北陸放送株式会社[1](ほくりくほうそう、英: Hokuriku Broadcasting Co.,Ltd.[4])は、石川県を放送対象地域とするAMラジオ放送事業とテレビジョン放送事業を兼営している特定地上基幹放送事業者。設立時の名称は北陸文化放送[5]。
略称は、金沢本社送信所のコールサイン「JOMR(-DTV)」(AM〈野々市〉:1107kHz / 5kW、DTV〈観音堂〉:下記)と、七尾中継局のかつてのコールサイン「JOMO」(現在は廃止)を組み合わせたMRO。よくあるコールサイン由来の略称ではあるが、複数のコールサインを合わせた略称は、国内のテレビ局では唯一の例である。
1951年(昭和26年)12月24日に「北陸文化放送」(ほくりくぶんかほうそう)として会社設立。1952年(昭和27年)5月10日、「ラジオ北陸」(ラジオほくりく)の名称で日本海側では初めてとなる民間放送によるラジオ放送を開始した。同年11月1日に商号から「文化」を外し現在の商号になる。
なお、北国新聞社は当初、隣県の富山県・福井県も含め、それぞれ500Wを使った「北陸文化放送」の中継局を構想していたが、金沢局のみが開局した[6]。
テレビはJNN系列で、Gガイドの番組データの配信を行っている。JNNにおける報道取材地域は、石川県および福井県嶺北地方[注 1]。石川テレビ、テレビ金沢、北陸朝日放送が開局するまでは、フジテレビ、日本テレビ、テレビ朝日の番組を一部同時・時差ネットをしていた。リモコンキーIDはアナログ親局の6chから「6」で、キー局のTBSテレビと理由共々同じ。
ラジオはJRNとNRNのクロスネットであるが、かつてはJRNの単独ネットだった。
新聞社との関係については、開局当初、地元大手紙である北國新聞社と関係が深く、社屋も隣接していた。現在の本多町へ社屋を移転後、1980年代になると北國新聞社・北陸放送のオーナーであった嵯峨家が北國新聞社から追放されたことやテレビ金沢の開局支援を期に北國新聞社との関係は冷却化し、毎日新聞社や中日新聞北陸本社との関係を深めてきた。1997年(平成9年)のCM未放送問題に端を発し、周辺土地の不正取得等の不祥事が発覚し、これらについてオーナーである嵯峨家の関与が取りざたされ、嵯峨家はMROの経営の実権から退いた。その後事態収拾のためTBS(東京放送)から社長をはじめとする役員が派遣され、TBS系企業により株式の一部が取得されることとなる。
冷却化した北國新聞とは2005年(平成17年)になって再び関係を取り戻している。2007年(平成19年)より北國新聞社社長・主筆の飛田秀一(現・同社名誉会長、北陸放送会長)が非常勤取締役に、2024年(令和6年)より北國新聞社編集局次長の森田奈々が常務取締役に就任した。
開局当初の経緯から、隣県の富山県の最先発である北日本放送と事実上の「準広域放送」的な取り組みをしていた時代があった。ラジオ・テレビ共に系列が異なり、かつ相手エリアで自社の系列局がなかったためである。
新聞のテレビ番組表の局名表記はMROテレビあるいはMROと表記している。読売新聞福井県版(大阪本社管轄地域)では長年「北陸テレビ」と表記してきたが[注 2]、2011年(平成23年)7月24日の地上デジタル放送移行に伴う紙面刷新に伴い他紙で主に使用されている「MROテレビ」に表記を変更した。なお、北陸中日新聞と福井県内向けの中日新聞では1980年代前半頃は『北陸 MRO』と表記していた。
イメージキャラクターとして開局50周年の2001年(平成13年)から長年にわたり、みらいちゃんを採用していた。このキャラクターはMRO主催のイベントなどに着ぐるみで登場していた。キャッチフレーズは「みらいへ、いっしょにMRO」であった。開局70周年を迎える2022年(令和4年)4月1日から、みらいちゃんに代わるイメージキャラクターとして、テミじぃが採用され、新たなキャッチフレーズとして「ツケテミツケテミ! MRO」が制定された。
2006年(平成18年)7月1日に地上デジタル放送を開始した。親局の周波数はUHF14ch、出力1kW。UHF帯のため、石川テレビ放送(ITC)の本社構内送信所を共用している。
2008年(平成20年)10月1日の組織改正で同局のラジオ部門も制作力の強化を実施のため、新たにラジオセンターを新設した。
主な受賞歴に『ラジオヒューマンスペシャル イルカにもらった優しい時間 ~私とスーミーの20年~』で2022年日本民間放送連盟賞ラジオ教養部門優秀賞を、『MRO開局70周年記念特番 ミツケテミ!いしか輪の夢の輪』で2022年日本民間放送連盟賞ラジオエンターテインメント部門優秀賞をそれぞれ受賞した[7]。同じ年に同賞を複数のラジオ番組で受賞したのは初めてだった。『おいね☆どいね Holyday Special〜境界線を考える〜』では2023年日本民間放送連盟賞ラジオ生ワイド部門最優秀賞を受賞した[8][9][10]。
2006年(平成18年)3月末の有価証券報告書の記載では、嵯峨逸平が5.58%を保有する筆頭株主だったが、2006年(平成18年)9月末には4.75%を保有する第3位に下落している。さらに、2007年(平成19年)9月末現在の有価証券報告書では、上位10人(10位で2.78%の持株になる)に記載がなく、この時点で持株は2.78%を下回ったことになる。対してこの間、北國新聞社の持株が増えている(2005年度に第8位株主、2006年度に筆頭株主に復帰)。また、過去には石川銀行(2001年(平成13年)経営破綻)も1992年(平成4年)3月末時点で上位10位以内に名を連ねていた。
出典:[12]
企業・団体の名称、個人の肩書は当時のもの[13][14][15][16]。
ラジオ放送時間は月曜日 1:00 - 5:00(日曜日深夜)を除く24時間放送。放送終了時には終了のアナウンスが流れるが、FM補完放送が開始する以前には、アナウンスに続いて女性コーラスによる合唱『MROの歌』が流れていた。また、第1日曜日の翌日未明には停波入り前に緊急警報放送の試験放送を行っている。
サービスエリアは北陸3県全域と岐阜県飛騨地方、新潟県の一部となっている。
2011年10月3日にインターネットIPサイマルラジオ「radiko」に参加、同日12時よりインターネットを利用しての配信が北陸地方のAMラジオ局としては初めて実施された[58][59]。
2025年4月時点の番組。 詳細は、公式サイトの ラジオトップページ あるいは ラジオ週間番組表 を参照。
自社制作番組は太字。
平日午前
平日昼
平日午後
平日夕方
平日深夜
土曜日
日曜日
その他
ほか多数
サービスエリアは石川県内のほぼ全域、富山県の一部、福井県嶺北地方(福井市・坂井市・あわら市・越前市・鯖江市・勝山市・大野市・永平寺町など)。
福井県嶺北地方ではケーブルテレビの区域外再放送を行っている。福井県にはJNN系列がないため、嶺北地方と敦賀市は北陸放送、敦賀市を除く嶺南地方(小浜市など)は毎日放送(MBSテレビ)が報道取材を行っている(福井県内の原発関連の取材も毎日放送が担当)。近年、敦賀市のニュースに関しては北陸放送が取材、放送を行っている。大きな事件や災害が発生した際はTBSテレビやCBCテレビなどが取材に加わる場合もある。
チューリップテレビが開局するまでは富山県内のJNNの報道取材も行っていた。『ザ・ベストテン』などでは富山県内・福井県内からの生中継も担当していた。『日本縦断クイズ合戦』が富山県で収録された際にも、制作協力という形式で参加した。
リモコンキーID: 6
いずれも2011年7月24日の停波時点のもの。なお、石川県珠洲市内の中継局は、1年前の2010年7月24日で運用終了。
太字は字幕放送 現在の番組の詳細は、公式サイトの テレビトップページ あるいは テレビ週間番組表 を参照。
※ ★印は北陸朝日放送が開局してから同局に移行した番組。
※ ★印はテレビ金沢が開局してから同局に移行した番組。
※その他に石川県庁や、香林坊などにも情報カメラが設置されている。
ラジオ開発部アナウンス室に所属[1][75]。2024年6月25日付でアナウンサー出身の松村玲郎がラジオ局ラジオ開発部長兼アナウンス室長へ就任することになった。2021年4月から2024年6月24日までの部長は次島雅之[注 42][76]。2018年から2021年3月までは野村未来子(ラジオ制作部長兼務)[注 43]。
※はアナウンス部長経験者。●は故人(在職中に死去した人物も含む)。太字は現在も北陸放送の番組にレギュラー出演。
など多数
福井県(以下の局すべて、北陸朝日放送と共々再放送している)
1加盟局が運営・出資する衛星放送(CSチャンネル)2旧TBSは2009年に現TBSに放送免許を譲渡。3旧CBCは2014年に現CBCに放送免許を譲渡。4OTV大阪テレビ放送は後にABCに吸収。OTV閉局当時はJNNが未発足であったが便宜的に記述。5旧RKBは2016年に現RKBに放送免許を譲渡。6旧MBSは2017年に現MBSに放送免許を譲渡。7旧RSKは2019年に現RSKに放送免許を譲渡。8旧BSNは2023年に現BSNに放送免許を譲渡。9母体新聞社及び加盟局と友好関係のある新聞社。10JNN系列局はないが、友好関係がある新聞社(過去に系列局を置く計画があったが、断念した)。11TBSラジオなどが加盟するラジオネットワーク。12旧称・TBSカンガルー災害募金。
12001年に旧TBS(東京放送ホールディングス)はTBSラジオにラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。 22013年に中部日本放送(CBC)はCBCラジオにラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。 32016年に旧RKB(RKB毎日ホールディングス)は新RKBに放送免許を譲渡・継承。42017年に第1次MBS(MBSメディアホールディングス)は第2次MBSに放送免許を譲渡・継承。 52018年に旧ABC(朝日放送グループホールディングス)は朝日放送ラジオにラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。 62019年に旧RSK(RSKホールディングス)はRSK山陽放送に放送免許を譲渡・継承。72021年に第2次MBSはMBSラジオに放送免許を譲渡・継承。82023年に旧BSN(BSNメディアホールディングス)は新BSNに放送免許を譲渡・継承。 9旧称・TBSカンガルー災害募金。
12005年に札幌テレビ放送(STV)はSTVラジオにラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。22006年に旧ニッポン放送(フジメディアHD)は現ニッポン放送(LF)にラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。32017年に第1次MBS(MBSメディアHD)は第2次MBSに放送免許を譲渡・継承。42018年に旧ABC(朝日放送グループHD)は朝日放送ラジオにラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。52019年に旧RSK(RSK HD)はRSK山陽放送に放送免許を譲渡・継承。62021年に第2次MBSはMBSラジオに放送免許を譲渡・継承。72023年に旧BSN(BSNメディアHD)は現BSNに放送免許を譲渡・継承。82023年に旧KBC(KBCグループHD)は現KBCに放送免許を譲渡・継承。
民放テレビ局の網掛の凡例■…NNN・NNS系列局、■…ANN系列局、■…JNN系列局・Gガイドホスト局(通常は兼務)、■…FNN・FNS系列局、■…クロスネット局備考1. ^ FBC福井放送はNNN・NNS系列主体でANN系列とのクロスネット局2. ^ FNN・FNS系列のFTB福井テレビジョン放送はJNN系列局が存在しない地域のGガイドホスト局
AMラジオ局・FMラジオ局の欄の網掛の凡例■…JRN/NRN系クロスネット局、■…JFN系コミュニティFMの欄の凡例J…J-WAVE配信局