『チーム・バチスタシリーズ』は、海堂尊による医療ミステリー小説シリーズ『田口・白鳥シリーズ』の別呼称であり、同シリーズを原作として関西テレビ放送(KTV)とメディアミックス・ジャパン(MMJ)の共同制作によりフジテレビ系「火10」枠で放送されたテレビドラマ、ならびにその劇場版として東宝配給にて公開された映画のシリーズ。主演は伊藤淳史と仲村トオル。本項では主に後者の映像化作品群について記述する。
小説『田口・白鳥シリーズ』のうち、
をそれぞれ原作としている。
医療ドラマとミステリーを融合させた医療ミステリードラマ。登場人物の設定変更やドラマオリジナルキャラクター、ストーリーの変更やドラマオリジナルストーリーなど、原作からの改変が多くほぼ独自の路線を作り上げた作品となっている。エンターテイメント性を重視しており、田口と白鳥を除く全てのメインキャストを怪しく描写して、視聴者に犯人探しをしてもらう作劇が特徴。医療提言は原作より軽めである代わりに、広い視聴者層を考慮してより普遍的なものとなっている。
また、田口と白鳥の関係性の変化はシリーズを通した縦軸となっており、二人が名実共にパートナーとなっていく過程を描いた一つの物語として見ることもできる。一作だけで完成する関係ではなく、全作かけて少しずつ距離を縮めていくため、二人の在り方は「1」と「FINAL」では大きく異なっている。
舞台となる場所(科)や扱うテーマ、作風は各作ごとに変わる。
原作の中では事件要素の薄い『イノセント・ゲリラの祝祭』と、完結後に出版された『カレイドスコープの箱庭』は、いずれもドラマ化されていない。
2022年には、伊藤淳史の出身地である千葉県の千葉テレビ放送で、シリーズ作品が再放送されている[1]。
2008年10月14日から12月23日まで放送された。
「原作・映画版とは違う結末」という触れ込みで、犯行のトリック・真犯人等の変更を行った。内容も原作を扱いながらのオリジナルストーリーを展開し、最後まで二転三転とする。田口と白鳥は出会ったばかりで衝突も多いが、ちぐはぐな凸凹コンビの掛け合いがコメディ要素として活きている。
東城大学医学部付属病院では、7人の精鋭医師達を集めた「チーム・バチスタ」と呼ばれる手術チームが成功率100%を誇る功績でバチスタ手術(左室形成術)を行っていた。しかしその「チーム・バチスタ」のバチスタ手術が3例立て続けに術中死する事態が発生。不定愁訴外来勤務の心療内科医・田口は院長の高階の依頼で一連の術死の調査を任される。
同じころ、橋から転落して足を怪我して運び込まれ、看護師達の手を焼かせた男が特別愁訴外来に送られてきた。その男は厚生労働省の白鳥と名乗り、田口と一緒に調査をするパートナーとして介入してくる。
あくまで殺人としてチームを疑う白鳥と、あくまでチームの潔白を信じる田口。二人は互いに違う見解を見つめながら、事件の真相を究明するためバチスタ患者やチームの個々の問題と向き合い調査を進めていく。やがて一連の連続術死の犯人、そしてトリックに辿り着いたが、解明したと思われた推理は真実の一端でしかなく、新たに提示された謎はさらなる惨劇を呼び出してしまう。
田口と白鳥は調査を継続し真相を追及することを決意。遂にチーム・バチスタの抱える暗部と連続術死のもう一つの真相に辿り着く。
複数話登場の場合は演者名の横の括弧()内に表記。
『ナイチンゲールの沈黙』の放送に先がけ、2009年9月15日の22時 - 23時24分にスペシャルドラマとして放送された。内容は『チーム・バチスタの栄光』の総集編ダイジェストに新撮を加えたものとなっている。
シリーズの中では現在唯一ソフト化に至っていない。
バチスタ・スキャンダルから3か月後、田口は不思議な病状を訴える一人の少女を診察していた。しかしその後病院を訪れた厚労省の人間に、半ば拉致同然で厚労省へと連れていかれてしまう。
このことを知った白鳥は田口のもとへ急ごうとするが、ある人物によって彼もまた軟禁状態にされる。この一連の動きの裏には、白鳥の失脚を狙う厚労省内部の思惑が隠されていた。
2009年10月9日に『金曜プレステージ』枠で『チーム・バチスタの栄光』の続編として放送[2]。『金曜プレステージ』枠で関西テレビが単独制作するのは、番組開始以来初めてのことである。
牧村鉄夫殺害事件を題材にしている以外は、ドラマオリジナルキャラクターとドラマオリジナルの事件を取り扱っており、原作とは異なる内容となっている。原作の主要人物である水落冴子と城崎、さらには原作の特徴である小夜の能力は登場しない。
なお、ラストは「東城医大救命救急では、不正が行われている」という謎の投書が特別愁訴外来に送りつけられ、田口と白鳥がその調査のために病院内を闊歩するという『ジェネラル・ルージュの凱旋』に繋がることが示唆されるシーンで締めくくられている。
バチスタ・スキャンダルから9か月後、脳腫瘍患者の少年・岡部巧が、成功したはずの手術後に植物状態に陥った。巧の親族が訴訟を起こそうとする動きを懸念した院長の高階の依頼で、田口は再び白鳥とコンビを組んで内部調査をすることになる。
白鳥は早々に巧の執刀医の西園寺らと触発しながら調査を進めていくが、そんな中、巧と同じ部屋に入院する視神経膠腫患者の少年・牧村瑞人の父親が殺害される事件が発生する。
2010年4月6日から同年6月22日まで放送された。
田口と白鳥が追う速水の収賄疑惑を物語の主軸としながらも、原作・映画版とは異なり、救命救急センターに運び込まれた患者の病気の全容を速水ら救命医達が突き止める一話完結型の医療ドラマとなっている。そのため医療ドラマの王道要素が最も多く見られる。また、速水の収賄疑惑における展開も改変が加えられ、ドラマ独自の展開を見せている。
なお、速水の医学部時代の同期生は田口ではなく白鳥に変更されており、田口の同期は本作から登場するドラマオリジナルキャラクターの和泉遥と設定されている。
東城医大病院の救命救急センターは「ジェネラル・ルージュ」と呼ばれる救命医・速水晃一によって束ねられていた。速水は天才で確かな腕を持つカリスマ的存在であったが、一方で患者の治療を優先するがために無理な要求でも押し通し、また手段を選ばない性格から、彼に不満や危機感を抱く者も少なくなかった。
田口はある搬送患者に愚痴外来通院歴があったという偶然から救命救急センターに関わった結果、救急精神医療責任者に任命されてしまう。以後次々と運ばれてくる患者の病気の謎を救命医たちと共に究明しながら、患者や救命医たちの精神的なケアを行っていくことに。
同じ頃、白鳥もまた抜き打ち監査のため救命救急センターにやってきていた。だが速水と医療代理店「メディカル・アソート」の社員・佐々木のただならぬ関係に気づいた白鳥は、監査後も患者と向き合う田口をフォローしつつも、速水の収賄疑惑を独自に調査する。
2011年1月2日の22時 - 23時30分に『ジェネラル・ルージュの凱旋』のスペシャルドラマとして放送された。内容は総集編ダイジェストを中心としたオリジナルストーリーとなっている。
コンビナート爆発炎上事故が発生し、救命救急センターのメンバー達が次々と運び込まれた患者の処置に当たってから数日後、患者が急変して死ぬという匿名の脅迫文が速水宛に送り込まれてくる。田口と白鳥も調査を開始するが、一人の患者が予告通りに急変し、以降も速水宛に送られた予告状通りに患者の容態は急変していく。
犯人像として浮かび上がったのは速水に恨みを持つ者、あるいは救命救急センターから去ろうとする速水を留めさせたい者、そして速水と関わった過去の患者達。それぞれの可能性を追求しながら田口と白鳥は事件の謎に挑んでいく。
2011年7月12日から9月20日まで放送された。
物語に警察が大きく関わり、医療よりサスペンスの要素が強い異色作。また、田口と白鳥の関係性に大きな変化をもたらす転換点ともなっている。前2作と同様に原作にないストーリーが織りこまれており、中でも大きな相違点として、原作では作中の背景として描かれた「松崎事件」がストーリーや登場人物の過去にも大きく関わる本編の主軸の一つとなっている。なお、「松崎事件」のモデルとなった現実の冤罪事件である『足利事件』がこのシリーズ放映中に大きな動きをみせ、図らずもドラマと連動したものとなっていた。
ある日死因不明の遺体と遭遇した田口は、事件性無しと判断する警察にオートプシーイメージング(Autopsy imaging、Ai)を提言し、犯罪が見逃されるのを未然に防ぐ。一方白鳥は解剖率3%で残りの97%は死因が分からないまま闇に葬られている「死因不明社会」を打破するため、東城医大病院でAiセンター設立を進めていた。しかしAiを快く思わない警察庁と、法医学者である笹井の反対に遭い、更にAiの万能性を豪語して譲らない放射線科医・島津が両者と対立。センター運営会議は紛糾する。
そんな中、Aiセンターに導入された新型の縦型MRIで連続殺人事件が発生する。警察の情報を管理しAiセンター潰しを目論むなど事件の裏で暗躍する斑鳩、業者との癒着を疑われる島津、20年前のDNA鑑定の不備が生んだ「松崎事件」と呼ばれる冤罪事件で心に暗い影を落とす笹井と北山、北山に忠義を尽くす宇佐見。事件の背景にそれぞれの思惑が交差する中、田口と白鳥は事件の調査に奔走し真相を紐解いていく。
しかし、20年の時を超え「松崎事件」の因縁を呼び起こす女子高生殺人事件が発生。田口と白鳥は死因不明社会の闇の中へ逃れ続けていた真犯人を追及する。
2014年1月7日から3月18日まで放送された。関西テレビ開局55周年記念ドラマ。
舞台が初めて東城医大病院から離れる。また、終末期医療と安楽死問題というテーマの関係上、シリーズで最も重い展開が多い。
原作は田口・白鳥シリーズの外伝作品であり、主人公は天馬大吉だが、ドラマ版はチーム・バチスタシリーズ第4作として制作されたため、主人公も田口と白鳥に変更されている。
田口は高階の指示で、地方病院「碧翠院」へと突如派遣されることになった。桜宮巌雄が院長を務めるその病院は町には無くてはならない存在で、また終末期医療に取り組んでおり患者からの信頼も厚かった。しかし田口が赴任したその日、皮膚科医として潜り込んでいる白鳥の姿を発見する。実は白鳥のもとには一通の手紙が届いており、そこには碧翠院の闇を訴える文章と、助けを求める言葉が綴られていたのだった。そして久しぶりにこの地を訪れたと言う放射線科医の立花善次に出会った白鳥は「この病院で行われていることは重罪だ」という言葉を聞かされるも、その後立花は謎の失踪を遂げる。
巌雄が築き上げた「家族」という絆で守られた牙城を前に、白鳥の調査は難航。一方、終末期患者や碧翠院職員たちと直に接する田口は、彼らがそれぞれ抱える「死」への思いに心を揺り動かされ続ける。それでも二人はお互いの存在に救われながら、徐々に桜宮家の闇に迫ってゆくが、やがて明かされた全貌は答えの出ない疑問を世間に投げかけることになる。
複数話登場の場合は演者名の横の括弧()内に表記。
東宝配給にて、2014年3月29日公開。チーム・バチスタシリーズの最終作として制作されたため、TBSテレビ製作の映画版との関係は無い(配給元は同じ東宝)。
TOHOシネマズ日本橋、お台場シネマメディアージュ、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、渋谷HUMAXシネマ他全国282スクリーンで公開され、公開初週の土日2日間で動員12万3,007人、興収1億5,536万7,900円、全国映画動員ランキングでは初登場5位となった[10]。
2015年4月7日の21時 - 23時18分に地上波初放送された[11]。視聴率は関東地区で9.6%を記録した(ビデオリサーチ調べ)。
地下室で不審死を遂げた9人の医療関係者。Ai(オートプシー・イメージング:死亡時画像診断)導入を推進する白鳥のよく知る人物も犠牲となってしまう。だが、ただ一人生き残った生存者が速水の率いる救命チームに搬送される。
同じころ、日本初となる国際Aiセンター発足の目玉として、新型MRI「リヴァイアサン」の導入が決定。顕微鏡レベルの解像度を誇り現代医療の「怪物」として大きな注目を集めていた。国と自治体、東城医大病院が三位一体で取り組む死因究明システムの一大改革に、田口と白鳥は奔走する日々を送っていたが、白鳥はリヴァイアサンの責任者である東堂の派手な言動に苦慮。一方、田口は搬入パレードの日に医療ジャーナリストの別宮葉子に声をかけられるのと同時に、かつて自分達が関わった地方病院「碧翠院」に纏わる騒動の中で失踪していた、元「碧翠院」産婦人科医兼すみれエンタープライズ経営者・桜宮すみれを目撃する。
その後、こけら落しとなる大講堂でのシンポジウムを10日後に控え、司法解剖で死因が判別できなかった集団不審死事件を、東堂がリヴァイアサンで解明しようと画策する。しかしそれは「三の月、東城医大病院とケルベロスの塔を破壊する」と記された脅迫状が届くという不穏な結果を招くことになってしまう。
Aiセンター始動の日。それは医学界の根底を大きく揺るがす「最悪な日」となるのか。田口と白鳥は真相を突き止めるためにひた走る。
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