『マギ』(英:Magi: The Labyrinth of Magic)は、大高忍による日本の少年漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)2009年27号から2017年46号まで連載された。
『ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)から移籍してきた大高の移籍後初の作品。『千夜一夜物語』をモチーフにした冒険活劇で、登場人物の名前の一部も『千夜一夜物語』から採られている。話数カウントは「第○夜」。第59回(平成25年度)小学館漫画賞少年向け部門受賞。2020年5月時点で累計発行部数は2500万部を突破している[1]。
スピンオフとして、『週刊少年サンデー』(小学館)2013年23号より、登場人物の一人・シンドバッドを主人公とした外伝『マギ シンドバッドの冒険(マギ シンドバッドのぼうけん)』があり、『裏サンデー』への移籍を経て2018年5月2日まで連載された。大高自身が原作を、漫画は大寺義史がそれぞれ担当している。さらにメディアミックスとして本編およびスピンオフのアニメ化がなされた(詳細は#アニメ)。
ここでは主要人物のみ概要を記載する。
物語の舞台となる世界では、人間がただ一種の知的生命体として存在しており、ごく一部の例外を除くほぼ全ての人間は共通の言語を使用している。元々は知的生命体のいない豊かな惑星だったが、アルマトランと呼ばれる異世界の住民が時空のトンネルを利用して移住してきたことで生まれた、ソロモンのルフに満たされる新世界である。アルマトランでは異種族と呼ばれる様々な種類の知的生命体が存在していたが、異世界では個々人の差が小さくなったことで人間の姿に変化し今では人種の違い程度しか存在していない。指導者を失って滅んだアルマトランを教訓に「王」と「マギ」のシステムが残されている。
これらの世界の他にも多くの並行世界が縦に重なるような階層構造で存在しており、上位世界の「神」が定めた「運命」の筋書き通りに下位世界は営まれている。次元の間に存在する縦の壁を破壊するためには神一体分にも相当する莫大な魔力が必要で、ソロモンでさえも「黒の神」から奪い取った魔力を全て使うことでようやく一階層分の次元にしか干渉できなかった。また、ソロモンの意思のある「大いなる流れ」、「堕転」した者達が行く世界、アル・サーメンが封印されている次元、異次元に封印された「黒の神」の中に閉じ込められている者達の4つの「死後の世界」が新世界に関してバラバラに存在している。
最終章では七海連合が世界の覇権を握ったことで国際同盟が置かれ、「奴隷制度の廃止」「兵役制の廃止」「国家間の移住の自由」「世界統一貨幣の制定」という4つの法律を作り宣布されたことによって、王侯貴族の影響力が低下、平和で豊かだが同時に商業での熾烈な競争がある厳しい世界となった。
最終章終盤で「聖宮」と「迷宮の塔」が完全に消滅したことで、世界からは「ジン」「金属器」「マギシステム」が消滅。さらに、世界中の地形がめちゃくちゃに変化してどこが国境なのかも分からない状態になったが、大峡谷も消えて暗黒大陸との行き来が可能になった。
登場人物の一人・シンドバッドを主人公とし、本編に至るまでの彼の半生を描いた外伝作品。『MAGI シンドバッドの冒険』、『マギ〜シンドバッドの冒険〜』、あるいは単に『シンドバッドの冒険』と表記される場合もある[5]。『週刊少年サンデー』2013年23号 - 30号まで短期連載した後、『裏サンデー』に移籍し同年9月18日から2018年5月2日まで連載された。当初は隔週水曜日の更新だったが、11月20日から前後編構成にすることで毎週連載される形になった。2014年12月より小学館のコミックアプリ、マンガワンでも連載されることとなった。漫画は大寺義史が担当している。
また、テレビアニメ第1期のBlu-ray Disc / DVD 第1巻の完全生産限定版には、本作のプロトタイプとなる、70ページの描き下ろし漫画が特典として付属していた。
特別版にはOVAが付属している。
第1期の放送開始1週間前の2012年9月30日、特別番組『話題沸騰!! マンガ『マギ』に魅せられた人、大集合SP』が放送された[6]。出演は山里亮太(南海キャンディーズ)、松井玲奈(SKE48)、ヒデ(ペナルティ)、鈴木奈々、金子貴俊、喜屋武ちあき。進行は山本匠晃(TBSアナウンサー)。この特別番組でメインキャストが初めて発表された。
第1期は2012年10月7日から2013年3月31日までMBS・TBS系列日曜17:00枠にて原作の「シンドリア編」までが放送された。全25話。副題は『The labyrinth of magic』。
MBS製作アニメでは『おそ松くん(第1作)』[注 10]以来実に45年ぶり[注 11]、TBS系列としても『ウメ星デンカ』[注 12]以来43年ぶりの『週刊少年サンデー』連載漫画原作のアニメ作品となり、日5枠では初の週刊連載漫画原作のアニメ作品となる。なお、作品には「小学館創業90周年記念企画」と銘打たれている。
連動データ放送において、全国同時ネットのテレビアニメ作品では史上初となるTwitter連動を実施。ハッシュタグ“ #magi ”を用いたツイートの一部が(若干フィルタリングされて)随時表示される。
第1期最終回で続編「マグノシュタット編」の制作が発表。当初、媒体は未定で2013年秋にリリース予定とされていたが、後にTVシリーズ第2期としての放送が決定し、第1期同様にMBS・TBS系列日曜17:00枠にて2013年10月6日から2014年3月30日まで放送された[7]。また、副題が『The kingdom of magic』に変更された。
オープニング映像およびエンディング映像の下部には歌詞字幕が表示される。
第1期のBlu-ray、およびDVDが2013年1月30日から9月25日まで順次発売された。全10巻。各巻Blu-ray Disc完全生産限定版、DVD完全生産限定版、DVD通常版の3種リリースである。完全生産限定版の映像特典として、アニメの声優陣によるオーディオコメンタリー、ノンクレジットオープニングおよびノンクレジットエンディング(第1巻)を収録。各巻完全生産限定版にはマギシール3枚、8Pブックレット、描き下ろし漫画(第1巻、70P)を同梱。
『マギラジ 〜キャラバン〜』のタイトルで、2012年10月7日から2013年4月21日まで、アニメイトTVにて配信された。日曜のアニメ本放送終了後に更新される。開始1週間前の9月30日には第0夜がプレ配信された。
パーソナリティは毎回アニメのキャストの交代制で行われる。
大寺義史による外伝漫画のアニメ化作品。OVAは単行本『マギ シンドバッドの冒険』第3巻 - 第7巻特別版付属DVDに収録された。ナレーションは中井和哉が担当。
2015年9月30日にテレビアニメ化が発表され、2016年4月より7月までMBS他『アニメイズム』B2枠にて放送された。放送局はBS-TBSでの放送が追加された一方で、地上波は本編よりも大幅に縮小された。内容は、第1話は新規放送、第2話から第6話はOVA版を加筆・修正したもの、第7話以降は新規放送となっている[9]。
「マギ -迷宮組曲-」のタイトルで、2022年6月3日から12日に天王洲 銀河劇場、6月18日・19日に森ノ宮ピロティホールにて公演された。
「マギ -バルバッド狂騒曲-」のタイトルで、2023年6月9日から18日に品川プリンスホテル ステラボール、6月24日・25日に森ノ宮ピロティホールにて公演された。
小学館:コミック
人物一覧
V.I.P - 瞬く星の下で - ANNIVERSARY - 光-HIKARI- - スポットライト
指望遠鏡 - The Bravery - エデン - With You/With Me - ポラリス
作品一覧
クルセイド
大高忍