田村 康介(たむら こうすけ、1976年3月16日 - )は将棋棋士。棋士番号は217。大内延介九段門下。富山県魚津市出身。東京都新宿区育ち[1]。
棋歴
1987年、小学6年生のとき第12回小学生将棋名人戦に出場し(東京都代表)、決勝で北浜健介を破って優勝した[2]。
三段リーグには1992年度下期の第12回より参加。6期目に12勝6敗で2位の成績を収めて、19歳でプロデビュー(四段昇段)を果たす(1995年10月1日)。
プロ入り後
1996年度は早指し将棋選手権で活躍を見せ、予選から怒涛の9連勝で決勝まで進出する(決勝戦で村山聖に敗れ準優勝)。
2000年度は竜王戦(第13期)の6組ランキング戦で優勝し、5組に昇級&本戦進出(本戦1回戦で山本真也に敗れる)。
2001年度も竜王戦(第14期)で活躍し、5組の昇級者決定戦を制して4組に昇級。年度の全成績でも33勝16敗と大きく勝ち越した(年度全体での田村の成績としては、2022年現在まで最大の勝利数である)。
2003年度は新人王戦(第34期)で決勝に進出すると、行方尚史との対決を2勝1敗で制し、優勝[3]。デビュー以来初めての一般棋戦優勝となった。
2004年度は竜王戦で開幕から3連敗を喫し、5組へ降級。2006年度にはランキング戦の準優勝により4組へ復帰。2009年度には再度5組へ降級したが、その翌年度に再び4組へ復帰。その後、2012年度には4組の昇級者決定戦を制して、自己最高となる3組へ昇級した(しかし、2014年度には連敗し再び4組に降級している)。
2015年度は王位戦(第56期)で勝ち上がり、自己初となる王位リーグ入り。リーグ戦では2連勝後の3連敗で、リーグ陥落となった。
順位戦では第60期(2001年度)にC級2組で8勝2敗の成績を挙げながらも、順位が上位の長沼洋が同勝率となったため、頭ハネで次点(4位)に終わる。第65期には2勝8敗で、自身初の降級点を喫する。しかし、以降は好調を維持し、翌々年度の第67期(2008年度)において8勝2敗で大平武洋に次ぐ2位の成績を挙げ、プロ入りから13年で初の順位戦昇級を決めた。更に第69期(2010年度)でも第7回戦の豊島将之を除く全ての対局相手から勝利を収め広瀬章人に次ぐ成績を挙げ、僅か2期でB級2組への昇級を決めた。
2016年度はB級2組の順位戦(第75期)で苦戦し、3勝7敗で降級点を喫した。
2017年度は竜王戦(第30期)で開幕から3連敗を喫し、5組へ降級となった。また、年度の全成績でも9勝18敗と大きく負け越し、デビュー以来初となる1桁の勝ち星となってしまった。
2019年度は順位戦(第78期)で再び苦戦。3勝7敗で2回目の降級点を喫し、C級1組へ降級となった。また、翌年度も順位戦での不振が続き、またもや3勝7敗で1回目の降級点を喫した。そして更に翌年度の2021年度でも苦戦し、10回戦終了時点で1勝8敗となった結果、最終局を前に2度目の降級点が確定し、C級2組へ降級となった。
人物・エピソード
- 棋界一の早指し。「マッハ指し」と呼ばれる。だがその棋風が裏目に出て極端な短手数で敗れることも多い。早食いとしても知られ、それらからニコニコでの将棋中継やNHK将棋フォーカスでは「マッハ田村」の異名で呼ばれる[4]。
- 上記の早指し振りを示すエピソードとして、1996年度の全日本プロ将棋トーナメントでの櫛田陽一との対局がある。終盤の70手目まで双方ノータイムの指し手が続き(それも1手3~4秒という指し手が殆ど)、記録係があまりの速さについていくことができず、対局の中断を申し入れるという異例のハプニングまで起きた(結果は櫛田勝利)[5]。田村自身は「時間だけは負けたくなかったんです」と、終局後にコメントしたとのこと。
- 「将棋界最後の無頼派」と称された。
- 強引な力戦形を好む。自らの戦法を解説した「けんか殺法」という著書を出している。
- 「将棋世界」誌の企画「Xは誰だ」(将棋倶楽部24上で匿名のプロ棋士が利用者を相手に平手で対局し、その棋士が誰かを当てるというもの。プロ棋士は一月ごとに交代する)の第10代担当者で、一月で297局(271勝26敗)もの対局を行い、初代X(中田功)の182局の記録を大きく上回った。また、この月は予想正解率も歴代最高の93%を記録した。
- 漫画『キングダム』の大ファン。自宅の最寄りのコンビニエンスストアで、連載誌である週刊ヤングジャンプが店頭に並ぶのが水曜日の23:40頃のため、23:30になると急にそわそわし出すという[6]。本人曰く「連載が完結したらまとめて単行本を買うつもり」[6]。
昇段履歴
- 1987年 : 6級 = 奨励会入会
- 1991年 : 初段
- 1995年10月1日 : 四段 = プロ入り
- 2000年9月8日 : 五段(勝数規定 /公式戦100勝)
- 2005年6月8日 : 六段(勝数規定 /五段昇段後公式戦120勝)[7]
- 2013年3月4日 : 七段(勝数規定 /六段昇段後公式戦150勝)[8]
主な成績
棋戦優勝
将棋大賞
在籍クラス
年度別成績
公式棋戦成績
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
1995
|
12 |
10 |
2 |
0.8333 |
[9]
|
1996
|
42 |
25 |
17 |
0.5952 |
[10]
|
1997
|
29 |
15 |
14 |
0.5172 |
[11]
|
1998
|
36 |
18 |
18 |
0.5000 |
[12]
|
1999
|
34 |
20 |
14 |
0.5882 |
[13]
|
2000
|
44 |
30 |
14 |
0.6818 |
[14]
|
1995-2000 (小計)
|
197 |
118 |
19 |
|
|
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2001
|
47 |
31 |
16 |
0.6596 |
[15]
|
2002
|
33 |
18 |
15 |
0.5455 |
[16]
|
2003
|
49 |
31 |
18 |
0.6237 |
[17]
|
2004
|
35 |
20 |
15 |
0.6327 |
[18]
|
2005
|
38 |
23 |
15 |
0.6053 |
[19]
|
2006
|
33 |
14 |
19 |
0.4242 |
[20]
|
2007
|
36 |
23 |
13 |
0.6389 |
[21]
|
2008
|
42 |
30 |
12 |
0.7143 |
[22]
|
2009
|
30 |
15 |
15 |
0.5000 |
[23]
|
2010
|
30 |
20 |
10 |
0.6667 |
[24]
|
2001-2010 (小計)
|
373 |
225 |
148 |
|
|
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2011
|
27 |
11 |
16 |
0.4074 |
[25]
|
2012
|
32 |
18 |
14 |
0.5625 |
[26]
|
2013
|
30 |
12 |
18 |
0.4000 |
[27]
|
2014
|
37 |
25 |
12 |
0.6757 |
[28]
|
2015
|
35 |
17 |
18 |
0.4857 |
[29]
|
2016
|
28 |
10 |
18 |
0.3571 |
[30]
|
2017
|
27 |
9 |
18 |
0.3333 |
[31]
|
2018
|
29 |
13 |
16 |
0.4483 |
[32]
|
2019
|
31 |
11 |
20 |
0.3548 |
[33]
|
2020
|
29 |
11 |
18 |
0.3793 |
[34]
|
2011-2020 (小計)
|
305 |
137 |
106 |
|
|
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2021
|
28 |
8 |
20 |
0.2857 |
[35]
|
2022
|
28 |
12 |
16 |
0.4286 |
[36]
|
2023
|
27 |
12 |
15 |
0.4444 |
[37]
|
2021-2023 (小計)
|
83 |
32 |
51 |
|
|
通算
|
958 |
512 |
446 |
0.5344 |
[38]
|
2023年度まで
|
著書
脚注
関連項目
外部リンク
日本将棋連盟所属棋士 ( 現役棋士 および 2024年度引退棋士) |
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タイトル 保持者 【九段 6名】 【七段 1名】 |
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九段 【26名】 | |
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八段 【33名】 | |
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七段 【44名】 | |
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六段 【27名】 | |
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五段 【20名】 | |
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四段 【15名】 | |
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2024年度 引退棋士 |
- 九段 青野照市(2024年6月13日引退)
- 八段 室岡克彦(2024年6月18日引退)
- 八段 中座真(2024年6月19日引退)
- 七段 伊奈祐介(2024年5月10日引退)
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現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / △は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照 |
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竜王 | |
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1組 (定員16名) | |
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2組 (定員16名) | |
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3組 (定員16名) | |
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4組 (定員32名) | |
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5組 (定員32名) | |
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6組 (参加70名) |
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★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。 |
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名人 | |
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A級 | |
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B級1組 | |
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B級2組 | |
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C級1組 | |
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C級2組 | |
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フリー クラス
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| 宣言 | |
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棋戦限定 出場 | |
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2024年度 引退者 |
- 伊奈祐介(2024年05月10日 引退)
- 青野照市(2024年06月13日 引退)
- 室岡克彦(2024年06月18日 引退)
- 中座真(2024年06月19日 引退)
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先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点) B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級) 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照 |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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前年度の活躍が対象 |