スコット・アンドリュー・スピード(Scott Andrew Speed, 1983年1月24日 – )は、アメリカ合衆国出身の自動車レーサーであり、2006年にデビューした元F1ドライバー。現在は、ラリークロスドライバーである。
特定疾患(いわゆる難病)に認定されている潰瘍性大腸炎と戦いながら、F1のシートを獲得しており、同疾患・難病と戦う多くの人々に勇気を与えた。
略歴
1983年にアメリカ合衆国、カリフォルニア州のマンテカにて生まれる。
1995年、12歳でカートを始め、2000年まで続けた。
2001年にフォーミュラレースに移り、アメリカのフォーミュラ・ラッセルシリーズに参戦、チャンピオンとなる。
2002年にアメリカのバーバー・ダッジ・ナショナルシリーズと同じくフォーミュラ・マツダ・シリーズに参戦。どちらのタイトルも獲得することはかなわなかったが、同年にレッドブルが催したアメリカにおけるドライバー・サーチプログラムでは1位となっており、これは後のキャリアへの布石となっている。
2003年は活動の舞台をイギリスに移しイギリスF3にADRチームから参戦。
2004年はユーロカップ・フォーミュラ・ルノーとドイツ・フォーミュラ・ルノーを制し、これにより翌年のGP2参戦の機会をつかんでいる。また、この年はヨーロッパの各選手権に参戦するかたわら、大西洋をまたにかけ、IRLのレッドブル・チーパー・チームでテストドライバーを担当してもいる。
2005年、GP2に参戦。前年iSportチームと交わした契約はナンバー2としてのものであったが、スピードはこれを覆し、シーズン中にナンバー1の座を得て、最終的にニコ・ロズベルグ、ヘイキ・コバライネンに次ぐランキング3位でシーズンを終えた。
2005年9月にはその年初めて開幕した2005年-2006年シーズンA1グランプリにアメリカ代表として最初の3戦だけ出場し、第3戦ポルトガルGPでは4位フィニッシュも果たす(チーム総合16位)。
また、この年はF1レッドブルチームのテストドライバーを務め、アメリカGPでは、サードドライバーに起用され金曜日のフリー走行に出走した。F1の公式セッションでアメリカ人ドライバーが走るのは、実に1993年イタリアGPのマイケル・アンドレッティ以来のことであった。秋には、レッドブルが買収したミナルディを改組して設立されたスクーデリア・トロ・ロッソで2006年からデビューすることが発表された。
2006年、F1デビューを果たす。第3戦オーストラリアGPでは8位でチェッカーを受けたが、黄旗区間でデビッド・クルサードを抜いたとしてレース後25秒加算のペナルティーを受け9位に降格となり、初入賞は幻となった。また、レース後の審議中にクルサードに暴言を吐いた。
2007年も引き続きトロ・ロッソに残留したが、チーム批判を繰り返すなどチーム首脳と対立し、第10戦ヨーロッパGP限りで解雇された。後任はBMWザウバーチームの第3ドライバーを務めていたセバスチャン・ベッテル。チームは解雇を発表したものの、その後も最終戦まで不測の事態に備えたリザーブドライバーとしてエントリーされ続けた。但し、レースチームへ帯同することは無かった。
2008年は、活動の舞台をアメリカに戻し、ストックカー選手権の1つであるARCAにレッドブルがメインスポンサーとなっている、エディー・シャープ・レーシングから出場、カンザス・スピードウェイで行われた第4戦で優勝を飾った。同年NASCAR最高峰のスプリントカップシリーズにもシーズン途中から参戦している。
2014年から2018年まで、アンドレッティ・オートスポーツのラリークロス部門に所属し、フォルクスワーゲン・ポロとフォルクスワーゲン・ビートルを運転した。タナー・ファウストとチームメイトだった。
2018年11月1日、自身のInstagramにて、スバル・ラリーチームUSAに移籍することを明らかにした。
2019年から『スバル・WRX STI VT19x』を運転している。チームメイトにはパトリック・サンデルとクリス・アトキンソンがいる。
2019年8月、ラリークロスの予選で彼のスバルWRX STI VT19x スーパーカーはジャンプから強い衝撃で着地し、その衝撃で第6胸椎など3つの脊椎骨が圧迫骨折する重傷を負った。[1]
レース戦績
GP2
F1
† リタイアしたが、レースの90%以上を完走したため完走扱い。
A1グランプリ
フォーミュラE
脚注
関連項目
外部リンク
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