2024年イギリスグランプリ(英: 2024 British Grand Prix、正式名称: Formula 1 Qatar Airways British Grand Prix 2024[1])は、2024年のF1世界選手権第12戦として、2024年7月7日にシルバーストン・サーキットで開催された。
背景
- タイヤ
- ピレリが持ち込んだドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C1、ミディアム(黄):C2、ソフト(赤):C3のハード寄りの組み合わせ[2][3]。
ピレリタイヤの組み合わせ
ドライ用
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ウェット用
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C1
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C2
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C3
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インターミディエイト
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フルウェット
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(ハード)
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(ミディアム)
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(ソフト)
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(小雨用)
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(大雨用)
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- DRS:2箇所[4]
- ※( )内は検知ポイント
- DRS1:ターン5より30m先から(ターン3より25m手前)
- DRS2:ターン14から(ターン11)
- 特別カラーリング
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- グリッド降格ペナルティ
- アルピーヌはピエール・ガスリーのパワーユニットのコンポーネントを交換することを決め、グリッド降格ペナルティを受ける[7]。
エントリー
- レギュラードライバー
- 前戦オーストリアGPから変更なし。
- フリープラクティスドライバー
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エントリーリスト
- 追記
- ^1 - ハジャーはFP1のみ、ペレスに代わって走行
- ^2 - ドゥーハンはFP1のみ、ガスリーに代わって走行
- ^3 - コラピントはFP1のみ、サージェントに代わって走行
- ^4 - ベアマンはFP1のみ、マグヌッセンに代わって走行
フリー走行
- FP1
- 2024年7月5日 12:30 BST(UTC+1) (特記のない出典: [13])
- 気温:16 °C (61 °F) 路面温度:22 °C (72 °F) 天候:曇 路面状況:ドライ
- セッション前に行われたFIA F3選手権とFIA F2選手権は降雨によりウェットコンディションで行われたが、FP1開始前に雨は止んで路面もドライコンディションになった。開始10分に角田裕毅がターン7(ルフィールド)でスピンを喫してグラベルに捕まり脱出できず、角田のマシンを回収するため8分間の赤旗中断となった[14]。セッション終盤にはオスカー・ピアストリが油圧系統のトラブルでパワーステアリングが動かずスローダウンし、惰性でピットレーンの入口まで戻ってきたがそこでストップしてしまい、ピットレーンが一時閉鎖された。トップタイムのランド・ノリスはソフトタイヤで、4番手のマックス・フェルスタッペンはミディアムタイヤでベストタイムを記録した。FP1のみ参加するオリバー・ベアマン(ハース)、アイザック・ハジャー(レッドブル)、ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)、フランコ・コラピント(ウィリアムズ)の4人は順調にコースを走行した。
- FP2
- 2024年7月5日 16:00 BST(UTC+1) (特記のない出典: [15])
- 気温:18 °C (64 °F) 路面温度:29 °C (84 °F) 天候:曇のち雨 路面状況:ドライ
- 雨予報が出ている中、FP2もドライコンディションでセッションがスタートしたが、終盤の残り5分で雨が降り出して事実上セッションは終了した。ノリスがFP1に続いてトップタイムを記録し、ピアストリが2番手とマクラーレン勢が1-2で初日を締めくくった。フェルスタッペンは7番手に終わったが、ベストタイムはFP1同様ミディアムタイヤによるもので、ソフトタイヤを履いた際にマシンの挙動を乱してコースオフしてしまい、ベストタイムを記録できなかった。
- FP3
- 2024年7月6日 11:30 BST(UTC+1) (特記のない出典: [16])
- 気温:10 °C (50 °F) 路面温度:16 °C (61 °F) 天候:曇のち雨 路面状況:ウェット
各セッションの順位
予選
2024年7月6日 15:00 BST(UTC+1) (特記のない出典: [20])
- 気温:13 °C (55 °F) 路面温度:23 °C (73 °F) 天候:曇一時雨 路面状況:ウェット
雨が降ったり止んだりのウェットコンディションという難しい状況の中、ジョージ・ラッセルがチームメイトのルイス・ハミルトンを抑えてF1キャリア3度目のポールポジションを獲得し、メルセデス勢が2021年サウジアラビアGP以来3年ぶりにフロントローを独占した[21]。ランド・ノリスがメルセデス勢に続く3番手で、母国グランプリを迎える3人のイギリス人がトップ3を独占した。イギリスGPにおけるイギリス人ドライバーの予選トップ3独占は1962年(エイントリー)のジム・クラーク、ジョン・サーティース、イネス・アイルランド(英語版)以来62年ぶりで、シルバーストンでは初の快挙となる[22][23]。
マックス・フェルスタッペンはQ1でスピンした際にフロアを壊したことが響いて4番手にとどまり、セルジオ・ペレスはQ1でコースアウトを喫してグラベルに捕まり、コースに復帰することができずQ1敗退となった。
予選結果
- 追記
- ^1 - ペレスはパルクフェルメ下でパワーユニットのコンポーネント(5基目のエンジン(ICE)、3基目のエナジーストア(ES) / コントロールエレクトロニクス(CE)、6基目のエキゾースト(EX)[注 2])を交換したためピットレーンスタート[27][28]
- ^2 - ガスリーはFP1開始前にパワーユニットのコンポーネント(5基目のエンジン(ICE) / ターボチャージャー(TC) / MGU-K / MGU-H、3基目のコントロールエレクトロニクス(CE)。いずれもグリッド降格対象)を交換し、降格グリッド数(50グリッド)が15を超えたため最後尾グリッドからのスタート[29][30]
- ^3 - ウェットコンディションで行われたため、107%ルールは適用されなかった[31][注 3]
決勝
2024年7月7日 15:00 BST(UTC+1) (特記のない出典: [32])
- 気温:16 °C (61 °F) 路面温度:33 °C (91 °F) 天候:曇一時雨 路面状況:ドライ一時ウェット
この日も天候に恵まれず、難しいコンディションで行われたレースをルイス・ハミルトンが制し、2021年サウジアラビアGP以来3年ぶりの勝利を母国グランプリで挙げた。また、翌年からはフェラーリへの移籍が決定しているため、メルセデスのドライバーとしては最後の母国グランプリとなった。
レース序盤はメルセデス勢がリードを築く中、18周目にハミルトンがジョージ・ラッセルをパスして首位に立ち、オスカー・ピアストリがマックス・フェルスタッペンを抜いて4位に浮上したことで、メルセデスPU勢による1-4体制が出来上がった。しかし、降り出してきた雨によりメルセデス勢が2台ともコースアウトしてしまうと、3-4位を走行していたマクラーレン勢がメルセデス勢を抜いていった。雨が強くなってきた27周目にランド・ノリスとメルセデス勢がインターミディエイトタイヤに交換する一方、ピアストリはステイアウトを選択して次の周でピットインするが、これが裏目に出て首位争いから脱落してしまった。
雨が止んで路面が徐々に乾いていき、各車がインターミディエイトタイヤのデグラデーションに苦しみだすようになる中、ラッセルに冷却系のトラブルが発生しピットに入るが、そのままリタイアとなった。38周目、ハミルトンはノリスより1周早くソフトタイヤに履き替え、アンダーカットに成功して首位の座を取り戻す。ハードタイヤで2人の後ろを追うフェルスタッペンがノリスに接近していき、47周目にノリスをオーバーテイクして2位に浮上する。フェルスタッペンはハミルトンにも徐々に迫っていったが、ハミルトンを追い抜くには至らなかった。
角田裕毅は10位入賞を果たし、第8戦モナコGP以来となるポイントを獲得した。
レース結果
- 追記
- 勝者ルイス・ハミルトンの平均速度[34]
- ファステストラップ[36][34]
- ラップリーダー[37]
- 太字は最多ラップリーダー
達成された主な記録
(特記のない出典: [38])
- ドライバー
第12戦終了時点のランキング
- ドライバーズ・チャンピオンシップ
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- コンストラクターズ・チャンピオンシップ
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脚注
注釈
- ^ ベアマンはパワーユニットの供給元であるフェラーリともリザーブドライバー契約を交わしており[10]、第2戦サウジアラビアGPのレース期間中に虫垂炎を患ったカルロス・サインツの代走を務め、7位入賞を果たしている。
- ^ ICE/ES/CEは年間最大基数(ICE/TC/MGU-K/MGU-Hは4基、ES/CEは2基、EXは8基)を超えたためグリッド降格の対象となるが、パルクフェルメ下の交換であるためピットレーンスタートとなる。
- ^ 競技規則の39.4項 b) i)「Q1またはSQ1で敗退し、セッションのベストラップがそのセッションで達成された最速タイムの107%を超えた場合(ただし、レースディレクターがコースがウェットであると宣言した場合を除く)」の太字部分が適用された。
出典