『ディグダグ』 (DIGDUG) は、ナムコが1982年3月に発売した業務用ゲーム[2][3][注釈 1]。および、本作に登場する主人公キャラクターの名称[3]。
縦型固定画面のゲームで、4方向レバーと1つのボタンを使用する。レバーで主人公ディグダグを操作、移動先に地面があるときには掘りながら進んでいく。移動しているときだけ音楽が流れる(停止時はモンスター歩行音)。地中という設定ではあるが、岩を除くキャラクターに重力の概念は存在せず、地上に対して垂直に掘られた縦穴も難なく上がることができる。
敵はあらかじめ穴のあいた地中に配置されており、空けられた穴を移動するが自ら地中を掘ることはない。ただし、時々「目変化(めへんげ)」と呼ばれる状態に変化すると、移動速度が下がる代わりに現在のディグダグの位置に向かうように地中を通過できる。目変化はどこかの穴に到達すると解除される。
ボタンを押すと、銛(モリ)を前方に射出する。銛はポンプとチューブに接続されており、敵に当てると動きを止め一段階膨らむ。さらに銛を刺したままボタンを続けて押す(連打、または押したまま、または銛を刺し直すと)とだんだん大きく膨らむ(プクプクポン)。三段階目を超えて膨らませると破裂して敵を倒すことができる。深い地層(地中の色で判別可能)で倒すほど高得点となる。なお、銛を刺した状態で移動すると解除され、膨らんだ敵を放置すると少しずつしぼんで元に戻るが、その間はディグダグが敵に接触してもミスにならない。
時間が経つと短い音楽と共に敵のスピードがアップする。敵が残り1匹になると、短い音楽と共に左上へ撤退行動を取る。画面上の敵を銛、もしくは岩で全て倒すか、敵が撤退完了すると面クリアとなる。
本作アーケード版の初期に出回ったバージョンには、以下のバグが存在している。
本作は、のちに発売された『ゼビウス』同様、同時発音数が3音であり、うち2音は主人公の移動音に用いられている。サウンドを手掛けた慶野由利子は作中においてBGMのように聞こえる音は音楽ではなく、主人公の移動音であると位置づけている[45]。
慶野はプレイヤーの走行音を複数作っていたものの、なかなか採用されずに悩んでいた[注釈 12][45]。その時、師匠である大野木宜幸から音楽にしてはどうかという提案が寄せられ、その結果として音楽的な移動音が出来上がった[45]。
またファイガーが火を吹く音は、極端に低い音と高い音を組み合わせる形で表現された[46]。
なお、第1作の楽曲に歌詞をつけた「恋のディグダグ」(作詞:弓達公雄、中沢淳 / 作曲:慶野由利子 / 編曲:米光亮 / 歌:まさごろ)という歌がある。同楽曲は『ビデオ・ゲーム・グラフィティ』(1986年)及び『ナムコベストヒットパレード!』(1989年)に収録。
1998年に刊行されたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、「迷路があらかじめ用意されているそれまでのドットイートタイプのゲームとは一線を画して、自分自身が『地面を掘る』ことにより通路を確保していくという考え方が画期的だった」、「(風船抜け、陰険打ちなどの)テクニックをフル活用してモンスターを一箇所にまとめ、その上から岩と落として高得点をたたき出すパターンを作ることは、ある種のステイタスであり、当時のマニアはパターン作りに熱中した」と紹介されている[57]。
ゲームソフトならびケースに"namcot"と表記されているパソコン、ゲーム機種のみ。関連会社は、ナムコットから発売されたゲーム作品の開発に携わったゲーム会社を表記。ナンバリングされて発売された作品には、ゲームタイトルの前に二桁の数字を表記。