山下 数毅(やました かずき、2008年6月3日[1] - )は、日本将棋連盟の関西奨励会に所属する奨励会員。2025年4月1日時点での奨励会の段位は三段。
小学5年の2020年2月、奨励会2級。小学6年の2020年8月には1級に昇級、同年10月に初段へ昇段。小6で初段昇段を果たしたのは、過去に藤井聡太、豊島将之など数人しかおらず、羽生善治や渡辺明よりも早い昇段記録となる[2]。
2021年10月に二段昇段(当時中1)、2022年7月に三段昇段(当時中2)。
中学3年の第73回奨励会三段リーグ(2023年度前期、同年4-10月)において13勝5敗の成績3位(次点)となった[3]。以降の三段リーグ3位以上の成績で棋士となる権利が得られるが、続く第74期三段リーグ(2023年度後期、2023年10月-2024年3月)では成績7位の結果となり、藤井聡太以来となる6人目の「中学生棋士」には及ばなかった[4]。
2024年5月、第37期竜王戦6組ランキング戦で決勝進出[5]。プロ棋士以外の竜王戦出場者(女流棋士、奨励会員、アマチュア)としては初となる竜王戦5組への昇級を決めた[7]。また、6組ランキング戦決勝で勝利し優勝を果たした場合には、前述の「奨励会三段リーグ」における「次点1」の付与という初の事例となり、棋士となる権利(次点2回によるフリークラス編入)を得られる状況であったが[8]、決勝で藤本渚五段に敗れ、竜王戦6組優勝による四段昇段資格獲得とはならなかった。
2024年12月、第38期竜王戦5組を棋士以外の肩書では棋戦史上初の出場。1回戦は対戦相手の井上慶太九段の体調不良により、不戦勝ではあるが5組で初勝利を記録[9]。続く2回戦では、前期(第37期)6組決勝と同じ「藤本五段 対 山下三段」の組み合わせとなり、この対局を山下が制して5組ベスト8に進出した。さらに準々決勝・出口若武戦にも勝利して準決勝に進出、ランキング戦上位2名が対象となる4組昇級まであと1勝とした。
このような奨励会員による5組での活躍を受け、日本将棋連盟は三段リーグ「次点」の条件を改定し、竜王戦5組決勝に進出し4組に昇級した場合「次点1」を付与すると、2025年4月11日に発表した[10]。山下三段はすでに「リーグ成績3位」の「次点」を1つ獲得してるため、準決勝に勝利すれば「次点」2つで「編入フリークラス棋士」として四段に昇段する権利を得る[11]。ただし、同時期に進行中の第77回三段リーグで降段点の対象となる場合(18局中4勝以下のリーグ成績)は竜王戦「次点」の対象とはならない。また、準決勝で敗退した場合は竜王戦参加の権利を一旦失い、この場合に次期の第39期竜王戦への出場には第77回三段リーグ3位以内の成績での四段昇段が条件となる(6組からの出場)。
【2025年04月昇段者】(2名): 齊藤優希(第38期は三段として出場)、炭﨑俊毅(第39期からの出場) 【2025年10月昇段者】(2-3名):(いずれも第39期からの出場)