武庫川駅(むこがわえき)は、兵庫県尼崎市大庄西町一丁目および西宮市武庫川町にある阪神電気鉄道の駅[1]。駅番号はHS 12。
急行・区間急行(平日朝のみ運転)の停車駅で、平日の朝以外と土休日は快速急行も停車する[1]。
利用可能な鉄道路線
歴史
駅構造
本線
本線は武庫川にかかる橋梁上に相対式ホーム2面2線を有する[1]。橋梁上の駅となったのは、当初予定していた移転地の用地買収がスムーズに進まなかったことと、対岸の現在の西宮市(移転した当時は鳴尾村)の住民にとって不便だった問題を解消するためもあってのことだった[2]。有効長は近鉄車両8両編成に対応可能。分岐器や絶対信号機を持たないため、停留所に分類される。武庫川線の接続駅であるが、武庫川線への連絡線は当駅ではなく当駅 - 鳴尾・武庫川女子大前駅間にある[1]武庫川信号場で分岐している。
かつてホーム有効長は阪神車両6両編成分の長さであったが、近鉄との相互直通運転を開始する直前の2008年に武庫川線への連絡通路の一部を改修しホームとしたことで、近鉄車両6両編成分に対応した135m程度の長さになった。同時にLED式の案内表示装置が設置されている。さらに自動放送についても詳細タイプとなったが、2017年1月現在、文面上でのりば番号は省かれている(芦屋駅と同じタイプ)。このほか、ホームに風雨が流れ込まないよう、大阪方面ゆきホームのみ壁面が金網からアクリル板に取り替えられた。
2020年3月14日のダイヤ改正で本線で8両編成の快速急行を運転開始するため、2019年6月頃より再度、武庫川線への連絡通路の一部を改修しホームを西側へ約40m延伸する工事に着手した。これにより有効長は170m程度となり、近鉄車両8両編成の停車が可能となった。
武庫川線
武庫川線ホームは西宮市側の地上部で本線の南側にあり、島式ホーム1面2線を有する[1]。西側の線路は行き止まり、東側の線路は引き上げ線および本線への連絡線に続いている[1]。西側の線路には場内・出発信号機とも設置されていないため東側の線路のみ使用され、実質は単式ホーム1面1線である。なお、日中の運用は1編成のみのため、他の1編成はホーム北側の引き上げ線で本数が増加する夕方まで滞泊している。車両が滞泊する位置付近に3キロポストがある。
駅舎
橋の両端、つまり西宮市側・尼崎市側の双方にある[1]。尼崎市側は武庫川堤防上に本線の上下線それぞれのホームに接する形で駅舎(改札口)がある[1]。西宮市側は武庫川線ホームに接する形で堤内の地上部分に駅舎がある[1]。
武庫川橋梁上の本線ホームと堤内にある武庫川線ホームの間は連絡通路が設けられている[1]。この連絡通路にエレベーターが設置されているが、西宮市側の改札口から大阪方面ホームへの連絡通路は線路の下に設けられているため、大阪方面ホームへのエレベーターは一度乗り換えて2回乗る必要がある。なお、西宮市側、尼崎市側ともに改札口までは階段のほかスロープが設けられている。
武庫川線の駅は全て無人駅であり、特に東鳴尾駅・洲先駅には自動券売機の設置もないため、西宮市側の駅舎内、武庫川線ホーム入り口手前には中間改札が設けられている[1]。また、武庫川線ホーム側の中間改札横には自動券売機が設けられており、東鳴尾駅・洲先駅からの乗車できっぷを所持していない場合は、ここにある券売機[注 1]できっぷを購入[注 2]の上、中間改札を通過して出場する。
かつては西宮市側には駅舎はなかった[1]。本線から武庫川線へと乗り継ぐためにはいったん尼崎市側の改札から出場したのち、橋梁の最も南側にホームに隣接する形で設置されている改札外連絡通路で武庫川を渡る必要があった。この通路は、西宮市側に駅舎が設置され両路線が改札内で乗り換えられるようになってからもそのまま残置され歩行者用自由通路として使用されており、両市を往来するのに利用されている。なお、改札外連絡だった時代は、阪神本線から武庫川線に乗り継ぐ際は降車時に改札口の駅員に乗り継ぎを申し出て武庫川線ホームへ向かうようになっていた。一方、武庫川線内だけで完結する乗客あるいは武庫川線から阪神本線に乗り継ぐ乗客は、武庫川線の車掌に申し出て車内補充券を購入するようになっていた(この補充券では自動改札機は通行不可)。
のりば
※武庫川線ホームの番線番号は設定されていない。公式サイトの構内図では「○番のりば」の表記は使わず「武庫川線のりば」と表記されており[6]、スマートフォン向けアプリ「阪神アプリ」の行先表示機能も、番線番号を表示する欄が空欄となっている。
武庫川駅・武庫川信号場配線図
|
↑ 武庫川線 : 武庫川団地前方面 |
|
← 本線 : 大阪梅田方面 |
|
→ 本線 : 神戸三宮・元町方面 |
凡例
出典:[8] |
-
本線ホーム(大阪方に向けて撮影。なお、奥の1番線ホームの壁面は、のちに金網からアクリル板に取り替えられている)
-
-
武庫川線ホーム(右側のみ使用。左側は通常使用しないが、駅で掲示されている啓発ポスター
[注 4]の撮影で使用された)
-
本線ホームと西改札および武庫川線ホームを繋ぐ連絡通路(1番線)
-
武庫川線への連絡線(右)と本線(左)
-
北側にある武庫川線の引き上げ線
左に分岐しているのが連絡線
-
武庫川線の引き上げ線を北から望む
左に武庫川線、右に連絡線
-
本線の高架下に昼間留置される武庫川線用車両
-
武庫川線の駅名標
利用状況
2019年(令和元年)次の1日平均乗降人員は29,867人である。
近年の1日平均乗車・乗降人員数は下表の通り。
年次
|
1日平均 乗降人員 |
1日平均 乗車人員
|
出典
|
2001年(平成13年)
|
24,056
|
12,012
|
[9]
|
2002年(平成14年)
|
24,946
|
12,513
|
[9]
|
2003年(平成15年)
|
25,819
|
12,954
|
[9]
|
2004年(平成16年)
|
25,256
|
12,653
|
[9]
|
2005年(平成17年)
|
26,161
|
13,143
|
[9]
|
2006年(平成18年)
|
26,994
|
13,444
|
[10]
|
2007年(平成19年)
|
26,484
|
13,339
|
[11]
|
2008年(平成20年)
|
26,994
|
13,537
|
[12]
|
2009年(平成21年)
|
27,485
|
13,775
|
[13]
|
2010年(平成22年)
|
27,213
|
13,719
|
[14]
|
2011年(平成23年)
|
27,151
|
13,711
|
[15]
|
2012年(平成24年)
|
27,699
|
13,968
|
[16]
|
2013年(平成25年)
|
28,271
|
14,186
|
[17]
|
2014年(平成26年)
|
28,573
|
14,289
|
[18]
|
2015年(平成27年)
|
28,860
|
14,504
|
[19]
|
2016年(平成28年)
|
29,263
|
14,737
|
[20]
|
2017年(平成29年)
|
28,756
|
14,500
|
[21]
|
2018年(平成30年)
|
29,294
|
14,781
|
[22]
|
2019年(令和元年)
|
29,867
|
15,091
|
[23]
|
2020年(令和2年)
|
24,431
|
12,238
|
|
駅周辺
西宮市側
尼崎市側
- 田中病院
- 明照山円徳寺
- 楠霊神社
- 素盞嗚神社
- 武庫川郵便局
- 尼崎大庄郵便局
バス路線
尼崎市側駅舎の南側200mほど離れた国道43号高架下に武庫川停留所があり、阪神バス(尼崎市内線[注 5])が発着する。かつては、西宮市側の駅前にもバスが発着していた。
隣の駅
- 阪神電気鉄道
- 本線
- ■直通特急・■特急・■区間特急・■快速急行(平日朝ラッシュ時)
- 通過
- ■快速急行(平日日中以降・土休日)・■急行
- 尼崎駅 (HS 09) - 武庫川駅 (HS 12) - 甲子園駅 (HS 14)
- ■区間急行
- 尼崎駅 (HS 09) - 武庫川駅 (HS 12) - 鳴尾・武庫川女子大前駅 (HS 13)
- ■普通
- 尼崎センタープール前駅 (HS 11) - 武庫川駅 (HS 12) - (武庫川信号場) - 鳴尾・武庫川女子大前駅 (HS 13)
- 武庫川線
- 武庫川駅 (HS 12) - 東鳴尾駅 (HS 53)
かつて存在した路線
- 阪神電気鉄道
- 武庫川線(廃止区間)
- 武庫大橋駅 - 小松駅 - 武庫川駅 (- 東鳴尾駅)
脚注
注釈
- ^ 券売機は「東鳴尾駅から用」と「洲先駅から用」とで分かれており、乗車した駅に対応した券売機を選択してきっぷを購入する。
- ^ 目的地によっては東鳴尾駅・洲先駅とで運賃が異なる場合があるが、東鳴尾駅・洲先駅どちらの駅から乗車したのかまでは把握できないため、乗客の自己申告に任せてある。
- ^ 中央が近鉄車6両対応時
右が近鉄車8両対応時
- ^ 「線路に物を落とした時は、自分で拾わず係員をお呼び下さい」というもの。
- ^ 旧・尼崎市交通局
- ^ 2014年2月までパナソニックPDP前と称した。同社工場閉鎖により改称
出典
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
武庫川駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
|
---|
第1回選定 | |
---|
第2回選定 | |
---|
第3回選定 | |
---|
第4回選定 | |
---|
※: 廃止された駅 |