谷部()は、漢字を部首により分類したグループの一つ。
康熙字典214部首では150番目に置かれる(7画の4番目、酉集の4番目)。
概要
「谷」字は山と山の間の狭道あるいは川を意味する。
『説文解字』は穴から水が半分ほど湧き出している様子とするが、古文字の研究から下部の「口」は両側から山がせまった渓谷の入り口であり、上部の2つの「八」は谷口から平野部に水が流れ込む様子に象るともされる。
また「谷」字は深い穴や鍼灸の穴位を意味したり、「穀」に通じて穀物を意味したりする。
さらに形容詞としては苦境に陥るさまを表しており、和訓では「きわまる」と読まれ、「進退、維(こ)れ谷(きわ)まる」(詩経・大雅・桑柔篇)という熟語として知られる。
偏旁の意符としては山谷に関することを示す。また声符としては「欲」(ヨク)「俗」(ゾク)といった字の音を表している。
谷部は上記のような意符を構成要素に持つ漢字を収める。
篆書や古い楷書では3・4画目も1・2画目と同じく「八」のように間を空けて書かれていたが、現在はくっつけて「人」形で書かれることが多い。また中国で「谷」字は「穀」の簡体字としても用いられている。
部首の通称
- 日本:たに
- 韓国:골곡부(gol gok bu、たにの谷部)
- 英米:Radical valley
部首字
谷
例字