鈴木 環那(すずき かんな、1987年11月5日[1] - )は、日本将棋連盟所属の女流棋士。原田泰夫九段門下[1]。女流棋士番号は29[1](2011年3月31日までは53)。千葉県富津市出身[1]。
棋歴
1997年10月に女流育成会に入会。その後、Aクラスにおいて指し分けに近い成績で何期か足踏みした後、2002年度前期で2位以下に大差をつける12勝3敗の成績で1位となり、14歳で女流プロ棋士となる[2]。
2008年1月16日、第1期マイナビ女子オープン2回戦で、斎田晴子(前年度倉敷藤花)を破ってベスト4に進出。自身初の本戦シード権を獲得したが、準決勝(2008年2月7日)で鈴木と初手合の矢内理絵子女流名人(当時)に敗れ、決勝五番勝負には進出できなかった。3月10日には、第30期女流王将戦準決勝で岩根忍を破って挑戦者決定戦に進出したが、挑戦者決定戦(2008年4月9日)で再度矢内に敗れた。なお、矢内とのこの2局は相矢倉の将棋となり、鈴木の36手目までは全く同じ手順であった。
2008年2月29日、第19期女流王位戦の予選決勝で中井広恵(クイーン名人)を破り初の挑戦者決定リーグ入り。なお、2007年度は以上のような活躍で、対局数不足で公式記録ではないものの、勝率は全女流棋士中1位(0.8333、15勝3敗)となった[注 1]。
第35期女流名人位戦では、2008年3月に行われた予選を勝ち抜き4期ぶりにB級リーグ入りしたが、リーグでは4勝5敗の成績ながらも陥落した。
第6期マイナビ女子オープンで快進撃を続け、挑戦者決定戦まで進んだが、2013年3月4日、里見香奈に敗れ[3]、タイトル戦初出場はならなかった。
2017年の第3回女子将棋YAMADAチャレンジ杯では、最後の出場機会ながら決勝まで勝ち上がるものの、決勝で石本さくらに敗れて自身の公式戦初優勝はならず、準優勝[4]。
2021年の第3期大成建設杯清麗戦では2回戦で野原未蘭に敗れるも、2回戦敗者再挑戦トーナメントを勝ち抜き本戦入り。
本戦準決勝で中井広恵に勝利し8年ぶりに挑戦者決定戦に進出するも、加藤桃子に敗れタイトル戦出場を逃した[5]。
2021年から新設されたヒューリック杯白玲戦・女流順位戦の第1期順位決定リーグ戦でG組2位となり、その後各組同順位者が出場する順位決定トーナメント(9~16位)において優勝。
第2期女流順位戦でのA級入りを決めた。
人物
- 原田泰夫一門最後の門下生。週末には原田邸に通い、1日に先後3局ずつ指し指導を受けた[6]。
- 将棋指しになったのは、プロになりたかった実父の影響で小学校3年生の終わり頃から始めた。27歳の時に実父が他界したことを「いちばん苦しかった時期」と語っている[7] 。
- 居飛車党で、相居飛車では雁木・矢倉、対抗型では居飛車穴熊といった戦法を得意とする。師匠の原田への憧れから、正統派の居飛車党になりたいと思ったという[6]。
- 2008年、中戸賞奨励賞(第30期女流王将戦での活躍)[8][9]
- 2011年10月1日、日本将棋連盟東北統括副本部長(東北普及部長)に就任。
- 2012年3月、島朗九段と、やまがた特命観光・つや姫大使に就任。任期は三年[10]。また、あったかふくしま観光交流大使にも就任している[10]。
- 2014年度より2年間、NHK杯テレビ将棋トーナメントの棋譜読み上げを担当し、2022年度より司会に就任した。
- テレビ中継で聞き手を多く務めることからアナウンススクールに通った経験があり[11]、司会経験も多い。モットーは対局と普及の両立[12]。AbemaTVトーナメント中継では事前にストップウォッチで秒数を計りトークの長さを決めていた[11]。また英語も堪能である[7]。(2019年9月、アメリカ合衆国に短期留学[13]。)
- 2020年よりYouTubeでの活動にも力を入れている。『森内俊之の森内チャンネル』では番組アシスタントを務めており、チャンネル内では『鈴木環那 タイトル戦への道』と題した鈴木メインの企画も行われている。また、2021年4月には室谷由紀とともに『むろかんなチャンネル』を開設し、将棋ウォーズ実況やトーク・他YouTuberとのコラボ[注 2]等幅広い活動を行っている。
- 2020年8月、『森内俊之の森内チャンネル』にて、2年ほど前に母が島朗と再婚して島が義父になったことを発表。島には小学生の頃から世話になっており、師匠のような存在だったという[14]。
略歴
主な成績
公式戦
非公式戦
表彰
- 2008年 中戸賞奨励賞(第30期女流王将戦における抜群の活躍により[18])
主なテレビ出演
脚注
注釈
- ^ 公式記録としては対局数20局以上が必要なため、2007年度の公式の女流棋士勝率1位は矢内理絵子(0.8261、19勝4敗)
- ^ 中村太地、戸辺誠、藤森哲也といった棋士だけでなく、ヨビノリたくみや高橋茂雄(サバンナ)など、様々なYoutuberとコラボしている。
出典
関連項目
外部リンク
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タイトル保持者 【4名】 |
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永世称号 有資格者 |
- 女流七段 清水市代(クイーン名人・クイーン王位・クイーン王将・クイーン倉敷藤花)
- 女流六段 中井広恵(クイーン名人)
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女流五段 【 2名】 | |
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女流四段 【 9名】 | |
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女流三段 【 9名】 | |
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女流二段 【21名】 | |
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女流初段 【19名】 | |
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女流1級 【 9名】 | |
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女流2級 【 7名】 | |
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現役女流棋士 全80名(2024年7月13日時点)/ △は2024年度の昇段 詳細は将棋の女流棋士一覧を参照。 / 引退者については「Template:将棋の引退女流棋士」を参照。 |
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白玲 | |
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A級 | |
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D級 | |
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次期参加 | |
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休場 | |
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数字は順位 / 名前横の「休」は今期休場者 / D級の「*」は降級点の数(3つで女流順位戦の参加資格を失う) 「次期参加」は組み合わせ抽選基準日以降にプロ入りした女流棋士(当期は未参加) / 「休場」は第1期からの休場者(棋戦未参加) |