『ザ・ボディガード THE BODY-GUARD 』は、日本のテレビ映画。主演:千葉真一[1]、制作:NET・東映。1974年4月4日から9月26日まで、ANNにて毎週木曜日22:00 - 22:54に全26話が放映された。
概要
民間の身辺警護会社「ザ・ボディガード」に所属する鷲見秀介がボディガードをしながら、そこで発生する事件を解決していく物語。格闘やスタントには、千葉真一率いるジャパンアクションクラブ (JAC) が関わっていることから迫力ある戦いが描かれる一方、内容は人情味あふれるストーリーで構成されている。千葉は映画「ボディガード牙シリーズ」に続くボディガード役である。
ストーリー
伊達正は東京国際空港で、手錠を掛けられ護送されてきた鷲見秀介を出迎えていた。砂漠のある国で正当防衛とはいえ、人を殺した鷲見を自らが経営する身辺警護会社「ザ・ボディガード」へ入社させるためである。警護の対象者が身勝手でやりがいを感じられなかった鷲見だが、伊達や宮城花恵に諭され、やりぬこうと決意。鷲見は仲間たちと協力し、様々な依頼者や身辺警護をし、発生した事件も解決していく。
各回のストーリーは#エピソードリストを参照のこと。
キャスト
※役名と説明の( )の数字は作品話数。役名右横の数字無しは全話出演。クレジットタイトルの表記順。
- ザ・ボディガード
- 演 - 千葉真一
- 本作品の主人公[1]。外人部隊に所属 (1)。“空手界の麒麟児”と云われていた (2)。ある砂漠の国で友人のアリーとその家族を皆殺しにされ、人質に取られていたアリーの子息を助け出すため、拳銃とシャムシールで武装する3人のギャングと素手で戦い、殺してしまう (1)。正当防衛を主張するものの認められずに処刑寸前のところ、伊達正が助命に奔走したおかげで釈放され、秀介の身柄はザ・ボディガードへ引き取られた (1)。空手・射撃の達人で、日々トレーニングに励む (1, 3)。正当防衛とはいえ、人を殺したことで、いまでもうなされていると告白している (2)。かつての恋人は「幼少のころからあらゆるスポーツをこなしていた彼にとって、就職した職場のデスクワークに馬が合わず、中東の出張所へ移転を志願した。この国や社会、血のつながりに窒息死かけていたが、それをわかってあげられなかった」と回想している (3)。秀介は中東へ赴任してから2か月後に消息を絶つ (3)。1年経ち、出張所は強盗に遭い、会社は秀介が射殺されたと処理した (3)。それから6年後に、秀介は伊達に拾われることとなる (1, 3)。昔の恋人と再会し、彼女が父親から譲り受けた能面を「大事に持っていたほうがいい」と言ったことが、結果的に彼女に殺人を犯させてしまい、悲しみにくれる (3)。
- 演 - 目黒祐樹
- 元・新聞社海外特派員 (1)。「優男で頭は切れるが、腕っぷしは大したことない」と伊達は評しているが (1)、相手次第では戦え (2, 5)、マシンを使って筋トレもしている (4)。情報収集は得意だが (1)、仕事を選り好みする (3)。
- 演 - 千葉治郎
- 大学卒業祝いの帰りに4人のチンピラに絡まれている少女を助けたが、空手で相手を怪我をさせ、就職を棒に振ってしまった青年 (1)。拳銃を撃ちたがり (1)、骨董品のガードを嫌がる子供っぽいところがある (3)。オートバイも乗る (6)。
- 演 - 志穂美悦子
- 男勝りな少女 (1)。北海道の牧場の娘で、両親を亡くした後、伊達が親代わりになっている (1)。電話番、お茶くみ、伊達のマッサージがメインだったものの(1, 3)、トレーニングに熱心なこともあり (4)、次第に現場へも赴き、男顔負けの戦いをする (5)。
- 演 - 西村晃
- ザ・ボディガードの創設者で、警護の指揮を執り、メンバーからは“シェフ”、花恵からは「狸 (2)」と呼ばれている。鷲見秀介を“しゅう”と呼ぶ。厳格と柔和を兼ね備えた人物 (1 - 2)。中東の刑務所で秀介は、正当防衛を主張していたが当局に聞き入れてもらえず、絶望した状況のなかで伊達が日本からやってきて解放し、このことを秀介は深く感謝している(3)。秀介の気持ちを慮り、依頼者のためにボディーガード以外の刑事や探偵まがいの行動を許す、大らかさもある (3)。実は独身で最終話で結婚。同時にザ・ボディーガードも解散してハネムーンに旅立つ。
- 関わる人々
- 演 - 高城丈二
- キザな一匹狼のボディガードで、計算高くダーティー (1)。鷲見秀介が助けようとするが、自分だけで解決しようと単独の行動を好む (5)。伊達がハネムーンに旅立った直後、三つ子が誕生した事が判明し、鷲見たちにからかわれていた (26)。
- 演 - 雪村いづみ
- ファッションデザイナーでブティックを経営し、ザ・ボディガードの事務所の大家 (1)。時に事務所の留守番もする (3)。伊達は「もと三流のファッションモデル (1)」で、「狐 (2)」と呼んでいる。父親は友人の手形保証人になったので暴力団に付きまとわれ、花恵は警察に保護を依頼するが「民事事件だから介入できない」と断られ、父を殺害された過去を持つ (1)。殺された部屋を事務所として使ってほしいと伊達に依頼 (1)。「鷲見ちゃん。吹けば飛ぶようなケチなお客を大切にしてあげてよね。頼むわ」と、この仕事に疑問を抱いていた秀介を諭す (1)。幼い息子を事故で水死させてしまい、そのショックから立ち直れず、自分から離婚を切り出した過去がある。天子にブティックを任せ、パリへ旅立っていった (16)。
- 演 - ビーバー
- そのほか
事務所と自動車
※ ( ) の数字は作品話数。
宮城花恵が経営するブティックの前に「THE BODY-GUARD ザ・ボディガード 事務所 TEL・408-1742」という看板を出す (1)。店の地下に事務所があり、室内射撃場とトレーニングジムが備えられている (1)。メンバーはここで日々鍛錬している (1, 3)。社用車はダイハツ・コンソルテクーペ(EP40系)、シトロエン・DSとシボレー・モンテカルロを使用しているが、モンテカルロは敵に爆破された (1)。
エピソードリスト
※出演はクレジットタイトルの表記順。同じ配役の複数回出演者と全話表記者は#キャストを参照。
スタッフ
※監督・脚本は#エピソードリストを参照。( ) の数字は担当話数で、無しは全話担当。
ロケーション撮影
カリフォルニア州・香港・マカオでもロケーション撮影がされ、第10話「グランドキャニオンの殺人者」では、カリフォルニア州に聳えるマンモスマウンテンのバックカントリーを千葉真一自らスキーで滑走した[注釈 1]。
OPと予告
第3話までは伊達正が鷲見秀介をザ・ボディガードへ入社する経緯、そのメンバー紹介後に番組タイトル、オープニングテーマでストーリーと繋がる画、出演・スタッフのクレジット表記が流れる。第4話以降はオープニングテーマの別バージョンを流し、ナレーション無しの主要キャストのクレジット、番組タイトル、オープニングテーマに出演とスタッフのクレジットという順に変更され、画はそれまでと同様にストーリーに繋がるものとなった。さらに中盤からは主要キャスト紹介の後に本編に入り、その後オープニングに移る構成に変更された。各話のタイトルはハーモニカのBGMと一緒に表示され、次回予告のナレーションは伊達正が第2 - 3話、宮城花恵が第4, 6話、黒沢竜吾が第5話を担当をしている。
放映
放送局
媒体・再放送
ネット配信
脚注
注釈
脚注
関連項目
1974年 - 1976年の千葉真一主演のNET系テレビ映画とテレビドラマ
外部リンク