城崎温泉駅(きのさきおんせんえき)は、兵庫県豊岡市城崎町今津字稗田にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陰本線の駅である[1]。
北近畿の温泉の名所として、また、冬の蟹料理の本場として、観光地としての賑わいを見せている城崎温泉の最寄り駅である。山陰本線京都口電化区間西側終端となっている。このため、電車特急「きのさき」・「こうのとり」の終着駅となっており、この先は伯耆大山駅まで非電化区間となり気動車[4] での走行となる。
2000年(平成12年)に第1回近畿の駅百選に選定されている[5]。2005年(平成17年)4月1日に城崎町が隣の豊岡市と合併することに伴い、同年3月1日に「城崎駅」から「城崎温泉駅」へと改称された。その際には、演歌歌手細川たかしが1日駅長を務めた[6]。
夏場は駅員が浴衣姿で勤務をする[7][8]。
1909年(明治42年)9月5日に帝国鉄道庁により豊岡駅 - 当駅間が開通したことにより、その終着である城崎駅(きのさきえき)として開設された。この区間は後に播但線となる区間の延長として建設されており、同年10月12日の線路名称制定により正式に播但線とされた。1911年(明治44年)10月25日には香住駅まで延伸し、当駅は中間駅となった。1912年(明治45年)3月1日に全通に伴って当駅を含む区間は山陰本線に編入され、当駅もその所属となった。
当地は江戸時代から名高い温泉地であったが、全国的に有名となって本格的に発展が始まるのは鉄道開通によるもので、特に1917年(大正6年)に志賀直哉の発表した「城の崎にて」に代表される数々の文学作品に登場したことで知名度が向上し、関西を代表する温泉地として成長していった。開設当時の駅は温泉街から外れた場所に位置していたが、利用客が増えるに連れて駅前が賑わい始め、やがて温泉街と一体化した街となっていった[9]。
1925年(大正14年)5月23日に発生した北但馬地震では、城崎温泉は壊滅的な打撃を受け、駅舎も倒壊した。翌年5月21日に鉄筋コンクリート造の2代目駅舎が落成した。これは当初はシンプルな外観のものであったが、1949年(昭和24年)5月11日に完成した改築工事により、瓦屋根を載せた和風スタイルとなって現在の姿となった[9]。
山陰本線初の特急として「まつかぜ」が運転開始される際には、豊岡駅との間で特急停車駅を巡って激しい争いが繰広げられたが、1961年(昭和36年)10月1日の運転開始より当駅は特急停車駅となった。
1986年(昭和61年)11月1日には当駅まで福知山線・山陰本線電化工事が完成し、多くの特急を含む電車列車が当駅で折返すようになった[9]。
2000年(平成12年)7月7日に駅舎前に「駅舎温泉さとの湯」が開設し、10月14日には「近畿の駅百選」第1回に選定された[9]。2004年(平成16年)、城崎町が翌2005年(平成17年)4月1日付で豊岡市などと合併することにより、自治体名から「城崎」が消えることになったため、町民などから知名度の高い城崎温泉の名を駅名に残して欲しいという要望が出、旧城崎町が経費(約5000万円)を負担し「城崎温泉駅」へ改称する要請をJR西日本に対して行い、合併を前にした2005年3月1日付で実現した[10]。
2016(平成28)年度には、2017年(平成29年)6月17日運行開始のTWILIGHT EXPRESS 瑞風を始め、当地に宿泊しない観光客にも魅力を伝えられる駅を目指し、駅舎改修が行われた。外観は街並みとの調和を重視したものとし、2016年(平成28年)8月時点で建設から約90年間継承されて来た、アール・デコ調のままとすると共に、内装も街並みとの調和を重視し、床面には「大谿川」・「玄武岩」・「柳」をモチーフとしたデザインが施工された。地元作家による地元風景を題材にした伝統工芸品を展示し、一方で、床面にデザインされた「大谿川」の対岸には情報発信のためのデジタルサイネージを設置、利用者に城崎温泉の魅力を伝えることを目的としている。待合室では「再生の歴史」・ラウンジでは「自然との共生」を紹介する。また、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の専用入口も設置された[11]。2016年(平成28年)9月9日に着工され、同年11月5日に完成した[12][13][14]。
島式ホーム・相対式ホーム混合3面4線を有する地上駅。駅舎は4番のりば側にある[1]。各ホームへは跨線橋で連絡しており、2・3番のりばと4番のりばにエレベーターが設置されている。
電光掲示板が改札、2・3番のりば(併用)4番のりば、跨線橋内2・3番のりば降り口付近(以前1番のりば降り口付近にあったものを移設)にある。
駅前にあり、日本最大と称する駅舎温泉「さとの湯」(2024年3月31日より長期休業中)は城崎温泉街の外湯の1つとして機能しており、2011年12月22日までは豊岡市城崎総合支所の「温泉課」(現・城崎庁舎城崎温泉課)の庁舎でもあった[18]。無料で利用出来る足湯があり、電車の待ち時間をゆったりと過ごすことが可能。城崎温泉唯一の市立温泉(それ以外の外湯は湯島財産区立(事務局は上記城崎温泉課))である。民間委託されていて、広報などで度々経営者の募集がかかる。
豊岡発の朝5時台の下り一番列車は当駅止まりで、折返して6時台の福知山方面行(次の玄武洞駅は通過)となる。2010年3月12日までは5時台に福知山方面行きの設定があった。
直営駅(豊岡駅の被管理駅)であり、みどりの窓口が設置されている。2021年3月13日から福知山駅方面においてICOCA等の全国相互利用サービスに対応した交通系ICカードが利用可能となっている[15](鳥取方面の山陰本線では鳥取駅まで利用出来ない(通し乗車も不可))。
駅舎反対側を1番のりばとして、以下の通り。
現在、基本的には上記のように使われているが、臨時列車運転時は乗り場が変更されることがある。4線とも上下線双方へ発車可能であるが、4番のりばのみは豊岡方からしか入線できない。以前は、のりば番号は駅舎側から順に振られており、列車運転指令上の番線番号では逆に駅舎反対側から順に振られていた(4番のりばが「1番線」、1番のりばが「4番線」)。2011年3月17日現在、のりば番号を番線番号に合わせて変更(旧1番のりば【4番線】→新4番のりば、その他同様)することにより解消している。なお、豊岡駅でも、2011年(平成23年)2月13日の新駅舎供用に合わせて、同様に番線とのりばを一致させる措置を取っている。
原則として福知山方面からの特急を3番のりばに入れ、浜坂方面より2番のりばに入る普通列車(快速含む)から対面乗換出来るようにダイヤが考慮されている。普通列車側が折返し便の場合、特急との対面乗換も可能。但し特急「はまかぜ」と当駅始発特急が同時に構内に入る場合、どちらかが2または4番のりばに入る。1番のりばはホーム有効長が短いため、普通・快速列車のみとなる。
主な駅弁は下記の通り[23]。
JR西日本の移動等円滑化取組報告書によると、2023年(令和5年)度の1日平均乗降人員は1,812人である[25]。
「豊岡市統計書[26]」によれば、近年の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。
年間を通して観光利用の大変多い駅であるが、「かにカニ日帰りエクスプレス」が運行される冬場の賑わいが特に目立つ。
※特急「こうのとり」・「きのさき」・「はまかぜ」・観光列車「あめつち」の隣の停車駅は各列車記事を参照のこと。なお、「こうのとり」・「きのさき」・「あめつち」は当駅発着である。
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