小芝 風花(こしば ふうか、1997年4月16日 - )は日本の女優。大阪府堺市堺区出身[3]。トップコート所属[4]。
本名同じ。松山千春のヒット曲「大空と大地の中で」歌詞を参考にして母親が「風花」と命名[5]。小学3年生から中学2年までの5年間、フィギュアスケートで冬季オリンピックを目指しバッジテスト7級も取得、全国有望新人発掘合宿にも参加するなど選手活動に打ち込んでいた[6][7][注 1]。当時憧れの選手は鈴木明子[注 2]。
2011年、『イオン×オスカープロモーション ガールズオーディション2011』でグランプリ[注 3]。2012年、『息もできない夏』(フジテレビ)で女優デビュー[17]。2013年、『スケート靴の約束』(テレビ東京系列)出演[18][注 4]。2014年、初主演映画『魔女の宅急便』でスクリーンデビュー。同作で第57回ブルーリボン賞・新人賞、および第24回日本映画批評家大賞・新人女優賞を受賞[20][21]。
2015年、『Dステ 17th「夕陽伝」』のヒロイン・陽向役で初舞台[22]。2016年、『あさが来た』(NHK 連続テレビ小説)第102回よりヒロインの娘・千代役で出演[23]。2017年、『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京)で連続ドラマ初ヒロイン[24]。『ふたりのキャンバス』(NHK ヒロシマ8.6ドラマ)でドラマ初主演[25]。2018年、ディズニー実写映画『くるみ割り人形と秘密の王国』の主人公吹替で声優デビュー[26][注 5]。
2019年、『トクサツガガガ』(NHK ドラマ10)で連続ドラマ初主演[28][注 6]。『歪んだ波紋』(プレミアムドラマ)でヒロイン[31][注 7]。『パラレル東京』(NHKスペシャル シリーズ 体感 首都直下地震)で主演[注 8]。2020年、『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日)で民放連ドラ初主演[35][36][注 9]。2021年、『彼女はキレイだった』(フジテレビ)で、第109回ザテレビジョンドラマアカデミー賞・主演女優賞を受賞[38]。
2023年、『波よ聞いてくれ』(テレビ朝日)で主演[39][注 10]。『あきない世傳 金と銀』(髙田郁原作、NHK BS時代劇)で時代劇初主演[41]。2024年、エランドール賞新人賞[注 11]。12月27日、年内でオスカープロモーションを退所し、翌年からはトップコートに移籍することを発表[43]。2025年、『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)で大河ドラマ初出演[44]。
『魔女の宅急便』で映画デビュー。ホウキにまたがり飛行するシーンは、最高20mもの高さで特撮により行われたが、「フィギュアスケートをやっていた経験が活かされました」「集中力はすごくあると思います。それと、事あるごとに褒めてもらえるのは体幹」ワイヤーアクションも「すぐにできてアクション指導の方に褒めてもらえました」などと語る[64][47]。原作者の角野栄子は、「風花さんに会って、ひとみの中に強い意志と何か憂いがひそんでいるのを見たとき、この人からどんなキキが生まれてくるかと、心がときめきました」とロケ地となった小豆島の取材会でコメント[注 16]。
初舞台の『夕陽伝』では、Dステシリーズ最大という見どころである殺陣・アクションだけでなく、18歳で初めてのキスシーンも演じ、鬼気迫る狂気の演技でも評価を得た[68][69][70]。小芝の起用理由について、総合プロデューサーの渡辺ミキは、女性としての強さと純真な少女らしさを合わせ持つ魅力的な陽向という役に相応しい「日本女性の美点を持ち合わせている」とコメント[71]。
2度目の舞台は日本初演となる『オーランドー』[注 17]。ミステリアスな立ち振舞いで主人公のオーランドー(演:多部未華子)を誘惑し、振り回すロシアの姫君・サーシャ役を演じる[注 18]。演出の白井晃は「スケートで鍛えられていたから、身体を使った表現の経験値が積み重ねられていました。それがこの舞台で開花したんだと思います」と評価。多部や小日向文世ら共演者からも妹のように可愛がられ、「色々アドバイスも貰っていたようです。とても素直だけど、芯の強さを感じました」とコメント[75]。
『あさが来た』のヒロインオーディションでは、年齢が足りず最終選考で落選(出演当時:18歳)。代わりに、ヒロインあさの一人娘・千代役を演じることになる。選考にあたった脚本家の大森美香によると、「本当に大阪の豪商の生まれじゃないかと思える」ぐらいに抜群の印象を持っていた[76][注 19]。この起用が、小芝の役柄の幅を広げる転機となり、自身も「出演して以降、2度目、3度目と声をかけてくれる方が増えて。それが自信の積み重ねになりました」と語る[78][47]。
『マッサージ探偵ジョー』では、くせ者俳優たちの自由演技に瞬時に対応しながら、物語をハイテンションでグイグイ引っ張り、コメディ初挑戦ながら強い存在感を示した小芝を、監督の根本和政も高く評価[79][80]。共演の小澤征悦は「全ては小芝さんがコントロールしていた」「総監督みたいなものですね」と語り、小芝自身も本作を心から芝居を楽しめるようになった作品として挙げる[81][47]。
『トクサツガガガ』では、コメディエンヌとしての才能を発揮し、思い切りのいい演技でドラマをけん引する一方、シリアスなシーンでの抜群の演技力と共演者に光をあてる“受けの芝居”が見受けられた[82]。制作統括の吉永証は、本人の持っている「嫌味のない感じ」「人柄の良さ」「素直さ」が、誰からも愛され、かつ「原作上のヒロインの『筋の通し方』に通じる雰囲気があったこと」などもオファーの決め手だったと述べ、「小芝さんなしでは、この作品は今の形にならなかった、本当に感謝しています。」と語る[83]。
『美食探偵 明智五郎』では、異例の演出が行われ、黒幕を背景に明智五郎(中村倫也)と小林苺(小芝風花)が距離をとり、向かいあわせにテーブルに座る形となった。小芝も「二人の間の距離が、手を伸ばしても届かない、心の距離を表しているようでした。撮影前は不安でしたが、『よかった』というご意見もいただけてうれしい」と語る通り、感情がダイレクトに伝わるこの演出に「#美食探偵」がTwitterのトレンド1位になった[84]。
『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』では、デリケートな感覚の主人公を好演、「せりふが少なく、表情の細かい変化を丁寧に表現しなければならず、今まで演じたことがない繊細な役で難しかったです」と振り返る[85]。そんな小芝について、本作の脚本で第39回向田邦子賞を受賞した橋部敦子は、「正解がない難しい台本。小芝さんを信頼し、感覚にゆだねた。繊細な感覚が画面越しに伝わってきて、すごい女優さんだと思った」とコメント[86]。
『彼女はキレイだった』では、初めてラブコメものの連ドラヒロインを務め、“ダサい”設定のヒロインを丁寧に好演[87][88]。共演の本多力と紙谷楓監督は、ライブ配信した対談で「受けの芝居がむちゃくちゃ上手い」「相手の芝居に対してちゃんと返してくれる」などと、瞬時に演技プランを切り替えられる小芝の瞬発力を評している[89]。出演を終えた小芝は「次は大人な恋愛もののドラマとかもやってみたい」とコメント[50]。
『波よ聞いてくれ』では、滑舌の良さとマシンガントーク、頭の回転の速さと独特のユーモアセンスの主人公を好演[90]。これまでのパブリックイメージを変える大きな挑戦に、小芝自身もターニングポイントとなった大切な作品として挙げる[注 20]。共演の北村一輝は完璧にセリフを覚えてきた小芝に驚き、さらに「空いている時間の現場での姿勢。スタッフに愛されるというか、やっぱり気遣いもできてて、本当にいい女優だなと、僕も勉強になりました」と撮影の裏側のエピソードも明かす[92]。
井田ラボラトリーズが「CANMAKE」誕生35周年を記念して掲げたブランドメッセージを表現するイメージモデルに就任し、以後毎季リリースされるCMに出演[93]。また、日本コカ・コーラの新商品「やかんの麦茶」のイメージキャラクター麦茶屋の店主役に起用されヒット商品に[94][95]。「紅茶花伝」ブランド誕生30周年を機にブランドアンバサダーにも起用される[96]。そして「2021年~2022年の年末年始TV-CMタレントランキング」の放送回数で女性タレント1位[97]。2023年5月調査の『タレントパワーランキング』女性タレント部門では、パワースコア急上昇ランキング第1位に[98]。
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