是国トンネル
正分トンネル
福寄トンネル
防士トンネル
時広トンネル
中之町トンネル
駒ヶ原トンネル
西宮トンネル
本郷大橋
中野トンネル
押手トンネル
国信第1トンネル
国信第2トンネル
黄金橋
平野橋
新明治橋
新住吉橋
新観音橋
旭橋/新旭橋
鈴ヶ峰トンネル
八幡川橋
美鈴橋
海老橋
栄橋
岩国トンネル
防府第1トンネル
防府第2トンネル
天神山トンネル
椹野川大橋
高山トンネル
木屋川大橋
長府トンネル
関門トンネル
自然要衝 旧道 関連項目
1 - 100
(1 - 57号は旧一級国道 。59 - 100号は欠番)
101 - 200
(旧二級国道 、109 - 111号は廃止・欠番)
201 - 300
(201 - 271号は旧二級国道 、214 - 216号は廃止・欠番)