攴部(ぼくぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。
康熙字典214部首では66番目に置かれる(4画の6番目)。
概要
攴部には「攴」や「攵」を筆画の一部として持つ漢字を分類している。
単独の「攴」という文字は棒状のものを持った手を象る象形文字である[1][2][3]。「攴」は意符として、攻撃、叩き、動作に関することを示す。
楷書では通常、「攴」ではなく「攵」という形で書かれる。なお日本の新字体では「攵」を「力」や「又」に改めた字がある。ただし「敲」などごく一部の漢字は「攴」のまま使われている。
「攵」(ごく一部の漢字では「攴」)は通常旁の位置に置かれる。日本語では「ぼくにょう」(または転訛して「ぼんにょう」とも)という呼称もあるが、実際に「攴」「攵」が繞の位置に来る文字は少なくとも2024年現在Unicodeに収録されている漢字では皆無である。よって「ぼくづくり」の方が実態に合っている。
部首の通称
- 日本:ぼくづくり,ぼくにょう,ぼんにょう(ぼくにょうの転訛)、のぶん(ノと文),しぶん(「支」と「文」の中間から),とまた(「トと又」から)
- 中国:反文旁(特に「攵」)、缺支(特に「攴」)
- 韓国:칠복부(chil bok bu、うつ攴部)
- 英米:Radical rap
部首字
攴
例字
脚注
- ^ 裘錫圭 (1988), 文字学概要, 北京: 商務印書館, p. 126, ISBN 7-100-00413-6
- ^ 季旭昇 (2014), 説文新証, 台北: 芸文印書館, pp. 238–9, ISBN 978-957-520-168-5
- ^ 林志強等 (2017), 《文源》評注, 北京: 中国社会科学出版社, p. 274, ISBN 978-7-5203-0419-1