志田 達哉(しだ たつや、1990年12月6日 - )は、日本棋院中部総本部所属の囲碁棋士。福井県あわら市出身。
主な実績に、2023年第6回SGW杯中庸戦優勝、名人戦リーグ2期、本因坊戦リーグ1期、第20期阿含・桐山杯準優勝、第65回NHK杯準優勝など。日本棋院初の1990年代生まれの入段者[1]。
小学1,2年生の頃に祖父から教わって囲碁を始めた[2]。1999年、金津町立金津東小学校3年時に第20回少年少女囲碁大会全国大会に進出したが、優勝する向井千瑛に初戦で当たり敗退[3]。2000年、同4年時の第21回大会では兆乾らを下し3位に入賞[4]。その後、日本棋院中部総本部の院生となる。
中学1年生の時に父とともに愛知県名古屋市に移住[2]。身の回りのことは父がこなし、志田は囲碁の研鑽に没頭した[2]。2005年、中部・関西合同リーグで1位となりプロ入りを決める[5]。2006年4月1日、15歳で入段。
入段翌年の2007年には、出場者中最年少でありながら第2回若鯉戦(当時は非公式戦)で優勝[6]。2009年には第36期天元戦で七大棋戦の本戦に初進出[7]、2010年にはNHK杯テレビ囲碁トーナメントに初出場。また、2009-2010年に中野杯U20選手権(非公式戦)で2年連続準優勝(いずれも決勝戦で村川大介に敗退)[8]。
2011年、公式戦となった第6回若鯉戦で決勝戦まで進出したが、内田修平七段に敗れ初タイトル獲得はならず[9]。また、第20期竜星戦でベスト8まで進出したほか[10]、第2回おかげ杯(非公式戦)でも準優勝[11]。
2013年には第20期阿含・桐山杯で黄翊祖八段・高尾紳路九段・一力遼三段に勝利し、一般棋戦での優勝まであと1勝としたが、決勝戦で村川大介七段に敗れ準優勝[12]。同年は賞金ランキングで初のトップ10入り。
その後も2014年の第39期新人王戦で準優勝(決勝戦で一力遼七段に1勝2敗)[13]、2015年の第10回若鯉戦で準優勝(決勝戦で寺山怜四段に敗退)[14]と、あと1勝が遠い戦いが続いた。2015年は第53期十段戦・第40期碁聖戦でともに本戦ベスト4まで進出[15][16]。
2016年も第54期十段戦でベスト4まで進出[17]。また、第41期棋聖戦Cリーグで5勝0敗となり挑戦者決定トーナメントに進出した[18]。2017年第42期棋聖戦Bリーグでも6勝1敗で1組1位となり(プレーオフは2組1位の余正麒七段に敗退)、Aリーグに昇格[19]。
2018年、第56期十段戦で挑戦者決定戦に進出したが、村川大介八段に敗れ初の挑戦手合進出はならなかった[20]。第65回NHK杯でも決勝戦まで進出したものの、井山裕太NHK杯選手権者に敗れ準優勝[21]。第43期棋聖戦Aリーグは志田を含む四者が5勝2敗で並んだが、序列により志田は4位(残留)[22]。
2019年、第75期本因坊戦最終予選で村松大樹六段・村川大介十段・本木克弥八段・黄翊祖八段に勝利し、自身初のリーグ入り[23]。本因坊リーグは3勝4敗で陥落したが、名人戦でも2021年に最終予選を制して第47期リーグ入りし、2022年8月、4勝4敗で残留に成功した[24]。また、2021年は4期ぶりにBリーグに降格して棋聖戦を戦ったが、5勝2敗で1組1位となり(プレーオフは2組1位の孫喆七段に敗退)、Aリーグに復帰[25]。
2023年の第48期名人戦リーグは3勝5敗で陥落[26]。しかしながら、第6回SGW杯中庸戦で吉川一四段・溝上知親九段・小県真樹九段・安達利昌七段に勝利し優勝[27]。2007年の若鯉戦以来となる棋戦優勝で、自身初タイトルを獲得した。