『機動戦士ガンダムSEED』(きどうせんしガンダムシード、MOBILE SUIT GUNDAM SEED)は日本のアニメ作品。毎日放送製作により、TBS系列で2002年10月5日から2003年9月27日にかけて全50話が放送された。『ガンダムシリーズ』の1つに属するロボットアニメで、主な略称は『SEED』(シード)。2004年には本作の直接的な続編として『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が製作されている。さらに2024年1月には『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の2年後を描いた映画、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が公開された。
キャッチフレーズは 「“ 決闘(デュエル)・暴風(バスター)・電撃(ブリッツ)・盾(イージス)・攻撃(ストライク) 五機のガンダム現る!! ”」[1]。
本作はサンライズ第9スタジオが「新しい世代に向けた、新たなスタンダードとなりうるガンダム」「新世紀(21世紀)のファーストガンダム」[2][3] を目指し制作された。ガンダムシリーズでは初のデジタル制作によるVTR映像のテレビシリーズである[4]。
タイトルには「種子」以外に「遺伝子操作」や「発端」という意味も含まれており[5]、さらに頭文字のSには「ガンダムズ」の意味もある[4][6]。なお、ガンダムシリーズの通例になっていた主人公の搭乗機=タイトルの法則にはなっておらず、その代わりに「SEED」と略記される未知の突然変異遺伝子の設定を反映している。また、サンライズの宮河恭夫とバンダイナムコゲームスの鵜之澤伸の案[7] によって、サンライズ原作のガンダム作品で初めてタイトルに「機動戦士」の冠語がつけられた。
過去の作品で複数のガンダムが敵軍・自軍に分かれて登場したのと同様、本作でも10機以上のガンダムが登場するが、本作の劇中では「ガンダム」という言葉を主人公のキラ・ヤマト個人が自らの搭乗機に名付けたペットネームとして描いており[8]、彼の搭乗したストライクガンダムとフリーダムガンダムに対して「ガンダム」と呼称された以外では、この言葉を劇中で用いていない。
映像ソフトは2003年3月28日からVHSビデオカセット版とDVD版の2種で全13巻がリリースされ、DVD版は累計140万枚以上の売り上げを記録した。2010年2月23日にはTV全50話のDVD-BOX、2011年2月25日には続編とスペシャルエディションの全作品を含めたDVD-BOXが発売された。
従来のガンダムシリーズのファンに加え、多くの女性層のファンも獲得した[3]。ガンプラ(プラモデル)の売り上げも好調で、小学生を中心に“第二次ガンプラブーム”を巻き起こした[3]。関連グッズ、同時期にメディアミックスで展開された『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』や『ガンダムSEED MSV』も人気を博した。2004年に東京アニメアワードでアニメーションオブザイヤー[注 1] とテレビ部門の優秀作品賞の2冠を受賞、第8回アニメーション神戸では作品賞テレビ部門を受賞[9]、また、角川書店の『月刊ニュータイプ』2006年9月号で応募・集計された「最新最強ベストアニメ100」では、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』と共に第1位に選ばれた。2018年に行われた『発表!全ガンダム大投票 40th』では、第3位に選ばれ[10]、徳間書店のアニメージュ・アニメグランプリでは第25回グランプリを受賞した[11]。
従来のガンダム作品の版権管理は創通とサンライズが共同で管理されていたが、本作より製作局である毎日放送もそれに加わり、著作権表示は「©創通・サンライズ・毎日放送」「©2002 SUNRISE INC」だった。2010年以降は毎日放送が外され、SEEDシリーズの版権管理は従来通り2社での管理に戻る。
デジタル放送に移行してからの2011年10月に「HDリマスタープロジェクト」を発表。『機動戦士ガンダムSEED HDリマスター』としてリメイクされ、同年12月23日からのウェブサイト上インターネット動画配信を皮切りに、翌2012年1月1日からは衛星放送のBS11系列、1月3日からは地上波放送のTOKYO MX系列の2局でデジタルテレビ放送が、3月23日からはBlu-ray BOXシリーズがリリースされている。
2002年に放送開始した『機動戦士ガンダムSEED』(以下、『SEED』)であるが、企画は2000年の10月には既に存在したという[12]。
監督である福田己津央はインタビューにおいて、従来のガンダムシリーズからよりターゲット年齢層を下げた作品を意識したと語っている[12]。また、ウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズが時代ごとにその都度に合わせた作品作りをしていたことや、ガンダムシリーズそのものが既に『機動武闘伝Gガンダム』のように新機軸の作品が存在したことから、『機動戦士ガンダム』との共通項を持ちつつも時代に合わせた作品を作る方針になったという[12]。また、福田は後年のインタビューにおいては9.11テロの影響を受け、米軍の中で戦うイスラム兵士というコンセプトから『SEED』の主人公像を形成したと語っている[13]。登場するメカニックが電力駆動するという設定は福田がかつて監督を務めた『GEAR戦士電童』の影響があり、ガンダムという機体の扱いに関しては、搭乗するキャラクターの象徴としての側面を重視したという[13]。また、福田は製作にあたっては自身が以前に監督を務めていた作品である『GEAR戦士電童』から継続したスタッフで固めていたことと、当時サンライズの社長であった吉井孝幸とMBSのプロデューサーである竹田青滋が環境作りに尽力し、『SEED』のヒットを支えたと語っている[14]。
また、本作放送当時にバンダイにてプラモデル担当として携わった狩野義弘はインタビューに際し、メカニック展開において5体編成のガンダムが登場した点に関しては『新機動戦記ガンダムW』の影響によるものだと語っている[15]。
一方で、設定を担当した森田繁はインタビューに際し、直前に放送していた『∀ガンダム』が商業的に不振に終わったことから、より商業的な成功を重視するよう各方面からの圧力がかけられていたと語っている[16]。また、製作当時ガンダムのホビー人口におけるファン年齢層が上がっていたことを受け、本作では小中学生への訴求を重視するようオーダーがあったという[16]。なお、『SEED』ではコーディネイターとナチュラルという遺伝子による対立構図が描かれたが、この発案はプロデューサーの竹田青滋だという[16]。また、森田は『∀』の製作途中に『SEED』の企画に参加し、『∀』がSFとしての色合いから裏設定が増えたのに対し、『SEED』では監督である福田からは映像での描写に説明付ける設定制作を依頼されていたと語っている。また、アフレコの現場で設定面の監修も行っていたことから、自らの所有する脚本に加筆しながらガヤに専門用語を入れていたとしている[17]。
設定製作を担当した下村敬治はコラムにおいて、当初は『ガンダムSAGA』というタイトル案も存在したとしている[4]。また、打ち合わせの際には『海底軍艦』や平成「仮面ライダーシリーズ」といった特撮作品や、『機甲戦記ドラグナー』の話題がたびたび見られたという[18]。
世界観設定を担当した吉野弘幸はインタビューに際し、『SEED』は複数あったガンダム次回作の企画書から福田たちが提出したものが採用された。シナリオの製作においては大河ドラマや少女漫画の影響が存在したと語っている[19]。また報道部出身の竹田が「子供だましはよくないやろ。あるもんはあるもんとして描かな意味がない」と後押しし夕方枠でも手加減なしの作風となったという[20]。
プロデューサーを務めた古澤文邦はインタビューに際し、作品名の本決定以前には10体のガンダムが登場することから「ガンダムズ」といった名称も候補に挙がっていたとしている(同名のバーが既に存在しなかったことから、この案は見送られた)[4]。また、古澤は他のインタビューにおいてはキャラクター、メカニックのデザインにおいて5、6人のオーディションを通して決定したと語っている[21]。
なお、福田はストーリーやテーマ的なことはの両澤千晶が担当していたと語っている[22]。本作の脚本は他のシナリオライターが提出したものをシリーズ構成の両澤が練り直す方式をとっており、該当話数では連名となったという[23]。また、森田と吉野によれば、本読みをやって方向性が固まった話が翌週の本読みで監督たちが来ると全てひっくり返ることが何度もあったとしている。その理由として、家庭内で本読みが先に進んでいるために福田が両澤に対して時間に関係なく要望を述べていたためと語っている[24]。
メカニックデザインを務めた大河原邦男は自著において、「SEED」当時においてプラモデルがガンダムシリーズ一作目『機動戦士ガンダム』以来のヒットであったことから、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が製作されたと語っている[25]。
当初は「キラとアスランが最後まで殺し合う」というストーリーを予定していたが、3クール目辺りからは共闘路線に変更された[26]
C.E.70年、プラントと「地球連合」において発生した戦争は、農業用プラント・ユニウスセブンに核ミサイルが撃ち込またことで激化。物量で勝る地球連合軍の勝利で終わると予想されていた戦争は、膠着状態に陥り11か月が経過していた。
C.E.71年、工学を専攻するコーディネイターの少年キラ・ヤマトは、中立国オーブのコロニー・ヘリオポリスで平和に暮らしていた。しかし、このコロニー内では連合軍による5機のMSの開発と新造戦艦の建造が極秘裏に行われており、その情報を得たザフトのクルーゼ隊は独断で奪取作戦を開始する。日常は一変しコロニーは戦場へと変わり果てた。キラは逃げ惑ううちにMS工場へと辿り着き、連合兵とザフト兵の激しい銃撃戦に鉢合わせしてしまう。その中には、幼少の頃の親友のアスラン・ザラがいたのだった。
思わぬ場所でキラと再会したアスランは、戸惑いながらもMS「イージスガンダム」を奪取。キラは居合わせた連合の技術士官マリュー・ラミアスに促されるまま、残された機体「ストライクガンダム」に搭乗し脱出を図る。しかし、待ち構えていたクルーゼ隊のMS・ジンとの戦闘に巻き込まれてしまう。最初はパイロットですらないマリューがアスランとの銃撃により腕を負傷した状態で操縦しており、徐々に窮地に追い込まれていくも、キラは絶体絶命の際に強引に操縦を代わり、未完成だった機体のOSを瞬時に書き換えるという離れ業をこなし、ジンを撃破する。
キラは無事脱出していた友人達と再会するが、戦闘はまだ続いていた。ストライクガンダムはキラにしか扱えないことから、マリューはコロニーからの脱出を成功させるためにも彼に出撃を要請する。キラも友人達を守るため、否応なくストライクガンダムに搭乗し、ザフトと戦っていく。宇宙での戦いを経て地球に降下し、連合軍の本部であるアラスカを目指すアークエンジェル。
だが、降り立った地に待ち構えたアンドリュー・バルドフェルドをはじめとする敵との戦いとそれによって知った絶滅戦争への可能性から、キラは次第に戦争に対する疑念を感じ始める。また、アスランも戦場にてオーブの姫であるカガリ・ユラ・アスハと出会い、衝突しつつも和解。プラントへの核攻撃やその報復として地球に投下されたニュートロンジャマーを始めとする負の連鎖を語り、次第に惹かれあって行く。その一方で、クルーゼ隊の隊長であるラウ・ル・クルーゼはザフト強硬派でありアスランの父でもあるパトリック・ザラと接近していく。
地上においてザフトとの攻防を繰り広げるアークエンジェル。その最中にアスランたちとの戦いでブリッツの搭乗者であるニコル・アマルフィが戦死。キラとアスランの関係に亀裂が生じ、激戦の末にストライクとイージスは相打ちとなる。キラやその仲間であるトール・ケーニヒらを失いつつもアークエンジェルは連合軍本部であるアラスカJOSH-Aに到着。一方、アスランとの激戦で負傷したキラはマルキオ導師の計らいでプラントの有力者の令嬢ラクス・クラインの元にいた。この時プラントの内政はパトリックが実権を握るに至っており、彼は大作戦「オペレーション・スピットブレイク」を地球連合本部を一網打尽にする掃討作戦として強行した。仲間がいるであろうアラスカ攻撃の報せを受けたキラはこれに動じ、それに呼応したラクスはザフトの最新鋭モビルスーツである「フリーダムガンダム」(フリーダム)をキラに託す。
アラスカはザフトの総攻撃によって壊滅の危機にあり、これに違和感を覚えたムウ・ラ・フラガは、成り行きによって地球連合軍(大西洋連邦)が超兵器「サイクロプス」を用いてザフトの地上軍攻撃と、組織内の不用者の処分を兼ねた自爆作戦を画策していると知る。ムウからその事実を伝えられたマリューはアラスカからの脱出を試みるが、ザフトの追撃が厳しく窮地に追い込まれる。そこへフリーダムを受け取ったキラが降り立ち、アークエンジェルを救援。マリューから内情を聞かされ、連合ザフト双方の兵員に撤退勧告を行う。だが、サイクロプスは起動しアラスカは崩壊。脱出に失敗した双方の兵員から莫大な死傷者を発生させる。これに業を煮やしたザフトはオペレーション・スピットブレイク本来の目標であったパナマを攻撃するが、戦争はエスカレートし、投降者までも殺害する絶滅戦争へと突入していく。
プラントではアラスカの作戦失敗の責を問われたパトリックが、ラクス・クラインのフリーダム強奪協力を理由に対地球穏健派議員を拘束。さらにはアスランに新型モビルスーツ「ジャスティスガンダム」(ジャスティス)を受領させ、奪取されたフリーダムとその目撃者の抹殺を命じる。こうした一連の流れで指名手配を受けていたラクスの父、前議長シーゲル・クラインは銃殺され、逃げのびたラクスも地下に潜伏しプラント市民へ反戦放送を行う。また、ラクスはアスランと遭遇し、彼に戦いの正義を問いかけるのだった。
アラスカからの脱出に成功したアークエンジェルは友軍を犠牲にする連合軍の戦いに疑念を感じ、オーブへと落ち延びる。だが、そのオーブも連合軍の軍需産業複合体のトップであるムルタ・アズラエルの謀略によって侵攻が開始される。自国戦力やフリーダム、修復されたストライク、味方となったバスターガンダム(バスター)、ラクスの問いかけとカガリの存在からザフトを離反したアスラン、ジャスティスらによって連合軍と激突するオーブであったが、防衛線は突破されていき、オーブは残存兵力の一部や後継者であるカガリらを戦艦クサナギに載せて脱出させた後、戦場となったオノゴロ島を自爆。オーブの権力者であったウズミ・ナラ・アスハたちがここで死亡する。
宇宙へと脱出したアークエンジェル、クサナギはプラント国内でレジスタンスと化していた穏健派(クライン派)のエターナルとも合流(三隻同盟)。廃棄されたコロニー地帯メンデルに潜伏するが、ザフトのクルーゼ隊やアズラエルを擁する連合軍のドミニオンに追撃され、一進一退の攻防を繰り広げる。キラはそこでメンデルが自身の故郷であること、その出生の秘密やクルーゼとの因縁を知る。また、クルーゼは自身の出生から世界を憎悪し絶滅戦争へ誘導していた事が判明する。クルーゼの計らいもあり、一連の戦いで核分裂技術の再利用を可能にするニュートロンジャマーキャンセラーを入手したアズラエルは、これを核ミサイルに転用するよう強行採決。ザフトの前線防衛基地の一つであるボアズは核攻撃によって陥落し、ザフトは防衛線を本国コロニー近隣の衛星要塞ヤキン・ドゥーエまで後退させる。
これに激怒したパトリックは最終兵器であるジェネシスの使用を決断。プラント本国への攻撃のため、核ミサイルを携え攻め入った連合軍、そして戦闘の停止を望む三隻同盟との三つ巴の戦いが開始される。ザフトはジェネシスの一斉射で地球連合軍を薙ぎ払い、さらに追撃で月面の連合軍基地であるプトレマイオス・クレーターを破壊。さらに次の照準を地球に定める。これに激怒したムルタ・アズラエルはプラントへの再核攻撃を命令するが、武力介入した三隻同盟によってこれが阻まれる。そして激戦の末、アズラエルは乗艦ドミニオンとともに死亡した。
それでも地球への照準を止めないジェネシスを停止させるために戦うキラの前に、ザフトのモビルスーツ「プロヴィデンスガンダム」(プロヴィデンス)とクルーゼが立ちはだかる。フリーダムとプロヴィデンスは激突し、クルーゼはキラに人類の負の側面を訴えかけるが、キラはこれを退けプロヴィデンスを撃破。爆発に飲み込まれ、フリーダムが大破する。時を同じくしてジャスティスの自爆によってジェネシスも破壊された。また、時を同じくしてザフト内ではパトリックが部下に射殺され、こうした混乱に乗じて拘束されていた穏健派議員が連合側に対し停戦を呼び掛ける。
クルーゼとの戦いで傷ついたキラは宇宙を漂う。そこへ脱出に成功したカガリとアスランが、ストライクルージュに乗って彼の元へ向かった。
(オープニングクレジットより)
『〜ReTracks』はいずれも、ボーカル部分はそのままで曲部分のみアレンジさせたもの。
1月3日
テレビシリーズ全50話(以下原典)を再構成し、一部に新作カットを追加した特別総集篇。PHASE-01 - 21までを描いた「虚空の戦場」、同22 - 40までの「遥かなる暁」、同41 - FINAL-PHASEまでの「鳴動の宇宙(そら)」の3部作で構成されている。
画面アスペクト比は4:3ノーマル・サイズのままで16:9ワイド状になるよう原画の上下部分をクロッピングしている4:3レターボックス(ケース1)で新撮。数人の声優が諸事情(海外在住など)から変更され、サブキャラクターの兼任などから一人二役以上を担当するキャスティングも増えており、その後の関連ゲーム作品では本3部作版のメンバーでアフレコされているものの方が多く、続篇の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の回想シーンでは一部採用されている。
ストーリーは大幅な短縮が図られ、一部には原典とは全く異なるシーンへと新規カットで差し替えられていたり、存在自体が省略されていたりもする(ヘリオポリスの救命ポッドから出てきたフレイ・アルスターがキラではなくサイ・アーガイルと抱き合う、モラシム隊が登場しない、クロト・ブエルのレイダーがディアッカ・エルスマンのバスターに撃たれて戦死する、など)。
「虚空の戦場」「遥かなる暁」の2作はDVD版発売に先駆けて2日間に分けた前後篇スタイルで地上波放送されたが、「鳴動の宇宙」はDVD版リリースのみでテレビ放送はされなかった。
続篇『SEED DESTINY』やリメイク版『機動戦士ガンダムSEED HDリマスター』でも一部カットが流用されている(前者では4:3ノーマルの画面比に合わせて16:9部分の原画の左右を、後者では同16:9部分のみをクロッピングした状態)。
2019年10月25日に機動戦士ガンダム40周年プロジェクト『ガンダム映像新体験TOUR』として『虚空の戦場 HDリマスター』を大型スクリーン規格ULTIRA劇場上映[30]、2020年2月7日には『スペシャルエディションII 遥かなる暁 HDリマスター』を上映[31]。
2002年10月5日の番組放送から10周年を数えた2011年10月に発表され始まった、続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』も含めたリマスタリングを中心とするリバイバル企画の総称。
正式タイトルは『機動戦士ガンダムSEED HDリマスター』となっており、TVシリーズ(以下、この節では「本放送版」と表記)とはあくまでも別作品扱いとなっている。また、製作クレジットは「サンライズ」のみで著作権表示は「©創通・サンライズ」「©2002,2011 SUNRISE INC.」となっている。
SD素材の再撮影またはアップコンバートといった本来のHDリマスターとは異なり、画面アスペクト比を4:3ノーマル・サイズの原画から上下部分をカットした16:9ワイド・サイズでの高精細度=High Definition(ハイデフィニション)化とリニアPCM音源化などを施して新撮され、一部音楽のリミックス版採用や後半のエンディングの差し替え、新作カットとの差し替え・部分的加筆、各エフェクト・背景などの処理変更、本放送版・VHS&DVD版(以下「原典」)およびスペシャルエディション3部作、そして『DESTINY』とのセル画の統合・再編集といった大幅な変更がされている。原典の第14話・第26話は未放送となり、「01.PHASE-01 偽りの平和」(略)「14.PHASE-15+ それぞれの孤独」「15.PHASE-16 燃える砂塵」(略)「24.PHASE-25 平和の国へ」「25.PHASE-27 果てなき輪舞」(略)「48.FINAL-PHASE 終わらない明日へ」などの話数表記に改定され、第24話(旧25話)を「平和の国へ」と改題した全48話構成となった[注 4]。
ストーリー構成は本放送版に沿っているが、「14.PHASE-15+ それぞれの孤独」で第1話・第2話を回想しているシーンでは、第1部「虚空の戦場」でのコールドオープン(ラスティの出撃シーン)やメビウスゼロとシグーの交戦シーン(リニアガン斬りをしない決着描写)を、「38.PHASE-40 暁の宇宙へ」のエンディング映像には、第2部「遥かなる暁」のものを採用したりしている。また、「36.PHASE-38 決意の砲火」からムウが搭乗するようになったストライクが前編新規カットによるマルチプルアサルトストライカーを装備したパーフェクトストライクへと改定されたり、シホ・ハーネンフースが「39.PHASE-41 ゆれる世界」におけるカーペンタリア基地でのクルーゼ隊談話シーンに新規カットで追加されており、初登場のタイミングが変更されたりもしている。
一方、続編の『DESTINY』への繋がりを意識した伏線も追加されており、「36.PHASE-38 決意の砲火」には『DESTINY』第1話におけるコールドオープンでの港へ走るシン・アスカと家族の1カットが挿入され、「39.PHASE-41 ゆれる世界」にはパトリックの演説中継シーンにアカデミー入学直後と思しきシン、ルナマリア・ホークとメイリン・ホークの姉妹、レイ・ザ・バレルが一堂に会している新規カットが加えられるなどしている。細かい所ではオーブ解放作戦での対空砲や補給艦のカットや、フリーダムのクスィフィアス レール砲の射撃シーンが追加・差し替えなどで流用されている。
2011年12月23日から公式ウェブサイト(バンダイチャンネル)・バンダイナムコライブTVなどのインターネット動画で先行配信され、次いで年明け2012年1月1日にBS11で衛星放送、翌々日の3日にTOKYO MXで地上波放送がスタートし、最終話後からは「HDリマスターセレクション」と題し視聴者人気投票などで上位を獲得したエピソードのスポット再放送が行われた。
商業展開では、バンダイのプラモデル 1/144スケール HG SEED HGシリーズのリニューアルおよび新規キットの発売、ビクターから発売された主題歌・挿入歌をリメイクした「Reunion Series」のCD・ダウンロード販売、コミカライズ版の連載などが行われている。
スタッフも「リマスター・スタッフ」としてエンディングクレジットに別記されており、「HDリマスタリング」など原典では存在しなかった役職もある。
HDリマスター版の展開以降、現在はCS放送やインターネットの動画配信サイト・ローカル局での放送[注 13] でもこちらの素材が標準となっており、本放送版の視聴手段が少なくなっている。
映像ソフトはBlu-ray BOXシリーズとして全4巻でリリース。
本放送版との違いとしては、第1期オープニングがPHASE-03から描き直された後期バージョンでの統一化、監督の福田己津央や主要キャラクターの声優陣によるオーディオコメンタリー、「AFTER-PHASE 星のはざまで」[注 8]の収録などが挙げられる。DVD版に比べ廉価的な要素はなく、新作アニメ4クールとほぼ変わらないフルプライスであった。
2006年に発表されて以降続報がなかったが、2021年に放送20周年を記念した新プロジェクト「GUNDAM SEED PROJECT ignited」の中心企画として改めて製作が告知された[32]。その後、2023年7月2日、テレビアニメ『機動戦士ガンダム水星の魔女 Season2』最終話の放送直後に、新作映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(きどうせんしガンダムシード フリーダム)と題して2024年1月26日に劇場公開される旨が発表された[33][34][35]。
2025年、第19回声優アワードにて、シナジー賞を受賞[36]。
『機動戦士ガンダムSEED』の本放送当時は、ED後に女優上戸彩の主演によるプラモデルCMが放送されていた[38]。この放送CMを集めた映像ソフトとして、『上戸彩 in GUNDAM PLA-MODEL CM』が誌上通販で発売されている[39]。
一部に性的・残虐な描写があり、ベッドシーンを匂わせるシーンについてBPOに一度回答を求められたことがある[40]。
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featuring SUIT CD - 交響組曲 - X42S-REVOLUTION - 機動戦士ガンダムSEED COMPLETE BEST - 機動戦士ガンダムSEED DESTINY COMPLETE BEST - Reunion Series - Reborn