市ケ谷駅および市ヶ谷駅(いちがやえき)は、東京都千代田区・新宿区にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東京地下鉄(東京メトロ)・東京都交通局(都営地下鉄)の駅である。
JR東日本と東京メトロの駅は「市ケ谷」、都営地下鉄の駅は「市ヶ谷」と表記する。
所在地は、JR東日本が千代田区五番町、東京メトロが新宿区市谷田町一丁目、都営地下鉄が千代田区九段南四丁目である。
JR東日本の駅は千代田区最西端である。
JR東日本、東京メトロおよび都営地下鉄の計3社局が乗り入れ、接続駅となっている。南北線を挟んだ接続以外は容易に乗り換えられる。南北線とJR中央・総武線との乗り換えは、隣の飯田橋もしくは四ツ谷の方が便利。南北線と有楽町線の乗り換えは隣の飯田橋の方が便利である。
JR東日本の駅に乗り入れている路線は、線路名称上は中央本線であるが、当駅には緩行線を走る中央・総武線各駅停車のみが停車する。また、特定都区市内制度における「東京都区内」および「東京山手線内」に属しており、各路線ごとに駅番号が付与されている。
地下鉄は、有楽町線と南北線、新宿線の3路線が乗り入れており、各路線ごとに駅番号が付与されている。
当駅は3社局が乗り入れる駅であり、日本でも当駅だけの3社局全相互間の連絡改札口がある。東京メトロ⇔JR東日本間の連絡改札口はJR東日本の管理、都営地下鉄⇔東京メトロ・JR東日本間の連絡改札口は都営地下鉄の管理である。いずれも乗り継ぎ自動精算機が設置されている。
連絡改札自動化の実験として、2枚連続投入式(重ねて同時に投入するのではなく1枚ずつ続けて投入)の改札機の実用試験がJR東日本によって行われ、そのまま本採用となった(のちに更新されている)。また、東京都交通局 - 東京メトロ間の連絡改札口に自動乗り継ぎ精算機が設置されたのは当駅が最初である(1993年5月9日に設置)[16]。
2013年3月16日より、都営地下鉄⇔東京メトロ間の連絡改札口を経由して相手方の駅構内を通過できる、駅構内通過サービスが導入された[報道 5]。
島式ホーム1面2線を持つ地上駅で、橋上駅舎を有している。出口は新宿寄りに1か所ある。他に地下鉄各線への乗り換え口がある。
当駅は運賃計算において東京山手線内の駅であるが、山手線電車の停車駅である神田駅(キロ程4.5 km)・秋葉原駅(4.1 km)・代々木駅(3.8 km)のほぼ中間に所在する。
ホームは外濠の真横にあり、外濠には釣り堀もある。とくに桜が満開となる時期の景観は美しい。
直営駅である。管理駅でもあるが、当駅は自駅のみの単駅管理となっている。
2010年に安全対策として床を防滑素材に張り替える際、近辺にある日本棋院の提案を受け、長生を題材としたモザイクアートを設置した[17]。
(出典:JR東日本:駅構内図)
有楽町線、南北線それぞれに島式ホーム1面2線を有する地下駅で、有楽町線のホームには可動式ホーム柵が、南北線のホームにはフルスクリーンタイプのホームドアが設置されている。構内に南北線 - 有楽町線間の連絡線が存在し[19][20]、南北線および乗り入れ先の埼玉高速鉄道の車両が、検査で綾瀬工場などへ回送される際に使用される。なお、当該連絡線設置に伴い2番線の停止位置目標は麹町側に移動した。
有楽町線の池袋方向に留置線(旧・二代目飯田橋検車区)があり[19]、2008年6月14日のダイヤ改正以前に設定されていた当駅始発・終着の列車が使用していた。現在は終電後に池袋駅から回送される1編成が夜間留置を行い、翌朝初電の当駅始発和光市行に使用される。
南北線側には有楽町線への連絡線部分に、入出庫用の引き上げ線1線と南北線用の留置線が4線あり[20][19]、収容力が小さく5編成しか留置できない王子検車区を補完している(市ケ谷留置線)[11]。市ケ谷留置線の線路自体は5線あるが、1線は器材線(保線車両留置用・延長128 m)である[21]。また、四ツ谷駅寄りの本線上に両渡り線があるが、四ツ谷駅 - 溜池山王駅間の延伸開業までは折り返しを当箇所で行なっており、当駅 - 四ツ谷駅間は単線並列運転を行っていた[22][11]。
南北線の駅構築は市ケ谷留置線との一体構築となっている[20]。南北線開業時には、7番出入口の新設と新宿区提供の保険会館新館・国井記念館敷地内にエレベーター出入口の新設が行われたほか、既設の有楽町線5・6番出入口を南北線との共用に改造した[20]。南北線ホームのエレベーターはホームの四ツ谷側端部に設置されている。6両編成の停車しない位置にあるため、8両化対応工事が実施されるまでは、ホームの未供用部分の一部に最低限の整備を施し通路として暫定供用していた。2021年10月に四ツ谷方階段の増設工事が完了し、同時にホームとしての全面供用も開始された。
有楽町線ホームと南北線ホームを結ぶ連絡通路には、JR中央線と都営新宿線の乗り換え口側に動く歩道が設置されている[11]。
南北線のコンコース中央には江戸城外濠跡の石垣や江戸期古地図、遺跡展示コーナーなどからなる「江戸歴史散歩コーナー」が設置されている[23][10]。
(出典:東京メトロ:構内図)
全ホームでスイッチ制作の発車メロディ(発車サイン音)を使用している[25][26]。
なお、南北線ホームでは当初、吉村弘作曲の同線全駅共通のメロディを使用していた。
相対式ホーム2面2線を有する地下駅。一部の駅名標の下部には大妻女子大学前の表示がある[注釈 1]。
改札は地下1階、ホームは地下2階にある。本八幡寄りに片渡り線があるが、非常時の折り返し運転用であり、通常の営業用としては使われていない[27]。ただし、2008年に運転された臨時列車「都営新宿線開業30周年」号では、実際に当駅で折り返し運転をする際に使用された。
都庁前駅務管区市ヶ谷駅務区の所在駅であり、新宿線の新宿駅(新線新宿駅) - 岩本町駅間の各駅を管理している[28][注釈 2](ただし新宿駅(新線新宿駅)は京王電鉄の管轄)。
(出典:都営地下鉄:構内図)
各年度の1日平均乗降人員数は下表の通り(JRを除く)。
各年度の1日平均乗車人員数は下表の通り。
周辺は、学校やオフィスビルが多く立地する。周辺には番町、麹町、九段、市谷などの地区がある。
最寄りのバス停留所は「市ヶ谷駅前」である。