『いぬやしき』は、奥浩哉による日本の漫画。
講談社の漫画雑誌『イブニング』にて、2014年4号(2014年1月28日発売)から2017年16号まで連載された。全85話で、2015年4月22日発売の『週刊少年マガジン』第21・22合併号には、作者初の少年誌掲載となる出張掲載もされている[1]。
単行本は全10巻が出版され、第9巻は週刊少年マガジンに掲載された読み切りがフルカラーで収録された特装版が発売されている。2018年4月時点で累計発行部数は310万部を記録している[2]。
2017年にアニメ化され10月から12月まで全11話が放送され、2018年4月には実写映画化され劇場公開された。
宇宙人の手によって機械の身体となった初老の男性と高校生の活躍や苦悩、救済される人々や殺害される人々を描く。
現代の日本。老人のような外見の冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は、会社や家庭からも疎外された生活を送っており、ようやく購入した一戸建てすらも家族の歓心を得ることができなかった。追い打ちをかけるように胃ガンだと診断され、余命3か月を宣告される。
ガンのことを家族に打ち明けるタイミングが見つからず、打ち明けたとして家族が悲しんでくれるか思い悩む犬屋敷は、犬の散歩中に、高校生・獅子神皓と共に、非常に小さな宇宙人による事故に巻き込まれ死亡してしまう。事故を隠蔽したい宇宙人によって、犬屋敷と獅子神は生前の記憶や精神を持った「機械の身体」となって蘇る。
日常における肉体との相違から、身体が機械となり本当の自分は死んだことを自覚した犬屋敷は、人でもなく犬屋敷壱郎でもない自分の存在意義を問い始める。そんな折、少年たちからリンチされているホームレスを助けて感謝されたことをきっかけとして、人助けに存在意義を見出すようになる。
犬屋敷と同じく機械の身体となったことを自覚した獅子神は、イジメを受け引きこもりとなっていた幼馴染・安堂直行に自らの能力を披露し、再び登校するよう説得する。獅子神は母親や親友には有用に能力を使う一方で、生を実感するために民家に押し入っては無差別殺人を繰り返していた。
一方、「生物の命を助けることもできる」ことに気付いた犬屋敷は、現代医療では助からない重病人の治癒も始め、ますますその能力を他人のために使おうと考える。無差別殺人事件が獅子神の犯行であることに気づいた安堂は、もう一人の能力者である犬屋敷と出会い、共に獅子神を止めようと行動を起こす。
末期ガンの母親を治したことをキッカケに「もう殺人はしない」と決めた直後、無差別殺人の犯人として警察に踏み込まれて逃亡の身となった獅子神は、彼に想いを寄せ無実を信じるクラスメイトの渡辺しおんに匿われる。マスコミに取り囲まれて謝罪する母親がその晩に自殺したことから、父親の自宅に殺到したマスコミを惨殺。さらに、マスコミに自宅の個人情報を送ったニート男や、炎上させていた匿名掲示板の住人たちを遠隔殺害していく。
しおんに説得され、能力を人助けに使い始める獅子神だったが、特殊部隊の突入でしおんと彼女の祖母が銃撃されたのをきっかけに、再び逃亡生活となる。警察署を襲撃して殺戮した獅子神は、駆けつけた特殊部隊をも自動迎撃モードで壊滅させる。その後、日本に対して「宣戦布告」を宣言した獅子神は、新宿で無差別殺人を開始する。
獅子神は多数の旅客機を街に墜落させ、日本への攻撃を開始。それを止めようとした犬屋敷と獅子神によって、都内上空で激しい攻防が繰り広げられ、やがて獅子神のエネルギー切れの隙を突いて犬屋敷が勝利する。引き続き犬屋敷は、火災事故に巻き込まれていた娘・麻理の救出へ向かい、さらに大勢の人々を救出する。犬屋敷の姿はテレビやインターネットで公開され、その存在が日本中に知れ渡る。
翌朝、自宅に帰った犬屋敷は「機械の身体」であることを家族に明かした。本当の自分は死んで、ここにいる自分は偽物かもしれないと告げ、家から去ろうとする犬屋敷だったが、妻・万理江や麻理が受け入れてくれたことで涙ながらに喜ぶ。当初は困惑していた息子・剛史も後に受け入れ和解し、犬屋敷は大切な家族として扱われるようになった幸せな生活を過ごす。
一方、獅子神は後頭部と両腕を失った状態で、安堂の前に姿を現す。獅子神は再会の理由を説明するが、安堂に全く信用してもらえず、安堂との友情が無くなったことを実感する。また、しおんに会うこともできず孤独となる。
家族団欒の日々を送る犬屋敷であったが、以前から危惧されていた「巨大隕石が地球に衝突する」というニュースが流れる。自身の能力で出来ることはないかと諦めきれない犬屋敷は、引き留める家族や安堂を諭し、一人で隕石の破壊へ向かう。
犬屋敷は能力を使って様々な手段を試すが、隕石は破壊することも軌道を変えることもできない。そこへ獅子神が現れ、自分にも死んでほしくない人間がいることを打ち明け、巨大隕石を破壊できる方法を提案する。2人の自爆によって巨大隕石は破壊され、地球の危機は免れた。混乱は収まり平穏になった地球で、人々は再びそれぞれの日常を生き続ける。
声の項はテレビアニメ版のもの。演の項は実写映画版のもの。
*が表示されたものは実写映画では未使用。
事故により破壊された犬屋敷と獅子神を復元するために異星人が流用した機械兵器。素材や原理については不明だが、全身の表面は人間本人の皮膚や毛髪との判別が非常に難しい組織で覆われ、レントゲン撮影では内部を可視化できない。注射針やカッターナイフの刃、空中からの落下、被弾や殴打による衝撃は伝わるものの対物ライフルにすら耐える耐久力を持つ。消化機能が無く飲み物は体内でエネルギーになるのに対し食べ物を体内に入れた際は腕から噴出する様になっている。更に視力も高くなり犬屋敷は皮肉にも兵器ユニットを搭載された事で眼鏡が不必要になった。
2017年10月より12月までフジテレビ「ノイタミナ」ほかにて放送された[22]。
2018年4月20日に公開された。監督は佐藤信介、主演は木梨憲武[22][28]。
第36回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で、インターナショナルコンペティション部門のグランプリにあたる、ゴールデン・レイヴン賞を受賞[29]。
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