歌内駅(うたないえき)は、かつて北海道(上川総合振興局)中川郡中川町字歌内にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線の駅(廃駅)である。電報略号はタナ。事務管理コードは▲121836[2]。駅番号はW65。
歴史
駅名の由来
旧駅名の「宇戸内」は、駅から川下にある天塩川東支流、宇戸内(うとない)川のアイヌ語名、アイヌ語の「ウッナイ(ut-nay)」(肋骨・川)に由来する[15][16][17][18]。
同義の地名は北海道内各地にあり(旧名寄本線宇津駅、ウトナイ湖など)、「背骨に対する肋骨のように、本流に対して直角に近く流れ込む川であるため[18]」の地名であるとされるが、「具体的な意味ははっきりしない[16]」とされる。
地名は遅くとも1940年(昭和15年)時点では「宇戸内(ウトナイ)」であったが[19]、翌1941年(昭和16年)1月21日付の字名改正・再編で「クンネシリ」「ウトナイ」「ピラウトル」の3字を統合して「歌内」と改名された[20]。
このため、「地名と異なる[6]」として、1942年(昭和17年)9月8日の中川村議会に当駅と誉平駅(→天塩中川駅)の改名について関係庁への申請提案が提出、同日可決されたが[7]、実際に改名がなされたのは1951年(昭和26年)のことであった[6][8]。なお「宇戸内」の名称は河川名として残っている[21]。
駅構造
地上駅であり、単式ホーム1面1線を線路の西側(稚内方面に向かって左手側)に設けた、分岐器を持たない棒線駅となっている[22]。
中川町管理の無人駅となっている。駅舎は構内の西側に位置しホーム中央部分に接している[22]。旧駅舎の基礎上にヨ3500形車掌車[23]を改造した待合室(トイレ装備)が設置されている[22][24]。
かつては相対式ホーム2面2線を有する交換駅であり、互いのホームは駅舎側ホーム南側と対向側ホーム南側を結んだ構内踏切で連絡した[25]。駅舎側(西側)が下り1番線、対向側ホームが上り2番線となっていた[25]。そのほか1番線の稚内方から分岐し駅舎北側のホーム切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線有していた[25]。交換設備運用廃止後は線路は撤去されたが、ホーム前後の線路は分岐器の名残で湾曲していた[22]。
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ホーム側から見た駅舎(2017年10月)
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ホーム(2017年10月)
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駅名標(2017年10月)
利用状況
2021年(令和3年)時点では、「数人の高齢者ら」が利用しているとされていた[新聞 5]。
廃止までの乗車人員の推移は以下の通り。1970年(昭和45年)度までの1日平均乗車人員は年間の値から日数割で算出した参考値を括弧書きで示す。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。
また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
乗車人員推移
年度
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乗車人員(人)
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出典
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備考
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年間
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1日平均
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JR調査
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1923年(大正12年)
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3,477
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(9.5)
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[26]
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開通初年度 11月10日から営業
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1924年(大正13年)
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7,402
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(20.3)
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1925年(大正14年)
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9,274
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(25.4)
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1926年(大正15年)
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7,730
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(21.2)
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1966年(昭和41年)
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(30,131)
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(82.6)
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[27]
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年間乗降人員60,262人
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1967年(昭和42年)
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(30,554)
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(83.5)
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年間乗降人員61,108人
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1968年(昭和43年)
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(27,505)
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(75.4)
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年間乗降人員55,010人
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1969年(昭和44年)
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(24,778)
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(67.9)
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年間乗降人員49,556人
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1970年(昭和45年)
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21,259
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(58.2)
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1978年(昭和53年)
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15
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[28]
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1981年(昭和56年)
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(8.0)
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[25]
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1日乗降客数16人
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1992年(平成04年)
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(5.0)
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[22]
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1日乗降客数10人
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2015年(平成27年)
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「1名以下」
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[JR北 4][新聞 1]
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2016年(平成28年)
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0.0
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[JR北 5]
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2017年(平成29年)
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0.0
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[JR北 6]
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2018年(平成30年)
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0.2
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[JR北 7]
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2019年(令和元年)
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0.2
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[JR北 8]
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2020年(令和02年)
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0.2
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[JR北 9]
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2021年(令和03年)
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0.4
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[JR北 10]
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駅周辺
バス路線
- 中川町住民バス:中川-歌内・国府線 「農管施設」停留所
駅から160mほどの場所にある「農作業管理休養施設」にバス停が設置されている。中川町中心部とを結び、通学生以外が乗車できるスクールバスは、2019年現在、平日1日1往復運行されている。2014年現在、バス停を示す看板が設置されている。
- 中川町住民バス:中川-歌内・国府線 「野崎宅」停留所
駅から850mほどの場所にある民家前にバス停が設置されている。「農管施設」を経由するバスの他、「農管施設」を経由しないバス(通学生以外が乗車できる中川町中心部とを結ぶバスが、平日1日1本運行)も停車する。2014年現在、バス停を示す看板が設置されている。
なお、この路線では歌内地区でフリー乗降を取り扱っており、乗車する場合には運転手に向かって手を上げて合図する必要がある。運賃は無料。
隣の駅
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- ■宗谷本線(当駅廃止時点)
- 天塩中川駅 (W64) - *
下中川駅 - 歌内駅 (W65) - 問寒別駅 (W66)
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打消線は廃駅[5]
脚注
出典
JR北海道
新聞記事
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
歌内駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク