株式会社電通(でんつう、英: DENTSU INC.)は東京都港区東新橋(汐留)に本社を置く、電通グループ傘下の大手広告代理店。2020年1月1日の純粋持株会社体制移行に伴い、2代目法人として初代法人(現:電通グループ)の事業を引き継いだ。
日本最大の広告代理店であり「広告界のガリバー」の異名を持つ。
国内2位の博報堂DYグループ(博報堂・大広・読売広告社など)の売上高の約4倍と圧倒的なシェアにより、市場の寡占化が問題視され、 2005年には公正取引委員会(竹島一彦委員長[注釈 1](当時))が調査を開始し、調査報告書において電通の広告業界における寡占化の進行の事実を指摘したうえで「公平性、透明性の確保が必要」と結論づけた[2]。
1987年に制定された「CED」の5番目の社章は「Communications Excellence DENTSU -卓越したコミュニケーション活動を」を表しており、2002年12月まで使用された。現在使用されている「dentsu」の社章は2002年12月の汐留移転を機に制定された6代目である。
海外の広告会社に対する積極的なM&Aにより規模を拡大させ、近年では広告代理店グループとして世界6位の規模となっている。
現場優先体質(管理部門からの管理の軽視・無視)、コンペ至上主義(コンペで勝つことを最優先し、そのために他を犠牲にする)であると指摘されている[26]。
電通は、もともと通信社も抱えてはいたがそれを同盟通信社に譲渡、そして同盟通信社の広告事業を吸収して広告専業になった会社である。労働時間を考慮せず日夜ニュースを追いかける通信社(報道機関)的な悪い体質がDNAとして残り、労働時間などに関して残業規制を含めた会社からの細かい管理を現場が嫌い無視する気質が企業風土となった。逆に通信社ではなくなったため、行政からの監督もほとんど入らなくなってしまった[26]。
吉田秀雄(4代目社長)により、1951年に作られた電通社員の行動規範[27]。
1991年の男性社員の過労死(電通事件)の発生後、新入社員研修の教本などからは除外されたが、その後も社員手帳には記載が続けられ、特に第5則が電通の労働体質の背景になっているとされた[28]。2015年12月に発生した新人女性社員の過労自殺を受け、2016年度限りで完全に削除[29][30]。
鬼十則と同じく4代目社長・吉田秀雄により1953年に作られたが、1987年に社員手帳から記述が除外[31]。
1960年代、ヴァンス・パッカードの『浪費をつくり出す人々』の内容をもとに、電通PR(現:電通パブリックリレーションズ)社長だった永田久光により提唱されたとされる[32][33]。ただし、電通の発行物内にはこの戦略に関する記載はなく資料による裏付けはない[34]。
「新入社員研修の一環」として、新入社員らに毎年富士登山を行わせている[35]。同社ではこれを「電通富士登山」と称しており、もともと初代社長・光永が社員の敢闘精神を養う目的で開始したという[35]。
※特撮作品も含む。
テレビアニメ製作は、従来旭通信社→アサツーディ・ケイ→ADKエモーションズ(ADKホールディングス傘下)や読売広告社が強く、電通はあまり力を入れてこなかった。ただしテレビアニメへの参入自体は、テレビアニメ黎明期である1963年放送開始の『鉄人28号』とかなりの古参である。
2000年代に入ってからはテレビアニメ製作にも積極的になっており、パイオニアLDCを買収した(2008年にNBCユニバーサル傘下企業に売却、現:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)。
本件は「電通過労自殺[106][107]」と呼称される。
2017年4月25日に、労使協定で定めた上限を超える残業を社員にさせていたとして、厚生労働省は、「法人としての株式会社電通」ならびに「個人としての、電通の中部支社・関西支社・京都支社の幹部」を、労働基準法違反の容疑で書類送検した[126]。
2017年5月、電通の子会社である「電通東日本」「電通西日本」「電通九州」「電通北海道」「電通沖縄」の5社が、各々を管轄する労働基準監督署から是正勧告を受けた[127]。
電通の場合、政治家それも"自民党議員のボンボン"が多いと指摘されている[注釈 10]。自民党の広報・宣伝は電通が長く担当している[128]。片山さつきはSNS戦略は電通に任せていると語っている[129]。2012年(平成24年)12月に発足した第2次安倍内閣以降、内閣官房内閣広報室の外部民間職員採用で博報堂が外された代わりに9年連続で事実上1~2人の電通職員枠が設けられていた。2019年新型コロナウイルス感染症の流行での持続化給付金事業をめぐる委託事業同様(#持続化給付金事業の受託をめぐる問題参照)、自民党政権と電通との親しき関係ないし蜜月関係が指摘されている[130][131](自由民主党 (日本)#問題にも同旨関連情報あり)。
民間職員採用は民主党政権下の2011年当時の内閣官房長官であった仙谷由人の発案であり、民主党政権下では中心的な存在を博報堂が、自民党政権下では電通単独で担っていたことがわかっている。
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