日本とセーシェルの関係 (にほんとセーシェルのかんけい、フランス語 : Relations entre le Japon et les Seychelles 、英語 : Japan–Seychelles relations ) では、日本 とセーシェル の関係について概説する。日本とセーシェル共和国の関係 、日本とセイシェルの関係 とも。友好的な関係を築いている。
両国の比較
歴史
1976年 6月29日 、セーシェル は平和的にイギリス から独立した。そのことから日本 は同日にセーシェル を国家承認し後日外交関係を樹立、大使館 はナイロビ にあった在ケニア日本国大使館 がセーシェル を兼轄することとなった[3] 。一方でセーシェル 側も日本 に大使館 を設置せず、クアラルンプール にあった在マレーシア・セーシェル大使館が日本 を兼轄した。しかし2003年 10月 、財政上の理由により在マレーシア・セーシェル大使館が閉鎖され、セーシェル は一時的に対日在外公館未開設の状態になる。その後2007年 5月 、北京 に在中セーシェル大使館が開設され、これが日本 の兼轄を開始することで外交的空白は解消された。そして2009年 3月 には東京 に在日セーシェル名誉総領事館 が開設され、ここでようやく日本 に直接のセーシェル の在外公館が設置された[3] 。一方で日本 は長らく在ケニア日本国大使館 がセーシェル を兼轄していたが2019年 1月 、兼勤駐在官事務所 として在セーシェル日本国大使館 が首都ヴィクトリア に開かれた[21] 。
2011年 3月11日 には日本 にて東日本大震災 が発生。セーシェルの第3代大統領ジェイムス・ミッシェル は日本 に対してお見舞いのメッセージを送っている[22] 。
外交
駐セーシェル日本大使(ケニア常駐)の寺田達志 とジェイムス・ミッシェル の会談
二国間関係
日本 は東アジア 、セーシェル は東アフリカ に属しているため地理的に遠く、予てより接点は少ない。一方でセーシェル の経済水準はアフリカ の中では最も先進国 に近く、かつ安定した民主主義 、資本主義 、自由主義 を構築しており、法の支配 や人権の尊重 と言った価値観も共有している。そのため、関係は良好である。
またセーシェル 、マダガスカル 、モーリシャス 、コモロ 、およびフランス領のレユニオン といったアフリカ島嶼部諸国で構成される「インド洋委員会 」という組織が存在しているが、日本 は2020年 よりこの国際組織のオブザーバーとなってインド洋委員会 との連携を強化している[23] 。
日本要人のセーシェル訪問
まだ内閣総理大臣 や国務大臣 のセーシェル訪問はない。2015年 には副大臣級として初めて城内実 外務副大臣 がセーシェル を訪問し、セーシェル に対する経済援助や再生可能エネルギー 分野での協力が話し合われた[24] 。2018年 には佐藤正久 外務副大臣 が訪問し、ダニー・フォール 大統領 を表敬して「自由で開かれたインド太平洋戦略」に基づいた日本 とセーシェル の安全保障上の協力についての議論がなされた[25] 。
セーシェル要人の訪日
2009年 3月 にはセーシェル大統領 ジェイムス・ミッシェル が訪日。天皇との会見、麻生太郎 との首脳会談を実施したほか、在東京セーシェル名誉総領事館開設記念式典に出席した[26] 。アフリカ開発会議 のためミッシェル大統領は2013年 6月 にも訪日を実施し、安倍晋三 と首脳会談 を行っている[27] 。
2018年 12月 、セーシェル副大統領兼外務大臣のヴィンセント・メリトン が訪日。河野太郎 と外相会談を実施し友好関係を強化した[28] 。
2019年 8月 、第4代セーシェル大統領 のダニー・フォール がアフリカ開発会議 のために訪日。安倍晋三 との首脳会談では西インド洋の航行の自由の重要性が確認され、安全保障上の連携が協議された[29] 。
経済関係
2019年 の日本の対セーシェル貿易は輸出品12.8億円、輸入品82.4億円であり、アフリカ諸国 では珍しく日本 の大幅な赤字になっている。その理由としてはセーシェル の観光業 に次ぐ主産業は日本 でも人気のあるマグロ やエビ を対象とした漁業 であり、それらが冷凍や缶詰といった加工を施され日本 に輸出されているからである。一方で日本の対セーシェル輸出品は自動車 が主である[3] 。
前述したように日本 に対して海産物 を輸出していることから、日本 のセーシェル に対する援助は主に水産業 に関連している。主なものとしては2008年6月には「マヘ島零細漁業施設整備計画(10.86億円)」という無償資金協力が[30] 、2016年にはその発展となる「第二次マヘ島零細漁業施設整備計画(14.6億円)」が実施された[31] 。また日本 は欧州連合 やアラブ首長国連邦 に次ぐセーシェル の主要援助国である[3] 。
なお、セーシェルの1人あたりの所得はアフリカ において群を抜いて高く、2018年1月に開発援助委員会 が定めるDACリスト(OECD から経済援助を受けるべき国のリスト)から卒業したものの、小島嶼国特有の脆弱性を有しており、経済的・社会的に支援を必要とする状況が認められることから日本 は引き続き支援を実施する意向を示している[3] 。
文化交流
文化無償協力として20世紀 中には数百万単位での視聴覚機材、楽器、印刷機材、テレビ放送用機材やテレビ番組といった物品が日本 からセーシェル に対して供与された[3] 。
2020年東京オリンピック・パラリンピック においては宮崎県 綾町 がセーシェル選手団のホストタウンになり、スポーツ交流や教育的な交流が事前に行われた[32] [33] 。
外交使節
駐セーシェル日本大使
特命全権大使(ナイロビ駐在) 大使(ヴィクトリア駐在)
大使館兼勤駐在官事務所開設2019
冨永真 2019-2022
加藤英次 2022-2024
特命全権大使(ヴィクトリア駐在)
カテゴリ
駐日セーシェル大使
脚注
参考文献
セーシェル共和国(Republic of Seychelles)基礎データ 外務省
関連項目
外部リンク
アジア
東アジア 東南アジア 南アジア 中央アジア コーカサス 中東
アフリカ アメリカ オセアニア ヨーロッパ
領土なし 多国間 歴史上 領土紛争
関連項目
二国間関係の各項目内は五十音順。
カテゴリ