三條 美紀(さんじょう みき[1]、1928年〈昭和3年〉8月25日[1][2] - 2015年〈平成27年〉4月9日)は、日本の女優。本名:佐藤 幹子(さとう みきこ)[3]。旧芸名は三条 美紀。京都府[1][2]京都市右京区出身。血液型A型。父は俳優で大映の部長も務めた佐藤圓治[4]。娘は元女優の紀比呂子[3]。オフィスまとば所属。
来歴・人物
京都で生まれ、日活に所属していた父が日活多摩川撮影所へ移るのを機に上京[1][4]。東京都立桜水女子商業学校(現在の東京都立杉並総合高等学校)卒業。戦時中は、学徒動員により東芝府中工場の経理課で勤務していた[4]。
戦後、大映東京撮影所経理課に勤務していたが[5][2]、戦後になり大映がスターを発掘する中、永田雅一ら社内上層部の目に留まり演技課へ異動。1946年に映画『君かと思ひて』で女優デビュー[3][1][2]。1947年、映画『踊子物語』で初主演[2]。芸名は本名をもじってつけられた。
三益愛子の『母ものシリーズ』をはじめ[1][4]、若尾文子や山本富士子登場までの大映を支えた。
1952年(昭和27年)1月5日、同1月10日から開催された南米のウルグアイでのウルグァイ国際映画祭に出席のため東京国際空港(羽田空港)を出発、当時はまだ海外渡航自由化の遥か前で大変貴重なウルグアイ訪問となった。
1954年に大映を退社し、フリーを経て[注釈 1]、1955年(昭和30年)に東映に移籍[2]。
1960年代からはテレビドラマに活動の場を拡大し、2時間ドラマにも助演した。
市川崑監督作品の常連であった[2]。
2015年(平成27年)4月9日、うっ血性心不全のため東京都内の自宅で死去した[3][5]。86歳没。
鶴岡市の忠犬ハチ公試作石膏像
渋谷忠犬ハチ公銅像の制作者の安藤士がアトリエとしていた借家を後に三條が購入した際に、残されていた家財道具の中に渋谷忠犬ハチ公像の試作石膏像があった。これを父の佐藤円治が譲り受け、知人を介して湯野浜温泉の旅館や建設会社等を経た後に鶴岡市藤島庁舎(旧藤島町役場)に保管されることになった。石膏像は2012年(平成24年)6月24日より、毎年4月15日から翌年2月15日までの期間はJR鶴岡駅にて公開されている。
出演
映画
- 君かと思ひて(1946年、大映)
- 踊子物語(1947年、大映)
- 花嫁の正体(1947年、大映)
- 花咲く家族(1947年、大映)
- 初恋物語(1947年、大映)
- いつの日か花咲かん(1947年、大映)
- 運命の暦(1948年、大映)
- 山猫令嬢(1948年、大映)
- 舞台は廻る(1948年、大映)
- 母(1948年、大映)
- 王将(1948年、大映)
- 母紅梅(1949年、大映)
- 静かなる決闘(1949年、大映)
- 嵐の中の姉妹(1949年、大映)
- 美貌の顔役(1949年、大映)
- 流れる星は生きている(1949年、大映)
- 母燈台(1949年、大映)
- 母椿(1950年、大映)
- 一匹狼(1950年、大映)
- 暴力の街(1950年、大映)
- 転落の詩集(1950年、大映)
- 南の薔薇(1950年、大映)
- 火の鳥(1950年、大映)
- 三悪人と赤ん坊(1950年、大映)
- 姉妹星(1950年、大映)
- 紅蝙蝠(1950年、大映)
- 消防決死隊(1951年、大映)
- 雪割草(1951年、大映)
- 銭形平次(1951年、大映)
- 西城家の饗宴(1951年、大映)
- わが一高時代の犯罪(1951年、東映)
- 炎の肌(1951年、大映)
- 群狼の街(1952年、大映)
- 娘初恋ヤットン節(1952年、大映)
- 安宅家の人々(1952年、大映)
- 続馬喰一代(1952年、大映)
- 腰抜け巌流島(1952年、大映)
- 街の小天狗(1952年、大映)
- 新婚のろけ節(1953年、大映)
- 怒れ三平(1953年、大映)
- 暴力市街(1953年、大映)
- 妻恋黒田節(1954年、大映)
- 赤穂義士(1954年、大映)
- 幽霊男(1954年、東宝) - 三橋絹子
- 歌ごよみ お夏清十郎(1954年、新東宝) - お蔦
- 透明人間(1954年、東宝) - 美千代[1]
- 赤いカンナの花咲けば(1955年、東宝) - 矢代早苗
- 魚河岸の石松 マンボ石松踊り(1955年、東映)
- まぼろし小僧の冒険 たつまきの決戦(1955年、東映)
- 殺人現行犯(1955年、東映)
- 羅生門の妖鬼(1956年、東映)
- 拳銃対拳銃(1956年、東映)
- 大地の侍(1956年、東映)
- 頑張れゴンさん(1956年、東映)
- 地下鉄三四郎(1956年、東映)
- 夕日と拳銃 日本篇 大陸篇(1956年、東映)
- 浅草三四郎(1956年、東映)
- 孫悟空 第一部(1956年、東映) - 観音菩薩
- 孫悟空 第二部(1956年、東映) - 観音菩薩
- 大江戸喧嘩纏(1957年、東映)
- 母星子星(1957年、東映)
- 喧嘩社員(1957年、東映)
- 無敵社員(1957年、東映)
- 不良女学生(1957年、東映)
- 抜打ち浪人(1957年、東映)
- 殺人者を逃すな(1957年、東映)
- 青い海原(1957年、東映)
- こけし子守唄 夕やけ鴉(1957年、東映)
- 坊ちゃん大学(1957年、東映)
- ふるさとの唄 哀愁のりんご園(1957年、東映)
- ふるさとの唄 お母さんの東京見物(1957年、東映)
- 娘十八御意見無用(1958年、東映)
- 美しき姉妹の物語 悶える早春(1958年、東映)
- 恋愛自由型(1958年、東映)
- 花笠若衆(1958年、東映)
- 母と娘の瞳(1959年、東映)
- 東京べらんめえ娘(1959年、東映)
- 地獄の底までつき合うぜ(1959年、東映)
- 空港の魔女(1959年、東映)
- 馬喰一代(1963年、東映)
- 若大将対青大将(1971年、東宝) - 太田春江
- 犬神家の一族(1976年、東宝) - 犬神竹子
- 俺の選んだ女(1976年、東宝)
- 病院坂の首縊りの家(1979年、東宝) - 田辺光枝
- 古都(1980年、東宝)
- 幸福(1981年、東宝) - 遠藤の妻[6]
- 細雪(1983年、東宝)
- 夢千代日記(1985年、東映)
- 鹿鳴館(1986年、東宝)
- 映画女優(1987年、東宝)
- 華の乱(1988年、東映) - 有島幸子(有島武郎の母)
- Lie Lie Lie(1997年、東映)
- 愛する(1997年、日活) - 稲村看護婦長
- UN loved(2002年、WOWOW) - 安西
- 鏡の女たち(2003年、グルーヴコーポレーション)
- 輪廻(2006年、東宝) - 大森歩美
- 犬神家の一族(2006年、東宝) - お園
- 黄金花 秘すれば花 死すれば蝶(2009年、太秦) - おなお婆さん
テレビドラマ
WEBドラマ
舞台
- 女人太閤記
- 古都憂愁
- 湯けむり繁盛記
- 江戸の恋唄
- かわいい女
- 川中美幸特別公演「天下の恋です! あたしの殿様」
- 八代亜紀特別公演「日本海疾風おんな節」
その他のテレビ番組
吹き替え
ディスコグラフィー
シングル
関連書籍
脚注
注釈
- ^ この間に、『透明人間』などの東宝作品に出演している[2]。
- ^ 1980年制作。
- ^ 1985年8月9日に放送される予定だったが、夏目雅子の追悼番組のために放送延期となっていた作品。
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
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