東海ステークス(とうかいステークス)は、日本中央競馬会(JRA)が中京競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GII)である。競馬番組表上の名称は「東海テレビ杯 東海ステークス(とうかいテレビはい とうかいステークス)」と表記している[3]。
寄贈賞を提供する東海テレビ放送は、名古屋市に本社を置き東海3県でフジテレビ系列の放送を行うテレビ局[5]。中京競馬場で開催が行われる日には『KEIBA BEAT』を自社制作で放送している。
正賞は東海テレビ杯、地方競馬全国協会理事長賞[2][3]。
概要
1984年に創設された4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走「ウインターステークス(GIII)」が本競走の前身[6][7]。1997年にGIIへ格上げされる際に、それまでGII金鯱賞に掛けられていた東海テレビの寄贈賞が本レースに振り替えられて「東海テレビ杯 東海ウインターステークス(とうかいテレビはい とうかいウインターステークス)」と改称[6][7]。2000年には当時ダートのオープン特別として夏季→春季に行われていた「東海ステークス」と統合され、施行時期を5月に移行のうえ名称も現名称となった[6][7](ただし、2012年のみ「東海テレビ杯」がプロキオンステークスに移動したため、単に「東海ステークス」の名称で行われた[6])。2013年に年間を通じたダート路線におけるローテーションが見直された際、1月開催に変更され現在に至る[6]。
なお、本競走名に付く「東海」の意味については、東海地方を意味する、また東海道から取られた、あるいは古代中国から伝わった賀詞の一節から取ったなど、諸説ある。
施行距離は創設当初ダート2200mだったが、1990年にはダート2300mに延長[6](小倉競馬場で行われた1999年はダート2400mで行われていた)。京都競馬場で行われた2010年 - 2012年はダート1900mで行われ[6]、2013年からはダート1800mに変更された[6]。これにより「フェブラリーステークス」へ向けたステップレースとしての性格が強まり[6]、2014年からは本競走の1着馬にフェブラリーステークスの優先出走権が付与されるようになった[6]。しかし2025年より開催時期を7月に移行し、格付けもGIIIに、距離もそれぞれダート1400mに変更される(実際は2023年まで中京競馬場同距離で行われたプロキオンステークスとの入れ替えである)。
外国産馬は1989年から、地方競馬所属馬は1996年からそれぞれ出走可能になった[6]ほか、2006年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[6]。
中央競馬で行われるダートグレード競走の中で、唯一のGII格付けである。
競走条件
以下の内容は、2024年[2][3]のもの。
出走資格:サラ系4歳以上
- JRA所属馬
- 地方競馬所属馬(4頭まで)
- 外国調教馬(優先出走)
負担重量:別定
- 4歳55kg、5歳以上56kg、牝馬2kg減
- 2023年1月21日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増4
- 2023年1月20日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増(2歳時の成績を除く)
賞金
2024年の1着賞金は5500万円で、以下2着2200万円、3着1400万円、4着830万円、5着550万円[2][3]。
歴史
- 1984年 - 4歳以上の馬による重賞競走(GIII[注 1])として「ウインターステークス」の名称で創設、中京競馬場のダート2200mで施行[6]。
- 1985年 - 全国指定交流競走に指定。
- 1987年 - 施行日を愛知杯と交換。
- 1989年 - 混合競走に指定され、外国産馬が出走可能になる[8]。
- 1996年 - 特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能となる[8]。
- 1997年
- 1999年 - この年に限り小倉競馬場のダート2400mで施行。
- 2000年 - 名称を「東海テレビ杯 東海ステークス」に変更[6]。
- 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、競走条件を「3歳以上」に変更[8]。
- 2006年
- 国際競走に変更され、外国調教馬は4頭まで出走可能となる[9]。
- 地方競馬所属馬の出走枠を4頭に変更[9]。
- 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が8頭に拡大[10]。
- 2010年 - 中京競馬場の改修のため、この年から2012年までは京都競馬場1900mに条件を変更して施行。
- 2012年 - 競走条件を「4歳以上」に変更[6]。
- 2013年 - 平安ステークスと時期を入れ替え、同時に中京競馬場での施行に戻る(距離は1800mに短縮)。
- 2014年 - この年から本競走の1着馬にフェブラリーステークスへの優先出走権を付与[6]。
- 2020年 - 京都競馬場整備工事に伴う開催日割の変更のため京都競馬場で施行[11]。
- 2021年 - 新型コロナウイルス感染拡大防止のため「無観客競馬」として実施[12]。
- 2024年 - 阪神競馬場スタンドリフレッシュ工事に伴う開催日割の変更のため京都競馬場で施行[13]。
- 2025年
- グレード格付けをGIIIに降格予定。
- 施行時期を7月に変更の上、出走条件を3歳以上、施行距離をダート1400mにそれぞれ変更予定(実質はプロキオンステークスとの条件変更となる)。
- 正賞の東海テレビ杯が外れ、金鯱賞へ移動する。
歴代優勝馬
距離はすべてダートコース。
優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。
競走名は第13回まで「ウインターステークス」、第14回から第16回は「東海ウインターステークス」、第17回以降は「東海ステークス」[8][6]。
東海ステークスの記録
レースレコード - 1:49.2(第38回優勝馬 オーヴェルニュ)
同名の競走
前述の通り、2000年に「ウインターステークス」が「東海ステークス」と名称変更のうえ統合されたが、1999年までは「東海ステークス」という名称の特別競走が別に中京競馬場で行われていた[14]。
出典で確認できる1986年から1989年までは準オープンクラス(1400万下)の競走として芝で行われ、1991年よりオープンに変更後はダート1700mで行われていた[14]。1993年は中京競馬場の改修工事によるスケジュールの都合で開催されなかった。
優勝馬
施行日 |
競馬場 |
距離 |
条件 |
優勝馬 |
性齢 |
タイム |
優勝騎手 |
管理調教師 |
馬主
|
1986年6月15日 |
中京 |
芝1800m |
1400万下 |
ホワイトルーパス |
牝6 |
1:49.3 |
梅野信一 |
清田十一 |
井門敏雄
|
1987年7月11日 |
中京 |
芝1800m |
1400万下 |
キーストンコール |
牡5 |
1:48.4 |
小迫次男 |
矢野照正 |
志村勝男
|
1988年7月9日 |
中京 |
芝1800m |
1400万下 |
タマモリック |
牝6 |
1:47.9 |
南井克巳 |
吉永忍 |
タマモ
|
1989年7月8日 |
中京 |
芝1800m |
1400万下 |
ホウエイソブリン |
牡6 |
1:47.6 |
武豊 |
目野哲也 |
北川末次
|
1991年6月29日 |
中京 |
ダート1700m |
オープン |
ワンモアニードユー |
牡5 |
1:44.2 |
角田晃一 |
渡辺栄 |
松井一三
|
1992年7月4日 |
中京 |
ダート1700m |
オープン |
ヘイセイシルバー |
牡4 |
1:43.5 |
安藤賢一 |
大根田裕也 |
加藤章
|
1994年7月3日 |
中京 |
ダート1700m |
オープン |
プロストライン |
牡5 |
1:45.5 |
竹原啓二 |
松山康久 |
社台レースホース
|
1995年7月2日 |
中京 |
ダート1700m |
オープン |
チアズアトム |
牡6 |
1:43.5 |
本田優 |
星川薫 |
北村キヨ子
|
1996年6月2日 |
中京 |
ダート1700m |
オープン |
スピードアイリス |
牝5 |
1:45.3 |
福永祐一 |
森秀行 |
市川不動産
|
1997年6月8日 |
中京 |
ダート1700m |
オープン |
エムアイブラン |
牡5 |
1:44.8 |
小池隆生 |
伊藤修司 |
稲美豊
|
1998年6月14日 |
中京 |
ダート1700m |
オープン |
パーソナリティワン |
牡4 |
1:44.3 |
徳吉孝士 |
久恒久夫 |
宗像進
|
1999年6月13日 |
中京 |
ダート1700m |
オープン |
キョウトシチー |
牡8 |
1:45.1 |
安藤勝己 |
中尾謙太郎 |
友駿ホースクラブ
|
脚注
注釈
- ^ a b 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。
出典
各回競走結果の出典
- 「東海ステークス(GII)」『中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】』日本中央競馬会、2006年、791-823頁。 第1回 - 第22回
- JRA年度別全成績
- (2024年)“第1回 京都競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2024年1月22日閲覧。(索引番号:01083)
- (2023年)“第1回 中京競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2023年2月12日閲覧。(索引番号:01095)
- (2022年)“第1回 中京競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2022年1月28日閲覧。(索引番号:01095)
- (2021年)“第1回 中京競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2021年1月25日閲覧。(索引番号:01095)
- (2020年)“第1回 京都競馬 第9日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2020年1月27日閲覧。(索引番号:01107)
- (2019年)“第1回 中京競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2020年1月27日閲覧。(索引番号:02023)
- (2018年)“第1回 中京競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2018年1月22日閲覧。(索引番号:02047)
- (2017年)“第1回 中京競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2017年1月23日閲覧。(索引番号:02047)
- (2016年)“第1回 中京競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年1月25日閲覧。(索引番号:02047)
- (2015年)“第1回 中京競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:02047)
- (2014年)“第1回 中京競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:02047)
- (2013年)“第1回 中京競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:02023)
- (2012年)“第3回 京都競馬 第9日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:12107)
- (2011年)“第3回 京都競馬 第10日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:12119)
- (2010年)“第4回 京都競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 10. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:15022)
- (2009年)“第2回 中京競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 10. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:16022)
- (2008年)“第2回 中京競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:15023)
- (2007年)“第2回 中京競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:15023)
- (2006年)“第2回 中京競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:15023)
- (2005年)“第2回 中京競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 1683-1684. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:15023)
- (2004年)“第2回 中京競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 1682-1683. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:15023)
- (2003年)“第2回 中京競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 1670-1671. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:15023)
- (2002年)“第2回 中京競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 1523-1524. 2016年1月19日閲覧。(索引番号:14023)
- netkeiba.comより(最新閲覧日:2024年1月22日)
- ウインターステークス
- 東海ウインターステークス
- 東海ステークス
- 東海ステークス(1400万下・オープン)
外部リンク
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