キロバイト (kilobyte,記号:kB[1]) は、情報の大きさを表す単位。
記憶媒体の容量やファイルサイズを表すのに用いられる。
概要
キロバイトは、国際単位系 (SI) の定めに従いバイトの1000 (= 103)倍を示す場合と、国際規格などで定められていない俗習[2]としてバイトの1024(= 210)倍を示す場合[3][4][5]がある。
この曖昧さを回避するため、1024(= 210)倍を表す接頭語として、国際規格(IEC 80000-13)にてSI接頭語と区別できる2進接頭辞「キビ」(kibi, 記号: Ki)が定められているが、「キビバイト」(kibibyte, 記号: KiB)はあまり用いられていない[3][4][5]。
また、国際単位系(SI)第9版(2019)にて、キロやその他のSI接頭語を決して2のべき乗を表すために用いてはならないと定めている[6]が、大手IT企業であるマイクロソフトなどが、未だ国際単位系 (SI) の定めに完全には従っておらず[3][4][5]、2のべき乗を表す用法も混在する状況は解決されていない。
そのため、パソコンで記憶媒体の詳細な空き容量を調べてみると、カタログスペックとして記載されている容量より、表示される容量のほうが少なくなることが多い。これは記憶媒体の容量を、メーカーが国際単位系 (SI) に従い10の整数乗で計算することが多いのに対し、主なパソコンのオペレーティングシステム (Microsoft Windows、過去のmacOS)が俗習に従い2のべき乗で計算[3]することに起因する。
なお、macOSでは、Mac OS X Leopard以前は1024倍が用いられていたが、2009年公開のMac OS X Snow Leopard以降は1000倍を用いたストレージ容量やファイルサイズ表示に変更された。[7]
kBとKB
国際単位系 (SI) にてSI接頭語の「キロ」は小文字で "k" と表記することが定められている。これに対し、国際単位系 (SI) にて強く禁止[6]され、かつ、他の国際規格などでも定められていない俗習に従い、キロバイトをバイトの1024(= 210)倍としているMicrosoft WindowsなどはKB(頭文字が大文字)と表記している。
それ故、キロバイトを国際単位系 (SI) に従いバイトの1000(= 103)倍を示す場合はkB(頭文字が小文字)、俗習に従いバイトの1024(= 210)倍を示す場合はKB(頭文字が大文字)と区別する場合がある(口語では、さらに明確に区別するために「ケーバイト」と読む場合もある)[8]が、これも国際規格などで定められていない俗習である。
明確にバイトの1024(= 210)倍を示したい場合は、国際規格 (IEC 80000-13)にて定められている「キビバイト 」(KiB) と表記した方が無用な混乱を招かずに済む。
符号位置
脚注
関連項目