塩浜駅(しおはまえき)は、三重県四日市市にある、近畿日本鉄道(近鉄)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅である。駅番号は近鉄がE24。
近鉄の名古屋線と、JR貨物の関西本線(貨物支線)が乗り入れる。両社の駅は隣接しているものの、軌間が異なり、線路は繋がっておらず完全に独立している(同様のケースは日暮里駅や横浜駅、幕張本郷駅などでも見られる)。
島式ホーム2面4線を有する待避可能な地上駅で、橋上駅舎を備える。ホーム有効長は6両編成分である。改札口は1か所のみで、駅出入口は東西双方に各1か所設置されている。近鉄塩浜検修車庫(車両工場)が隣接しており、乗務員区所の塩浜列車区が設置されている。トイレは改札内橋上駅舎内に設置されている。
近鉄四日市駅管理の有人駅で、PiTaPa・ICOCA対応の自動改札機および自動精算機(回数券カードおよびICカードのチャージに対応)が設置されている。
定期券・特急券は専用の自動券売機で購入が可能[6]。
列車案内装置は液晶ディスプレイ式である。
特急以外の全一般列車が停車する[7]。
塩浜列車区が設置されている関係で、当駅に停車する急行・普通列車の大半は乗務員交代を行う。
名古屋線における急行の待避可能駅の一つで、伊勢若松駅や江戸橋駅と同様に急行による特急列車の待避が頻繁に行われている[7]。
名古屋方面は朝と日中時間帯に一部の急行が乙特急を、普通列車は日中時間帯を中心に概ね毎時1本の列車が当駅で特急を待避する[7]。
伊勢中川方面は朝と夕方以降に一部の急行が乙特急を、日中時間帯に毎時1本の普通列車が名阪甲特急を待避する[7]。
早朝と夕方以降に名古屋・四日市方面から当駅を発着とする普通列車も数本設定されており、早朝1本のみ当駅始発の伊勢中川行きも存在する[7]。2021年7月以降、日中の一部普通列車は当駅で名古屋・四日市方面に折り返しており、当駅以南へ向かう普通列車は毎時2本となっている。
近鉄塩浜駅に隣接し駅の着発線を有する操車場と、近鉄海山道駅に隣接する側線群からなる。
着発線は到着線1線と出発線1線からなる。最も西側(近鉄塩浜駅寄り)の線路が到着線で、その東隣が出発線となっている。出発線の東側には貨車留置線が計10本敷設されている。構内はすべて非電化であり、駅構内の入換作業はJR貨物が保有する本線牽引機(DF200形ディーゼル機関車)が担当する。石油輸送用タンク貨車の常備駅であり、四日市駅と当駅で分担して留置されている。
当駅に接続する専用線・専用鉄道は1本のみ存在する。
当駅は、専用線発着の車扱貨物の取扱駅である。取扱品は石油であり、タンク車で昭和四日市石油専用線から発送される。発送先は南松本駅(ジャパンオイルネットワーク松本油槽所)である。
かつては専用線発着のコンテナ貨物として、化成品の扱いもあり、タンクコンテナで輸送される酸化エチレンや、タンク車で輸送される液体塩素である。酸化エチレンは奥野谷浜駅(三菱化学鹿島事業所)から三菱化学専用線へ運ばれ、液体塩素は昭和町駅(東亞合成名古屋工場)から石原産業専用鉄道へ運ばれていた。現在は四日市駅までトラックで運ばれる。
2021年3月改正時点では上り列車(四日市方面)は高速貨物列車(タキ1000形貨車のみで編成)が1日1本のみ稲沢駅を経由して南松本駅まで運行、専用貨物列車が1日2本(1本は稲沢駅経由で南松本駅まで、1本は四日市駅まで運転)運行されている。下り列車(当駅終着)は高速貨物列車(タキ1000形のみで編成)が1日1本、専用貨物列車が1日1本運行されている。
近年における当駅の1日乗降人員の調査結果は以下の通り[16]。
「三重県統計書」によると、1日の平均乗車人員は以下の通りである[17]。
塩浜駅の利用状況の変遷を下表に示す。
2019年度の発送貨物は359,897トン、到着貨物は35,684トンであった。
駅名にもなっている塩浜とは、周辺に塩田が存在したことが由来している。