摂津富田駅(せっつとんだえき)は、大阪府高槻市富田町一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)東海道本線の駅である。駅番号はJR-A39。「JR京都線」の愛称区間に含まれている。
高槻市内では2つしかないJRの駅で、市西部の玄関口である。
京阪間では最もJRと阪急の駅(富田駅)が近接する駅の1つで、乗換の検索ソフトでは両駅が乗り換え駅として表示されるものもある。しかし、どちらも普通しか停車せず、隣の高槻駅・阪急高槻市駅は新快速・阪急特急停車駅なのでそちらが使われることも多い。
当駅とその付近の高架化(※当駅を含む3.2kmが検討範囲)が検討されている[3]。
駅名は旧摂津国と当時の所在地名であった三島郡富田村に由来している。三重県に既に富田駅(とみだえき、JR東海・関西本線)が1894年7月5日に開業しており、旧国名の「摂津」をつけて区別したものである[注 1]。なお1928年1月16日開業の阪急(旧新京阪鉄道)富田駅は摂津富田駅の3年半後の開業で、開業当時の駅名は富田町駅であった。富田町駅は富田町の高槻市編入により1957年7月1日に富田駅に改称されている。
島式ホーム2面4線を有する地上駅になっている。駅舎は橋上駅である。分岐器や絶対信号機を持たないため、停留所に分類される。
一般の改札口は橋上中央部にある。また、ホーム東端の跨線橋には松下口という出場専用の改札があり、平日朝はパナソニックや明治の社員が、休日は真如苑(悠音精舎)行きの臨時バスに乗車する乗客が利用する。これ以外の時間帯は閉鎖されている。
直営駅であるが駅長は配置されておらず、高槻駅が地区駅を介さずに当駅を管理している。ICOCA利用エリア内に含まれており、相互利用可能なカードにも対応している。松下口もこれらのカードに対応しているが、乗車駅から当駅までの運賃よりICカードの残金が少ない場合は、係員に現金精算をした上で精算証明書をもらい、あとで一般の改札口で発駅キャンセル処理をしてもらう必要が生じる。
自動券売機、みどりの券売機、みどりの券売機プラスが設置されている[2]。
このほか、駅内コンビニであるハートインやゆうちょ銀行ATMが設置されている。また、改札外は北口・南口ともに上りエスカレーターとエレベーター、改札内は上下エスカレーターとエレベーターが設置されている。
2つのホームの西側の上屋根を支える支柱として、日本の鉄道開業当初に多く用いられた双頭レールが再利用されている。
2023年度の1日平均乗降人員は36,756人である[統計 1]。
JR京都線の普通しか停車しない駅の中では吹田駅に次いで多かった時期もあったが、当駅に隣接するJR総持寺駅の開業や他駅の再開発等により現在は千里丘駅や岸辺駅の数字も下回る。
各年度の1日平均乗車人員は以下の通りである。
近年の1年間の乗車人員は以下の通り。
なお下表内の数値の単位は全て「千人」である。
継体天皇の陵は2つの説があるが(太田茶臼山古墳・今城塚古墳)、いずれも当駅北口から高槻市営バスでアクセス可能。
阪急富田駅へは南口から徒歩3分程度。両駅間に富田商店街があり、中小商店や銀行の支店などが並ぶ。
北口ロータリーに高槻市営バスのターミナルがあり、関西大学高槻キャンパスや大阪医科薬科大学阿武山キャンパスへ向かう多くの学生が乗り換えで利用する。タクシー乗り場も併設されている。南口からは富田駅付近にある「阪急富田駅」停留所へ連絡できる。
かつては北口ロータリーに国際興業バスと阪急バスが乗り入れていた。阪急バスは65系統・三咲町経由JR茨木行きが2021年12月18日付で廃止されて発着が無くなっている[12]。
この他、ロータリーから100メートルほど西側に藍野大学へ向かうスクールバス乗場がある。
停留所名は「JR富田駅」[13][14]。主に市北西部の住民や大学生の足として機能している。
ロータリー南側(駅舎付近)にバスおりばが、ロータリー西側に1番のりばがある。2024年まではロータリーから北に向かった所、高槻市立第四中学校のプール下に1・2番のりばがあった。
ロータリー部から東に入った所は旧国鉄貨物跡地で、現在は主に市営バス阿武山・塚原線が使用するスペースとなっている。系統によってのりばが分けられており、3番のりばは塚原線、4番のりばは阿武山線、最も奥にある臨時のりばは真如苑行き直行便が停車する。2番のりばの廃止に伴い、2024年以降は3番のりばから国道線も発着する。
市営バス案内所はおりば付近に設置されている。
臨時便を除き全て緑が丘営業所の管轄。
長らく当駅を跨いでJR高槻駅北方面と阿武山・奈佐原方面を直通する便が数多く運行されていたが、2024年以降は全て当駅止まりとなり乗り換えが必要になっている。
2023年度の年間乗降客数は2,525,701人(1日あたり6,901人)で、市営バスではJR高槻駅北・JR高槻駅南に次いで3番目に多い。大学生の利用が激減した2020年度に限り阪急高槻駅を下回り4位となった。
近年の年間利用状況は下表の通り。