関西本線(かんさいほんせん)は、愛知県名古屋市中村区の名古屋駅から亀山駅、奈良駅を経て大阪府大阪市浪速区のJR難波駅に至るJRの鉄道路線(幹線)である[2][3]。名古屋駅 - 亀山駅間が東海旅客鉄道(JR東海)、亀山駅 - JR難波駅間が西日本旅客鉄道(JR西日本)の管轄となっている[3][4][5]。このほか日本貨物鉄道(JR貨物)の四日市駅 - 塩浜駅間、平野駅 - 百済貨物ターミナル駅間の貨物支線を持つ[6]。
本項目では主に関西本線全般の概要や沿革などについて記す。地域ごとの詳細については以下の記事も参照。
概要
名古屋と大阪を三重県の北勢地方、伊賀地方、京都府南部、奈良県北部を経由して結んでいる。民間の鉄道会社である関西鉄道の路線として開業し、名古屋と奈良・大阪を最短距離で結ぶ鉄道路線[7]として鉄道作業局の時代から国有鉄道と乗客を奪い合った歴史を持ち、路線名もこの社名に由来する。関西鉄道の国有化後は輸送量が逼迫していた東海道本線のバイパス的路線として活用され、名阪間を結ぶ路線として1970年代まで全線を直通する列車が運転されていたが、並行する東海道本線や東海道新幹線の整備、近畿日本鉄道(近鉄)の名阪特急の台頭、名阪国道や名神高速道路の開通によるモータリゼーションの普及などにより、名阪間の輸送からは撤退した[8]。現在では亀山駅、加茂駅を境界として運転系統が3区間に分割されており、境界となる駅を跨いで運転される旅客営業列車は、2006年の急行「かすが」の廃止以降は一切運転されておらず、東海道本線のバイパスや名阪間の都市間輸送路線としての性格は完全に消滅している[7][8]。
JR東海エリアの名古屋駅 - 亀山駅間は名古屋都市圏の通勤・通学路線としての役割を持つ。名古屋駅 - 河原田駅間では、伊勢鉄道に乗り入れて三重県中南部や和歌山県南紀地方へ向かう特急「南紀」や快速「みえ」などの直通列車が運行されており、河原田駅 - 亀山駅間は名古屋方面との普通・快速列車のみが運行されている[9]。近鉄名古屋線と競合関係にあるが、この区間は単線区間が未だに多く存在し、設備や運行本数・利便性などで近鉄の方が有利な状況にある。
JR西日本エリアのうち亀山駅 - 加茂駅間は単線の非電化区間であり、1両ないし2両の気動車による地域輸送(ローカル輸送)に徹している[8]。沿線は山間部が多くを占め、大都市圏に含まれる他の2区間と比べると沿線人口は圧倒的に少ない[8]。また、2022年4月11日にJR西日本が公表したローカル線の線区別収支によると、同区間は2019年度の輸送密度が1日2000人以下となっており、JR西日本は路線の活性化策などを関係自治体と協議したい考えで、廃線も視野に議論が進む可能性があると報じられている[10][11]が、三重県側の地元自治体の一つである亀山市は存続希望を示している[12]。
JR西日本エリアの電化区間(加茂駅 - JR難波駅間)には1988年3月から「大和路線」(やまとじせん)という愛称が付与され、アーバンネットワークを構成する路線の一つに位置づけられている[13][注 2]。大阪都市圏の通勤・通学路線としての役割を持ち、大阪環状線に直通して大阪駅(梅田)方面に至る「大和路快速」も設定されているほか、奈良へ向かう観光路線としての性格もある。なお、大阪 - 奈良間の都市間輸送については近畿日本鉄道(近鉄)奈良線と競合関係にあるが、JRの奈良駅が近鉄奈良駅と比較して奈良市の中心部からやや離れていることや、関西本線が生駒山地を南側に迂回するルートを通っていることもあって、近鉄奈良線が有利な状況になっている。王寺駅 - JR難波駅間では、和歌山線や桜井線方面に直通する快速列車も運行されている[14]。
名古屋駅 - 亀山駅間はJR東海東海鉄道事業本部の管轄(該当全区間直轄)、亀山駅(構内を除く) - JR難波駅間はJR西日本近畿統括本部の管轄である。
JR西日本管内の柘植駅 - JR難波駅間は旅客営業規則の定める「大阪近郊区間」に含まれており、そのうち奈良駅 - JR難波駅間が電車特定区間、天王寺駅 - JR難波駅間が大阪環状線内に含まれ、区間外よりも割安な近距離運賃が設定されている[15]。また、JR東海管内の全区間がICカード「TOICA」のエリアに[16]、JR西日本管内の全区間が同「ICOCA」のエリアに含まれている[17][18]。
路線記号はJR東海管内が CJ[19]、JR西日本管内のうち亀山駅 - 加茂駅間が V 、加茂駅 - JR難波駅間が Q(木津駅 - 奈良駅間は奈良線の列車が乗り入れているため、重複して D も付与)[20]。
路線データ
沿線概況
名古屋駅 - 亀山駅間
名古屋駅を南向きに出発した列車は、名古屋車両区への回送線および名古屋臨海高速鉄道あおなみ線とともに右に曲がり、東海道本線などから離れる。左側にはかつて笹島駅(貨物)であった跡地が広がる。右側を走っていたあおなみ線が頭上を越えて左側に移ると、進行方向右側には名古屋車両区が広がる。最初に関西鉄道が開業した「愛知駅」はここに位置した。名古屋高速5号万場線をアンダークロスした後、高架となり、あおなみ線が左へ離れていくと、間もなく八田駅に着く。その後、庄内川橋梁の手前で近鉄名古屋線をアンダークロスし、国道302号を乗り越えると2001年に新設された春田駅に着く。その後、蟹江駅、永和駅を経て弥富駅に到着する。弥富駅では名鉄尾西線と接続する。同駅から桑名駅までは近鉄線と並行する。木曽川を渡ると三重県に入り、長島駅を経て長良川と揖斐川を渡る。この区間は1959年の伊勢湾台風で甚大な被害を受けた。また、この付近で近鉄名古屋線の旧線跡が垣間見える。桑名駅に着く手前で関西本線が近鉄線を潜る。
桑名駅は近鉄名古屋線のほか、養老鉄道養老線や三岐鉄道北勢線と接続する。三岐鉄道北勢線を潜り、朝明信号場で複線になった後、近鉄名古屋線と併走しながらカーブして朝日町に入り、東芝の工場の手前で近鉄線と離れ朝日駅に。伊勢湾岸自動車道を潜る手前で四日市市に入り、三岐鉄道三岐線と近鉄線を潜り富田駅に着く。三岐鉄道と貨物列車の連絡が行われており、駅東側に貨物ヤードが広がる。
この駅は三岐鉄道の基地でもあり、東口を出た先には本社ビルがある。ここから先は四日市の工場地帯となり、大小の工場や事業所などが広がる。国道1号・国道23号と寄り添い、富田浜駅を経て四日市駅に着く。四日市駅は市名を冠した駅であるが、市の中心駅は実質的に近鉄四日市駅である。塩浜駅への貨物線が分岐する貨物列車の一大拠点であり、貨車が多く置かれている。
四日市駅の次の南四日市駅を過ぎ、工業地帯を抜けると河原田駅に着く。同駅では伊勢鉄道と接続し、途中で単線が上下線から別れその間を走って駅に着く。伊勢鉄道のホームは築堤上にあり、跨線橋で結ばれている。名古屋駅発の特急「南紀」や快速「みえ」などの列車はこの駅から伊勢鉄道へ乗り入れ、津駅を経て鳥羽駅、新宮駅、紀伊勝浦駅に向かう。
河原田駅から単線区間になる。車窓は田園風景となり民家も少なく、鈴鹿山脈の南端に沿って小高い山の裾を廻る。鈴鹿市に入り、線路の南に沿って流れる鈴鹿川の水面が現れる。河曲駅を過ぎ、次の加佐登駅では駅の北側斜面に民家が密集し南にコンクリート工場がある。亀山市に入り、近くに団地のある井田川駅を過ぎると堤防に遮られて鈴鹿川が見えなくなる。水田が散在する中、左手から紀勢本線が合流して亀山駅に着く。駅前は雑居ビルが建つものの市街地の中心ははっきりしない。丘陵地にあり、南に鈴鹿川、北に台地が控え、またかつての亀山城の櫓がわずかに残る。亀山駅はJR東海の管轄駅であり、JR西日本区間との境界駅である。3面5線の構造で、紀勢本線と接続するが、多くの急行が行き交った頃の面影はない。
亀山駅 - 加茂駅間
この区間は非電化である。現在では単行(1両編成)や2両編成の気動車(キハ120形)で普通列車が走るのみだが、かつては急行列車や貨物列車など長大編成の列車が走っていたため、各駅ともホームや交換設備の有効長が非常に長い。かつては多くの駅に中線(上り線と下り線の間にある待避線)があり、中線があった駅は上り線と下り線の間に中線が撤去された空間が空いている。
この区間は山間部が多い。大和街道に沿っており、木津川と支流の柘植川が見える。
亀山駅からは国道1号と併走して、東海道の宿場関宿の最寄り駅相対式2面2線の関駅に着き、ここから国道1号と重複していた国道25号と並走して相対式2面2線の加太駅に着く。2018年4月の関駅無人化までは加太駅はこの区間では唯一の無人駅であった。この先、鈴鹿山脈と布引山地の境界に当たる加太駅 - 柘植駅間には、加太越えと呼ばれる25 ‰(パーミル)の急勾配があり、蒸気機関車が走っていた頃は多くの鉄道ファンが訪れた。スイッチバック式の中在家信号場(2006年に使用停止、2019年に廃止)があった。信号場の先にある加太トンネルでは、蒸気機関車の煤煙が運転台に充満することを防ぐために、トンネル入り口に遮蔽幕を設置し、列車通過後にこの幕を下ろして列車後方の気圧を下げ、煤煙を列車後方に集める工夫もなされていた。日本全国の急勾配や長大なトンネルで、乗務員の酸欠や窒息事故が多発したため、対策が施された。伊賀市に入り、単式と島式の2面3線の柘植駅では草津線が分岐する。かなり構内が広いが、駅は寂しい。もともと関西鉄道は東海道のルートに沿って草津から亀山へ向かって線路を敷設したため、亀山方面から見ると草津線が直線で、関西本線が左へ分岐するような線形となっている。かつて、柘植駅には加太越えの蒸気機関車のために転車台や給水塔もあったが、現在はすべて撤去されている
柘植駅を出ると周囲は開け、伊賀盆地を走り、新堂駅となる。かつては単式と島式の2面3線であったが、現在は島式1面2線である。しばらく西に向いて走り、単式2面2線の佐那具駅となる。次の伊賀上野駅はこの区間の途中駅のなかでは唯一の直営駅であり、ワンマン取り扱い駅ではない。この駅からは加茂駅への区間列車がある。単式とそこにある切欠と島式の2面4線の構造で、うち3線をJRが使用し、下りホーム反対側の切欠1線には伊賀市(旧上野市)の市街地を経て伊賀神戸駅に向かう伊賀鉄道伊賀線が発着する。忍者で有名な伊賀市の中心は伊賀鉄道の上野市駅付近一帯である。そこに上野城があるが、この駅の少し先から見える。
伊賀上野駅を出ると、並走する大和街道は国道163号に変わり、柘植川も木津川に変わる。しばらく平地を走り、単式2面2線の島ケ原駅からは山間地へと入る。車窓から、この区間最大の見所である、木津川の渓谷美を見ることができるが、大雨が降るとしばしば不通となり、保安上のネックにもなっている。京都府南山城村に入り、単式2面2線の月ケ瀬口駅となる。月ヶ瀬梅林への最寄り駅で梅の花見の時期は多くの客で賑わう。南山城村役場に近い単式2面2線の大河原駅を過ぎ、笠置町に入り、桜と渓谷美で有名な島式1面2線の笠置駅となる。木津川市に入ると、加茂駅に到着する。加茂駅は島式2面3線の橋上駅で、天王寺・大阪方面への大和路快速または奈良方面への普通列車と接続している。亀山方面からの気動車は基本的に中線から発着する。中線は両側をホームに挟まれており、奈良・天王寺・大阪方面の電車と同一ホームで対面乗り換え可能である。
加茂駅 - JR難波駅間(大和路線)
加茂駅以西は電化区間となり、不動山トンネルを抜け木津駅に至る。この辺りには、関西鉄道が路線の買収によってネットワークを構築する過程で放棄された路線が廃線跡として残っている(歴史節を参照)。このほか、不動山トンネル付近ではトンネルの老朽化によって線路が付け替えられた旧線跡がある。加茂駅 - 木津駅間は単線だが、2004年の近畿地方交通審議会答申8号では、この区間を複線化するように答申している。木津駅は奈良線と片町線(学研都市線)が分岐し、奈良・京都・京橋方面への交通の要衝であるが、都市圏から比較的近い割に利用客はさほど多くはない。木津川市(旧木津町)の代表駅ではあるが、JRの木津駅ではなく近鉄京都線の高の原駅や木津川台駅を利用する木津川市民(旧木津町域住民)も多い。木津駅を出ると京奈和自動車道の木津インターチェンジや国道24号などを右に見ながら進み、奈良県に入ると平城山駅となる。すぐ先に佐保信号場があり吹田総合車両所奈良支所への入出区線が分岐する。奈良市北部の新興地域を行くこのあたりは、新しい住宅地と古墳群が同居している。次の奈良駅では桜井線(万葉まほろば線)が分岐する。また奈良線の列車もすべて奈良駅まで運転される。奈良駅付近は高架化の際に、寺社風建築で有名な旧奈良駅舎の撤去が検討されたが、現地付近に保存されることとなった。奈良駅は主要観光地や官公庁・ビジネス街などへのアクセスなどにおいて、近鉄奈良駅や新大宮駅に対して劣勢に立ち、JRの京都・大阪方面への競争力も本数面で近鉄より低いため、利用者は近鉄より少ない。駅周辺は高架化工事の前後から再開発工事が進められて、西口にも駅前広場やバスターミナルが設置されている。
奈良駅 - 王寺駅間では、斑鳩の法隆寺付近を通る。奈良を出て、しばらく奈良盆地の中を進むと大和郡山市に入り、2面2線の郡山駅となる。大和郡山市役所や郡山城跡など市の中心部は近鉄の近鉄郡山駅が近い。住宅地と田畑と金魚の飼育のための池を見ながら、近鉄橿原線を潜って進むと大和小泉駅。次の法隆寺駅は斑鳩町の中心駅で、2面2線の橋上駅となっている。法隆寺はこの駅からかなり離れたところに位置する。法隆寺を出ると奈良盆地南部の田畑の中を真っ直ぐに走る。大和川を渡って近鉄田原本線を潜ると、左手から和歌山線が合流し、国道25号を潜り王寺駅となる。この駅は和歌山線のほか近鉄生駒線、近鉄田原本線が集結する奈良県西部の交通の要衝となっており、利用者も多い。
王寺駅 - 柏原駅間は大和川に沿って走る。この区間は地すべりの多発地帯であり、1932年にはこの区間の亀ノ瀬トンネルが変形して使用不能となり、経路変更によって、2箇所の橋梁で大和川の南岸に迂回する不自然な線形になった。柏原からは大阪平野を走る。周囲はすっかり都市化し、住宅やマンションの立ち並ぶ車窓となる。王寺駅を出て、大和川を渡ると三郷町の中心駅で、竜田大社の最寄り駅三郷駅。この先、国道25号も併走して大阪府柏原市に入り、2面2線の河内堅上駅となる。春になると多くのカメラマンが同駅構内の桜の撮影に訪れる。河内堅上駅を出て右左にカーブして大和川を渡り、高井田駅。高井田駅を出ると右手には山が迫り、近鉄大阪線を潜ると、左手には国道25号と大和川が並行する。しばらくこの隘路を進むと、近鉄線が右手に離れ柏原駅となる。2面4線の構造で近鉄道明寺線も発着している。王寺駅からカーブを縫うように走ってきた線路は柏原駅を過ぎると直線区間が多くなり、100km/h前後の制限を強いられて走ってきた221系電車で運転の大和路快速はここから一気に最高速度の120km/hへと加速する。八尾市に入り、国道170号(大阪外環状線)の高架橋を潜るとすぐに志紀駅、その後線路はほぼ真っ直ぐ進み、2面2線の八尾駅となる。八尾市の中心駅ではあるが、八尾市中心部からはやや外れている。約1kmほど北に近鉄の近鉄八尾駅があり、周辺は大型商業施設や銀行のある商店街となって栄えているうえ、バス路線との乗り換えにおいても近鉄の方が便利なので、JRの八尾駅の利用者は近鉄八尾駅よりは多くない。八尾駅を出ると、竜華操車場跡の北側に沿い、緩やかにカーブしている。やがておおさか東線と接続する久宝寺駅となる。この駅は2面4線の橋上駅で普通と快速の接続が行われている。かつては上下線が竜華操車場を挟んでおり、上下線ホームはかなり離れていたが、竜華操車場廃止後の1997年に下り線が上り線側に移設された。その後に行われた区画整理事業で操車場や旧下り線の跡形はあまりわからなくなっている。近畿自動車道と大阪中央環状線を潜ったあたりで大阪市平野区に入り、大阪市に入って加美駅の手前で、おおさか東線が右手に分かれる。左手には2009年に廃止された阪和貨物線跡が見える。加美を出て、右手から城東貨物線の単線が並走する。ここからJR貨物の百済貨物ターミナル駅の間は貨物列車が走る。城東貨物線は関西本線上り線(名古屋方面)に接続するため、貨物列車は上下列車とも関西本線の上り線を走行する状態が長く続いていた。しかし2010年の線路付け替え工事によって、貨物線は分離された。平野川を渡ると平野駅。平野駅はホーム2面4線の待避可能駅だが、下り線(JR難波方面)の通過線にはホームがない。平野駅を過ぎ、国道479号(内環状線)を乗り越え、百済貨物ターミナル駅を見ながら高架を駆け上がる。今里筋を乗り越えると東部市場前駅。近鉄南大阪線の高架を望みながら進み、高架の阪和線を潜り、大阪環状線が右から合流すると天王寺駅に到着する。天王寺駅は大阪環状線・阪和線と接続するほか、大阪市営地下鉄御堂筋線と谷町線そして、あびこ筋を挟んで南側には近鉄南大阪線と阪堺電気軌道上町線もあり、日本国内有数の一大ターミナルとなっている。
天王寺駅から今宮駅までの間は大阪環状線と並行している。天王寺駅を出ると、阪神高速14号松原線を潜り、阪堺電気軌道阪堺線と堺筋を乗り越えて新今宮駅に至る。同駅では関西本線と大阪環状線とを同じホームで乗り換えられるような構造となっているほか、南海本線や阪堺電気軌道とも連絡しており、JR難波寄りの階段を上がって改札を出ればすぐに南海の改札がある。また新今宮駅の前後には渡り線があり、関西本線や阪和線の大阪方面直通列車は同駅付近で大阪環状線に転線する。次の今宮駅も関西本線・大阪環状線ともに高架駅となっており、関西本線下りホームと大阪環状線外回りホームと同一平面上で乗り換えができる。今宮駅を出ると右にカーブしながら高架から地下へ下り、関西本線唯一の地下トンネルである「なにわトンネル」となり、終着駅のJR難波駅に至る。JR難波駅はかつて「湊町駅」と称していたが、関西国際空港の開港にあわせ1994年に改称され、1996年には地下化された。駅は島式2面4線ホームの地下駅で、なにわ筋線計画に対応し通過駅としての設計構造[29]となっているほか、1番線と4番線の奥には引上線が設置されている[30]。なお、地下化に伴い全面的に改築されたこともあって、かつて長距離列車が発着したころの面影はない。この駅では大阪市営地下鉄千日前線や御堂筋線・四つ橋線、近鉄、阪神、南海と連絡しているが、やや離れている。駅の直上は大阪シティエアターミナル (OCAT) があり、大阪国際空港や関西国際空港へのリムジンバスや各地への高速バスのターミナルとして機能している。ただ、南海難波駅からは相当の距離があり、乗り換えには15分以上を要するので、南海との乗り換えはむしろ新今宮駅の方が便利である。なにわトンネルの地上部(地下化以前の線路跡)は難波塩草敷津公園[31]と称する都市公園となっているほか、駅周辺はミナミの繁華街からは少し外れているものの、超高層マンションやビルが林立するなど再開発が急速に進展している。
運行形態
地域輸送
現在、全区間を通して走る列車はなく、JR東海が管轄する名古屋駅 - 亀山駅間、JR西日本の非電化区間である亀山駅 - 加茂駅間、同社の電化区間である加茂駅 - JR難波駅間の3区間に分かれている[7]。
名古屋駅 - 亀山駅間(JR東海)
この区間では各駅に停車する普通列車、線内のみ運転の快速、ラッシュ時のみの区間快速に加え、河原田駅から伊勢鉄道伊勢線・紀勢本線・参宮線に直通する快速「みえ」が運転されている[9]。四日市駅 - 河原田駅ではこのほかに伊勢鉄道の車両による伊勢鉄道伊勢線直通の普通列車がある[9]。「みえ」以外の列車は昼間を中心にワンマン運転(列車番号の末尾がGの列車)が行われている[32]。かつて、快速はラッシュ時のみに運転されていたが、2009年3月のダイヤ改正で名古屋駅 - 亀山駅間に桑名と四日市駅以南の各駅に停車する快速が昼間時間帯に新設され、従来の蟹江駅・弥富駅と桑名駅以南の各駅に停車する快速は区間快速に改称された。また、区間快速は2022年3月12日のダイヤ改正で八田駅と春田駅にも停車するようになり、通過駅は永和駅と長島駅のみとなった[33]。
なお、ワンマン運転の場合において無人駅(弥富駅以東にある集中旅客サービスシステム導入済みの無人駅を除く)あるいは日中有人駅(=早朝夜間および日中の窓口閉鎖時間帯)では原則車内精算を行う。ただし2021年2月1日以降名古屋駅 - 弥富駅については全ての駅に自動改札機が設置されているため車内精算を行わず駅で収受する。[要出典]
亀山駅 - 加茂駅間(JR西日本)
亀山駅 - 加茂駅間は閑散区間で、ワンマン運転の普通列車のみが運転されている。使用車両は1993年8月1日からキハ120系気動車が使用されており[34]、この線区で使用されているものは紫で塗装されている。かつては奈良方面など他区間と直通する列車もあったが、2001年3月以降はすべてこの区間内の運転となっている。なお、ワンマン運転の場合における無人駅あるいは日中有人駅(=早朝夜間および日中の窓口閉鎖時間帯)では原則車内精算を行う。
この区間は関西本線の中ではほかの区間と比べて運転本数は少なく、全線通しの列車はほぼ1時間に1本の運行である。ただ伊賀上野駅 - 加茂駅間は朝と夕方から夜間にかけて区間列車の設定がある(2001年3月2日までは昼間時も伊賀上野駅 - 加茂駅間の区間列車の設定があった)[35]。ただし、全駅で交換が可能とはいえこの区間は全線単線であるため、運転間隔は昼間の一部時間帯を除き等間隔ではない。このほか、柘植駅で夜間滞泊を行い翌朝加茂駅へ折り返す加茂駅 - 柘植駅間の区間列車と、深夜に亀山発伊賀上野行きの区間列車(翌朝に伊賀上野発加茂行きとして運行)がそれぞれ設定されている。[要出典]
2001年3月から、線路保守点検による作業時間の確保のため、毎年7月から9月を除いて月1回土曜日[注 4]の昼間時間帯の列車が運休していた(バスなどによる代行輸送も行われなかった)が、2011年3月12日のダイヤ改正以降は運休は取りやめとなっている。
全列車が加茂駅で大和路線の大和路快速などの快速列車または普通列車と接続するダイヤになっている。一方で亀山駅での名古屋方面行きの列車との接続はある程度図られているが、接続時間にばらつきがある。日中は名古屋方面へ乗り継ぐ場合は20分程度の接続時間を要する(加茂方面へは10分以内で接続している)。2009年3月14日のダイヤ改正時には40分 - 50分程度の接続時間が発生していたが、2012年3月17日のダイヤ改正で改善された[36]。
加茂駅 - JR難波駅間(JR西日本)
加茂駅 - JR難波駅間は、各駅に停車する普通と、加茂駅 - JR難波駅間に快速、加茂駅 - 大阪環状線間に大和路快速・区間快速が運転されている。ほかに和歌山線・桜井線 - JR難波方面の直通列車もある[14]。木津駅 - 奈良駅間には奈良線・片町線(学研都市線)の列車も乗り入れている。また、奈良駅 - 久宝寺駅間にはおおさか東線に乗り入れる直通快速が、朝夕に奈良駅 - 大阪駅間で運転されている[14]。また、早朝にはJR難波・王寺方面から奈良駅経由で京都行きの直通列車が運転されており(その逆の京都発奈良・王寺経由のJR難波行きはない)[37]、夕方以降も時刻表には記載がないものの先述の区間を双方向に直通する列車が数本運転されている。[要出典]
優等列車
名古屋駅 - 河原田駅間を名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間(伊勢鉄道経由)運転の特急「南紀」が通る[9]。かつては河原田駅 - 湊町駅(現在のJR難波駅)間にも東京駅 - 湊町駅・和歌山市駅間の夜行急行「大和」を始め、名古屋駅 - 湊町駅・南紀方面や京都駅 - 伊勢方面などを結ぶ多数の優等列車が運行されていた。1965年3月1日から1967年10月1日のダイヤ改正までの短期間だが、関西本線名古屋駅 - 八尾駅間を経由する特急「あすか」が設定されていたこともある[7]。しかし2006年3月18日のダイヤ改正で急行「かすが」が廃止[38]されたのを最後に(廃止時の運転区間は名古屋駅 - 奈良駅間)、事実上大阪環状線と重複している天王寺駅 - 今宮駅間を除き、河原田駅 - JR難波駅間で定期運転の特急・急行列車は設定されていなかった。
急行「かすが」廃止以降の臨時列車は、2010年4月 - 6月の土・日曜日に運転された臨時特急「まほろば」があり、新大阪駅発で天王寺駅から関西本線に乗り入れて奈良駅まで運転されていた(関西本線内は途中、王寺駅・法隆寺駅に停車)。また、おおさか東線の全通後の2019年11月2日より同名の列車が指定日に運転されており、大阪駅(2022年までは新大阪駅)からおおさか東線を経由し久宝寺駅 - 奈良駅間で関西本線に乗り入れている(設定当初はノンストップであったが、2023年10月-12月の運転では途中、新大阪駅・法隆寺駅に停車[39])。
2024年3月16日のダイヤ改正より、平日の朝夕に新大阪駅 - 奈良駅間(天王寺経由)で通勤特急「らくラクやまと」が1往復運行されている[40]。
貨物列車
貨物列車は、名古屋駅[注 5] - 南四日市駅間および貨物支線の四日市駅 - 塩浜駅間、平野駅 - 百済貨物ターミナル駅間で運行されている。そのうち平野駅 - 百済貨物ターミナル駅間で運行されているものは「城東貨物線」を参照。
コンテナ車のみで編成された高速貨物列車は名古屋貨物ターミナル駅 - 四日市駅間で1日3往復運行されているほか、石油輸送タンク車を牽引する専用貨物列車が運転される。また四日市駅・塩浜駅 - 稲沢駅( - 南松本駅)間にはタキ1000形貨車のみで編成された高速貨物列車が運行されている。三岐鉄道三岐線 - 富田駅 - 四日市駅間では日本全国で唯一のセメント輸送が行われている。このほか、かつては化学薬品輸送タンク車を牽引する専用貨物列車や四日市駅 - 塩浜駅・南四日市駅間と稲沢駅から伊勢鉄道伊勢線経由で紀勢本線鵜殿駅までのコンテナ列車の運行もあり、鵜殿駅までのコンテナ列車については末期は1日1往復が設定されていた。
牽引機はDF200形ディーゼル機関車である。直通先に四日市駅 - 塩浜駅間の貨物支線といった電化されていない路線があるため、電気機関車は使用されない。
使用車両
関西本線内で使用されている車両の定期運用区間は以下の通り。
現在の車両
- JR東海
- 電車
- 気動車
- キハ75形:名古屋駅 - 河原田駅間で快速「みえ」(過去には名古屋駅 - 奈良駅間の急行「かすが」にも充当されていた)
- HC85系:名古屋駅 - 河原田駅間で特急「南紀」
- 伊勢鉄道
- JR西日本
- 気動車
- キハ120形:亀山駅 - 加茂駅間(過去には最大1日2往復が奈良駅まで乗り入れていた)
- 電車
- JR貨物
-
JR東海キハ75形
-
JR西日本キハ120形
-
JR西日本201系
過去の車両
過去に使用されていた車両の運用区間は以下の通り(駅名および車両形式は運行当時のもの。湊町駅は現在のJR難波駅)。
- 気動車
-
- キハ17形:名古屋駅 - 湊町駅間
- キハ35系:名古屋駅 - 湊町駅間
- キロハ18形:名古屋駅 - 湊町駅間で準急
- キハ50形:名古屋駅 - 湊町駅間で準急
- キハ51形:名古屋駅 - 湊町駅間で準急「かすが」
- キハ55系:名古屋駅 - 湊町駅間で準急「かすが」など
- キハ58系:名古屋駅 - 湊町駅間で急行など。JR移行後は名古屋駅 - 奈良駅間の急行「かすが」、亀山駅 - 奈良駅間の普通
- キハ65形:名古屋駅 - 奈良駅間で急行「かすが」
- キハ81系:名古屋駅 - 河原田駅間で特急「くろしお」
- キハ82系:名古屋駅 - 久宝寺駅 - 杉本町駅間で特急「あすか」および、名古屋駅 - 河原田駅間で特急「くろしお」、のちに特急「南紀」
- キハ85系:名古屋駅 - 河原田駅間で特急「南紀」
- 伊勢鉄道イセI型:四日市駅 - 河原田駅間
- 伊勢鉄道イセII型:四日市駅 - 河原田駅間
- 電車
-
- ディーゼル機関車
-
- 客車
-
- スハ32系 - マロネフ29、オロ35など:名古屋駅 - 湊町駅間で急行「大和」、名古屋駅 - 亀山駅間で急行「伊勢」
- オハ35系 - スロハ32、スハニ32など:名古屋駅 - 湊町駅間で準急・急行「大和」
- スハ43系 - スハ43、スロ53、スロ54、オハ46など:名古屋駅 - 湊町駅間で準急・急行「大和」、名古屋駅 - 亀山駅間で急行「紀伊」「伊勢」
- 10系:名古屋駅 - 湊町駅間で急行「大和」「紀伊」と名古屋駅 - 亀山駅間の急行「伊勢」「那智」
- 14系:名古屋駅 - 亀山駅間で寝台特急「紀伊」
- 貨車
-
- コキ50000形コンテナ貨車:名古屋駅 - 南四日市駅間、平野駅 - 百済貨物ターミナル駅間
利用状況
平均通過人員・旅客運輸収入
各年度の平均通過人員、旅客運輸収入は以下のとおりである。なお、JR難波駅は1994年(平成6年)9月3日まで湊町駅。
年度
|
平均通過人員(人/日)
|
旅客運輸収入(百万円)
|
出典
|
JR東海区間 (名古屋 - 亀山)
|
JR西日本区間(亀山 - JR難波)
|
JR東海区間 (名古屋 - 亀山)
|
JR西日本区間 (亀山 - JR難波)
|
亀山 - 加茂
|
加茂 - 王寺
|
王寺 - JR難波
|
1987年度(昭和62年度)
|
|
29,541
|
|
|
[42]
|
2012年度(平成24年度)
|
13,579
|
|
|
|
[43]
|
2013年度(平成25年度)
|
14,037
|
33,327
|
|
13,008
|
[44][42]
|
1,337
|
69,464
|
2014年度(平成26年度)
|
13,701
|
32,779
|
|
13,078
|
[45][46]
|
1,265
|
68,377
|
2015年度(平成27年度)
|
13,789
|
33,044
|
|
13,133
|
[47][48]
|
1,267
|
68,941
|
2016年度(平成28年度)
|
13,983
|
33,032
|
|
13,125
|
[49][50]
|
1,257
|
68,925
|
2017年度(平成29年度)
|
14,290
|
33,030
|
|
13,138
|
[51][52]
|
1,162
|
69,030
|
2018年度(平成30年度)
|
14,249
|
32,788
|
|
12,972
|
[53][54]
|
1,101
|
68,582
|
2019年度(令和元年度)
|
14,252
|
32,529
|
|
12,871
|
[55][56]
|
1,090
|
68,043
|
2020年度(令和02年度)
|
9,560
|
24,724
|
|
9,018
|
[57][58]
|
722
|
20,776
|
86,298
|
2021年度(令和03年度)
|
10,257
|
25,218
|
|
9,519
|
[59][60]
|
766
|
21,764
|
87,314
|
2022年度(令和04年度)
|
|
27,218
|
|
10,702
|
[61]
|
864
|
23,788
|
93,818
|
2023年度(令和05年度)
|
|
28,691
|
|
|
[62]
|
942
|
25,700
|
98,130
|
収支・営業系数
2019年度(令和元年度)の平均通過人員が2,000人/日未満の線区(亀山駅 - 加茂駅間)における各3か年平均の収支(運輸収入、営業費用、営業損益)、営業係数、収支率は以下のとおりである。▲はマイナスを意味する。
亀山駅 - 加茂駅間
年度
|
収支(億円)
|
営業 係数 (円)
|
収支率
|
出典
|
運輸 収入
|
営業 費用
|
営業 損益
|
2017 - 2019年度(平成29 - 令和元年度)平均
|
2.5
|
17.1
|
▲14.6
|
685
|
14.6%
|
[63]
|
2018 - 2020年度(平成30 - 令和2年度)平均
|
2.1
|
17.8
|
▲15.7
|
843
|
11.9%
|
2019 - 2021年度(令和元 - 3年度)平均
|
1.8
|
18.0
|
▲16.2
|
990
|
10.1%
|
[64]
|
2020 - 2022年度(令和2 - 4年度)平均
|
1.7
|
17.5
|
▲15.8
|
1,046
|
9.6%
|
[65]
|
歴史
名古屋駅 - 木津駅間は関西鉄道により開業した。名古屋駅 - 柘植駅間を1895年に開通させた後、柘植駅 - 大仏駅(後に廃止)間を1898年に開通させて名古屋駅 - 奈良駅間を結んだ。同年中には加茂駅 - 新木津駅(後に廃止)間を開通させて、前年に買収した浪速鉄道の路線を経由して、大阪の網島駅(1898年 - 1913年の間、現在の京橋駅近くにあったターミナル駅) - 四条畷駅 - 名古屋駅間に直通列車を走らせた[66]。
奈良駅 - 湊町駅(現在のJR難波駅)間は大阪鉄道により1892年に、木津駅 - 奈良駅間は奈良鉄道により1896年に開通している。関西鉄道は大仏駅 - 奈良駅間を開通させた後、1900年に大阪鉄道を買収して名阪間の本線を大仏経由に変更した。その後、奈良鉄道を買収し、1907年には勾配区間を抱えていた加茂駅 - 大仏駅 - 奈良駅間を廃止して本線を木津駅経由に変更、現在のルートが完成した(このときに加茂駅 - 新木津駅間の路線も廃止)[67]。
その後、関西鉄道は名阪間で官設鉄道(東海道本線)と激しい競争を繰り広げ、関西鉄道は官営鉄道より20分所要時間の差をつけ、さらには記念品を配ったり運賃を5割引にしたりと派手な誘客作戦を実施した[68]。この誘客合戦は日露戦争に突入した1904年に一旦終息し、鉄道国有法により1907年に関西鉄道が国有化されたことで終わりを告げた(詳細は「関西鉄道」を参照)[68]。
国有化後はローカル線化していたが、大正時代に入って大阪電気軌道、参宮急行電鉄(現在の近畿日本鉄道)などの私鉄が並行して路線網を伸ばしてくると、輸送量が逼迫していた東海道本線に代わり、これらの私鉄路線に対抗する路線として注目され、近鉄に先んじて名古屋駅 - 湊町駅間に快速列車が設定された[69]。1935年(昭和10年)12月1日のダイヤ改正では名古屋駅 - 湊町駅間に朝夕2往復の準急列車が設定され、所要時間は約3時間に短縮された[70][71]。
第二次世界大戦後は準急列車として復活し(後の「かすが」)、全国に先駆けて気動車化されてスピードアップが図られるが[72]、東海道本線が全線電化され、近鉄もスピードアップや軌間統一を実施し、さらには東海道新幹線の開業や名神高速道路・名阪国道の開通によって、関西本線は名阪間輸送の第一線から退くことを余儀なくされる(「かすが」も参照)[8]。
長らく全線で近代化が遅れていたが、1973年に奈良駅 - 湊町駅間、1982年に名古屋駅 - 亀山駅間が電化され、近郊路線としての性格を強めていく。JR発足後、加茂駅 - JR難波駅間はアーバンネットワークの一環として輸送の改善が図られ、またJR東海も快速「みえ」を設定するなどして輸送の改善を図っている。[要出典]
年表
大阪鉄道(奈良駅 - 湊町駅間、現在の奈良駅 - JR難波駅間)
奈良鉄道(木津駅 - 奈良駅間)
関西鉄道
- 1888年(明治21年)3月1日:関西鉄道に免許交付[80]。
- 1890年(明治23年)
- 1892年(明治25年)2月6日:高宮駅(現在の加佐登駅)が開業[80]。
- 1893年(明治26年)6月15日:桑名駅 - 名古屋駅間の免許取得[80]。
- 1894年(明治27年)7月5日:四日市駅 - 桑名仮停車場間(7M30C≒11.87km)が延伸開業[80]。富田駅・桑名仮停車場が開業[80]。
- 1895年(明治28年)
- 1月28日:柘植駅 - 奈良駅間の免許取得[80]。
- 5月24日:名古屋駅 - 前ヶ須駅間(10M21C≒16.52km)、桑名仮駅 - 桑名駅間(64C≒1.29km)が開業[80]。蟹江駅・前ヶ須駅(現在の弥富駅)・桑名駅が開業[80]。桑名仮停車場が廃止[80]。
- 11月7日:弥富駅 - 桑名駅間(4M53C≒7.50km)が延伸開業し、名古屋駅 - 草津駅間が全通[80]。前ヶ須駅が弥富駅に改称[80]。
- 1896年(明治29年)
- 1897年(明治30年)
- 1月15日:支線として柘植駅 - 上野駅間(9M8C≒14.65km)が開業[80]。佐那具駅・上野駅(現在の伊賀上野駅)が開業[80]。
- 11月11日:支線 上野駅 - 加茂駅間(16M26C≒26.27km)が延伸開業[80]。島ケ原駅・大河原駅・笠置駅・加茂駅が開業[80]。
- 1898年(明治31年)
- 4月19日:支線 加茂駅 - 大仏駅間(5M35C≒8.75km)が開業し、名古屋駅 - 加茂駅間が本線に、柘植駅 - 草津駅間が支線に変更[88]。大仏駅が開業[88]。
- 11月18日:加茂駅 - 新木津駅間が延伸開業し、網島方面への路線(のちの片町線)に接続[88]。名古屋駅 - 網島駅間が全通し、直通列車が運転開始[88]。
- 1899年(明治32年)
- 5月21日:支線 大仏駅 - 奈良駅間(57C≒1.15km)が延伸開業し、名古屋駅 - 奈良駅間が全通[88]。
- 10月23日:加茂駅 - 奈良駅間が11C(≒0.22km)延長。
- 11月11日:長島駅が開業[88]。
- 1900年(明治33年)
- 6月6日:大阪鉄道が関西鉄道に路線を譲渡[88]。名古屋駅 - 大仏駅 - 湊町駅間が本線に、加茂駅 - 網島駅間が支線に変更。[要出典]
- 9月1日:列車運行上の本線が名古屋駅 - 大仏駅 - 湊町駅間に変更[88]。
- 1901年(明治34年)
- 1月25日:全線で4C(≒0.08km)短縮。[要出典]
- 10月12日:営業距離の単位をマイル・チェーンからマイルのみに簡略化(名古屋駅 - 湊町駅間 106M67C→106.8M)。[要出典]
- 1903年(明治36年)
- 1905年(明治38年)2月7日:奈良鉄道が関西鉄道に路線を譲渡[88]。
- 1907年(明治40年)
- 7月1日:富田浜仮停車場が開業(夏期のみ営業)[90]。
- 8月21日:加茂駅 - 木津駅間(マイル設定なし)が開業[88]。加茂駅 - 大仏駅 - 奈良駅間、加茂駅 - 新木津駅間が使用停止[91]。大仏駅が使用停止。
国有化以後
国鉄分割民営化以後(JR化後)
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、次のようになる。
- 名古屋駅 - 亀山駅間 [110](59.9km) を東海旅客鉄道が承継。
- 亀山駅 - 湊町駅間[110] (115.2km)、八尾駅 - 竜華信号場 - 杉本町駅間 (11.3km) を西日本旅客鉄道が承継。[要出典]
- 日本貨物鉄道が四日市駅 - 塩浜駅間 (3.3km)、平野駅 - 百済駅間 (1.4km) の第一種鉄道事業者、名古屋駅 - 亀山駅 [110](59.9km)、木津駅 - 新今宮駅間 [110](45.5km)、竜華信号場 - 杉本町駅間 (10.5km) の第二種鉄道事業者となる。
- 亀山駅 - 木津駅間の貨物営業廃止。[要出典]
- 1988年(昭和63年)
- 3月13日:加茂駅 - 木津駅間電化[110]。加茂駅 - 湊町駅間に大和路線の愛称使用開始[110]。日中に湊町駅発着の快速(郡山駅・大和小泉駅は通過)が増発[132]。加茂駅・木津駅 - 湊町駅・大阪駅間でやまとじライナーの運転開始[132]。
- 4月24日 - 10月23日:「なら・シルクロード博覧会」の開催に伴い、大阪環状線・西九条駅構内の配線を変更して大阪環状線と梅田貨物線を結ぶルートが開通し、臨時快速「シルクロード号」が加茂駅・奈良駅 - 新大阪駅間(湊町駅発着快速の一部を行先変更)で、また奈良駅から阪和貨物線経由で紀勢本線御坊駅までの臨時快速列車がそれぞれ運転[要出典]。
- 1989年(平成元年)
- 1990年(平成2年)
- 1992年(平成4年)3月14日:特急「南紀」の使用車両がキハ82系気動車からキハ85系気動車(ワイドビュー)に置き換え[137]。これによりキハ82系気動車による定期特急列車は全国から消滅。
- 1993年(平成5年)
- 2月10日:王寺駅 - 湊町駅間で ATS-P(トランスポンダ方式)使用開始[138]。
- 7月24日:富田浜駅 - 四日市駅間が複線化。
- 8月1日:八田駅 - 蟹江駅間に春田信号場、永和駅 - 弥富駅間に白鳥信号場が開設。快速「みえ」をキハ58・65系気動車からキハ75系気動車に置き換え。亀山駅 - 奈良駅間でキハ120形気動車が運用開始[34]。
- 1994年(平成6年)9月4日:湊町駅がJR難波駅に改称。関西国際空港開港に伴い、JR難波駅 - 関西空港駅間で関空快速が運転開始。天王寺駅で大阪環状線京橋駅発着の関空快速と併結・分割していた。
- 1996年(平成8年)
- 3月22日:連続立体交差事業により、今宮駅が高架化、JR難波駅が地下化[139]。
- 10月5日:加茂駅 - JR難波駅間で、平日ダイヤで運転されていた土曜日が、休日ダイヤで運転されるようになる[140]。
- 1997年(平成9年)
- 3月8日:久宝寺駅が区間快速の停車駅になる。和歌山線直通列車が増発(日中のJR難波駅発着の快速はすべて和歌山線高田駅 - JR難波駅間の区間快速となる。和歌山線・桜井線経由の奈良駅 - JR難波駅間の快速は大幅減少)。郡山駅・大和小泉駅通過の快速は消滅。
- 7月28日:竜華信号場が廃止され、八尾駅に統合。
- 9月1日:久宝寺駅の下り待避線が使用開始[141]。
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)
- 5月10日:関空快速のJR難波駅発着編成の天王寺駅での大阪環状線京橋駅発着関空快速との併結・分割を中止し、JR難波駅 - 関西空港駅間をJR難波駅発着編成単独での運転になる[要出典]。
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)4月7日:八田駅が高架化され、名古屋方面に0.5km移転[146]。
- 2004年(平成16年)
- 4月1日:日本貨物鉄道の第二種鉄道事業(木津駅 - 平野駅間 40.6km、竜華信号場 - 杉本町駅間 10.5km)が廃止[147]。
- 7月1日:貨物支線(阪和貨物線) 八尾駅 - 杉本町駅間が休止[要出典]。
- 10月18日:奈良駅 - JR難波駅間で女性専用車が導入[148][149]。
- 2005年(平成17年)1月30日:伏屋信号場が廃止[150]。
- 2006年(平成18年)
- 2008年(平成20年)
- 3月15日:おおさか東線の開業により奈良駅 - 尼崎駅間をおおさか東線・JR東西線経由で運転する直通快速が運転開始[要出典]。JR難波駅発着の区間快速が快速に変更(停車駅は同じ)。JR難波駅発着の関空快速が廃止[要出典]。
- 6月29日:奈良駅関西本線ホームが高架化(桜井線ホームを含む全面高架化完成は2010年3月13日[153])。
- 2009年(平成21年)
- 3月14日:名古屋駅 - 亀山駅間で日中の快速が増発[要出典]。
- 3月31日:貨物支線(阪和貨物線) 八尾駅 - 杉本町駅間 11.3kmが廃止[154]。
- 7月1日:木津駅 - JR難波駅間の各駅でホーム上の喫煙コーナーを廃止して全面禁煙化[155]。
- 10月4日:加茂駅 - JR難波駅間で大阪環状・大和路線運行管理システムが導入[156]。
- 2010年(平成22年)
- 2月14日:三郷駅 - 河内堅上駅間および、河内堅上駅 - 高井田駅間の2か所で、ジョイフルトレインの「あすか」を撮影しようとした鉄道ファン数名が線路内に侵入したため一時運転を見合わせ、上下線計19本が運休、計26本が最大約40分遅れ、約1万3千人に影響した[157]。
- 12月1日:組織改正により、加茂駅 - JR難波駅間が大阪支社の管轄から近畿統括本部の管轄に変更[160]。
- 2011年(平成23年)
- 3月12日:平野駅 - 百済駅間が電化。ダイヤ改正により、加茂駅 - JR難波駅間の日中の運行形態が変更されるとともに、やまとじライナーが廃止[161]。
- 4月18日:奈良駅 - JR難波駅間で女性専用車が毎日、終日設定される[162]。
- 2013年(平成25年)3月16日:百済駅を百済貨物ターミナル駅に改称。
- 2015年(平成27年)3月14日:JR西日本区間で路線記号が本格導入開始[163]。
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
- 2019年(令和元年)11月18日:指令所が亀山指令所から大阪総合指令所に移転、中在家信号場も廃止となる[169]。
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和3年)3月13日:加茂駅 - 亀山駅間の全駅でICカード「ICOCA」が利用可能となる[18]。
- 2023年(令和5年)
- 7月1日:特急「南紀」の使用車両がキハ85系気動車からHC85系ハイブリッド車両に置き換え[172]。
- 10月23日:加茂駅 - 天王寺駅間の一部列車において、有料座席サービス「快速 うれしート」の提供を開始[173]。
- 2024年(令和6年)
- 3月16日:通勤特急「らくラクやまと」を新設[40]。「快速 うれしート」の設定列車を拡大し、平日は設定列車を追加、土休日の大和路快速・直通快速にも設定[40]。
- 10月5日:「快速 うれしート」の設定列車を拡大し、奈良方面行きの列車(全ての直通快速と平日夕方の快速)にも設定[174]。
- 2025年(令和7年)3月15日(予定):特急「まほろば」を定期列車化[175]。柏原駅・八尾駅に通勤特急「らくラクやまと」が停車[176]。
今後の予定・構想
- 「大和路線」区間内の奈良駅 - 郡山駅間について、奈良県が事業主体となって鉄道高架化に着手している[要出典]。同事業において、奈良駅 - 郡山駅間(京奈和自動車道奈良IC(仮称)付近)に新駅を建設予定であることも明らかになっている[要出典]。詳細は「大和路線#鉄道高架化と新駅設置計画」を参照。
- 非電化区間である亀山駅 - 加茂駅間の電化・複線化の要望があり、三重県が中心となって「関西本線複線電化促進同盟」を結成していた(2018年、「関西本線整備・利用促進連盟」[177]と改称)。また2004年の近畿地方交通審議会答申8号では、加茂以東を電化するよう答申している[要出典]。
- 三重県は2023年11月29日、沿線自治体・JR西日本との会議で、奈良駅 - 名古屋駅間の直通列車の実証実験を行うことを決めた[178]。三重県の一見勝之知事は、JR東海(亀山駅 - 名古屋駅間)とも事務的協議を始めており、2024年秋に2日間程度の実証実験を行うことを明らかにした[179][180]。
駅一覧
(貨)は貨物専用駅、それ以外の駅で◆・◇を付した駅は貨物取扱駅を表す(◇は定期貨物列車の発着なし)。
JR東海
ここではJR東海の管轄である名古屋駅 - 亀山駅間の駅名と主な駅のキロ程のみ記す。接続路線・停車駅などの詳細については「関西線 (名古屋地区)」を参照のこと。
( )内は起点からの営業キロ
名古屋駅◇ (0.0km) - (笹島信号場) - 八田駅 - 春田駅 - 蟹江駅 - 永和駅 - (白鳥信号場) - 弥富駅 - 長島駅 - 桑名駅 (23.8km) - (朝明信号場) - 朝日駅 - 富田駅 - 富田浜駅 - 四日市駅◆ (37.2km) - 南四日市駅◇ - 河原田駅 (44.1km) - 河曲駅 - 加佐登駅 - 井田川駅 - 亀山駅 (59.9km)
JR西日本
亀山駅 - 加茂駅間
- この区間では普通列車のみの運転(全駅に停車)
- 全区間単線、全駅で列車交換可能
この区間の中間駅(両端駅は含まない)のうち、伊賀上野駅はJR西日本直営駅、関駅・加太駅は無人駅、それ以外の中間駅は簡易委託駅である。
加茂駅 - JR難波駅間
ここでは駅名と主な駅のキロ程のみ記す。接続路線・停車駅などの詳細については「大和路線#駅一覧」を参照のこと。
( )内は名古屋駅からの営業キロ
加茂駅 (120.9km) - 木津駅 (126.9km) - 平城山駅 - (佐保信号場) - 奈良駅 (133.9km) - 郡山駅 - 大和小泉駅 - 法隆寺駅 - 王寺駅 (149.3km) - 三郷駅 - 河内堅上駅 - 高井田駅 - 柏原駅 - 志紀駅 - 八尾駅 - 久宝寺駅 (164.3km) - 加美駅 - 平野駅 (167.5km) - 東部市場前駅 - 天王寺駅 (171.4km) - 新今宮駅 - 今宮駅 - JR難波駅 (174.9km)
JR貨物
廃止区間
( )内は起点からの営業キロ。
- 貨物支線(1985年廃止)
- 四日市駅 (0.0km) - 四日市港駅 (2.5km)[129]
- ※四日市駅の構外側線として現存。
- 旧線(1907年廃止)
- 加茂駅 (0.00km) - 大仏駅 (8.69km) - 奈良駅 (9.82km)
- 貨物支線(1984年廃止)
- 百済駅 (0.0km) - 百済市場駅 (2.1km)
- 貨物支線(阪和貨物線・2009年廃止)
- 八尾駅 (0.0km) - 杉本町駅 (11.3km)
廃駅
( )内は名古屋駅起点の営業キロ。
- 愛知駅:名古屋駅 - 八田駅間[181](約0.6km)
- 桑名仮停車場:桑名駅 - 朝明信号場間、所在地は桑名市江場(約25.1km)
- 午起駅:富田浜駅 - 四日市駅間 (35.8km)…三岐鉄道直通列車のみの停車だった
- 稲葉山仮停車場:三郷駅 - 河内堅上駅間(約151.5km)
- 亀瀬仮停車場:三郷駅 - 河内堅上駅間(約152.8km)
- 亀ノ瀬東口仮停車場:三郷駅 - 河内堅上駅間 (151.7km)
- 亀ノ瀬西口仮停車場:三郷駅 - 河内堅上駅間 (153.0km)
- 柏原仮乗降場:高井田駅 - 柏原駅間 (157.9km)
- 百済駅(初代):東部市場前駅 - 天王寺駅間 (169.3km)
廃止信号場
( )内は名古屋駅起点の営業キロ。
- 伏屋信号場:八田駅 - 春田駅間 (6.2km)
- 揖斐川仮信号場:長島駅 - 桑名駅間 (21.9km)
- 中在家信号場:加太駅 - 柘植駅間 (75.6km)
- 都跡仮信号場:平城山駅 - 佐保信号場間(約130.7km)
- 佐紀仮信号所:佐保信号場 - 奈良駅間(約131.5km)
- 安堵信号所:大和小泉駅 - 法隆寺駅間(約143.5km)
- 藤井信号場:三郷駅 - 河内堅上駅間 (151.8km)
- 竜華操車場:八尾駅 - 久宝寺駅間 (163.9km)
- 正覚寺信号場(初代):加美駅 - 平野駅間 (166.9km)
- 正覚寺信号場(2代目):加美駅 - 平野駅間 (167.4km)
脚注
注釈
- ^ サンテレビジョン・びわ湖放送・京都放送・テレビ和歌山・奈良テレビ放送を含む
- ^ 大和路線に限らず関西地区においては利用者の間でもアーバンネットワーク各路線を愛称で呼ばれることが定着しており、在阪各テレビ局[注 1]を中心に関西地方のマスコミも路線愛称で報道している。
- ^ a b 民営化時に当時の運輸省に提出された事業基本計画、国土交通省監修の『鉄道要覧』および、JR西日本が発行している『データで見るJR西日本』には、大阪環状線に天王寺駅 - 新今宮駅間が含まれていない。これによるなら、天王寺駅 - 新今宮駅間は関西本線の複々線であるが、運行形態とするなら複線区間は、木津駅 - JR難波駅間である。
- ^ 当初は第4土曜日であったが、2005年4月からは第2土曜日に変更されている。
- ^ 厳密には、名古屋駅 - 笹島信号場間は名古屋臨海高速鉄道あおなみ線の線路を走行する。
- ^ 伊勢鉄道線直通列車に関しては1987年3月27日の開業時から実施していた。
出典
参考文献
- 『JR時刻表』各号、交通新聞社。
- 「JR年表」『JR気動車客車編成表 90年版』ジェー・アール・アール、1990年8月1日、172頁。ISBN 4-88283-111-2。
- 曽根悟(監修)(著)、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)(編)「関西本線・草津線・奈良線・おおさか東線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第8号、朝日新聞出版、2009年8月30日。
関連項目
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予事業予定路線。 △全区間を他社移管。▽ 子会社であるJR東海交通事業が第二種鉄道事業者。JR東海は列車を運行していない。 |
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