武蔵小杉駅(むさしこすぎえき)は、神奈川県川崎市中原区小杉町三丁目および新丸子東三丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東急電鉄の駅である。
当駅にはJR東日本と東急電鉄の2社が乗り入れ、接続駅としての役割も果たしている。
JR東日本の駅には、南武線、横須賀線、湘南新宿ライン[注釈 1]、相鉄線直通列車[注釈 2]の4系統が乗り入れる。スリーレターコード「MKG」が設定されている。
横須賀線、湘南新宿ライン、相鉄線直通列車は線路名称上は東海道本線の支線で「品鶴線」の通称を持つ。上野東京ライン及び東京駅発着の東海道線列車は当駅を経由せず、「東海道(本)線」の名称も新宿方面からの湘南新宿ライン東海道線直通列車を除き使用されない[注釈 3]。横須賀線・湘南新宿ラインのホーム(3・4番線)開業までは南武線のみの駅であったため、現在も同線を所属線区としている[注釈 4]。また、横浜支社の管内となっており、品鶴線西大井方の多摩川橋梁の横浜側堤防上には首都圏本部との境界が存在する。なお、品鶴線を経由する特急列車として、東海道本線方面の特急「踊り子・サフィール踊り子」の新宿方面発着列車と、成田空港への連絡列車である特急「成田エクスプレス」の横浜または大船発着列車が停車する。
東急の乗り入れ路線は、線路名称上は東横線のみであるが、2000年に複々線化され目黒線の列車も停車するようになり、東横線の列車とは案内上は区別されている。
以下、本記事では特に必要がない限り、旅客案内上の名称を使用して解説する。
貨物列車専用であった品鶴線に横須賀線の列車が走るようになった後も、品鶴線の線路には長らくホームが設置されていなかったが、2005年4月4日、川崎市とJR東日本は横須賀線武蔵小杉駅設置に関して基本合意した。なお事業開始前の1987年(昭和62年)には沿線自治体の商工会議所・商工会で組織された「南武線沿線地域振興連絡協議会」が横須賀線と並行している東海道新幹線(JR東海)へのホーム設置を求めており[21]、また2004年(平成16年)1月31日に開かれた第5回川崎市総合計画市民会議では横須賀線だけでなく新幹線にもホームを設置することが提言されたが[22]、こちらは事業化には至っていない。
開業時の横須賀線の乗降人員は、他線からの乗り換えも含めて一日あたり約7万人程度を見込んでいたが、初年度の乗車人員は4万人程度であった。
JR東日本と東急の駅は改札内での相互の往来は不可能で、改札を出て連絡通路を経由する。なお、かつてJRと東急のホームを連絡する中間改札口が設置されていたが、東急側の駅改築にあたり廃止された。
JR東日本の駅は、北改札に北口・西口・東口があり、綱島街道改札と新南改札にそれぞれ1か所ずつ出入口が存在する。また、東急の駅には正面口・南口・東急スクエア連絡口があり、このうち正面口は正面口1(JR東日本の橋上コンコースに接続)、正面口2(東口駅前広場に接続)、正面口3(東急スクエアに接続)に分かれる。
南武線ホームは相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、橋上駅舎を有している[新聞 1]。また、横須賀線・湘南新宿ライン・相鉄線直通列車のホーム(以下、横須賀線ホーム)は方向別単式ホーム2面2線を有する高架駅である。川崎統括センターの直営駅(管理駅)で南武線の向河原駅 - 鹿島田駅までの各駅と、横須賀線新川崎駅を管理する。
北改札にみどりの窓口があり、指定席券売機は北改札のみどりの窓口と新南改札や綱島街道改札の自動券売機に併設している。以前は北改札にびゅうプラザがあったが、2017年4月に閉鎖されている。
エスカレーターとエレベーターは、改札内とホームを結ぶもの、改札外と西口・北口を結ぶものがある。また、南武線ホームと横須賀線ホームを結ぶ連絡通路上には動く歩道が設けられている。オストメイト対応の多機能トイレもそれぞれの路線の改札内に設置されている。
東海道本線の品川駅 - 川崎駅 - 横浜駅間が不通になった場合、通常は川崎駅に停車する東海道線の列車が品鶴線経由となり、当駅に臨時停車することがある。
横須賀線ホーム開設以来、特に朝ラッシュ時の混雑が激しくなっていることから、新南改札の向かい(新川崎寄り)に朝ラッシュ時のみ使用可能な入場専用臨時改札の開設、北改札 - 横須賀線ホーム間の連絡通路を兼ねている2番線ホームを1メートル拡幅する工事をそれぞれ行い、2018年春に併用開始している[報道 2]。また更なる混雑緩和の為、横須賀線新3番線ホーム(下りホーム)の増設工事を行い、方向別2面2線のホームとしたうえで、南武線北側からの改札口を新設する工事が進められ[報道 10]、新3番線ホームについては2022年12月18日に[報道 7][報道 11]、新設改札口の綱島街道改札は2023年12月24日に[報道 8]、それぞれ供用開始された。
なお、新南改札(臨時入場口)には改札係員は常駐しないほか、綱島街道改札にはお客さまサポートコールシステムが導入されており、一部時間帯を除き遠隔対応のため改札係員は不在となる[29]。また、綱島街道改札の利用時間は7時から23時までとなっている[報道 8]。
2014年2月26日から2025年3月14日まで、南武線ホームにおいてJリーグ・川崎フロンターレの応援歌「ナンバーワン野郎!」が発車メロディとして使用されていた。
島式ホーム2面4線を有する高架駅。ホームの外側を東横線、内側を目黒線、それぞれの列車が使用する。
エスカレーター・エレベーター・多目的トイレを併設している。このうちエスカレーターは正面口側が下り専用、南口側が上り専用となっている。
高架化時に際してホーム中央に駅ビルを建設するスペースが確保されていたが、2011年8月に着工した(後述)。
改札内店舗は3・4番線の上りホームの中央横浜寄りに、改札外店舗はJR連絡改札の正面口札横にそれぞれ設置されている。
1・2番線の下りホームの中央横浜寄りに設置されている。この売店は通常の商品のほかに鉄道グッズコーナー(おもに東急線グッズ)が併設されている。
各年度の1日平均乗降人員は下表の通り。
各年度の1日平均乗車人員は下表の通り(目黒線の乗車人員を含む)。
JR東日本側の改札内には崎陽軒の売店が出店し、近隣の武蔵小杉東急スクエア1階にも出店している。主な駅弁は下記の通り[37]。
駅の立地の関係でバス停留所は4か所に分散した設置となっている。JRの北口と横須賀線口、JRの東口・東急の正面口(東口駅前広場)にバスターミナルが、東急の南口にバス停留所があり、川崎市交通局・川崎鶴見臨港バス・東急バスが周辺各方面への路線バスを運行している。停留所は北口(小杉駅前)・南口(東横線小杉駅)・横須賀線口(横須賀線小杉駅)・東口(小杉駅東口)の4か所に設けられているが、東口以外の3か所は互いに500メートル程度離れており、東口はその3か所を結んだ三角形の中央付近に位置する。
Jリーグ・川崎フロンターレの本拠地になっている等々力陸上競技場や川崎市市民ミュージアムのある等々力緑地へのバスも発着する。
川崎市交通局、東急バスが運行する路線バスが発着している。
東急バスが運行する路線バスが発着している。
川崎市交通局、川崎鶴見臨港バス、東急バス、京浜急行バスが運行する路線バスが発着している。
※東日本旅客鉄道(JR東日本)の特急「成田エクスプレス」「踊り子・サフィール踊り子」の隣の停車駅は、各列車記事を参照のこと。