北日本放送株式会社[5](きたにほんほうそう、英: Kitanihon Broadcasting Co., Ltd.[1])は、富山県を放送対象地域としたラテ兼営の特定地上基幹放送事業者である。
通称・略称はKNB。
テレビは日本テレビ系列(NNN / NNS)で、リモコンキーIDは「1」。AMラジオはJRNとNRNのクロスネット。NNN系列局のラテ兼営局の中では四国放送(JRT)と並ぶ最も歴史が古い放送局でもある。
系列新聞は北日本新聞および読売新聞。テレビ・ラジオともにニュースタイトルは『KNBニュース』。かつては『北日本新聞ニュース』も放送されたが、現在はすべて『KNBニュース』に統一されている。
元々、ラジオ局として開局したためか、日本テレビや読売新聞との資本関係は一切ない(TBSテレビ系列局のチューリップテレビに読売新聞との資本関係あり)。ただし、ラジオでは1980年代から1990年代にかけての一時期にプロ野球中継との兼ね合いで『読売新聞ニュース』が放送されていたこともある。現在では読売新聞のローカルCMも数多く流れる他、共催イベントも増えてきている。
現行の略称ロゴマークは、2002年(平成14年)の開局50周年を機に、ゆっちゅ・めっぴとともに制定・変更されたもの(社名ロゴは変更せず)。それより前、1997年(平成9年)から2001年(平成13年)までは羽根の付いた卵形の円(青を基調とした)に「KNB」と書かれていたものを使用していた。ただし、当時の正式なロゴは開局時から使用されていたKNBを模った多角形のロゴであった。
現社屋は40年以上使用されているが、壁面の文字は2度変更されている。初代は当時のKNBの正式なロゴで、2代目はゴシック体で「KNB 北日本放送」(ニイスのJTCウィンSタイプの書体)、3代目は南面ではゆっちゅの下に、KNBの現ロゴ、東面に社名ロゴが貼り付けられている。
新聞のテレビ・ラジオ欄では「KNBテレビ」および「KNBラジオ」と表記するところが多いが、かつては、「北日本テレビ」および「北日本ラジオ」と表記されることが多かった。スポーツ報知においては「北日本テレビ」と表記していたが、途中から他紙と同じく「KNBテレビ」と変更された。なお、富山新聞や石川県の北國新聞は一時期「KNBラジオ」ではなく「KNB放送」と表記していた。
地方民放では、ニューメディアの導入を地方で一番早くかつ積極的に行っている特徴がある。アナログ・テレビ期に於いての地方初のカラー放送(1962年〈昭和37年〉7月22日)及び音声多重放送(1978年〈昭和53年〉12月23日)、地上デジタルテレビの地方初放送(2004年〈平成16年〉10月1日)、全国民放初のハイビジョンのデジタル放送機器の完備(2006年〈平成18年〉1月16日)、AMラジオ局としての全国初のFM中継局開局(1991年〈平成3年〉9月27日、新川超短波局。周波数:80.1MHz、出力:50W)及びワイドFMの開局(2014年〈平成26年〉12月1日。周波数:90.2MHz、出力:1KW)も、北日本放送が地方又は全国初である経歴をもつ。
主な受賞歴に『KNB報道スペシャル ふるさとの亀裂~地震と過疎と原発と~』が2024年日本民間放送連盟賞 番組部門ラジオ報道番組最優秀賞、『でるラジ 氷見を元気に!富山を元気に!能登にも届け!』が同賞 番組部門ラジオ生ワイド優秀賞[6]、『KNB報道スペシャル 統一教会と富山政界』が2023年日本民間放送連盟賞 ラジオ番組準グランプリ、番組部門ラジオ報道番組 最優秀賞、『駅ナカ保健室 性教育は誰のものか』が同賞 番組部門テレビ教養番組 優秀賞[7][8][9]、『KNBふるさとスペシャル「エジソンは夢の途中」』が2017年度日本民間放送連盟賞 番組部門テレビエンターテインメント番組 最優秀賞を受賞した[10]。同局はこれまで数多くの番組や広告で様々な賞を受賞している。1996年(平成8年)以降の受賞歴はこちらを参照のこと。
テレビでは、テレビ金沢が開局するまでは、石川県(金沢市や能登地方)の『NNNニュース』取材と『ザ・トップテン』『歌のトップテン』『ズームイン!!朝!』の生中継を担当したことがある(但し、小松市や加賀市など南加賀地域は、福井放送が取材・生中継を担当した)。長らく終夜放送を実施していなかったが、2024年(令和6年)4月29日より日テレNEWS24のサイマル放送による通常時終夜放送を開始。これにより東海・北陸6県のNNN系列局4社すべてで終夜放送を実施することとなった。ただし、各種放送設備の大規模修繕工事実施日は終夜放送を取りやめる場合がある。
視聴率は、2022年度の世帯視聴率が15年連続、個人視聴率が3年連続で3冠を達成した[11]。
出典:[3]
企業・団体の名称、個人の肩書は当時のもの。出典:[15][16][17][18][19]
1988年12月までは5:00開始 - 翌日3:00(日曜付は月曜1:00)までの22時間(日曜のみ20時間)の放送だったが、1989年1月の『走れ!歌謡曲』ネット開始以降は月曜未明を除く24時間放送に移行。放送開始基点は5時となっている。
2023年現在[注 5]、 月曜未明[注 6] が放送休止となっている。
なお、送信所は当初婦負郡四方町田尻地区(現・富山市田尻地区)[89]または呉羽山頂[90]に置かれる予定であった。また、当初の送信所は婦負郡長岡村西山(現・富山市の呉羽山頂御野立所付近)となっていた[91]。呉羽山頂の案は面積が狭くアース埋設が不能であることが判明している[92]。
演奏所(社屋)についても当初は北陸夕刊新聞社(後の北日本印刷)から大和百貨店への変更も検討されたが、ブランケットエリア、アース埋設の問題もあることから、送信所、スタジオを同一箇所にて建設することになった[90]。送信塔については、当初は経営面の見通しが立たなかったため高さ60mの木柱2本(木柱間に空中線を張った)を建て、それぞれ八方針金で支える構造であったが、1957年11月29日には高さ114m、基部の直径40cmの頂冠付鉄柱が完成した[92]。
2025年4月時点。詳細は、公式サイトの ラジオ番組表 を参照。
自社制作番組は太字。
平日午前
平日午後
平日夕方
土曜日
日曜日
その他
1952年6月24日の番組編成。『北日本放送十年史』(1962年4月17日、北日本放送発行)72ページより。
テレビの系列については、北信越の民放各社がほとんどラジオ東京テレビ(現・TBSテレビ)とネットを組んでいたため[注 17]、当初はKNBもラジオ東京テレビ(現・TBSテレビ)系列になるだろうというのが一般の見方であった。社内でもラジオ東京テレビか、日本テレビか真剣に検討が行われ、最終的にはサービス放送中に最後の断が下り、営業成績が良くプロ野球のナイター中継が多くナイターの延長にも対応可能である等の理由から日本テレビ系列主体の編成となった[99]。
このため、NHK富山放送局の総合テレビのリモコンキーIDはかつてのアナログ親局と同じ「3」になっている。
在富局でリモコンキーID「4」はどこも使用していない(系列外で「4」はJNN系列のMBS毎日放送とRKB毎日放送がアナログ親局4chを踏襲している)。
中部地方の民放テレビ局でリモコンキーID「1」を使用する放送局は、ほかにFNN系列の東海テレビもかつてのアナログ親局と同じ「1」になっている。
また、この他のNNN系列でリモコンキーID「4」を使用していない放送局は、ほかに「3」のテレビ宮崎(クロスネット局)、「5」の札幌テレビ(アナログ親局5chを踏襲)と福岡放送(福岡県では先に開局したJNN系列のRKB毎日放送がアナログ親局のチャンネルと同じ「4」を使用しているため、ANN系列の九州朝日放送が「1」を選択(アナログ親局1chを踏襲)したことで空いていた番号を選択)、「7」の福井放送(クロスネット局)、「10」の読売テレビ(アナログ親局10chを踏襲)が存在する。
デジタル放送は2004年10月1日に3大都市圏以外の民間放送局としては初めて放送開始。他にNHK水戸放送局(総合テレビ・Eテレ)、NHK富山放送局(総合テレビ・Eテレ)も2004年10月1日に放送開始している。
2011年7月24日停波時点
サービス区域は富山県全域と石川県の大半、岐阜県飛騨地方・新潟県の一部に及ぶ。かつては石川県鳳珠郡能登町のケーブルテレビ局、能登町有線テレビ放送(旧鳳至郡柳田村時代から実施)で区域外再放送を実施していたが、アナログ放送終了と同時に再送信が廃止された。
2025年4月現在。最新の放送情報は『KNBWEB テレビ番組表』を参照。太字は字幕放送。
※印は番組自体は継続中
チューリップテレビ開局まで。★印はTUT開局後に移行。☆印はKNBが途中で打ち切った番組をTUTが開局後に再開。
BBT開局まで。☆はBBTへ移行した番組。
BBT開局後
『北日本放送十年史』(1962年4月17日、北日本放送発行)228 - 229ページ『感激のTV本放送』より。
当初は専門職で採用していたが、現在は総合職として採用している[116]。
2020年(令和2年)は新型コロナウイルスの影響で両方とも開催中止。 いっちゃん!リレーマラソンは2021年(令和3年)はオンラインで開催したが、KNB大バザールは2021年(平成3年)も開催中止。2022年(令和4年)は7月3日にKNB大バザールが3年ぶりに開催された[118]。なお、2023年(令和5年)からは「KNBサマーフェスティバル」となった。
2021年(令和3年)3月28日より公式アプリ『KNBアプリ』がサービス開始。キャッチコピーは『とやまの今にワンタップ!』。自社制作番組との連動サービスもあり、開始に併せて以前に公式サイトの専用フォームで受け付けていた番組参加はアプリでの応募に移行。ポイントサービスも存在し、アプリでのログインボーナスをはじめとして番組参加ボーナスやミニゲームでポイントを貯めることができる。貯まったポイントはKNB限定グッズやクーポンに交換可能。
局のキャラクターは、ゆっちゅとめっぴとエチュー。 エチューは、不定期で平日の夕方の『いっちゃん☆KNB』などの番組や各種イベントに着ぐるみで登場している。
以前のマスコットキャラクターは『牛島モーモー』で、本社所在地の牛島町にかけてウシをモチーフとしている。 日本テレビ系列のワンセグデータ放送の富山県代表のご当地キャラクターは使用終了後にも関わらず牛島モーモーを使用している。
テレビ欄は、朝日新聞・読売新聞(ともに石川県版)日本経済新聞・スポーツニッポン(ともに北陸3県版)ではフルサイズ、北陸中日新聞・毎日新聞(ともに石川県版)中日新聞の岐阜県飛騨地域版・岐阜新聞(第2テレビ欄)・読売新聞新潟県版(第2テレビ欄)ではハーフサイズ以下で掲載されている。
ラジオ欄は、石川県・福井県で発行している全国紙(福井県の読売新聞を除く)・北陸中日新聞石川県版・日本経済新聞夕刊(東海3県版)に掲載されている。
石川県の北國新聞では2019年(平成31年)3月31日までテレビ欄(これに関しては元日や新聞休刊日のみ2020年(令和2年)4月12日まで朝刊に掲載していたが、2020年(令和2年)5月以降は掲載されていない)、2020年(令和2年)4月30日までラジオ欄が掲載されていたが、現在は廃止されている。ラジオ欄は夕刊のみ掲載を継続している。
1正式なクロスネット局ながら、NNNフルネット局(NNNのニュース番組は全て同時ネットのため)、ANNには報道部門のみ参加。2FNN/FNSとのクロスネット局(資料によってはNNN、FNNのみの加盟と記述してあるものもある)。3FNN/FNS、ANN(報道部門のみ加盟)とのクロスネット局、NNSには非加盟。4加盟局が運営・出資する衛星放送(CSチャンネル)。2025年現在では日本テレビのみが運営・出資している。51996年10月1日開局、2000年9月30日閉局。6太字はNNN・NNS双方に加盟。細字はNNNのみに加盟。7旧NTVは2012年に現NTVに放送免許を譲渡。8加盟当時はSKT静岡県民放送。9CTV開局後はNNSのみダブルクロス。10母体新聞社及び加盟局と友好関係のある新聞社。11一部を除く日本テレビ製作の映画作品に製作委員会として参加。
12001年に旧TBS(東京放送ホールディングス)はTBSラジオにラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。 22013年に中部日本放送(CBC)はCBCラジオにラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。 32016年に旧RKB(RKB毎日ホールディングス)は新RKBに放送免許を譲渡・継承。42017年に第1次MBS(MBSメディアホールディングス)は第2次MBSに放送免許を譲渡・継承。 52018年に旧ABC(朝日放送グループホールディングス)は朝日放送ラジオにラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。 62019年に旧RSK(RSKホールディングス)はRSK山陽放送に放送免許を譲渡・継承。72021年に第2次MBSはMBSラジオに放送免許を譲渡・継承。82023年に旧BSN(BSNメディアホールディングス)は新BSNに放送免許を譲渡・継承。 9旧称・TBSカンガルー災害募金。
12005年に札幌テレビ放送(STV)はSTVラジオにラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。22006年に旧ニッポン放送(フジメディアHD)は現ニッポン放送(LF)にラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。32017年に第1次MBS(MBSメディアHD)は第2次MBSに放送免許を譲渡・継承。42018年に旧ABC(朝日放送グループHD)は朝日放送ラジオにラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。52019年に旧RSK(RSK HD)はRSK山陽放送に放送免許を譲渡・継承。62021年に第2次MBSはMBSラジオに放送免許を譲渡・継承。72023年に旧BSN(BSNメディアHD)は現BSNに放送免許を譲渡・継承。82023年に旧KBC(KBCグループHD)は現KBCに放送免許を譲渡・継承。
民放テレビ局の網掛の凡例■…NNN・NNS系列局、■…ANN系列局、■…JNN系列局・Gガイドホスト局(通常は兼務)、■…FNN・FNS系列局、■…クロスネット局備考1. ^ FBC福井放送はNNN・NNS系列主体でANN系列とのクロスネット局2. ^ FNN・FNS系列のFTB福井テレビジョン放送はJNN系列局が存在しない地域のGガイドホスト局
AMラジオ局・FMラジオ局の欄の網掛の凡例■…JRN/NRN系クロスネット局、■…JFN系コミュニティFMの欄の凡例J…J-WAVE配信局