『コードナンバー108 7人のリブ』(コードナンバーいちまるはち しちにんのリブ)は、1976年10月5日から12月28日まで、関西テレビの火曜日22:00 - 22:54の時間帯に放送された、宣弘社制作のテレビドラマ。全13話。
新聞のテレビ欄の表記では『7人のリブ』と省略されている[1]。
概要
パリに本部がある国際秘密捜査機関の東京中央捜査本部に籍を置く南條亜紀を中心とした7人の美女[2]が、活躍するスパイ・アクション。第1 - 2話では国際的な要人暗殺事件や亡命政権のドラマを字幕を多用して描くなど、『キイハンター』+『プレイガール』+『Gメン'75』という雰囲気も漂う異色の作品だった[3]。また、当時は日本では未放送だったアメリカのテレビドラマ『チャーリーズ・エンジェル』からの影響もあったとされ[3]、「女性版スパイ大作戦」とも表現されたことがある[2]。タイトルの「リブ」はウーマン・リブに由来する[3]。
当初、東京以外に香港、マニラ、ヨーロッパでも海外ロケを行う予定だったが、香港はエンディングテーマのみで、劇中ロケはシンガポールとタイのみだった。タイ編では同社製作の『闘え!ドラゴン』(倉田保昭主演)にも出演していたヤン・スエがゲスト出演。彼は翌年以降、倉田がレギュラー出演した『Gメン'75』の香港、マカオロケ編の常連出演者となる。画面上に日本語訳台詞の字幕スーパーが頻繁に出る[2]ほど外国語を多用するドラマのため、キャスト選定については語学力を考慮したという[4]。
プロデューサーの田村正蔵は、女優と海外ロケで予算をかけすぎ、さらにキャセイパシフィック航空とタイアップしていたにもかかわらず飛行機が落ちるシーンを入れたため残りの予算が入らなかったと証言している[3]。
従来、関西テレビの同時間帯は小西酒造提供による『わが母は聖母なりき』などの文芸作品や、前番組の『お耳役秘帳』など時代劇が放送されたが、広告費削減の問題から小西酒造がスポンサーを降板することになり、新規参入した化粧品メーカーの意向に沿うようにアクションやファッションを取り入れ、若者のセンスに合うようにプロデューサーも若手を起用した[6]。なお、第1話放送当日の『日刊スポーツ』に掲載された本作の広告にはキスミー化粧品など複数社提供と明記されている[7]。
2クール(半年)の予定だったが第1話の視聴率が関東で9・1パーセントとなる[6]なと低迷したため、13話で打ち切りとなった[8]。宣弘社の3代目社長の小林隆吉は、「凝りすぎてイメージとはだいぶ違うものになった」と述べている[9]。スタッフ・キャストの多くは次番組『事件(秘)お料理法』へ引き継がれたが、実制作は本作品でも監督を務めた外山徹が率いるSMCに替わったため、本作品が宣弘社の事実上の最終作品である[9][8]。
TCエンタテインメントより2014年12月24日に3枚組のDVD-BOX、2018年7月27日に2枚組のBlu-ray BOXが発売された。
スタッフ
キャスト
- 南條亜紀〈32〉
- 演 - 野際陽子
- 東京大学法科卒。英語、フランス語が堪能。任務を遂行するためには非情になるが、部下からの信頼は厚い[2]。
- 立花雅子〈25〉
- 演 - ジュディ・オング
- メカ、機械に強く英語、フランス語、中国語が堪能。自動車、飛行機、船舶のライセンスを持ち、乗馬もこなす。銃器関係扱いの担当も多い。性格は大胆な一方で冷静沈着[2]。
- 芹沢マリ(ジプシー・マリ)〈年齢不詳〉
- 演 - 前田美波里
- 全ての占いに精通し、新宿で小さな占い所を経営している、正体不明の美女。奇術の天才で、直感力に優れている[2]。
- 岡野れいこ〈22〉
- 演 - 牧れい
- 普段はアクセサリー店を経営。元スケバンということで喧嘩っ早く、度胸がある。武器は腰に巻き付けている鎖[2]。
- 安西竜子〈20〉
- 演 - 毬杏奴
- スタントマンをやりながら、将来のスターを夢見ている。身のこなしはすばしっこく、お人好しな人情家[2]。
- 姉小路由紀絵〈27〉
- 演 - 山内えみ子
- 普段はスタンドバーのママ。元華族のために自分の家系に誇りを持っているが、その反面、性的には自由奔放。作中では一人だけヌードシーンも見せたお色気要員[2]。
- ミッチー・浜田〈16〉
- 演 - ミッチー・ラブ
- 日米ハーフ。母親は横須賀でバーを経営。中国武術・拳法の達人でヌンチャクを武器として使う。性格は明るく素直[2]。
主題歌
- 作詞:島武実、作曲:宇崎竜童、編曲:山本幸三郎、唄:植田ひとみ
- 発売:東芝EMI株式会社 ETP-10104
放送リスト
放送局
特記の無い限り全て放送時間は火曜 22:00 - 22:54、同時ネット。
脚注
注釈
- ^ 東芝EMI株式会社が発売した当時のシングル盤(ETP-10104)では、B面に収録。
- ^ 東芝EMIが発売した当時のシングル盤(ETP-10104)では、A面に収録。
出典
- ^ 『朝日新聞』1976年10月5日 - 1976年12月28日付朝刊、テレビ欄。
- ^ a b c d e f g h i j 宣弘社創立80周年記念『宣弘社全仕事完全版 蘇る!伝説の昭和特撮ヒーロー』(コスミック出版、2021年9月10日発行)p.122 - 124 本作の特集ページ
- ^ a b c d 石橋春海 2014, pp. 101–103, 「1976 コードナンバー108 7人のリブ」
- ^ 週刊TVガイド 1976年10月8日号(53ページ)での本作の紹介記事より。
- ^ a b 『朝日新聞』1976年10月12日付夕刊7面。「ああ視聴率 信条変え? お色気活劇」
- ^ 『日刊スポーツ』1976年10月5日付2面、本作広告。
- ^ a b 宣弘社フォトニクル 2015, pp. 54–55, 「七人のリブ」
- ^ a b 石橋春海 2014, p. 113, 「インタビュー 小林隆吉 宣弘社代表取締役」
- ^ 『北海道新聞』1976年12月各日朝刊テレビ欄
- ^ 『秋田魁新報』1976年12月各日朝刊テレビ欄
- ^ 『日刊スポーツ』1976年10月28日 - 1977年1月20日付テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1976年10月5日 - 12月28日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1976年10月24日 - 1977年1月30日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『日刊スポーツ』 1976年10月17日 - 1977年1月16日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『日刊スポーツ』1976年10月5日付テレビ欄。
- ^ 『日刊スポーツ』1976年10月5日 - 12月28日付朝刊、テレビ欄。
- ^ a b c 『北國新聞』1976年10月5日付朝刊テレビ欄。
- ^ 『中日新聞』1976年12月各日朝刊テレビ欄
- ^ 『山陰中央新報』1976年12月各日朝刊テレビ欄
- ^ 当時は岡山県のみの県域局であり、当時火曜22時枠は香川県のみの県域局であった瀬戸内海放送と共に『プロポーズ大作戦』を同時ネット(『山陽新聞』1977年3月各日朝刊テレビ欄)
- ^ 『山陽新聞』1976年12月各日朝刊テレビ欄
- ^ 『愛媛新聞』1976年12月各日朝刊テレビ欄
- ^ 『高知新聞』1976年12月各日朝刊テレビ欄
- ^ a b 『西日本新聞』1976年12月各日朝刊テレビ欄
- ^ a b 『熊本日日新聞』1976年12月各日朝刊テレビ欄
- ^ 『宮崎日日新聞』1976年12月各日朝刊テレビ欄
参考文献
外部リンク
関西テレビ 火曜日22:00 - 22:54 |
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コードナンバー108 7人のリブ (1976.10.5 - 12.28)
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