甲子園口駅(こうしえんぐちえき)は、兵庫県西宮市甲子園口二丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)東海道本線の駅である[1]。駅番号はJR-A51。「JR神戸線」の愛称区間に含まれている。
駅名の「甲子園口」は一帯の地名としての甲子園に由来する[2]。なお、甲子園口駅から阪神甲子園球場までは南へ約2.3キロメートル離れており[3]、駅南側から阪神バスが運行している[4]。
北側と南東側は閑静な高級住宅街となっており、南側はノスタルジックな商店街などもある。以前は映画館が3軒も営業していた。北側駅舎は昭和初期の[要出典]木造洋館が用いられていた[5]が、老朽化のため取り壊された。跡地に建設された新駅舎は2014年3月22日に使用開始となり[6]、駅事務室とみどりの窓口が南口駅舎から移転してきている。
駅所在地は西宮市甲子園口二丁目であるが、甲子園口一丁目 - 六丁目という町名は1950年(昭和25年)になって駅名にちなんで名づけられたものであり、駅開業当時は武庫郡瓦木村下新田という地名だった。行政上の地名としての甲子園口は1950年以降の命名だが、新興住宅地として土地開発を進めるために周辺は新駅設置内定の頃から甲子園口と呼ばれてきた。
吹田駅 - 須磨駅間での電気運転開始に伴い、塚本駅・立花駅・六甲道駅・元町駅と同時に開設された。瓦木村の熱心な誘致運動が実ったものである[7]。設置費用は地元負担であった[2][7]。
1933年に甲子園口土地区画整理組合が設立され[8]、周辺の開発が推進されるようになった。それに伴い駅の利用客も増加した。
第二次世界大戦下の軍需工場輸送で、阪神武庫川線に甲子園口駅を設け、省線(鉄道省線、後の日本国有鉄道)との接続を図る計画があった[9]。阪神電気鉄道の社内には資料は残されていないと報じられたが[10]、昭和18年(1943年)3月19日付の『官報』に、阪神武庫川線が甲子園口までの運行の特許を受けたことが掲載されている[9][11]。武庫川線は甲子園口のさらに先、西ノ宮駅まで建設されたが、阪神甲子園口駅は完成せずに終わった[9]。現在の駅南東側の線路沿いに延びている駐輪場となっている箇所に、1面2線(うち南側は車止めあり)で駅が設けられる予定であった[9][10][注 1]。
盛土上に島式ホーム2面4線を有する高架駅である。有効長は、下り内側線の1番のりばと上り内側線の3番のりばは12両編成、折り返し専用線の2番のりばは8両編成だが、下り外側線にはホーム及びのりばがなく、上り外側線の4番のりばは一部が開閉可能な安全定柵で仕切られている。
開業当初は1番のりばが下り外側線、2番のりばが下り内側線だったが、1964年10月1日に駅構造が変更され、1番のりばが下り内側線、2番のりばが大阪方面への折り返し線となり、下り外側線は戦時中に建設された阪神武庫川線(阪神はこの駅の構内で武庫大橋駅方面に分岐していたが、阪神にはホームは設置されず)を転用して敷設されている。そのため下り外側線にはホームがない。なお、運転取り扱い上ではホームのない下り外側線を「1番線」とするため、1 - 4番のりばはそれぞれ2 - 5番線として扱われている。
上り外側線側(4番のりば)はステンレス製の柵で閉鎖されているが、ほぼ等間隔で取り外せるスペースが設けられており、団体列車や外側線列車が臨時停車する場合や緊急時に備えているが、高校野球応援団体臨時列車も含め実際に使用されたことはない。
上下線ホームともエレベーターが設置されている。エレベーター設置工事に伴い、ホームを東側に延長・移動させるため盛り土の掘削が必要であったことから、2007年8月27日から2009年3月13日まで、一時的に2番のりばの使用が停止され、当駅折り返しの列車は運転区間の変更を行っていた。工事完了に伴い、2009年3月14日のダイヤ改正に合わせて2番のりばの使用および当駅折り返し列車の運行が復活した。
直営駅(芦屋駅の被管理駅)。アーバンネットワークエリアに属しており、ICOCA及び提携ICカード利用が可能である。
当駅で使用されている接近メロディは、1997年3月8日からJR神戸線内各駅で導入されている「さざなみ」に加え、列車接近表示器から、メリーさんの羊が流れる。
2024年現在、土休日の朝6時台に当駅始発の尼崎方面行きが2本、毎日夜23時台に尼崎方面からの当駅止まりが1本設定されており、2番のりばを使用する[21]。このほか、緊急時は折り返し列車が設定されることがある[21]。
1986年10月31日までは、日中にも当駅折り返し電車があったが、翌11月1日の改正でこの時間帯は神戸駅発着に変更された[21]。
阪神淡路大震災直後の部分営業時には「普通」や新快速(大阪駅 - 当駅間は各駅に停車)の折り返しに頻繁に使用されていた。JR福知山線脱線事故後、JR宝塚線の列車運転再開までは暫定的に尼崎駅発着となっていたJR東西線の「快速」が、尼崎駅 - 当駅間は回送扱いで折り返しをしていた。
2022年(令和4年)度の1日平均乗車人員は16,565人である。
各年度の1日平均乗車人員は以下の通りである。
近年の1年間の乗車人員は以下の通り。なお下表内の数値の単位は全て「千人」である。
駅北口に阪急バスが、南口に阪神バスが乗り入れる。
北口に西宮営業所が運行する路線バスが発着する。停留所名は「JR甲子園口駅」。
南口に尼崎営業所が運行する路線バスが発着する。停留所名は「JR甲子園口」。
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