株式会社ファミリー劇場(ファミリーげきじょう)は、主に日本のテレビドラマ、アニメ、特撮などを24時間放送する専門チャンネル「ファミリー劇場」の運営事業者。通称ファミ劇。
スカパー!プレミアムサービス、スカパー!(東経110度CS放送)、ケーブルテレビ、ひかりTV等へ番組供給を行っている。東北新社グループ傘下で、主な株主は東映、東宝、バンダイナムコグループなど。
概要
東北新社を中心に設立(2005年度に子会社化)され、1996年1月1日に放送開始。開局当初から2001年までは「ドラマ・アニメ・バラエティー ニッポンのテレビ探検チャンネル」をキャッチコピーに、一日22時間の放送で、ドラマ、アニメ、特撮、時代劇などジャンル、制作会社、放送局(民放)を問わずに編成。放送開始当初は競合チャンネルがほとんど無かったこともあり、制作会社を限定しないオープンな番組編成を目指したが、開局後しばらくは東宝製作のドラマ(『37階の男』『プロファイター』『黒い髪の智子』など)を繰り返し放送していた時期があった。
次第に放送番組の本数が増加してきた1997年あたりからは、各ジャンルごとに競合するチャンネル数も増えたため、「過去の民放テレビ局の番組を多く再放送するCSチャンネル」という開局時のチャンネルコンセプトを修正する必要に迫られた。パーフェクTV!開局からディレクTV末期には主に主要株主である東映、東宝、日本アニメーションといった各社の作品を中心に編成するようになる。
2000年5月には各ジャンルを時間帯分けしたゾーン編成となり、各番組枠には「ボクもママも夢中!/オトナが熱中! アニメ&ヒーローアワー」、「国民的大ヒット!/お宝発見! ドラマアワー」、「チャンバラバンザイ! 時代劇アワー」、「みんな大好き! バラエティアワー」などにタイトルが分類されるようになる。その後、2002年秋の改編にて、生活時間帯に応じた編成となり、例えば早朝6:00 - 7:00をお年寄りの生活時間帯として「早起きシニアアワー」とし、時代劇を放送するといった具合で編成するようになる。
2001年5月より24時間放送となり、キャッチコピーも「ドラマ・アニメ・バラエティー 24時間ゴールデンタイムチャンネル」に変更される。2002年7月より本チャンネルでは最初となるオリジナルアニメ『最終兵器彼女』の放送を開始したのをきっかけに、オリジナル作品の製作や、新作の編成も行うようになった。以後「アニメ企画大賞」受賞作品『風人物語』をPPVで特別放送したり、近年では『AKB48 ネ申テレビ』などといった自社オリジナルのバラエティ番組や『緊急検証!シリーズ第○弾』といったスペシャル番組も放送している。アニメを除くオリジナル番組は親会社である東北新社が制作しており、番組やホームページ等で表記される著作権は「ファミリー劇場」ではなく「©東北新社」となる。
2003年より円谷プロダクション制作のウルトラシリーズをCSで最初に放送したほか、2004年以降はNHKで放送した番組(「朝の連続テレビ小説」、「NHK大河ドラマ」、『できるかな』、『コメディーお江戸でござる』など)の放送も増加。2009年からテレビ放送黎明期の作品や、過去に本チャンネルで放映された作品をニュープリントやHDリマスター等のデジタルリメイクをして再放送されている作品も多い。
その後、2000年代後半以降、土曜日の夜19時から24時枠に刑事ドラマのみを編成する「デカ劇場」、日曜日の夜8時台に『ドリフ大爆笑』を放送する「8時だョ!日曜ドリフ横丁」など、各時間帯に特定のジャンルに絞った編成が行われるようになる。現在は主に平日の夜9時、11時枠に各曜日ごとに内容の異なるベルト編成枠を設けている(現在の基本編成についてはこちらを参照)。また、現在は主に『ネ申テレビ』を放送している日曜日の夕方の時間帯にAKB48のライブや関連番組を編成しているほか、不定期で祝日などにAKB48グループの特集企画を長時間編成することもある。
また、2010年代以降は日本テレビ系列で過去に放送された番組を中心に放送することも多い。2012年以降では『ザ・トップテン』、『天才・たけしの元気が出るテレビ!![注 1]』などの番組が放送されているほか、最近では『アメリカ横断ウルトラクイズ』の集中編成[注 2]をはじめとして『木曜スペシャル』で放送した作品を放送することがある。この他、メディアミックス・ジャパン(MMJ)が過去に制作したテレビドラマの放送にも積極的で、『特命係長 只野仁シリーズ』[注 3](テレビ朝日)や『チーム・バチスタシリーズ』、『ヒミツの花園』(関西テレビ)などの作品が放送されている。
この他、年末年始やゴールデンウィークを中心に、毎回テーマの異なる24時間特集編成を行うこともある。
データ放送では、他のスカパー!のチャンネルは「スカパー!みてみてサポーターのご案内」になっているが、当チャンネルでは気象情報・注意報の最新情報を常時放送している。
沿革
主な番組
主要株主である東映、東宝をはじめ、円谷プロダクション、国際放映、日本アニメーション、イザワオフィスなどで制作された作品を中心に編成している。主要民放(日本テレビ系列、テレビ朝日系列、TBS系列、テレビ東京系列、フジテレビ系列)やNHKで放送された番組をはじめとして、自社オリジナル作品も多く放送するほか、WOWOWや独立局で放送された作品も放送する。主に放送されている作品は以下に記す。
ドラマ
アニメ
特撮
映画・オリジナルビデオ
バラエティ
音楽
基本編成
※特別編成などにより、一部番組が異なる場合がある。
主な編成枠と編成内容
(2015年5月現在)
ベルト編成枠
- おはようサスペンス劇場 毎週月曜 - 金曜 8:30 - 10:30。サスペンスドラマ枠。
- 午後のワイドサスペンス 毎週月曜 - 金曜 12:00 - 18:00。サスペンスドラマ枠。
- ファミ劇9時 黄金タイム 毎週月曜 - 日曜 21:00 - 23:00
- ファミ劇11 毎週月曜 - 木曜 23:00 - 24:00
週1回編成枠
- サタデーナイトMAX - 土曜 21:00 - 23:00。特集枠(金曜日夜の「ウィークエンドMAX」より改題)
- サンデープレミアム - 日曜 12:00 - 18:00。大型特集枠。
- 日曜テレビ秘宝館 - 日曜 24:00 - 26:00
オリジナル番組
(2021年11月現在)
放送中の番組
- 第1回:田中真弓×山口勝平(2021年10月22日・11月19日)、第2回:大塚明夫×山寺宏一(2021年11月19日)[3][4]
放送終了した番組
オープニング映像、ロゴマーク表示
番組開始前に、オープニング映像を流す(ミニ番組以外)。
制作局が製作したオープニング映像ではなくファミリー劇場オリジナルのもので、番組が始まる1・2分前に流す。その後制作局が作ったオープニング映像を流し、番組が始まる。
以下は歴代のオープニング映像の変遷。
- 初代(1996年1月1日 - 2001年4月頃) - 白バックに壮大なテーマ曲と共にファミリー劇場のロゴマークが完成するCGを流していた(番組によっては、オリジナル作品本編の前に独自で番組タイトルを表示することもあった)。
- 2代目(2001年5月中旬 - 2005年4月30日) - 2代目マスコットキャラクターの「ギュギュ」ファミリーが登場。ギュギュファミリーの歌(♪ファミリー、ファミリー、ファミリー劇場)の後に続き、ギュギュの手引きによる右スクロールでファミリー劇場のロゴが登場する。
- 3代目(2005年5月1日 - 2007年6月17日) - “ファミリー”を表す、「止まれ」の看板にあるような、あの棒人形を使用し、その棒人形が遊園地で遊ぶという映像が流れ、その後、番組のショート映像が流れる。その遊園地では、「ドラマ」「バラエティ」「アニメ」「時代劇」「特撮」の5種類で遊ぶ、棒人形が登場する。
- 3.5代目(10周年記念バージョン 2006年1月1日 - 12月31日) - 3代目のオープニングのラスト10秒で画面が黒くなり虹色の帯がダッシュして「10th Anniversary ファミリーゲキジョー ファミリー劇場10周年!」の文字が登場する。
- 4代目(2007年6月18日 - 2009年10月31日) - ファミリー劇場のロゴマークの中で、丸いボールがピンボールの感覚で動き、最後は鼻の頭にくっつく。4代目では、ロゴにやや立体感がある。
- 5代目(2009年11月1日 - 使用中) - 3代目マスコットキャラクターの「フィリックス」がロゴマークの外枠部分を筆で書く。16:9で制作。
番組オリジナルの本編中、オープニング映像(サブタイトル)終了後とエンディング前(「つづく」などの表示の前)に、画面右下に白文字で「ファミリー劇場」のロゴが表示される。2001年6月までは、強い黒縁取りに白でロゴマークが表示されていた。
2008年11月より、本編放送中に画面左上に「ファミリー劇場」のウォーターマークが常時表示されるようになっている。ただし同年10月以前に放送された一部の作品(『金田一少年の事件簿』、『創聖のアクエリオン』、『Gメン'75』など)では前述の右下表示のロゴマークと重複して表示されることがある。2010年6月には「ファミリー劇場」の文字が大きくなり、くっきりとしたウォーターマークとなっている。
また、オープニングの番組タイトルとオリジナル作品本編の間にCMが入ることが多い。番組によっては、提供スポンサーがつくこともある。
アニメ番組冒頭の「部屋を明るくして見るように」という注意のテロップも、オープニング映像に準じたものとなっている。
NHK制作の作品を放送する際、冒頭に「この番組はNHKで○○年○月から○月まで放送されたものです」とテロップが出る場合がある。
マスコットキャラクター
1999年から2000年までは「お茶の間博士」(声:鈴木清信)、2001年から2005年春までは「ギュギュ」とその仲間たち(キュキュ、モガモガなど)を使用。2006年からは、かつてテレビアニメとして登場した「たまげ太くん」や、「忍者玉丸」などのオリジナルキャラクターを使用している。また、ファミリー劇場ホームページでもキャラクター紹介がある。
- 現在のマスコットキャラクター
- フィリックス・ザ・キャット - オープニング映像のほか、CMスポットにも登場。
- くらおとくらら - ファミリー劇場オリジナルによる癒し系のクラゲのキャラクター。
- 忍者玉丸 - ファミリー劇場オリジナルによる忍者キャラクター。なお、同名のアニメ作品が本チャンネルでも放送されている。
- P☆Star(ピスター)
- 過去のマスコットキャラクター
- お茶の間博士は1999年登場時は宮地雅子がナビゲーターをしていた『おしえて! お茶の間博士』に主に人形で登場したが、2000年には「ファミリー探検隊」や番宣にもたびたび登場、ファミリー劇場公式ホームページ「ファミゲキ・ドットコム」のカーソルポインターにも使用された。
- ギュギュとその仲間たちは、2001年から2005年までの4年間、番組オープニングやステーションID(オリジナルCM)に多数登場、ファミリー劇場ホームページに「ギュギュ」のコーナーも設けられた。放送ではその他にも加藤夏希のファミナビに登場した。朝日放送のマスコット「キュキュ」とは全くの無関係。
- ザツ学課長 - ファミリー劇場オリジナルキャラクター。正式には「清水課長」。訳知りで教えたがりなことから社内で「ザツ学課長」と呼ばれている。
- たまげ太くん - となりのたまげ太くんを参照。
他チャンネルとの連携
- 2004年から毎年夏休み期間中は、ファミリー劇場と東映チャンネル、テレ朝チャンネルとの3チャンネル合同企画『スーパーヒーローMAX』を展開している。期間中、仮面ライダーシリーズとスーパー戦隊シリーズよりTV作品や劇場版の他、戦隊出身女優が司会をする情報番組『スーパーヒーローMAXナビ』などを放送している。この他にも、以前は特撮情報マガジン『東映ヒーローMAX』(辰巳出版刊)誌面にチャンネル情報ページ「ファミリー劇場 Information」を掲載していた。
- 2012年秋には、東映チャンネルと共同で「ドラマクロスプロジェクト」として『特捜最前線』・『プレイガール』の2作品をリメイク版として制作し、両チャンネルでそれぞれ異なる作品を放送。ファミリー劇場では同年10月に『プレイガール2012〜連鎖誘拐殺人を暴け!熱くてエロくてヤバい女豹たち〜』を放送した。
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク