東住吉区(ひがしすみよしく)は、大阪市を構成する24行政区のうちの一つ。同市の南東部に位置する。
地理
東住吉区は、大阪市の南東部に位置する。区域の南北は約6.4km、東西は約2.8kmで面積は9.75km2、大阪市で8番目に大きい行政区である。また大阪府のほぼ中心に位置する。区内は坂道がほとんどない。東は平野区、西は阿倍野区・住吉区、北は生野区、南は大和川をはさんで松原市に隣接している。なお、阿麻美許曾神社や周辺を含む矢田7丁目は、大和川以南に位置する(この経緯に関しては、神社の歴史を参照のこと)。区域の約90%は住宅地域で、鉄道駅を中心に商業施設が発展している。特に近鉄南大阪線 針中野駅・地下鉄谷町線 駒川中野駅付近では大阪市内でも有数の駒川商店街が形成されている。
区の北東部には、大阪南部の「市民の台所」として、中央卸売市場東部市場があり、食品流通の拠点として大きな役割を果たしている。北西部は、阿倍野区や天王寺区にある南のターミナル 大阪阿部野橋駅や天王寺駅にも近い。
区の南西部の一角を占める長居公園は、市内第3位の大公園(面積657,084米)で園内には、国際スポーツイベントの会場セレッソ大阪の本拠地として世界的規模の長居競技場や、球技場(ヨドコウ桜スタジアム)、テニスコート、屋内(温水)・屋外プール、さらには世界的水準にある長居障害者スポーツセンターなどの各種体育施設、郷土の森・植物園・自然史博物館・花と緑と自然の情報センターがあり、多くの市民から親しまれている。区の中心部には区役所、南部には区役所出張所がある。区内にはJR関西本線(大和路線)・JR阪和線・近鉄南大阪線・地下鉄谷町線が通っており、全線が天王寺駅または大阪阿部野橋駅を結んでいる。
河川
商業地
商業地の中心として駒川商店街がある。日中は多くの利用客で賑わっている。以前は針中野駅周辺にサティ、駒川中野駅周辺にイズミヤが出店していたが、現在はパチンコ店や高層マンションに変わっている。針中野駅周辺は飲食店などの商業施設が密集している。
歴史
区名の由来
分区にあたり、住吉区の東側に位置することから命名された。このような単純な命名方法となったのは、分区対象となった 田辺・今川・平野のどこか一つから区名を採ると、非採用の地域から紛糾が予想されたことによる。また、当初は田辺・平野だけで分区する構想もあったが、人口が少ないことから今川を加えた3地域となった。[1] 尚、上述しているように、平野は1974年(昭和49年)に平野区として分区しており、現在の東住吉区域内には存在しない。
地名一覧
隣接する自治体・行政区
- 大阪市の行政区
- 自治体
交通
鉄道
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 関西本線( 大和路線):東部市場前駅
- 日本貨物鉄道(JR貨物)
- 関西本線貨物支線:百済貨物ターミナル駅
- 近畿日本鉄道(近鉄)
- F 南大阪線:北田辺駅 - 今川駅 - 針中野駅 - 矢田駅
- 大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro)
- 御堂筋線:長居駅(駅所在地は住吉区)
- 谷町線:田辺駅 - 駒川中野駅
※ 上記の旅客駅は高架駅または地下駅のため、区内には踏切が存在しない。
- 谷町線延伸開業初日まで南海平野線(廃線)が営業されていた。
- 阪和線の南田辺駅・鶴ケ丘駅は地上線時代に東住吉区に属していたが、阪和線の高架化(2006年完成)で駅舎と線路が西(阿倍野区側)に移動したことに伴い、この2駅の住所も阿倍野区になった。
バス
- かつては近鉄バスも杭全付近(あべの橋 - 志紀方面)を走行していたが廃止されている。北港観光バスの路線は日本城バスから2016年7月1日に譲渡を受けて運行しているものである[2]。
道路
- 阪神高速道路
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- 国道
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- 主な府道・市道
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教育
大学
短期大学
高等学校
小学校・中学校
大阪市立矢田小学校・矢田南中学校(愛称:やたなか小中一貫校)は施設一体型小中一貫校として教育を行っている。また児童養護施設に併設された大阪市立長谷川小学校・中学校は、学校の立地は柏原市にあるが、大阪市の学校事務の上では東住吉区所属として扱われている。
集合住宅
大規模マンション
住宅団地
- 都市再生機構サンヴァリエ針中野(針中野団地を建て替えた住宅団地)
- 大阪府住宅供給公社鷹合団地
- 大阪府住宅供給公社山坂団地
- 市営公園南矢田住宅
- 市営住道矢田住宅
- 市営長居東住宅
- 市営南田辺住宅
- 市営矢田住宅
- 市営矢田北住宅
- 市営矢田住道住宅
- 市営矢田中住宅
- 市営矢田部住宅
- かつて存在した住宅団地
区内に本社を置く企業
名所・旧跡・観光スポット・施設
電話番号
- 原則として市外局番は06が使用されるが、区内の大和川以南に食い込んでいる部分は主として河内・阪南地域で使われる072の市外局番[5]が使用される。
出身有名人
文化・芸術
- 開高健 - 作家。天王寺区生まれ。7歳の時に北田辺に転居し、少年期・青年期を過ごす。近鉄北田辺駅前に文学碑がある。
- 高村薫 - 作家。
- 筒井康隆 - 作家。山坂生まれ。
- 沖島勲 - 脚本家、映画監督。北田辺生まれ。
芸能
スポーツ
東住吉区ゆかりの著名人
東住吉区を舞台にした作品
- 『破れた繭』 - 開高健の小説。少年期・青年期の自伝的な作品となっている。
- 『照柿』 - 高村薫の小説。
- 『パンプキン!模擬原爆の夏』 - 令丈ヒロ子著・宮尾和孝絵。田辺に投下された模擬原爆(1945年7月26日)を題材にした児童文学。
- 『桜は桜』 - 谷村新司作詞・作曲の楽曲。区内の今川堤の桜のイメージも重ねている。
- 『残照』 - 谷村新司作詞・作曲の楽曲。谷村の故郷の駒川・桑津界隈のイメージも重ねている。
関連項目
脚注
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
東住吉区に関連するカテゴリがあります。