『暗殺教室』(あんさつきょうしつ)は、松井優征による日本の漫画。『週刊少年ジャンプ』(集英社)において、2012年31号から2016年16号まで連載された。
2023年10月時点では2700万部を突破している[4]。
テーマが「主人公たちの担任教師を暗殺すること」であり、サスペンスの要素がある学園漫画兼コメディ漫画でもある。メタフィクションとしての要素もあり、同一作者の作品である『魔人探偵脳噛ネウロ』との繋がりを示唆する描写がある。
話数カウントは「第○話」で、サブタイトルは毎回「○○の時間」となっている。ただし、同名サブタイトルの場合は「○○の時間・○時間目」となったり、「の」が語法上なかったりすることがある。
松井の話によると、「この作品の着想は、第1話2〜3ページ目の“生徒が一斉に先生に銃を突きつけるシーン”が思い浮かんだことから」だという。思い浮かんだ後は、そのシーンが成り立つための世界設定やキャラクターを当てはめていった。「離れ校舎のE組」という設定も、「前述のシーンが周囲の目などがある大きな校舎の中では成立しづらいので、『周囲の目がない離れ的な校舎が望ましい、それに合った設定は…』という流れで考えて自然に決まっていった」などと語っている[5]。
2012年11月2日には単行本第1巻が発売され、それを記念して同日から56時間の殺せんせーによるジャンプ公式サイトのジャックが行われた[6]。
各単行本の幕間には何らかのおまけが描かれており、本編の補足や登場人物の詳細が描かれている。
本作品の第21巻(最終巻)には『特別読切 東京デパート戦争体験記』が収録されている[7]。同作は連載会議を通らなかったが直後に本作品の連載が決まったため、使用予定だったキャラクターデザインの多くがスライドされている。
連載当初からアニメ化・VOMIC化などメディアミックスが行われている。2015年1月から6月にはテレビアニメ(1期)が放送された。2015年3月に実写映画が上映された。テレビアニメからはゲームなどが派生した。2015年10月からは『最強ジャンプ』にてスピンオフ作品『殺せんせーQ!』が連載開始した。2016年にはアニメ映画も公開され、殺せんせーQも映画化され、殺せんせーQはシリーズ化も発表された。2016年3月11日にはアニメセカンドシーズン「課外授業編」として、テレビ放映されていない原作ストーリーの一部をdTVから独占配信された[8][9]。
ある日突然、進学校「椚ヶ丘中学校」の成績・素行不良者を集めた3年E組の元に防衛省の人間と、異形な姿をした謎の生物がやって来た。マッハ20で空を飛び、月の7割を破壊して常時三日月の状態にしてしまった危険な生物は「来年3月までに自分を殺せなければ地球を破壊する」ことを宣言したうえ、「椚ヶ丘中学校3年E組」の担任教師となることを希望した。
意味の分からない要望に政府は戸惑いつつも、3年E組の生徒に「謎の生物の暗殺」を依頼。生徒たちは最初こそ戸惑うが、「成功報酬:100億円」のために殺る気を出す[注 1]。その生物=殺せんせー(ころせんせー)の存在とその目的を把握しているのは日本をはじめ各国の首脳陣といったほんの一部の人間のみで、「殺せんせーの存在や殺せんせーの暗殺に携わっていることを、家族を含めた第三者へ絶対に口外してはならない。口外した場合は“記憶消去処置”を施される」「殺せんせーは、3年E組の生徒に絶対に危害を加えてはいけない。ただし、その家族友人は対象外」などの様々な決まりの下に生徒たちは殺せんせーを様々な手段で暗殺しようと試みるが、毎回殺せんせーの素早さと予測不能の行動で阻止され、逆に殺せんせーによる手入れを受けることになってしまう。
しかし、いざ授業が始まってみると暗殺者と標的という異常な状況ながら、多くの生徒たちは殺せんせーの指導と手入れによってこの暗殺教室を楽しみ、今までの「学校中から差別された底辺学級」としてではない前向きな学校生活を送るようになっていく。その一方、生徒の他にも殺せんせーを暗殺するため、世界中から暗殺者が送り込まれてくるのだった。
声の項は、アニメ版 / ジャンプ・スーパーアニメツアー2013版 / VOMIC版の声優の順。1人のみの場合はアニメ版の声優を示す。演の項は実写映画版でのキャスト。3年E組の卒業後にあたる将来の進路や登場人物のその後については原作最終話及び「卒業アルバムの時間」に描かれた。
連載開始時の在籍は26人だったが、物語の展開過程で暗殺目的の転入生として律とイトナが加入し、計28名(男子15名、女子13名)で構成されるようになる。
生徒の暗殺タイプは下記の3種類のタイプに分かれているが、転校生である律とイトナは分類されていない。
本項では各メンバーを分割して記述する。
寺坂を筆頭とするE組の同級生の5人組。当初は4人で、殺せんせーに反抗的なグループとしての位置づけであったが、数々の経験を経てクラスと殺せんせーに馴染んでいっている。一学期期末テストでは殺せんせーに一泡吹かせるため協力し、4人揃って家庭科で学年1位を取り夏休みの暗殺に貢献した。9月よりイトナが加わり5人になる。
実写映画版にて中村、奥田、神崎の3名は渚たちに次ぐ主要生徒として設定された。
成績優秀者が選りすぐられた特進クラスであるA組の中でも、特に成績のいい5人の生徒たち。テストの順位も常に上位で、クラス内では音頭を取る中心メンバーであり仲のいい友人として交流している。全員楽器の演奏も学業の合間に練習し相当な実力で、学園祭ではバンド演奏を行っている。
学秀が体育祭の棒倒しのために呼び寄せた助っ人4人。全員15歳であるが、同年代の生徒たちの倍はある体格を持つアスリートたちである。しかし棒倒しではE組の作戦に翻弄されて最後には敗北を喫することになり、その後、「負けから得るのもある」と学秀を庇ったケヴィンに対して理事長が提案した1対4の勝負を受けた結果、4人まとめて半殺しにされた。テレビアニメ版では、セリフはケヴィンのみに割り当てられ、各自の詳しい描写については割愛されている。
1巻の初版は30万部だったが、わずか半年でヒットの指標とされる累計発行部数100万部を超えた[24]。メディアミックスなしでの累計100万部突破は異例とされている[24]。わずか6巻目で初版100万部を突破[25]。同日発売した藤巻忠俊の漫画「黒子のバスケ」24巻と同時に初版100万部を突破し「週刊少年ジャンプ」で、100万部突破作品が同時に誕生するのは初めてとなった[26]。2023年10月時点で累計発行部数は2700万部を突破している[27]。
表紙はほぼ全て殺せんせーの顔のアップで、顔色と表情は各巻にて異なり、カバー裏に顔色の解説と触手語録(古今東西の格言に触手を絡めたパロディ)が書かれている。最終巻の21巻のみ例外的に表紙が異なり、夜空を見上げるE組がシルエットで映し出されその月に殺せんせーの顔が映る構成になっている。
2016年16号での本編完結後に18号から21・22合併号までの短期集中連載。全4話。
殺せんせーの正体を知ったことで、生徒が暗殺を仕掛けることが出来ずに悩んでいた冬休みの間の殺せんせーの回りで起きた出来事が描かれている。最後は現在に場面が飛び、渚のその後が描かれている。
集英社のヴォイスコミック「VOMIC」として、2013年1月と6月にジャンプ専門情報番組『サキよみ ジャンBANG!』にて放送され、同年2月からVOMIC公式サイトで配信された。
『殺せんせーQ(クエスト)!』が2015年11月号から『最強ジャンプ』で連載開始。企画・ストーリーが渡邉築、作画が青戸成。
内容は、ロールプレイング要素を含んだファンタジーの世界で、勇者育成校の落ちこぼれであるバグ(特殊能力)持ちのE組生徒たちが、魔王である殺せんせーを殺すために奮闘するストーリー。原作のパロディ場面も時折ある。
登場人物の性格は原作とさほど変わらないが、設定は変わっているため五英傑や浅野などは学外の人間になっている。
ジャンプ本誌に何度か出張で読み切り版が掲載されたことがある。
「修学旅行編」が2013に行われた「ジャンプスーパーアニメツアー2013」にて上映され、単行本第7巻特別版付属DVDに収録された。スタッフは、テレビアニメ『戦国コレクション』を手がけたメンバーが中心となっている。
2015年1月より6月までフジテレビ・関西テレビ・東海テレビ・北海道文化放送・BSフジほかにて放送された。BSフジでは、2013年3月をもって『ノイタミナ』枠作品[注 22]のネット放送が打ち切りとなって以来の、フジテレビ製作深夜アニメ放送ということになる[注 23]。
2014年11月には、「ジャンプスペシャルアニメフェスタ2014」にて殺せんせーと烏間の出会いを描く完全オリジナルエピソード「episode:0 出会いの時間」が上映された[28]。
作中の授業パートは第1期・第2期とも通信教育のZ会に監修を依頼している。
フジテレビで2015年1月24日に予定されていた第1期第3話の放送は、「情勢に配慮」という理由から中止されることになった[29][30]。同局広報によると、ISILによる日本人拘束事件に配慮したという。その後の放送については公式ホームページなどで告知するとしていた[31][32][33]。その第3話のフジテレビでの放送は、同年1月31日(30日深夜)に行われた[34][35]。
2015年4月、第1期の放送期間中にテレビアニメ第2期(SECOND SEASON)の制作が決定し[36]、2016年1月より6月まで放送された。この2期は当初予定されておらず、放送中の視聴者の応援によるものであることをシリーズ構成の上江洲誠が明かしている[37]。また、原作の中盤にあたる第14話までを「SECOND SEASON」、終盤にあたる第15話以降を「FINAL SEASON」として扱っている。
2016年4月15日にフジテレビで放送が予定されていた第15話は、熊本県で起きた大地震による報道特別番組のため、当日の放送を休止した[38]。
原作のいくらかの話はカットされており、ハイテンポで話が進んでいる。カットされた話の一部は二期「課外授業編」としてdTVで独占配信された後[9]、Blu-rayとDVDで販売された[39]。また、一期は9巻の途中までであり、以降は二期で原作の最終話の部分まで放送されている。episode:0を除けば、アニメオリジナルの話は特にない。
殺せんせーの最期の部分に相当する24話は「OPなし、かつアバンからラストまでCMを一切挟まない」という異例の構成で放映された。
最終話放送終了後、新規カットを加えた総集編の映画化が発表され、『劇場版 暗殺教室 365日の時間』として2016年11月19日より期間限定で上映された。同時上映としてスピンオフ作品『殺せんせーQ!』もアニメ化された。
2025年4月10日より放送10周年記念『アニメ「暗殺教室」10周年の時間』のキャンペーンとして、第1期と第2期の再放送がフジテレビ系列で開始された。主題歌はそれぞれ新規の曲が用いられている。
なお、『週刊少年ジャンプ』など一部の情報誌では、テレビ長崎(長崎県)でも放送予定と記載されていたが、2015年7月現在、放送開始に関する情報が一切無い(現在は公式サイト内の放送局情報からも削除されている)。
『アニメ「暗殺教室」ラジオの時間〜3年E組 ころ八(ぱち)先生!〜』は、2016年4月4日より6月27日まで文化放送の超!A&G+にて毎週月曜日の19時30分 - 20時に配信された番組。全13回。パーソナリティは渕上舞(潮田渚 役)。
映画『暗殺教室』(あんさつきょうしつ)は、2015年3月21日に劇場版第1作が公開された[45]。
2014年8月26日に渚役の山田涼介(Hey! Say! JUMP)の主演とその他の配役が発表された[46][47]。殺せんせーの声の担当は公開まで伏せられ、公開前の試写会でもエンドクレジットのキャスト部分を修正して上映していたが、公開初日の舞台挨拶にて山田の所属するジャニーズ事務所の先輩でもある嵐の二宮和也が殺せんせー役の声優を務めたことが発表された。なお、二宮が声優に挑戦するのは2006年公開の映画『鉄コン筋クリート』以来9年ぶりとなった[48]。
殺せんせーは着ぐるみとスーツアクターによる演技を3DCGでトレースして描かれている。
原作の最終回が公開される前日にあたる2016年3月18日にフジテレビの『金曜プレミアム』枠で、地上波で初放送(21:00 - 23:22。文字多重放送 / データ放送。解説ナレーター - バッキー木場)された。
2015年4月に続編となる劇場版2作目『暗殺教室〜卒業編〜』の制作が発表され[49]、2016年3月25日に公開された。二宮は殺せんせーの声に加え、その過去の姿でもある死神役として実写でも出演した[50]。
松井自身が制作に協力しており、原作が終わるタイミングで公開されるようにし、結末は変更されないようにしたとのことである[51]。
2017年1月9日には、フジテレビで再び地上波放送された[52](文字多重放送 / データ放送)。
米フロリダでは、教師を殺すシーンが不適切と判断され禁書となっている[76]。
以下の出典は『集英社の本』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
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