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この項目では、コンピュータゲームについて説明しています。ディズニーパークで展開しているマーベルエリアについては「アベンジャーズ・キャンパス」をご覧ください。 |
『マーベルランド』 (MARVEL LAND) は、ナムコが開発し、日本では1990年2月にアーケードゲームとして稼働した横スクロールアクションゲーム。ナムコのシステム基板「SYSTEM II」の第8弾作品。
主人公のパコを操作し、魔王モウルを倒して「マーベルランド」を救出するのが目的。キャラクターデザインは、後に漫画家となるときた洸一が担当している。
家庭用は1991年にメガドライブに移植された他、2009年にアーケード版がWii用ソフトとしてバーチャルコンソールアーケードにて配信。また、2022年にアーケードアーカイブスの1作品としてPlayStation 4版とNintendo Switch版が配信された。
アーケード版はゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第4回ゲーメスト大賞」(1990年度)で、大賞5位、ベストアクション賞3位、ベスト演出賞6位、ベストグラフィック賞8位、ベストVGM賞5位を獲得した他、ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』(1991年)では第33位を獲得した。
概要
大遊園地・マーベルランドを支配した魔王モウルを倒し、プリンセス・ルクシーと3人の守護妖精を救い出すため、ドラゴン族の王子パコが冒険する横スクロールアクションゲーム。アスレチックアクションゲームとなっており、ファンタジックな世界観、ファンシーで明るいグラフィックやBGM、ナムコならではのかわいらしいキャラクターとは裏腹に、非常に高い難易度を誇っている。
ゲーム内容
システム
8方向レバーとボタンで操作を行う。プレイヤーはゲーム開始前に2つの難易度から選択できる。
- EASY
- 難易度が低い初心者モードだが、プレイ可能な面数に制限があり、プレイできるのはワールド1の他、2-1、2-3および4-4前半部のみ。タイムボーナスと全面クリア時のボーナス点が後述のノーマルの半分。エンディングはNORMALの内容の一部であるザコキャラクター紹介のみの短縮版となる。
- NORMAL
- 全ステージのプレイできる通常モード。1-1から1-4までで構成されるワールド1、2-1から2-5までで構成されるワールド2、3-1から3-4までで構成されるワールド3および1-1から4-4までで構成されるワールド4がプレイできる。全面クリア時に、4-4後半部(脱出ステージ)がある。
- 前述の通りタイムボーナスがEASYの倍になるため、10の桁が奇数になるのは「7650点」を取得した時だけとなる。
アイテム
各アイテムはステージ中に置いてある宝箱、あるいは押すと動かせるゴミ箱から手に入る。また一部地形を分身で破壊することでも、手に入る箇所がある。
- シューズ
- 赤いブーツの絵(赤枠・黄色地)。坂道や凍っている足場などで滑りにくくなる。すでに持っているときには1000点のホットドッグに変わる(地形を破壊した時に出現するブーツはホットドッグには変わらない)。
- ウイング
- ドラゴンの翼の絵。ジャンプ力が大幅に上がり、ジャンプボタンを連打することにより落下速度を遅くすることができる。取らないと絶対クリアできない箇所が多数あるが、必ずそういう場所には設置してある。本来ウイングになるはずの宝箱をすでにウイングを持っているときに開けると、1000点のホットドッグに変わる(この現象は近い距離で複数のウイングが出現する3-4後半でしか起こりえない)。
- 分身
- パコの顔の絵。自分の背後に分身が5体現れて、レバー上下操作で振り回すことができる。敵を攻撃できたり、アイテムを本体の代りに取ったりできる。攻撃をあてるたびにダメージを受け、通常は青 → 黄 → 赤 → 消滅の3回攻撃すると消える。ランクD(super difficult)時は青 → 赤 → 消滅の2回攻撃で消える。
- 1-1、1-4、2-1、2-4、2-5、3-2、3-4、4-1、4-2 に出現する。
- ラッキー
- 赤いアルファベットの「L」(黄枠・青地)。所持している全ての分身のバイタリティが回復して青色に戻る。分身がいないときに取ると5000点になる。
- ドクロ
- ジェットコースター面に出現。いわゆるマイナスアイテムであり、取ると分身のダメージの多い物から一つ消える。分身が無い場合はシューズが消える。分身もシューズも持っていない場合は何も起きない。
- 1UP
- スペシャルフラッグ。パコが一体増える。2-5と4-3に出現。
- スコアアイテム
- シェイク300点、アイスクリーム500点、ハンバーガー700点、ホットドッグ1000点、イチゴ3000点。
- 浮遊シェイク
- 主に地上エリアで光りながら浮いているシェイクがある。それを取るとシェイクが5個出現する。出現場所は決まっているが、場所によっては決まった手順を踏まないと出ない所がある(例:特定の敵を分身で倒す)。
- 砲弾、ボール、タル
- バネを押し込んでボールや砲弾を撃ったりタルを転がして敵を倒せる場所が存在する。
- ボールは一直線に転がる、タルは壁で跳ね返る、砲弾は着弾点から一定範囲の敵をまとめて倒せる、などの特徴がある。
- まとめて敵を倒すとそれぞれの敵に対して100点、300点、500点、700点、1000点、3000点、5000点、7000点、以下7650点……が入る。
- 基本点がこれより高い敵を倒すと、その基本から点数の上昇がはじまるため、高得点なものを最初に倒すのがコツとなる。
その他
設定
ストーリー
ドラゴン族、妖精族、翼族、地底族の4種族が暮らす光と平和の国「コニーランド」の真ん中に、「マーベルランド」という大遊園地があった。
そこは妖精族によって守られていたが、地底族の魔王モウルは自分よりも力の弱い妖精がマーベルランドを守っていることに不満を抱いていた。「マーベルランドを制する者はコニーランドをも制する」という言い伝えに則って「コニーランド」を手中に収めようと、モウルは他種族をそそのかして4人の守護妖精をさらわせ、マーベルランドを制圧してしまった。
ドラゴン族のプリンスであるパコは、4人の守護妖精たちを救い出してモウルを倒し、マーベルランドを取り戻すべく、1人マーベルランドの中へと乗り込んでゆく。
ステージ構成
ワールド1
- エリア1
- 花の国の入り口。ゴール前には回転床がある。
- エリア2
- 花の国。ゴール前にバイキングがある。
- エリア3
- 青いジェットコースターに乗るステージ。ループは1回。
- エリア4
- 花の精フローリーが捕らえられている城塞。エリア後半では巨大な回転魔法陣が登場。ボス戦はグレートコンドルとのポカスカじゃんけん。
ワールド2
このワールドのみ、ステージが5つある。
- エリア1
- 森と水の国。エリア前半には水没するゴンドラ、ゴール前にはフライングカーペットがある。
- エリア2
- 森と水の国。ゴール前にはフライングカーペットがある。
- エリア3
- 青と緑のジェットコースターに乗るステージ。ループは2回。
- エリア4
- 森と水の国。エリア後半には水没している観覧車があり、ゴール前には小さな船がある。
- エリア5
- 森と水の精シルフィーが捕らえられている城塞。回転迷路が初登場する他、エリア全体が大きな迷路状となっている。ボス戦はヨロイアンコウとの綱引き。1UPあり。
ワールド3
- エリア1
- お菓子と夢の国。煙突のある屋根の上を進んでいくエリア。ゴール前にはフライングカーペットがある。
- また、この国の水はジュースになっていて、色がオレンジ色になっている。
- エリア2
- お菓子と夢の国。スタート直後には樽乗りがある。この樽に乗っている時は、レバーを入れた方向と逆の方向に進む。その後小さな蒸気船があり、さらにゴール前には大きな蒸気船がある。
- エリア3
- 青と緑と赤のジェットコースターに乗るステージ。ループは3回。
- エリア4
- お菓子の精スウィーティーが捕らえられている城塞。壁や床がケーキとなっている。途中には回転するバースデーケーキやバイキングがある。ボス直前ではウイングを利用して、トゲのある床を少しずつ降りていくことになる。ボス戦はプリンセス・ア・ラ・モードとの綱引き。全面中最大の広さを持つ。
ワールド4
- エリア1
- 帝国の入り口がある、マーベル城への氷の床である道中。坂道が多いので、走らされることが多くなる。ゴール前にあるバイキングは、途中が浸水している。城塞とジェットコースターステージ以外にあったダーツの的状になったゴールはこの面が最後。
- エリア2
- マーベル城の地下に作られた帝国への進入口。時間が短く設定されているので、タイムオーバーになりやすい。ゴール直前に回転魔法陣がある。このエリアと次のエリア3では地底を進むことになるが、音楽は通常エリアのものと同じである(メガドライブ版では前者ではオリジナルの曲になり、後者が城塞と同じ曲になる)。
- エリア3
- 地下帝国内部。1UPあり。道中に回転床や回転迷路などがある。
- エリア4
- 光の精にして妖精族の長ルクシーが捕らえられている最後の城塞だが、全面中最短の面。最終ボス戦は魔王モウルとのポカスカじゃけんおよび真剣勝負がある。真剣勝負に勝った時点で残機が残っていた場合、1機につき10万点に変換される(この加点によって残機が増えた場合は、その残機も点数に変換される)。
- 脱出面
- 崩れ落ちるモウルの城からルクシーを連れて脱出する、一発勝負のステージ。クリアすると10万点ボーナス。
- 前エリアのクリア時点ですべての残機が点数に変換されているため、1回のミスでゲームオーバーとなり、その際はEASYモードと同等の短縮版エンディングが流れる。その場合でも、店舗設定でコンティニューが有効であれば、4-4前半部までの任意エリアからの再挑戦が可能。
- メガドライブ版では前半、後半の2部構成になっており、前半最後の遊具の船に乗って大ジャンプしての脱出がカットされ、ジェットコースターを乗り継いでいくオリジナルの後半面へと続いていく。
登場キャラクター
- パコ王子(海外版ではTalmit)
- ドラゴン族の王子。人間の少年の姿をしているが、尻尾が生えており、おでこにツノ、こめかみに翼がある。エンディングではPAKOと表記されているが、これは誤表記で、正式なスペルはPACOである[2]。語源はラテン語で平和を表す"PAX"から。
- フローリー
- ワールド1で捕らわれている花の妖精。
- シルフィー
- ワールド2で捕らわれている森と水の妖精。
- スウィーティー
- ワールド3で捕らわれているお菓子の妖精。
- プリンセス・ルクシー(海外版ではWondra)
- ワールド4で捕らわれている光の妖精、パコとは幼馴染で妖精族の長。
- お助けバニー
- 各ワールドの最終エリアで発生するミニゲームのルール説明をする妖精見習い。
- グレートコンドル
- ヨロイアンコウ
- プリンセス・ア・ラ・モード
- 魔王モウル
- 地底にしか支配が及ばない事に不満を持ち、コニーランド征服の足がかかりとしてマーベルランドを乗っ取った地底族(モグラ)の魔王。彼との戦いのみ、ミニゲーム後に通常のアクションバトルの対決になる。
移植版
- メガドライブ版
- 同年には、アメリカとヨーロッパでも発売された。なお、ヨーロッパ版はタイトルが『Talmit's Adventure』に変更されている。
- ワールド3までは各7エリア、ワールド4は全6エリアに増えており、脱出面もジェットコースターのシーンが追加された2エリア構成となっている。
- ボス対決のミニゲームが新しく追加され、すべてのボスが違うミニゲームとなった。
- 「ラッキー」のアイテムを取得したとき、分身が1体増えるため、6体以上に増やすことが可能となった。
- Wii版
- PlayStation 4・Nintendo Switch版
- ゲーム設定ではコンティニュー時に再開するエリアを選択できる「エリアセレクト」、ゲーム開始時にプレイするワールドを選択できる「ワールドセレクト」などが可能。また、こだわり設定ではゲームスピードの調整とエンディングテキストの再現の有無を設定可能。
スタッフ
- アーケード版
- エグゼクティブ・プロデューサー:浅田安彦
- チーフ・プロデューサー:横山茂
- プロデューサー:岡本進一郎、K.MATSUOKA
- チーフ・プログラマー:田中京太
- プログラマー:斎田栄一
- ビジュアル・ディレクター:R.NEKOMOTO
- オリジナル・キャラクター・デザイン:ときた洸一
- ドット・キャラクター・デザイン:金井重憲、木村正則、手島宗之、桑原弘, Y.KIKUCHI
- グラフィック・デザイン:R.NEKOMOTO
- サウンド&ミュージック:石井悦夫
- エクストラ・サンクス:HIROBEE、KAWAGEN、Y.TAKAYANAGI
- サウンド・プログラマー:T.KOBAYASHI
- ボイス・キャスト:稀代桜子
- マーケティング・リサーチ:T.NATSUI
- スケジュール:Y.SETO
- スペシャル・アドバイザー:H.SHIMACHAN、佐藤英治、T.NATSUI
- ツール・サポート:二階堂和行、MINMIN
- ディレクト&ライト:CHITOSE
- メガドライブ版
- プロデューサー:YOKO-BOSS
- ディレクター:CHITOSE
- スペシャル・アドバイザー:ケン・ロブ、ジム・カリー
- アレンジ・フォー・MD:SINCHAN、CRAZY HORSE
- アシスタント・プログラム:CATICATI、M.YANAGIYA.UWF
- 音楽:AMU-NYORO、YOSIQUIN(西村善樹)
- キャラクター・デザイン:ANGOLA USAGI、YAMACHAN、LITTLE DRAGON、RED BUNNY
- スペシャル・サンクス:PIPI、MICRO NYAN、AYANOKOHJI、N.ISAKI、HYNEMOS NOTARI
評価
- アーケード版
- ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第4回ゲーメスト大賞」(1990年度)で、読者投票により大賞5位を受賞している[12]。その他に、ベストアクション賞で3位、ベスト演出賞で6位、ベストグラフィック賞で8位、ベストVGM賞で5位、年間ヒットゲームで18位、ベストキャラクター賞ではパコが4位を受賞している[12]。また、1991年にそれまで稼働されていたアーケードゲーム全てを対象に行われた『ゲーメスト』読者の人気投票によるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』では33位を獲得している[13]。さらに、巻末の「ビデオゲームフルリスト」の紹介文では、「回転機能が遊園地の乗り物に使われ、グラフィック的に豪快なアクションが楽しめる。幻想的でかわいいキャラが女性客も引き寄せた」とグラフィックやキャラクター造形に関して肯定的なコメントで紹介されている[14]。
- メガドライブ版
- ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計で25点(満40点)[9]、ゲーム誌『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、18.41点(満30点)となっている[3]。
項目
|
キャラクタ |
音楽 |
操作性 |
熱中度 |
お買得度 |
オリジナリティ
|
総合
|
得点
|
3.68 |
3.18 |
2.70 |
2.83 |
2.91 |
3.11
|
18.41
|
脚注
外部リンク