セントウルステークスは、日本中央競馬会(JRA)が阪神競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GII)である。競馬番組表での名称は「産経賞セントウルステークス」と表記される[1]。
競走名の「セントウル」は、ギリシャ神話に登場するケンタウロスのこと。阪神競馬場のセントウルガーデン内にセントウルの像があり、同競馬場のシンボルともなっている[5]。
寄贈賞を提供している産業経済新聞社は、東京と大阪に本社を置く新聞社。
正賞は産経新聞社賞[1]。
概要
1987年に創設された、4歳(現3歳)以上の競走馬による重賞競走[6]。創設当初の施行距離は芝1400mだったが、2000年より芝1200mに短縮され、スプリンターズステークスの重要な前哨戦に位置づけられた[6]。1989年より外国産馬が、1995年より地方競馬所属馬がそれぞれ出走可能になったほか、2005年より外国馬も出走可能になった[6]。格付けは創設当初GIII[注 1]だったが、2006年よりGII[注 1]に格上げ[6]。2007年より日本のパートI国昇格に伴い、国際格付けとなっている。
2006年より創設されたサマースプリントシリーズの最終戦に指定された[6]。本競走の優勝馬からはシーイズトウショウ(2006年)、サンアディユ(2007年)、カノヤザクラ(2008年)、エーシンヴァーゴウ(2011年)、ハクサンムーン(2013年)、リトルゲルダ(2014年[7])、タワーオブロンドン(2019年)がシリーズのチャンピオンとなった[6]。また、2005年から2010年まではグローバル・スプリント・チャレンジにも組み込まれていた[6]。
2014年から、本競走の優勝馬にスプリンターズステークスの優先出走権が与えられるようになった[6]。
競走条件
以下の内容は、2023年現在[1][2][8]のもの。
出走資格:サラ系3歳以上
- JRA所属馬(未出走馬および未勝利馬を除く)
- 地方競馬所属馬(後述)
- 外国調教馬(優先出走)
負担重量:別定
- 3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減
- 2022年9月10日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増
- 2022年9月9日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増(ただし2歳時の成績を除く)
スプリンターズステークスのステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬はスプリンターズステークスの出走候補馬(3頭まで)に優先出走が認められている。また、本競走で2着以内の成績を収めた地方競馬所属馬はスプリンターズステークスの優先出走権が与えられる[9][10]。
賞金
2023年の1着賞金は5900万円で、以下2着2400万円、3着1500万円、4着890万円、5着590万円[2][1]。
歴史
- 1987年 - 4歳(現3歳)以上の競走馬による重賞競走(GIII[注 1])として創設、阪神競馬場の芝1400mで施行。
- 1989年 - 混合競走に指定。
- 1995年 - 指定交流競走に指定され、地方所属馬は3頭まで出走可能となる[11]。
- 2000年 - 施行距離を芝内回り1200mに変更。
- 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「4歳以上」から「3歳以上」に変更。
- 2002年 - 負担重量を変更。
- 2005年
- 混合競走から国際競走に変更され、外国調教馬は4頭まで出走可能となる[11]。
- グローバル・スプリント・チャレンジに参加、第5戦に組み込まれる(2010年まで)[11]。
- 2006年
- GII[注 1]に格上げ。
- サマースプリントシリーズの最終戦に組み込まれる[6]。
- 2007年
- 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が8頭に拡大[12]。
- 馬インフルエンザの影響により、中央競馬所属馬のみで施行。
- 2014年 - この年から本競走の1着馬にスプリンターズステークスへの優先出走権を付与[6]。
- 2017年 - 大阪杯のGI昇格に伴い、それまで大阪杯に出されていた産経新聞社の寄贈賞が振り替えられ、名称を「産経賞セントウルステークス」に変更[13]。
- 2020年
- 2024年 ー 阪神競馬場リフレッシュ工事に伴う開催日割の変更のため中京競馬場で施行[16]。このため、出走可能頭数が18頭に変更される。
歴代優勝馬
優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。
コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。
1986年までのセントウルステークス
現在の重賞競走が創設される以前、1986年まで同名の特別競走が行われていた。ただし、JRAではこれらの競走を前身としていない。
- 1960年 - 4歳(現3歳)以上の競走馬による条件特別競走として、阪神競馬場の芝2000mで施行。
- 1970年 - オープン特別競走に昇格。
- 1976年 - 条件特別競走に降格。
- 1978年 - オープン特別競走に再び昇格。
- 1979年 - 条件特別競走に再び降格。
- 1984年 - オープン特別競走に再び昇格。
1986年までの優勝馬
- 施行距離
-
- 1960年・1962年 - 1963年・1966年 - 1968年:芝2000m、1961年・1964年:芝1800m、1970年:芝1900m、1971年 - 1980年:芝1600m、1981年 - 1983年:芝2000m、1984年 - 1986年:芝2200m
施行日 |
優勝馬 |
性齢 |
タイム |
優勝騎手 |
管理調教師
|
1960年10月23日 |
タイカン |
牝3 |
|
清田十一 |
伊藤勝吉
|
1961年12月3日 |
ブゼンコウシユン |
牡4 |
|
高尾武士 |
田中好雄
|
1962年12月9日 |
シンハツヒカリ |
牡3 |
|
|
|
1963年12月15日 |
トキカゼ |
牡4 |
|
|
|
1964年12月27日 |
ガルカチドリ |
牡3 |
|
北橋修二 |
松元正雄
|
1965年12月26日 |
シシオー |
牡3 |
|
|
|
1966年12月11日 |
キリハク |
牝3 |
|
高橋成忠 |
上田三千夫
|
1967年12月3日 |
ハヤシロ |
牡3 |
|
福永甲 |
田之上勲
|
1968年12月8日 |
ハードオンワード |
牡3 |
2:04.8 |
武田博 |
武田文吾
|
1969年 |
小倉大賞典を参照
|
1970年12月12日 |
ケイタカシ |
牡5 |
1:56.0 |
池江泰郎 |
浅見国一
|
1971年12月11日 |
シバクサ |
牡3 |
1:35.8 |
高崎詠三郎 |
橋本正晴
|
1972年12月9日 |
ファストバンブー |
牡5 |
1:36.1 |
福永洋一 |
伊藤修司
|
1973年12月8日 |
ホウシュウエイト |
牡3 |
1:35.5 |
武邦彦 |
日迫清
|
1974年12月1日 |
ランドグレース |
牡3 |
1:34.9 |
福永洋一 |
松井麻之助
|
1975年11月30日 |
ケイリュウシンゲキ |
牝5 |
1:36.2 |
伊藤清章 |
伊藤修司
|
1976年12月5日 |
ホクトボーイ |
牡3 |
1:36.1 |
久保敏文 |
久保道雄
|
1977年12月4日 |
キングラナーク |
牡4 |
1:35.3 |
岩元市三 |
布施正
|
1978年12月3日 |
ヤマニンミノル |
牡3 |
1:36.4 |
田原成貴 |
浅見国一
|
1979年12月1日 |
バンブトンフィリー |
牝3 |
1:35.3 |
吉永良人 |
伊藤修司
|
1980年10月11日 |
マツノリード |
牝3 |
|
本田優 |
星川薫
|
1981年11月29日 |
クニノカチドキ |
牡3 |
2:01.4 |
田原成貴 |
安藤正敏
|
1982年12月12日 |
ハンキイナリ |
牡6 |
2:03.9 |
加用正 |
大沢真
|
1983年12月11日 |
キタヤマツバキ |
牡3 |
2:01.3 |
小島貞博 |
戸山為夫
|
1984年12月16日 |
パワーホーラー |
牡3 |
2:13.4 |
西浦勝一 |
荻野光男
|
1985年12月21日 |
シンブラウン |
牡5 |
2:15.2 |
岩元市三 |
布施正
|
1986年12月20日 |
スピードヒーロー |
牡4 |
2:15.6 |
河内洋 |
崎山博樹
|
外国調教馬の成績
脚注・出典
参考文献
- 「セントウルステークス(GII)」『中央競馬全重賞競走成績集 【古馬関西編】』日本中央競馬会、2006年、1171-1202頁。
注釈
- ^ a b c d 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。
出典
各回競走結果の出典
- JRA年度別全成績
- (2024年)“第3回 中京競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2024年9月9日閲覧。(索引番号:26023)
- (2023年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2023年9月11日閲覧。(索引番号:26023)
- (2022年)“第5回 中京競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2022年9月18日閲覧。(索引番号:26023)
- (2021年)“第5回 中京競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2021年9月16日閲覧。(索引番号:26023)
- (2020年)“第2回 中京競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2021年6月6日閲覧。(索引番号:26023)
- (2019年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2020年9月6日閲覧。(索引番号:26023)
- (2018年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2020年9月6日閲覧。(索引番号:26023)
- (2017年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2017年9月11日閲覧。(索引番号:26023)
- (2016年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年9月12日閲覧。(索引番号:26023)
- (2015年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2015年9月14日閲覧。(索引番号:26023)
- (2014年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:26023)
- (2013年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:26023)
- (2012年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:26023)
- (2011年)“第5回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:28023)
- (2010年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 10. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:27022)
- (2009年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 10. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:26022)
- (2008年)“第4回 阪神競馬 第1日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 10. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:27010)
- (2007年)“第4回 阪神競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:27023)
- (2006年)“第3回 中京競馬 第2日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:27023)
- (2005年)“第4回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 2981-2982. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:27023)
- (2004年)“第4回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 2955-2956. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:27023)
- (2003年)“第4回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 2968-2969. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:27023)
- (2002年)“第4回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 2821-2822. 2015年9月7日閲覧。(索引番号:27023)
- netkeiba.comより(最終閲覧日:2024年9月9日)
関連項目
外部リンク
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