『FNSの日』(エフエヌエスのひ)[1]は、フジテレビをはじめとしたフジネットワーク(FNS)系列各局(テレビ大分を除く)が、毎年1つのメインコンセプトテーマを掲げ、1987年から毎年総力を挙げて制作、生放送[注 2]されている長時間特別バラエティ番組。1997年からは大半の番組が『FNS27時間テレビ』(エフエヌエス27じかんテレビ)と称している。
1987年、フジテレビ開局30周年特別番組として企画された大型バラエティ番組・特別番組である。『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』(日本テレビ)のパロディ及びアンチテーゼが番組の根幹にあり、チャリティーなしでお笑いだけをやる生放送番組として企画された。一部の回では、24時間テレビのパロディとして長時間長距離マラソンや出演者及びスタッフが同じデザインのTシャツを着る等の企画も行われている。
チャリティーを行っていないため第1回の番宣ポスターには「チャリティーではありません」と明記し、番組内でも明石家さんま・タモリらが度々注意を呼びかけていたが、勘違いして募金をフジテレビに持ってくる人もいた。また、当時フジテレビが行ったイベント『夢工場』の宣伝の要素もあった。当初は1回きりの特別番組の予定だったが、初回放送の平均視聴率が19.9%、瞬間最高視聴率は38.1%という高視聴率となり以降、新型コロナウイルス感染症の影響による中断を挟みながら毎年継続して企画・放送されている。
2007年以降、制作著作は「フジネットワーク27社」名義であり、クロスネットのテレビ大分以外の全局が制作局となっている。
2017年 - 2019年はこれまでの生放送・バラエティ中心の内容を大きく一新し、放送日も例年の夏季から9 - 11月に変更して放送された。
2020年は8月に放送される予定であったが、新型コロナウイルスの影響で34年目にして初の放送中止[2][3]となり、以降2022年まで3年連続で放送が見送られた。2021年・2022年は放送中止状態にある本番組の代替として、2夜連続・計9時間生放送の長時間特別番組『FNSラフ&ミュージック〜歌と笑いの祭典〜』を2021年8月28日・29日[4]、2022年9月10日・11日に『FNSラフ&ミュージック2022〜歌と笑いの祭典〜』を放送した[5][6]。また、2020年8月22日から23日にかけて当番組参加局のひとつである北海道文化放送のアナウンサーたちによるYouTubeチャンネルである「UHB北海道文化放送非公式チャンネル」にて『ABOUT 27H YOUTUBE LIVE』を生配信した[7]。
そして2023年に『千鳥の鬼レンチャン』をベースにした放送内容で4年ぶりに復活した[8][9]。同年の放送ではTVerのリアルタイム配信を全編で実施した。24時間以上リアルタイム配信が行われるのは、民放のテレビ局では史上初の試みとなった[10]。
2025年は放送を予定していたが、2月21日に放送中止を発表[11]。3年ぶり4回目の放送中止となる。フジテレビは中止の理由について「一連の事案(中居正広・フジテレビ問題)を受けて、総合的に判断して放送を見送る」とした[12][13]。
『24時間テレビ』と異なり、毎年の放送内容に統一性はなく、ベース番組やメインコンセプトテーマに沿った企画が行われる。
例として、2002年・2003年は例年のお笑い要素を少なくし、感動系の内容をメインに放送。一転して2004年からはお笑いバラエティ要素の強い企画を放送[注 3]。2017年 - 2019年は教養要素の強い内容を放送。中断期間を挟み2023年からは例年のお笑いバラエティ要素の強い内容に回帰するなど、年度によって放送内容・企画に大きなバラつきがあり、前年と今年で実質的に全く異なる番組である事も多い。
毎年のテーマに沿ったレギュラー番組の特別版や各時間帯の番組を内包したコーナーが組み込まれる。基本的に生放送(2017年 - 2018年は収録放送がメイン。それ以外の年でも一部の時間帯で事前収録した内容を放送する場合もある)であり、生放送である特色を活かして稀に他局の番組とのコラボレーション企画を行うこともある[注 4]。メインセットを設けるスタジオは河田町社屋第6スタジオ→台場・FCGビルV4スタジオと広いスタジオを使っており、各コーナーは本社内や湾岸スタジオ内にある別スタジオや社内の廊下・玄関前、開催中のお台場冒険王会場内などを使う。
また、番組中の提供クレジットは第1回から一貫して画面下部にアニメーション効果を加えた読み上げなしの特別仕様のものが使われている。1996年(第10回)まではスポンサー名の上に「提供」と書かれていたが、1997年(第11回)からはスポンサー名だけが書かれており、2023年(第37回)からはスポンサー名が一部企業を除きカラー表記となった。なお、ローカルスポンサー枠に関してはフジテレビは同じ仕様のもの、それ以外は普通の提供クレジットとなる局が多い。
放送決定がフジテレビより公式に発表されるのは通常、放送日のおよそ2 - 3か月前となる。ただし年によっては、公式発表より前に出演予定者やスタッフが自身の出演する番組や雑誌のインタビューで非公式に次回のFNSの日について言及する事があり、それが実質「今年も放送が決定した」と公になる場合もある[注 5]。なお、2023年・2024年はその年の2月中に放送決定が発表され、例年より大幅に早い展開となった[注 6]。
放送開始当初は、ライバルの日本テレビを意識し、24時間(土曜日21時 -日曜日20時54分)で放送が始まったが23 - 25時間と各年で幅があった。1996年は、10周年記念として29時間30分に拡大、翌1997年より27時間。その後は25-27.5時間で推移している。
放送時間に合わせて2005年は「25時間テレビ」、2006年・2009年 - 2010年は「26時間テレビ」と番組名が変更されているが、2011年以降は「27時間テレビ」に統一して放送されている。 2011年 - 2014年は26時間24分(18:30 - 翌20:54)に設定され、2015年以降は放送終了時間が21:54と1時間拡大された[注 7]が、「27時間テレビ」のタイトルに変更はない。
1987年の放送開始から1996年までは毎年ごとの番組の正式タイトルを略して「夢列島」「平成教育テレビ」、放送時間から取って「FNS24時間テレビ」と呼ばれていた。1997年より放送時間が27時間に設定されて以降は通称として「27時間テレビ」と呼ばれるようになったが、番組タイトルに正式に「FNS27時間テレビ」と名付けられるようになったのは2002年の放送からである。以降は放送時間の推移に合わせて「FNS○○時間テレビ」と銘打たれるのが恒例である。
また本来の通称としては「FNSの日」であるが、実際の番組名として使われる事は少ない。2009・2010年に「FNSの日26時間テレビ」として番組名に用いられたのが最後。ただし番組最後のエンドロールでは「FNSの日 制作実行委員会」のトップクレジットの下にスタッフロールが流れる。
製作総指揮は第1回(1987年)は当時フジテレビ会長の鹿内春雄、第2回から第5回(1988年 - 1991年)は春雄の義弟で同社会長の鹿内宏明が、制作代表は第2回から第5回(1988年 - 1991年)まではフジテレビ社長・日枝久が務めた。日枝は後身の『平成教育テレビ』→『FNS27時間テレビ』でも製作総指揮・制作代表を2016年まで29年間務めた(製作総指揮は1993年の第7回から2000年の第14回まで)。基本的に制作代表は歴代フジテレビ会長、製作総指揮は第7回(1993年)から歴代フジテレビ社長が務めている。
現在の主催局はテレビ大分以外のフジテレビ系列加盟27社で各局が共同主催で実施している。
各年度ごとの詳細について、
優勝局で()となっているものは、局代表以外が優勝したことを示している。
2017年・2018年の収録放送に移行の際は、5つの部門に分けてそれぞれで優勝を決定する方式となっており、部門優勝した5局での決選投票などは行わなかった。そのため、1回の放送で5局の優勝受賞局が発生することになった。
2024年現在の最高優勝回数は、いずれも4回優勝の秋田テレビ、関西テレビ、テレビ新広島、サガテレビ[注 17]の4局。次いで3回優勝の福島テレビ、テレビ愛媛の2局。一方優勝が一度もないのは、北海道文化放送、さくらんぼテレビ(第11回放送の、1997年開局)、長野放送、富山テレビ、石川テレビ、さんいん中央テレビ、テレビくまもと、沖縄テレビの8局(一部年を除き放送および番組参加がないテレビ大分を除く)。
連覇達成したのは以下の4局。
オープニングの後に直前まで放送していたプロ野球中継を引き続き放送することが第1回からの恒例となっており、番組の開始が18時台になった1996年 - 2003年は野球中継自体を内包した。2004年以降はプロ野球中継は行われていない。
FNS系列局では通常、一部の局を除いて日曜日の15時台に競馬中継番組を放送しているが、当番組の放送日はその日に開催される重賞レースのみ実況中継する[注 22](1996年から)。当日は通常競馬中継を放送していない地域(サガテレビ[注 23]・2002年〜2006年までのテレビ大分[注 24]・2019年までのテレビ宮崎[注 25])でも放送する。また、2019年まで代替番組としてBSフジでBSみんなのKEIBAが放送されていた[注 26]。
通常、フジテレビと東日本北日本の系列局、沖縄テレビでは『みんなのKEIBA』、関西テレビ・東海テレビ・テレビ西日本と西日本の系列局では『KEIBA BEAT』をそれぞれ放送しており、東西で異なるものを放送しているが、この日に限り、フジテレビ制作のものを全国一斉ネットとしているため、「セットは『KEIBA BEAT』、テロップやスタイルは『みんなのKEIBA』」という複雑な構成になることもある。
F1グランプリの地上波での放送を行っていた2011年まで、日曜早朝にドイツグランプリなどの予選ダイジェストを録画中継で挿入する場合があった。通常予選ダイジェストは決勝と異なり数局でしか放送されていなかったが、この時に限り全国ネットで放送されていた。
コーナー詳細は各記事を参照。太字はベース番組として参加経験のある番組を示す。
初期は土曜深夜と日曜夕方のみだったが、1993 - 2000年は台風直撃や巨大地震・重大事件・事故といった緊急速報時を除き日曜夕方のみとなっていた。2001年以降は通常の土曜深夜または日曜未明・日曜朝・日曜昼・日曜夕方の計4回ニュースコーナーが設けられている(ただし放送時間は年によって一定ではない)。キャスターは各々の定時ニュースの担当アナウンサーが務めることが多いが、2000年代前半あたりまでは定時ニュース番組が当番組にコーナー参加したり、番組出演者がキャスターや原稿読みに挑戦することもあった(例・「DATE LINEデラックス」)。なお、2011年まで日曜昼前と夕方のニュース番組を時差放送していたCS放送「フジテレビ739→フジテレビTWO」では、ニュース番組の時差放送自体が休止となるためスポーツ中継がない限り、番組ガイドに差し替えていた。
以下はタイトルが付けられたニュースコーナー。これ以外の年及び時間帯は『FNNニュース』となっている。
系列局を含め総力を上げた大型特番のため、放送1 - 2ヶ月前から、放送前日などや放送開始直前、放送から1 - 2週間後に関連特別番組を編成することがある。またベースとなる番組のレギュラー回で企画などの情報解禁やFNS系列局対抗企画の予選の模様を放送する事もある。
また2012年まではカスペや金曜プレステージなどの特別番組枠内で以下のようなタイトルで事前番組を放送していた。
2013年以降は放送1週間前より、月曜から金曜までの深夜枠で10分程度の番宣や放送当日の土曜日昼〜夕方頃に1時間程度の番宣特番が編成される。
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注1:6月放送、注2:8月放送、注3:9月放送、注4:11月放送、注5:放送中止
1フジテレビジョン、ニッポン放送、ポニーキャニオンなどを子会社に持つ認定放送持株会社。2フジ・メディア・ホールディングスは、系列局の仙台放送を連結子会社化、基幹局の北海道文化放送、関西テレビ放送、テレビ新広島を筆頭に複数の系列局を持分法適用関連会社化している。3フジテレビジョン、ニッポン放送、ポニーキャニオン、産業経済新聞社、文化放送などを中心に構成するメディア・コングロマリット。4フジテレビジョンと国際的戦略提携を締結。
BSフジ 8(2K) / BSフジ 4K
1NNN/NNSとの提携関係あり。2NNN/NNSとのクロスネット局であるが、NNN・FNNのみの加盟と記述してある資料あり。3NNN・ANNとのクロスネット局であるが、ANNには報道部門のみの参加。4加盟局が運営・出資する衛星放送(CSチャンネル)。5現在のJ SPORTS。フジテレビは2009年9月まで出資。62009年4月30日で閉局。7太字はFNN・FNS双方に加盟。細字はFNSのみに加盟。8旧フジテレビは2008年10月に現フジテレビに放送免許を譲渡(会社分割方式)。9母体新聞社及び加盟局と友好関係のある新聞社。