宗谷本線(そうやほんせん)は、北海道旭川市の旭川駅から名寄市の名寄駅を経て、稚内市の稚内駅を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の鉄道路線(地方交通線)である。
旭川市から上川管内北部・宗谷管内と道北地方を縦断し、北方領土を除く日本最北端の自治体である稚内市に至る全長259.4 km の鉄道であり、地方交通線としては日本最長である。ほぼ全区間で起終点を同じくする国道40号と並行し、士別市から幌延町にかけては、天塩川の右岸を走行する。
概要
かつて、日本領土であった樺太(南樺太)への連絡鉄道として建設が進められ、終点の稚内から対岸の大泊(コルサコフ)への鉄道連絡船(稚泊航路)が第二次世界大戦終戦時の1945年8月まで就航していた。
また、沿線を流れる天塩川の舟運に代わり、各支線と合わせ道北各地で産出される木材や石炭等の鉱物、水産物を輸送する重要な貨物輸送路線としての使命も担った。このため、第二次世界大戦末期にあって、全国的に列車本数の削減が度々行われるなか、北海道内で最後まで急行列車が運行されていた。
ソ連対日参戦による南樺太占領で戦後は樺太連絡の使命を失い、合理化のため早くも1955年(昭和30年)から多くの普通列車が気動車化された。優等列車は1958年(昭和33年)10月1日に復活し[8]、以降一貫して運転されている。
2000年(平成12年)3月11日には旭川駅 - 名寄駅間の高速化改良工事が完成したことから定期特急列車の運転が開始された[報道 4][新聞 1][新聞 2]。一方で、1995年(平成7年)9月4日までに天北線・深名線など接続する支線は全て廃線となった。
2010年代後半から沿線ではヒグマやエゾシカの出没が頻発。線路内に侵入した野生動物の発見、衝突により列車の遅れや運休が増加傾向を示した。特に、シカとの衝突件数は2018年から2023年までの6年間に平均数は464件(/年)に達し、単純計算で1日1件以上の衝突が発生する状況となっている[9]。
歴史
1898年(明治31年)8月12日の旭川駅 - 永山駅間が北海道官設鉄道によって開業したのに始まり[10]、1903年(明治36年)9月3日には名寄駅に到達[10]。以降は官設鉄道によって建設が進められ、1922年(大正11年)11月1日に稚内駅(現在の南稚内駅)まで、浜頓別駅経由のルートで到達した[10][新聞 3]。現在の幌延駅経由のルートは1922年(大正11年)11月8日[10][11][12]から1926年(大正15年)9月25日[10][11][12]にかけて天塩線(てしおせん)[注釈 1]として建設されたもので、1930年(昭和5年)4月1日に宗谷本線に編入され[10][11]、浜頓別経由のルートは北見線(後の天北線)として分離された[10][11]。
幌延経由のルートは天塩川があるため難工事の箇所が多かったのに対し、浜頓別経由のルートは原野が広く拓殖計画の上でも有利であったことから、先に浜頓別経由ルート(後の天北線)が着工された[13]。
しかし、実際には幌延経由の沿線に多くの御料小作人、単独移住民が住んでいた一方、浜頓別経由の沿線には移住民が少なく、代議士や大会社の未開の牧場だけだったため、鉄道の必要性は幌延経由ルートにあり、既定線として既に決まっていた[13]。
ところが、憲政会と政友会の争いがあり、佐々友房、安達謙蔵(憲政会代議士)らが浜頓別経由の沿線に広大な土地を持っていて地盤を築いていたため、安達らが鉄道を個人的利益に悪用して(我田引鉄)、急きょ浜頓別経由ルートに変更された[13]。後に幌延経由ルートも全線開業した。
北海道官設鉄道天塩線
官設鉄道移管から天塩線編入まで
旭川駅 - 音威子府駅 - 浜頓別駅 - 稚内港駅間
音威子府駅 - 幌延駅 - 稚内駅(初代)間
天塩線(3代)編入以後
→音威子府駅 - 浜頓別駅 - 南稚内駅間の分離後については「
天北線」を参照
以下、一部仮乗降場の名称について、出典では「乗降場」などとなっている場合があるが、表記は「仮乗降場」に統一する。
民営化以後
存廃議論
2016年(平成28年)11月18日、JR北海道は厳しい経営状況を理由に「自社単独で維持することが困難な路線」として、10路線13区間を発表し、宗谷本線は以下のように分類された[報道 13]。なお、この発表の直前から「JR北海道が単独では維持困難な線区」に挙げられる可能性が高いとされ、沿線自治体による陳情などが行われている[新聞 20]。
2018年(平成30年)4月、JR北海道は一定の利用以下の駅・踏切の存廃について、廃止提案の前に地元自治体と協議する方針を示した。同月27日、宗谷本線の沿線と周辺26市町村などでつくる「宗谷本線活性化推進協議会」の事務担当者らによる幹事会において、廃止する場合もしくは維持する場合の管理のあり方について、JR北海道と協議することで合意した[新聞 21]。
宗谷本線活性化推進協議会は名寄市が事務局で、駅カードの配布など利用促進にも取り組んでいる[新聞 22]。
旭川駅 - 名寄駅間
高速化工事により北海道高速鉄道開発が施設を保有するこの区間については、「北海道高速鉄道開発株式会社関連線区」として当面維持する一方で、単独では持続的な維持ができないとして、「北海道高速鉄道開発との関連で検討」とされている[報道 13]。
名寄駅 - 稚内駅間
「自社単独では老朽土木構造物の更新を含め「安全な鉄道サービス」を持続的に維持するための費用を確保できない線区」とされた[報道 13]。維持する場合、運営赤字のほか、今後20年間の土木構造物の大規模修繕・更新に23億円(概算)、車両(21両)の更新に58億円(概算)がかかるとされている[報道 3][報道 25]。
この指定を受けた線区については各種施策による経費節減や値上げなどの負担、利用促進、上下分離方式などをポイントに、地域と協議の上で輸送サービスを鉄道として維持するか検討を進めていくとし[報道 26][報道 2][報道 27]、沿線などの市町村で構成する宗谷本線活性化推進協議会は、2017年(平成29年)3月30日の道との意見交換会で、名寄駅 - 稚内駅間の存続に向けて、対象路線では初めてJR北海道との協議の開始を決定し[新聞 15]、同年4月14日から協議に入った[新聞 16]。
なお、北海道による総合交通政策検討会議が2018年(平成30年)2月10日に発表した『北海道の将来を見据えた鉄道網(維持困難線区)のあり方について』では、「交通政策を推進する上での基本的な考え方」として、本区間は「ロシア極東地域と本道との交流拡大の可能性も見据え、国土を形成し、本道の骨格を構成する幹線交通ネットワーク として、負担等に係るこれまでの地域での協議を踏まえ、維持に向けてさらに検討を進めるべきである」としている[報道 15]。
2019年(令和元年)12月12日に『北海道新聞』が、2013年(平成25年) - 2018年(平成30年)の1日当たりの平均乗車人員が3人以下の29駅を対象に、「2020年(令和2年)3月までに維持か廃止するか」の判断を各自治体に求めていることを報道した[新聞 23]。その後、2020年(令和2年)3月27日に宗谷本線活性化推進協議会は、2021年春に13駅(南比布駅、北比布駅、東六線駅、北剣淵駅、下士別駅、北星駅、南美深駅、紋穂内駅、恩根内駅、豊清水駅、安牛駅、上幌延駅、抜海駅)の廃止を容認した。なお、剣淵町に所在する東六線駅と北剣淵駅の2駅は、「廃止の方向で検討しており、町民説明会で決定する」としていた[新聞 17]。
2020年(令和2年)7月22日、廃止の方向で検討していた恩根内駅は、同年6月の恩根内自治会による存続要望を受けて、美深町議会全員協議会が駅存続を了承し、美深町として存続の方針を決めた[新聞 24][新聞 25]。
2020年(令和2年)12月9日、JR北海道が翌2021年(令和3年)春のダイヤ改正に合わせて、利用客が少ない36駅に対し、廃止や地元自治体による維持管理に移行する駅を発表[報道 20]。このうち宗谷本線では、12駅(南比布駅・北比布駅・東六線駅・北剣淵駅・下士別駅・北星駅・南美深駅・紋穂内駅・豊清水駅・安牛駅・上幌延駅・徳満駅)が廃止、17駅(蘭留駅・塩狩駅・日進駅・智北駅・恩根内駅・天塩川温泉駅・咲来駅・筬島駅・佐久駅・歌内駅・問寒別駅・糠南駅・雄信内駅・南幌延駅・下沼駅・兜沼駅・抜海駅)が地元自治体による維持管理に移行となった[報道 20]。同月18日には、前述の12駅を2021年3月13日に廃止する予定であることを発表した[報道 21]。
運行形態
新旭川駅で分岐する石北本線に同駅を始終着とする列車はなく、全列車が宗谷本線経由で旭川駅に乗り入れている。
広域輸送
特急列車は札幌駅 - 稚内駅間を直通する「宗谷」1往復、旭川駅 - 稚内駅間を運行する「サロベツ」2往復が設定されている[報道 14][53]。「サロベツ」については、札幌駅 - 旭川駅間の特急「ライラック」と対面乗り換えで接続するダイヤを組んでいる[報道 14][注釈 12]。
このほか、石北本線系統の列車として、特急「オホーツク」「大雪」、特別快速「きたみ」が運転されている。
2022年以降、毎年5月 - 6月に臨時急行列車として、旭川駅 - 稚内駅間で「花たび そうや」が運転されている[報道 28][54]。なお、同急行列車は2020年5月 - 6月[報道 29]、2021年5月 - 6月[報道 30]にも運行される予定であったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、取りやめとなった[報道 31][報道 32]。
地域輸送
名寄駅を境に南北に運転系統が分かれている[53]。朝の1往復のみ名寄駅を跨いで直通運転するが、直通列車も名寄駅で列車番号が変わる。
快速・普通列車は全てワンマン運転であり、ドアは基本的に前側のみ(前乗り前降り)開く。有人駅のうち、終日改札を行う旭川駅は最終列車まで全てのドアが開き、終日改札を実施しないその他の有人駅はみどりの窓口の営業時間内のみ全てのドアが開く。
旭川駅 - 名寄駅間
特急を補完する列車として主要駅のみに停車する、快速「なよろ」が旭川駅 - 名寄駅間で1日4往復(うち朝の上り2号は名寄駅以北を普通列車として音威子府駅から直通)運転される。
普通列車は石北本線関連の列車を除くと、旭川駅 - 名寄駅間で1日8往復(うち朝の下り1本は稚内駅へ直通)、旭川駅 - 比布駅間3往復、旭川駅 - 永山駅間2往復[注釈 13]が運行されている。北永山駅、瑞穂駅は一部の列車が通過する。なお、2021年3月13日改正時より、旭川駅 - 比布駅間の区間列車上下各1本が減便された[報道 20][報道 21]。
2021年3月のダイヤ改正以後は主にH100形が用いられているが、名寄駅以北との直通列車1往復及び快速「なよろ4号」の計1.5往復は名寄駅以北で運用される車両の送り込みのためキハ54形気動車が用いられ、このうち音威子府駅までの運用はキハ54形の代わりにキハ40形が用いられる場合もある。通常は1-2両編成で運転されるが、名寄駅発旭川駅行きの上り一番列車については3両編成で運転される。
名寄駅 - 稚内駅
この区間の普通列車は2016年(平成28年)3月26日改正による減便で、現在の本数となった。なお、音威子府駅や幌延駅での停車中に列車番号が変わる列車が存在するが、本節では1本の列車として扱う。
運転本数は、名寄駅 - 稚内駅間を通しで運転する列車が1日に下り2本・上り3本(うち朝の下り1本は旭川駅から普通列車として直通)、名寄駅 - 音威子府駅間の列車が2往復(うち朝の上り1本は名寄駅から快速「なよろ2号」として旭川駅まで直通)、音威子府駅 - 稚内駅間の列車が早朝に下り1本、稚内駅 - 幌延駅間の列車が夜間に上り1本である。区間別にみると、名寄駅 - 音威子府駅間が下り4本・上り5本、音威子府駅 - 幌延駅間が上下各3本、幌延駅 - 稚内駅間が下り3本、上り4本となっている。
また、夜間の上り音威子府発名寄行き1本は天塩川温泉駅、智北駅を通過する[注釈 14]。
車両は原則全てキハ54形で、終日1両編成で運転される。ただし、音威子府駅までの列車にはキハ40形が使用されることもある。
貨物輸送
旭川駅 - 北旭川駅間において函館本線および室蘭本線に直通する形で高速貨物列車および専用貨物列車が運行されている。いずれもDF200形ディーゼル機関車が牽引する。高速貨物列車のうち上り2本は札幌貨物ターミナル駅を経由せず、岩見沢駅 - 苫小牧駅間を室蘭本線経由で運行する本州への直行便で、残りは函館本線札幌貨物ターミナル駅行き。さらに毎年秋から翌年春にかけては石北本線の臨時貨物列車(通称「タマネギ列車」)が北旭川駅(貨物駅) - 北見駅間に3往復[報道 13]運行されている。この列車については、運行経路上、新旭川駅と遠軽駅で方向転換するため、先頭と最後尾に機関車が連結されるプッシュプル運転が行われている。
ラッセル車
2017年(平成29年)時点では日本で唯一の定期排雪列車が、旭川運転所のDE15形を用いて12月下旬から翌年3月中旬に1往復運転されている[56]。この際、佐久駅や抜海駅など定期列車が列車交換をしない駅でも列車交換を行うことがある。なお現時点でラッセル車のダイヤはJR北海道などからは公開されていない。ラッセルヘッドは基本的に単線型が使われるが、ごくまれに複線型が使われることもある。
使用車両
現在の使用車両
旅客列車は全て気動車で運転されている。このほか、旭川運転所関連の回送列車が旭川駅 - 北旭川駅間を走行する。
- 特急列車
- 普通列車(快速「なよろ」含む)
- 貨物列車
過去の使用車両
データ
路線データ
- 管轄(事業種別)・区間(営業キロ)
- 駅数:39(起終点駅含む)[注釈 17]
- 軌間:1,067 mm(狭軌)
- 複線区間:
- 電化区間
- 閉塞方式
- 保安装置:
- 運転指令所:
- 旭川駅 - 永山駅間:札幌指令センター
- 永山駅 - 南稚内駅間:名寄運行管理センター(旭川指令センター)
- 南稚内駅 - 稚内駅間:旭川指令センター
- 運転取扱駅(駅が信号を制御、運行を管理):永山駅、名寄駅、南稚内駅[58]
- 列車交換可能な駅は駅一覧を参照。
- 最高速度(2014年3月15日時点):
全区間がJR北海道旭川支社の管轄である。
輸送密度
区間ごとの輸送密度は以下の通り。
名寄駅 - 稚内駅間は、国鉄における特定地方交通線指定が行われた1980年(昭和55年)度時点で、区間単体では指定目安となる輸送密度4,000人を大きく下回っていた[注釈 19]。2018年(平成29年)度実績では、JR北海道が設定した区間で下から6番目、道内における特急列車運転区間としては最低の輸送密度であり、定期特急列車の運転がない、根室本線滝川駅 - 富良野駅間、釧路駅 - 根室駅間や釧網本線を下回っている[報道 33]。
年度
|
輸送密度 (人/日)
|
備考・年度中の出来事
|
出典
|
旭川駅 - 名寄駅間
|
名寄駅 - 稚内駅間
|
1975年(昭和50年)度
|
|
1,878
|
|
[報道 3]
|
1980年(昭和55年)度
|
|
1,384
|
|
1984年(昭和59年)度
|
2,994
|
800
|
|
[新聞 26]
|
1985年(昭和60年)度
|
|
792
|
|
[報道 3]
|
1987年(昭和62年)度
|
|
751
|
JR北海道発足。
|
1988年(昭和63年)度
|
|
723
|
|
1989年(平成元年)度
|
|
776
|
5月1日に天北線廃止。急行列車の経由を変更。
|
1990年(平成02年)度
|
|
814
|
|
1991年(平成03年)度
|
|
807
|
11月13日に宗谷北線運輸営業所が発足。
|
1992年(平成04年)度
|
|
780
|
|
1993年(平成05年)度
|
|
781
|
|
1994年(平成06年)度
|
|
802
|
|
1995年(平成07年)度
|
|
754
|
|
1996年(平成08年)度
|
|
733
|
|
1997年(平成09年)度
|
|
702
|
|
1998年(平成10年)度
|
|
727
|
|
1999年(平成11年)度
|
|
684
|
|
2000年(平成12年)度
|
|
764
|
3月11日に名寄駅以南高速化工事竣工・特急列車運転開始。
|
2001年(平成13年)度
|
|
723
|
|
2002年(平成14年)度
|
|
702
|
|
2003年(平成15年)度
|
|
653
|
|
2004年(平成16年)度
|
|
667
|
|
2005年(平成17年)度
|
|
640
|
|
2006年(平成18年)度
|
|
556
|
|
2007年(平成19年)度
|
|
542
|
|
2008年(平成20年)度
|
|
527
|
|
2009年(平成21年)度
|
|
506
|
|
2010年(平成22年)度
|
|
501
|
|
2011年(平成13年)度
|
|
477
|
|
2012年(平成24年)度
|
|
483
|
|
2013年(平成25年)度
|
|
419
|
|
2014年(平成26年)度
|
1,512
|
405
|
|
[報道 3][報道 34]
|
2015年(平成27年)度
|
1,571
|
403
|
|
[報道 3][報道 35]
|
2016年(平成28年)度
|
1,456
|
364
|
台風10号による影響を除くため、9 - 12月を除いた数値。
|
[報道 3][報道 36]
|
1,477
|
362
|
9 - 12月を含む数値。
|
2017年(平成29年)度
|
1,452
|
352
|
同年度分より集計方法見直し[注釈 20]
|
[報道 37]
|
2018年(平成30年)度
|
1,393
|
335
|
|
[報道 33]
|
2019年(令和元年)度
|
1,336
|
316
|
|
[報道 38]
|
2020年(令和02年)度
|
827
|
165
|
COVID-19の影響により、前年度比大幅減少
|
[報道 39]
|
2021年(令和03年)度
|
845
|
174
|
|
[報道 40]
|
2022年(令和04年)度
|
972
|
209
|
|
[報道 41]
|
2023年(令和05年)度
|
1,120
|
252
|
|
[報道 42]
|
収支・営業係数
区間ごとの収支(営業収益、営業費用、営業損益)と営業係数は以下の通り。JR北海道の発表分はいずれも管理費を含めた金額である。▲はマイナス(赤字)を意味する。
旭川駅 - 名寄駅間
年度
|
収支(百万円)
|
営業 係数 (円)
|
備考
|
出典
|
営業 収益
|
営業 費用
|
営業 損益
|
1970年(昭和45年)度
|
1,624
|
3,287
|
▲1,663
|
202
|
|
[59]
|
2014年(平成26年)度
|
724
|
2,643
|
▲1,919
|
365
|
|
[報道 34]
|
2015年(平成27年)度
|
742
|
2,851
|
▲2,109
|
384
|
|
[報道 43]
|
2016年(平成28年)度
|
690
|
2,894
|
▲2,204
|
419
|
|
[報道 44]
|
2017年(平成29年)度
|
666
|
2,894
|
▲2,831
|
525
|
同年度分より集計方法見直し[注釈 21]
|
[報道 37]
|
2018年(平成30年)度
|
632
|
3,330
|
▲2,698
|
527
|
|
[報道 33]
|
2019年(令和元年)度
|
634
|
3,267
|
▲2,633
|
515
|
通学の利用者増加による運輸収入増加、外注による踏切や駅構内の除雪、橋梁修繕の減少により、前年度比改善
|
[報道 38]
|
2020年(令和02年)度
|
382
|
3,508
|
▲3,126
|
918
|
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、前年度比拡大
|
[報道 39]
|
2021年(令和03年)度
|
401
|
3,649
|
▲3,249
|
911
|
車両の減価償却費増加に伴う営業費用増加により、前年度比拡大
|
[報道 40]
|
2022年(令和04年)度
|
479
|
3,663
|
▲3,184
|
765
|
|
[報道 41]
|
2023年(令和05年)度
|
558
|
3,922
|
▲3,365
|
703
|
|
[報道 42]
|
名寄駅 - 稚内駅間
年度
|
収支(百万円)
|
営業 係数 (円)
|
備考
|
出典
|
営業 収益
|
営業 費用
|
営業 損益
|
1970年(昭和45年)度
|
1,284
|
3,421
|
▲2,137
|
266
|
|
[59]
|
2014年(平成26年)度
|
487
|
3,031
|
▲2,544
|
622
|
|
[報道 34]
|
2015年(平成27年)度
|
490
|
3,032
|
▲2,541
|
618
|
|
[報道 26][報道 43]
|
2016年(平成28年)度
|
449
|
3,121
|
▲2,612
|
696
|
|
[報道 44]
|
2017年(平成29年)度
|
436
|
3,169
|
▲2,733
|
640
|
同年度分より集計方法見直し[注釈 22]
|
[報道 37]
|
2018年(平成30年)度
|
411
|
3,033
|
▲2,622
|
738
|
除雪費減少等により、前年度比改善
|
[報道 33]
|
2019年(令和元年)度
|
399
|
2,905
|
▲2,505
|
727
|
橋梁修繕の減少等により、前年度比改善
|
[報道 38]
|
2020年(令和02年)度
|
219
|
2,860
|
▲2,641
|
1,306
|
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による運輸収入減少に伴う営業収益減少が発生
|
[報道 39]
|
2021年(令和03年)度
|
243
|
3,018
|
▲2,775
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1,242
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動力費や線路設備修繕の増加に伴う営業費用増加により、前年度比拡大
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[報道 40]
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2022年(令和04年)度
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304
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2,981
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▲2,677
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980
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[報道 41]
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2023年(令和05年)度
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352
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3,175
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▲2,823
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903
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[報道 42]
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駅一覧
- 駅名 … (貨):貨物専用駅、◇・■:貨物取扱駅(貨物専用駅を除く。◇は定期貨物列車の発着なし、■はオフレールステーション)
- 停車駅
- 普通列車は基本的に全ての旅客駅に停車するが、一部の列車は▽の駅を通過する。
- 快速=快速「なよろ」… ●:全列車停車、◆・▲:一部の列車が停車(▲:上りの一部のみ)、|:全列車通過
- 音威子府駅始発列車は、音威子府駅 - 名寄駅間普通列車として運転。
- 特急「宗谷」「サロベツ」「オホーツク」「大雪」および特別快速「きたみ」はそれぞれの列車記事を参照。
- 線路 … ||:複線区間、∨:ここより下は単線、◇・|:単線区間(◇は列車交換可能)
- 全駅北海道内に所在。
- ^ 石北本線の旅客列車は全て旭川駅へ乗り入れる。
- ^ a b 比布町の属する上川郡と和寒町・剣淵町が属する上川郡、十勝地方の上川郡は境界を接しているが由来が異なり、全く同名の別の郡である。
- 北永山駅 - 比布駅間で上川郡当麻町を経由するが、同町内に宗谷本線の駅は存在しない。
廃駅・廃止信号場
括弧内は旭川駅からの営業キロ。(臨)は臨時駅を表す。
かつて旅客駅だった信号場
過去の接続路線
- 旭川駅:旭川市街軌道(旭川駅前停留場)- 1956年(昭和31年)6月9日廃止
- 旭川四条駅:旭川電気軌道東川線 - 1973年(昭和48年)1月1日廃止
- 士別駅:士別軌道 - 1959年(昭和34年)10月1日廃止
- 名寄駅:
- 名寄本線 - 1989年(平成元年)5月1日廃止
- 深名線 - 1995年(平成7年)9月4日廃止
- 美深駅:美幸線 - 1985年(昭和60年)9月17日廃止
- 音威子府駅:天北線 - 1989年(平成元年)5月1日廃止
- 問寒別駅:幌延町営軌道 - 1971年(昭和46年)7月3日廃止
- 幌延駅:羽幌線 - 1987年(昭和60年)3月30日廃止
- 南稚内駅:天北線 - 1989年(平成元年)5月1日廃止
- 稚内桟橋駅:稚泊連絡船 - 1945年(昭和20年)8月24日休止
宗谷トンネル計画
稚内市から先の宗谷海峡に海底トンネルを掘り、サハリンの鉄道と連絡させる構想があるが、推進しているのはほとんどロシア側のみであり、日本政府やJR北海道がこの計画をまともに取り上げたことはない。
また、当路線は「自社単独で維持することが困難な路線」とされているため、実現する見通しは全く立っていない。
脚注
注釈
- ^ なお、天塩線の名称は数度にわたり用いられている。詳細は年表および天塩線を参照。
また、のちに羽幌線の一部となる幌延駅 - 遠別駅間の旧称(1935年 - 1958年)でもあるが、これとは無関係である。
- ^ なお、福山(1961)では応急復旧を2月23日16時30分としている。
- ^ 現存する日本の鉄道トンネルとしては最北に位置する。トンネルの延長は出典により若干の違いがあるが、太田(2011)記載のものとした。
- ^ 下平トンネルの更に北、南下沼の手前側に切通しがあり、そこにもかつてトンネルがあったが、相次ぐ心霊現象により撤去された。詳細は南下沼駅を参照。
- ^ 比布町と愛別町に跨る「北嶺山」に因んでいる。
- ^ 『JTB時刻表』1988年3月号では旭川駅 - 永山駅間運行の列車に「ながやま」、旭川駅 - 比布駅間運行の列車に「ほくれい」、旭川駅 - 名寄駅間運行の列車に「かえで」の名称が確認できる[39]。しかし翌1989年3月号では列車名が消去されている。
- ^ 4往復のうち、名寄駅以遠を普通列車扱いとして音威子府駅及び、名寄本線直通遠軽駅へ直通運転される列車(同日に廃止された急行「紋別」の格下げ扱い)がそれぞれ1往復あった。
- ^ 「ピヤシリ」は北海道名寄市にあるピヤシリ山、「えんれい」は名寄市沿線に自生するエンレイソウ、「すずいし」は北海道名寄市の国指定文化財「名寄鈴石」、「てしおがわ」は天塩川にそれぞれ因んでいる。
- ^ 7月27日からの予定だったが、大雨のため運休となり、28日が初日となる[50]。
- ^ 各修繕工事実施期間において、日中時間帯の普通列車上下各1本および特急列車上下各1本がそれぞれ部分運休した。
- ^ 各修繕工事実施期間において、日中時間帯の普通列車上下各1本および特急列車上下各1本がそれぞれ運休または部分運休した。
- ^ このため、2017年(平成29年)3月4日より、旭川駅で改札口を出ずに特急列車同士を乗り継ぐ場合に限り、札幌 - 旭川 - 稚内間各停車駅相互間の各種料金を通しで計算する特例が設けられている。
- ^ うち下り1本は休日運休。
- ^ 2021年3月12日までこの列車は他に紋穂内駅、南美深駅、北星駅を通過していた。また、同日までは朝の上り1本も南美深駅を通過していた(各駅とも翌日付廃止)。
このほか、2016年(平成28年)の減便直前の時点では、筬島駅、歌内駅、糠南駅、安牛駅、南幌延駅、上幌延駅、下沼駅、徳満駅に1日1本 - 3往復(6本)の通過列車があり、そのため2016年の減便前までは、幌延駅 - 音威子府駅間の特急が停車しない駅において一日の停車本数が現在の3往復よりも少ない2.5往復のみとなる駅が存在した。なお、音威子府駅以北における普通列車の各駅停車化は、2016年の減便による利便性低下を軽減するための措置である[55]。
- ^ 当線の音威子府駅は、キハ40系気動車系列のキハ400・480形気動車で運転されていた急行「宗谷」「サロベツ」「利尻」の特急格上げによる使用車両変更に伴い、現在定期列車でキハ40系気動車が運転される北限の駅となっている。
- ^ 貨物列車の運行は旭川駅 - 北旭川駅間のみで、北旭川駅 - 名寄駅間は全てトラックによる代行輸送となっている。
- ^ 宗谷本線所属の駅・信号場に限定した場合、起点の旭川駅(函館本線所属[57])が除外され、一般駅が2駅、旅客駅が35駅、貨物駅が1駅、信号場が1か所の合計38駅となる。
- ^ 本線上での電化架線・複線区間は北旭川駅・旭川運転所の分岐点までだが、実際には旭川運転所構内まで架線が続いている(向かい側の北旭川駅構内は非電化)。この区間はJR最北端かつ最東端の電化区間である。2003年(平成15年)9月1日、旭川駅周辺の高架化事業により、旭川運転所が北旭川駅隣接地に移転したのに伴う出入庫列車の運転のためのもので、通常、営業運転には使用されない。ただし、2009年(平成21年)10月3日には、711系電車を使用した団体臨時列車が旭川駅 - 北旭川駅間に乗り入れており、電車としては初めて旭川四条駅に停車した。
同様に入出庫用に電化された路線や区間はほかにJR西日本の境線米子駅 - 後藤駅間とJR九州の豊肥本線大分駅 - 下郡信号場間がある。
- ^ 宗谷本線全体でも、第3次廃止対象路線に当たる輸送密度ではあったが、ピーク時の乗客が一方向1時間あたり1,000人を超すことから除外された経緯がある。
- ^ 北海道レールパス、大人の休日俱楽部パス(東日本・北海道)の利用について、計上方法見直し。
- ^ 北海道レールパス、大人の休日俱楽部パス(東日本・北海道)の利用について、収入・計上方法見直し。車両の減価償却費について、特急型気動車、一般型気動車、のような大まかな区分から、系列ごとの区分に変更して反映。
- ^ 北海道レールパス、大人の休日俱楽部パス(東日本・北海道)の利用について、収入・計上方法見直し。車両の減価償却費について、特急型気動車、一般型気動車、のような大まかな区分から、系列ごとの区分に変更して反映。
出典
報道発表資料
新聞記事
参考文献
書籍
雑誌
- 「質問に答える(45年度国鉄線区別収支係数)」『鉄道ピクトリアル』第22巻第2号(通巻261号)、電気車研究会、1972年2月、pp.86-87、ISSN 0040-4047。
- 『鉄道ピクトリアル』第23巻第12号(通巻287号)、電気車研究会、1973年12月、87頁、ISSN 0040-4047。
- 『北海道鉄道百年史』 下巻、日本国有鉄道北海道総局(編集・発行)、1981年3月、67-68頁。
- 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 20号・宗谷本線/留萌本線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009年11月2日、5-17頁。
- 伊藤久巳「宗谷本線DE15定期排雪列車 いよいよ今冬も始動」『鉄道ファン』第58巻第2号(通巻682号)、交友社、2018年2月1日、pp.80-83。
- 福山 幹基「下平陸橋の雪崩事故について」『雪氷』Vol. 23No.2、日本雪氷学会、1961年、pp.30-31、doi:10.5331/seppyo.23.70。
- 橋本 守・斎藤教蔵「宗谷本線旭川-新旭川間線増高架化」『交通技術』第28巻第2号(通巻337号)、交通協力会、1973年、pp.42-44。
- RJ取材班「列車追跡シリーズ 高性能気動車が光る 最北端への使者 スーパー宗谷1号 札幌-稚内」『鉄道ジャーナル』通巻522号(2010年4月号)、成美堂出版、2010年4月、pp.48-61、ISSN 0288-2337。
関連項目
外部リンク
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