上郡町(かみごおりちょう)は、兵庫県の南西部にある町。兵庫県西播磨県民局管轄区域[1]。
概要
兵庫県の西端に位置し、西は岡山県の備前市、南は赤穂市、東は相生市やたつの市、北は佐用郡の佐用町に面する[2]。町の北東部には、隣接するたつの市や佐用郡佐用町と一体になって形成される播磨科学公園都市が広がっている[3]。
町内に所在する主な公共機関としては西播磨県民局、兵庫県立先端科学技術支援センターがあり、大学は兵庫県立大学の播磨理学キャンパス(同大学の理学部)がある。
地理
姫路市への通勤率は11.5%、赤穂市への通勤率は10.5%である(いずれも平成22年国勢調査)。
隣接している自治体は以下のとおりである。
気候
上郡の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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19.4 (66.9)
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21.9 (71.4)
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25.3 (77.5)
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29.6 (85.3)
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32.8 (91)
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35.0 (95)
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37.1 (98.8)
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37.5 (99.5)
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36.0 (96.8)
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30.8 (87.4)
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26.0 (78.8)
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20.3 (68.5)
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37.5 (99.5)
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平均最高気温 °C (°F)
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9.1 (48.4)
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10.2 (50.4)
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13.8 (56.8)
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19.5 (67.1)
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24.3 (75.7)
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27.2 (81)
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30.7 (87.3)
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32.4 (90.3)
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28.4 (83.1)
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22.9 (73.2)
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17.0 (62.6)
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11.4 (52.5)
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20.6 (69.1)
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日平均気温 °C (°F)
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3.2 (37.8)
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4.0 (39.2)
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7.4 (45.3)
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12.8 (55)
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17.9 (64.2)
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22.0 (71.6)
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25.9 (78.6)
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26.8 (80.2)
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22.7 (72.9)
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16.5 (61.7)
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10.5 (50.9)
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5.3 (41.5)
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14.6 (58.3)
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平均最低気温 °C (°F)
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−1.6 (29.1)
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−1.2 (29.8)
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1.4 (34.5)
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6.3 (43.3)
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11.9 (53.4)
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17.6 (63.7)
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22.2 (72)
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22.8 (73)
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18.4 (65.1)
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11.7 (53.1)
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5.5 (41.9)
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0.4 (32.7)
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9.6 (49.3)
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最低気温記録 °C (°F)
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−10.3 (13.5)
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−8.6 (16.5)
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−6.8 (19.8)
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−3.2 (26.2)
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1.5 (34.7)
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7.8 (46)
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14.3 (57.7)
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15.1 (59.2)
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6.3 (43.3)
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1.0 (33.8)
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−3.3 (26.1)
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−7.6 (18.3)
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−10.3 (13.5)
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降水量 mm (inch)
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37.5 (1.476)
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48.0 (1.89)
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91.6 (3.606)
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102.4 (4.031)
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135.8 (5.346)
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172.4 (6.787)
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201.4 (7.929)
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120.1 (4.728)
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177.9 (7.004)
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108.1 (4.256)
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58.0 (2.283)
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49.1 (1.933)
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1,302.2 (51.268)
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平均降水日数 (≥1.0 mm)
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5.4
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6.4
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8.9
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9.6
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9.7
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11.5
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11.4
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8.2
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9.6
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8.1
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5.9
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5.5
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100.3
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平均月間日照時間
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142.1
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140.3
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177.2
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193.0
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198.0
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145.6
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150.8
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203.1
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157.4
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170.0
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153.9
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146.9
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1,984.7
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出典:気象庁
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人口
平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、5.50%減の16,634人であり、増減率は県下41市町村中33位、49行政区域中41位。
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上郡町と全国の年齢別人口分布(2005年)
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上郡町の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 上郡町 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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上郡町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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16,902人
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1975年(昭和50年)
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17,448人
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1980年(昭和55年)
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18,388人
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1985年(昭和60年)
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18,900人
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1990年(平成2年)
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18,781人
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1995年(平成7年)
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18,849人
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2000年(平成12年)
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18,419人
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2005年(平成17年)
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17,603人
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2010年(平成22年)
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16,636人
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2015年(平成27年)
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15,224人
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2020年(令和2年)
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13,879人
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総務省統計局 国勢調査より
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2014年(平成26年)5月8日に「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」が発表した2040年人口推計結果で、20歳から39歳までの若年女性の減少率が2010年(平成22年)比で65.1%。
歴史
原始・古代
縄文時代中期末(約4,000年前)には、町内で人々の生活痕跡が確認されている。弥生時代後期(約1,800年前)には、高田・神子田遺跡[4]で西播磨最大級の竪穴建物が作られるなど、拠点的な集落が営まれる。
古代
古墳時代初頭(3世紀中ごろ~後半)には、千種川流域最大・最古の前方後円墳である中山13号墳が造営される。古墳時代末期(6世紀末~7世紀)には、西播磨最大級の方墳・與井1号墳が築造される。
飛鳥時代の7世紀中ごろには、町内に古代山陽道が敷設される。
白鳳期の7世紀後半には、赤穂郡唯一の古代寺院である與井廃寺が創建される。また、古代山陽道沿いに、掘立柱建物を中心とした初期の形態の駅家である高田駅家と野磨駅家が造営される。
奈良時代後半の8世紀中ごろに高田駅家と野磨駅家は、後期駅家として瓦葺礎石建物に建て替えられる。
平安時代の996年(長徳2年)、内大臣・藤原伊周が殿上籍を削られ、大宰権帥となり流される途中に播磨国に留められ野磨駅家に留まったとされる。
中世
鎌倉時代末期の1333年(元弘3年)、鎌倉幕府に反旗を翻した後醍醐天皇とその第1皇子である護良親王の令旨を受けて、赤松則村(円心)が挙兵。京都・六波羅探題を陥落させて建武の新政が始まる。
建武の新政では、則村は冷遇され、播磨国守護も召し上げられたため、播磨に戻り足利尊氏に与した。尊氏が京都で敗れ西国へ敗走する中、則村は尊氏に九州で勢力を回復することや北朝の光厳上皇を後ろ盾とすることなどの献策を行うとともに、白旗城を築き尊氏を追撃する宮方の新田義貞を釘付けにした。勢力を盛り返した尊氏が東上してくると、義貞は白旗城攻めを諦めて撤退し、尊氏と合流した則村はて、湊川の戦いで、新田義貞・楠木正成を破り、京都を奪還。室町幕府を成立させた。
室町時代の1441年(嘉吉元年)には、赤松満祐・赤松教康父子が恐怖政治を行う第6代将軍足利義教を謀殺するという嘉吉の乱を起こし、播磨で軍備を整えるが、幕府軍である山名持豊(宗全)に攻められ、赤松宗家は滅亡する。
戦国時代の1578年(天正6年)、天下統一を目指す織田信長の中国攻めに際して、羽柴秀吉が上月城攻防戦の際に、町内の別名城に陣を敷いたとされる。
近世
近代
行政区域の変遷
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制に施行により、上郡村・井上村・大持村・山野里村・竹万村の区域をもって上郡村が発足。
- 1913年(大正2年)4月1日 - 上郡村が町制施行して上郡町となる。
- 1955年(昭和30年)3月25日 - 上郡町が高田村・鞍居村・船坂村および赤松村の一部(苔縄・大枝・大枝新・岩木・柏野・細野・赤松・河野原・楠および旭日の一部)と合併し、改めて上郡町が発足。
行政
平成の大合併においては合併相手がひとつに定まらず、(1)赤穂市との合併、(2)相生市との合併、(3)相生市・三日月町との合併、の3種類が候補に上がり、それぞれ独立した合併協議会が設置されるという状態になっていた。三日月町が佐用郡合併を選択し、(1)と(2)は意見対立が大きく、旧・合併特例法の下ではいずれも合併に至らなかった。
相生市との合併協議会は事実上解散状態にある[6]。赤穂市との合併が新・合併特例法の下ですすめられていたが、2007年9月に赤穂市で行われた住民投票で合併反対票が賛成票を大きく上回り[7]、市長が合併断念を表明したため、他市町との合併は断念されるものと見られる。
町長
町議会
衆議院
交通
上郡駅(改修後)
鉄道
主要な鉄道駅として、上郡駅がある。もともとはJR山陽本線のひとつの駅で、京阪神方面からの新快速・快速列車の終着駅に過ぎなかったが、平成6年に智頭急行が開業してからは、智頭急行線の始発駅としての顔も併せ持つようになり、現在では、毎日、鳥取県の倉吉駅(一部は鳥取駅)と京都駅を結ぶ特急「スーパーはくと」8往復(金、土、休日は7往復)、および鳥取駅と岡山駅を結ぶ特急「スーパーいなば」6往復が停車する駅になっている。上郡ー岡山間は、普通電車で55分程度であり、スーパーいなばでは、30分程度である。また、かつては、寝台特急「サンライズ出雲」・「サンライズ瀬戸」が停車していた時期(平成18年3月18日~平成22年3月12日)があった。
バス
- ウエスト神姫
- 東備西播定住自立圏『圏域バス』ていじゅうろう上郡ルート[9]
- 播磨科学公園都市圏域定住自立圏『圏域バス』
- 上郡町コミュニティバス愛のり号
- 運行系統 まちなか循環(右回り・左回り)・高田台・国光各ルート
- 事前予約型乗合タクシーほほえみタクシー
- 運行系統 楠・岩木・梨ヶ原・船坂・宇野山・正福寺・大富各ルート
道路
産業
金融
指定金融機関:みなと銀行上郡支店[11]、播磨科学公園都市出張所[12]
立地企業
マスメディア
- 在阪準キー局(毎日放送、朝日放送テレビ、関西テレビ放送、讀賣テレビ放送。アナログ時代は中継局未設置)については、ほとんどの世帯で共同アンテナまたは姫路ケーブルテレビによって視聴されている。高田地区の一部の世帯は、赤穂中継局からの電波を受信している。
教育
兵庫県立大学 播磨理学キャンパス
小学校
中学校
高等学校
大学
閉校された学校
- 上郡町立高田中学校(1960年3月閉校 現上郡町立上郡中学校へ統合)
- 上郡町立船坂中学校(同上)
- 上郡町立赤松中学校(同上)
- 上郡町立鞍居中学校(同上)
- 上郡町立船坂小学校(2010年3月閉校 現上郡町立山野里小学校へ統合)
- 上郡町立梨ヶ原小学校(同上)
- 上郡町立鞍居小学校(2012年3月閉校 現上郡町立上郡小学校へ統合)
- 上郡町立赤松小学校(同上)
名所・旧跡・レジャー・観光
白旗城跡の石柱
神社
寺院
史跡
施設
その他
祭り・イベント
- 圭介まつり(石戸 5月4日)
- 川の都 かみごおり川まつり(千種川周辺 7月下旬から8月上旬)
- 鞍居ふるさとまつり(鞍居 10月上旬)
- 白旗城まつり(赤松 11月23日)
著名な出身者
その他
市外局番は、0791(20~59)となっている。
- 0791(20~59)エリア
- 相生市・赤穂市・たつの市(新宮町光都)・上郡町・佐用町(光都)
- 相生市・赤穂市・上郡町相互間の通話では、市外局番0791は省略することができる。
郵便番号は、町内全て678-12○△(○△は2桁の数字)で表される。
- 上郡町内の郵便局
- 上郡・高田・船坂・上郡本町・鞍居簡易・西播磨光都プラザ・上郡高田台簡易・梨ヶ原簡易[19]
脚注
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
上郡町に関連するカテゴリがあります。