『わが母の記』(わがははのき)は、井上靖作の日本の小説。また、それを原作とした2012年公開の日本映画。
概要
昭和の文豪である井上靖が68歳の時に出版した自伝的小説。老いた母の80歳から亡くなる89歳について書かれた「花の下」(1964年)、「月の光」(1969年)、「雪の面」(1974年)の3部作となっている。
『しろばんば』などに描かれている5歳の時から8年間、伊豆の山奥の土蔵で彼を育てた曽祖父の妾で小説家の伊上洪作(いがみこうさく)とは血の繋がらない「おぬいばあさん」(実在の名は「おかの」)との生活について、自分は捨てられたのではないかという疑問があった。ある朝、おぬいに息子を奪われたという母親・八重の言葉に感情を抑えられなくなった伊上は、初めて母と対決しようと「息子さんを郷里に置き去りにしたんですよね」と問いつめる。しかし、八重の口からこぼれたのは、伊上が想像もしなかったある「想い」だった。
2012年に原田眞人監督、役所広司主演で映画化された。
書誌情報
映画
映画『わが母の記』(英題:Chronicle of My Mother)は、2012年に公開された。監督は原田眞人、主演は役所広司と樹木希林。第35回モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリ受賞。
キャッチコピーは「たとえ忘れてしまっても、きっと愛だけが残る。」
井上靖の育った地である伊豆市や沼津市にて、地元の全面支援体制でロケ撮影が行われ、実際に東京都世田谷区にある井上の自邸でも行われた[3]。
全国223スクリーンで公開され、2012年4月28、29日の初日2日間で興収1億1859万9200円、動員10万8720人となり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第5位となった[4]。
キャスト
スタッフ
受賞歴
- 第35回モントリオール世界映画祭 審査員特別グランプリ
- 第16回釜山国際映画祭 クロージング作品
- 第47回シカゴ映画祭 コンベンション部門
- 第31回ハワイ映画祭 Spotlight on Japan部門
- 第42回インド映画祭 Kaleidoscope部門
- 第23回パームスプリングス国際映画祭 Modern Masters部門
- 第4回TAMA映画賞
- 最優秀男優賞(役所広司)
- 最優秀女優賞(樹木希林、宮崎あおい)
- 第67回毎日映画コンクール 撮影賞 - 芦澤明子[5]
- 第25回日刊スポーツ映画大賞 - 助演女優賞(樹木希林)
- 第36回日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞(樹木希林)
- 優秀作品賞、優秀監督賞(原田眞人)、優秀脚本賞(原田眞人)、優秀主演男優賞(役所広司)、優秀助演女優賞(宮崎あおい)、優秀音楽賞(富貴晴美)、優秀撮影賞(芦澤明子)、優秀照明賞(永田英則)、優秀美術賞(山崎秀満)、優秀録音賞(松本昇和(録音)/矢野正人(整音))、優秀編集賞(原田遊人)
- 2012度全国映連賞
- 作品賞
- 男優賞:役所広司
- 特別賞:芦澤明子(撮影)
関連作品
出典
外部リンク
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