『ハイポジ』(HIGH POSITION)は、きらたかしによる日本の漫画。双葉社の青年漫画雑誌『漫画アクション』にて2017年2号(同年1月5日発売)から2018年22号(同年11月6日発売)まで連載された。全5巻。
タイトルはかつて、中高音域の録音再生特性が秀でていたハイポジションカセットテープに由来する。
2020年にはテレビドラマ化された。
あらすじ
妻に離婚を切り出され、会社もリストラされてしまった46歳の冴えない中年男性・天野光彦。夢も希望も先細りになったある日、気まぐれに訪れた風俗店で火事に巻き込まれて逃げ遅れた挙句に転倒、気を失ってしまう。薄れゆく意識の中で死を覚悟したが、次に目覚めたときにはどういうわけか記憶も心も46歳のまま1986年にタイムスリップ、16歳の自分の中にいた。
高校時代、密かに恋心を抱いていた同級生の小沢さつき、そのころは話したこともなかった現在の妻・司幸子との間で光彦の心は揺れる。16歳当時になし得なかったことを取り戻すかのように次々と積極的に経験して“2度目の青春”を謳歌する。
登場人物
主要人物
- 天野光彦
- 【1986年】16歳の高校生。30年後・46歳の光彦が事故で意識を失いタイムスリップ。記憶はそのまま、16歳当時の肉体で目を覚ました。戸惑いながらも既に知っている自分の未来と擦り合わせつつ、後悔しない選択をして、もう一度青春をやり直そうと試みる。
- 【現在】容姿も言動も冴えない、うだつの上がらない会社員。妻と娘を大事に思っているが会話に乏しく、家庭内でも孤立している。2週間前に会社からリストラ宣告を受け、将来の見通しも希望もなくなってしまった。家族に告げることも出来ずにいるさなか、妻・幸子から離婚を切り出される。虚しさを紛らわせようと気まぐれで訪れた風俗店で火事に巻き込まれ転倒して気を失った後、意識を取り戻すと、記憶は46歳のまま1986年当時の16歳の自分のなかにいた。
- 小沢さつき(おざわ さつき)
- 光彦の初恋の美少女。ポニーテールがチャームポイント。高校入学時に他県から引っ越してきたこともあり、親しい友人は少ない。両親は離婚しており、喫茶店を経営している祖母のもとに妹と一緒に身を寄せている。祖母の体調が優れない時は学校を休んで店の手伝いをしている。ジャッキー・チェンやブルース・リーの映画が好きだった父親の影響でさつき自身も両者のファン。武術に興味があり、空手の心得がある。ラブ高の不良に絡まれた光彦のことを助けた。
- 司幸子
- 【1986年】聖子ちゃんカット風のショートボブヘアの似合う美少女。のちに光彦と結婚する運命の人。それまで全く気にも留めていなかった光彦(心は46歳)が自分の名を呼び捨てにしたり意識している素振りをみせるため、幸子も光彦の存在が気になり始める。
- 【現在】光彦の妻。結婚後は天野姓。高校在学時には光彦と会話したことがなく、接点がなかった。社会人になり同じ会社に就職したことがきっかけで親しくなり交際を始め、結婚。しかし、何をやってもパッとせず野暮ったい光彦への愛情は日々薄れていき、娘を出産したころからはセックスレスにもなった。笑顔を見せることも会話をすることもないに等しい結婚生活を続けていくことに意味を見出せなくなり、離婚を申し出る。夫がリストラされたことは知らない。
高校の同級生
- 馬場真
- 光彦の悪友。光彦の学校では数少ないヤンキー。リーゼントでキメている。
- 丸尾佳代
- 幸子の親友。幸子と光彦の仲を取り持とうと気を揉む。
光彦の家族
- 父・憲夫
- 1986年当時は単身赴任中。定年後は妻と仲良く旅行に出かけていた。76歳で他界。
- 母・侑子
- 昭和16年生まれ。主婦。30年後は認知症を患っている。
- 弟・考次
- 13歳。スポーツ好きでサッカー部に所属している。30年後は妻と二人の子どもを抱えている自動車ディーラーの営業マン。
- 姉・靖子
- 19歳。やや派手目な容貌で言動も蓮っ葉。光彦にはキツくあたるが、彼氏の前では猫をかぶった甘え声を出す。30年後は離婚歴2回、看護師として勤務している。
その他
- 下妻京一
- 靖子の彼氏。バブル期を満喫している社会人。靖子に内緒で時々他の女性とニャンニャンしている。光彦にもこっそりとオトナの遊びを教える。
- 小沢みどり
- さつきの妹。小学生。
- トラオ
- 私立愛田高校(通称・ラブ高)の不良。光彦に絡んでカツアゲをした。
- タツオ
- トラオと同じく、ラブ高の不良。
- 天野美憂
- 【現在】光彦と幸子のひとり娘。16歳の女子高生。父親を疎ましく感じている。
書誌情報
テレビドラマ
『ハイポジ 1986年、二度目の青春。』(ハイポジ 1986ねん にどめのせいしゅん)のタイトルで、BSテレ東「真夜中ドラマ」枠にて2020年1月12日(11日深夜)から3月29日(28日深夜)に放送された。主演は今井悠貴。原作と同じく1986年に16歳だった光彦を中心にドラマを展開させている。各話のタイトル、および、劇中の印象的なシーンに使用している挿入歌は1980年代に流行していた楽曲[注釈 1]を主に採用している[注釈 2]。
キャスト(テレビドラマ)
【1986年】
主要人物
高校の同級生
光彦の家族
その他
【現代】
スタッフ(テレビドラマ)
- 原作 - きらたかし『ハイポジ』(双葉社)
- 脚本 - 開沼豊
- 監督 - 平林克理、茂木克仁、松下洋平
- 主題歌 - SAKANAMON「FINE MAN ART」
- 音楽 - 倉堀正彦
- 音響効果 - シネマサウンドワークス
- チーフプロデューサー - 金岡英司(テレビ大阪)
- プロデューサー - 岡本宏毅(テレビ大阪)、宇田川寧(ダブ)、加藤千穂(ダブ)
- コンテンツプロデューサー - 金森啓(テレビ大阪)、田中洋行(テレビ大阪)
- 制作 - テレビ大阪、ダブ
- 製作・著作 - ドラマ「ハイポジ」製作委員会
放送日程
備考
- 2020年2月22日、第7話放送開始30分前より、出演者と監督によるSNS LIVE配信を行った。また同日、本作品のオフィシャルブックが発売されることが発表された。
関連商品
- ハイポジ・オフィシャルブック 80年代、それぞれの青春
- 発売日:2020年3月28日、出版社:双葉社、ISBN 978-4-575-31548-6
- ドラマの舞台となっている1986年を中心に、1980年代の楽曲やファッションなどのカルチャーをドラマ出演者の写真と共に紹介。また、ヒロインである黒崎レイナと鈴木絢音の80年代アイドル風グラビアカットも掲載。
関連項目
脚注
注釈
- ^ 一部例外もある(スポーツ行進曲(1953年作曲)、第11話の大半の曲)。
- ^ 各話タイトルに使用している表記は、楽曲タイトル表記を一部変更して使用している回が多い(漢字をカタカナ、ローマ字表記の小文字を大文字に変える、ナカグロを省略など)。
- ^ 異系列である日本テレビ系番組のテーマ音楽。
出典
外部リンク
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真夜中ドラマJ (BSジャパン) |
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真夜中ドラマ (BSテレ東) |
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